交代性脚ブロックの1 例を経験したのでヒス束心電図所見を中心に報告する.71歳女,主訴は失神発作.心電図所見:1)1:1房室伝導,右脚ブロック,PQ 0.18秒,2)2:1房室伝導,右脚ブロック,PQ 0.18秒の時と0.29秒の時の2通り,3)2:1房室伝導,左脚ブロック,PQ 0.18秒,4)完全房室ブロック,左脚ブロック型心室補充収縮(33/分)の他,5)2:1房室伝導で右脚ブロック,左脚ブロック,補充収縮が交代性に出現する記録も認めた.その際,右脚ブロック心拍はPQ 0.25秒,左脚ブロック心拍はPQ 0.19秒であった.ヒス束心電図所見:2:1房室伝導,左脚ブロックの時,PA20,AH100,HV70msecでHVブロックであった.2:1房室伝導,右脚ブロックの時,PA20,AH100,HV130msecでHVブロックであった.交代性脚ブロックの時,右脚ブロック心拍はPA20,AH100,HV70msecで,左脚ブロック心拍はPA20,AHI00,HV130msecでHVブロックであった.以上よりブロック部位局在につき考察した.
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