心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
16 巻, 1 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
  • 北村 和夫
    1984 年 16 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 発作性上室性頻拍症についての検討
    北村 誠, 渡辺 都美, 落合 正和, 仁木 俊平, 西田 和夫, 山田 千尋, 河野 義雄, 古川 啓三, 勝目 紘, 伊地知 浜夫
    1984 年 16 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    ヒトの房室結節におよぼす体位変換の影響についての電気生理学的検討は少ない. 今回, 典型的な発作性上室性頻拍症6症例(うち房室結節リエントリー性頻拍5例)につき, 仰臥位と45度Head up Tilt位において洞周期, AH時間および房室結節の不応期を測定し, 比較検討した結果, 房室伝導曲線の偏位および echo zoneの出没を認めたので報告する. 仰臥位より Tilt位へ体位変換すると洞周期, AH時間, 房室結節の機能的および有効不応期は有意に短縮した. 仰臥位で発作性上室性頻拍症の誘発不能な3例は, Tilt位負荷のみで, dual pathwayが顕性化し同時に echo zoneも出現し, reentryを証明し得た. 1例Tilt位に体位変換後, gap現象を伴った dual pathwayが顕性化された. すなわち体位変換は房室結節に機能的変化を持たらし, 発作性上室性頻拍症の発生に大きく関与することが判明した.
  • 木藤 信之, 袖山 淳子, 西 猛, 宮沢 要一朗, 宝田 正志, 大川 恭矩, 赤坂 忠義, 須藤 憲一, 長田 信洋, 伊藤 健二
    1984 年 16 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大動脈縮窄複合の乳児2症例に, Gruntzigカテーテル(バルーン径3.0mm,5気圧) でCoAの拡大術を行った. 症例1は, 平均圧での CoAの圧差は 16mmHgから 9mmHgに下降し, CoAの径は2倍に拡大した. 症例2は, 収縮期圧での CoAの圧差は 18mmHgから 5mmHgに下降し, CoAの径は 1.2倍に拡大した. しかしながら臨床的には症状の改善は顕著でなかった. 2例とも拡大術後に VSD閉鎖術を行った. 大動脈縮窄に対するバルーン拡大術は, 1979年, Sosらの剖検標本に対する拡大術に始まり, Lockらの動物実験や, 臨床応用が行われるようになった. バルーン拡大術を行うにあたっては, 造影によりCoAの形態を検討し, 適応を決定する必要がある. バルーン径は CoA径の 2.5倍位が適当であり, 拡大圧は少なくとも5気圧が必要である. 外科的治療と比較してその有用性を評価するために, 今後も多くの症例を経験する必要があると思われる.
  • 心室細動を呈した乳児4 例について
    小池 一行, 永沼 万寿喜, 吉武 克宏, 秦 順一, 清水 興一, 森川 征彦, 内藤 達男, 河野 寿夫, 岡田 了三
    1984 年 16 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    乳児期早期に, 多彩な心室期外収縮や心室内刺激伝導障害を呈し, 心室細動を反復して死亡した3例と, 同様の心電図所見を示しながら恒久的ペーシングにより救命され, 2年後に治癒したと思われた1例の計4例について, 臨床経過,心電図所見および刺激伝導系の病理所見について検討した. その結果, 心電図所見と病理組織上の刺激伝導系の病変とは, ある程度の対応も考えられた. つまり,4例を, 心室細動発生までの経過からみて, 期外収縮主導型, 徐脈主導型ないし中間型に分類できたが, 期外収縮主導型の1例では, 心筋内多発小壊死巣を, 中間型の2例では, 心室内刺激伝導系の間質浮腫と細胞脱落を主として認めた. そこで,心室細動の誘因としての刺激伝導障害の意義とその治療法としての心室ペーシングの有用性とについても考察した.
  • 入沢 敬夫, 鷲尾 正彦, 関野 美仁, 鈴木 康之, 堀内 藤吾, 伊藤 伊一郎, 新津 勝宏, 高野 光太郎, 星野 俊一, 秋場 伴晴 ...
    1984 年 16 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    東北6県の13施設で経験した16歳未満の先天性MR(単純な合併心奇形を含む)143例について外科治療の面から検討した. 非手術の 58例(40.5%) では孤立性MRは66%で,Sellers II度以下例が85%を占めた. 心不全は12%に存在し, うち2例(3.4%)が死亡した. 合併心奇形のみ手術の41例(28.7%)では心不全は56%に認められたが, Sellers II度以下例は73%であった. VSD22例, ASD 9例,PDA 9例,AS 1例に修復術が行われ, 手術死亡は1例(2.4%)であった. 3例にはMRに対し再手術が行われた. 僧帽弁形成術の26例(18.2%)では心奇形は69%に, 心不全は65%に認められ, Sellers III度以上例は73%を占めた. 弁輪拡大(53.8%), 弁尖亀裂(26.9%)などに対し, 弁輪縫縮術21例, 亀裂の縫合5例が行われた. 手術死亡は1例(3.8%), 遠隔死亡は2例(7.6%)であった. 僧帽弁置換術の18例(12.6%)ではSellers III度以上例は94%で, 心不全は78%に発生した. 弁輪拡大(50%), 弁尖退縮(27.8%)などに対し, 19-27mmの機械弁11例, 生体弁7例が移植された. 手術死亡は1例(5.5%), 遠隔死亡は4例(再手術死亡3例)(22%)であった.
  • 能沢 孝, 杉本 恒明, 浦岡 忠夫, 余川 茂, 井内 和幸, 秋山 眞, 神保 正樹, 吉田 繁樹, 藤沢 貞志
    1984 年 16 巻 1 号 p. 34-37
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    僧帽弁輪石灰化MACの臨床的意義, ことに不整脈との関連について連続 2,412例のMモード心エコー図で検討した. MACは40例(1.7%)で検出された. 年齢は36-86歳. MAC例の心電図所見は, 心房細動10例, 洞不全症候群4例, 1度房室ブロック5例, 完全房室ブロック3例であった. また, 心室内伝導障害6例, 上室性期外収縮3例, 心室性期外収期5例をみた. 2,412例中洞不全症候群は34例, 完全房室ブロックは5例であったが, MACはそれぞれ 11.8%,60.0% に検出された. 永久ペースメーカー植込みを行った症例は洞不全症候群11例, 房室ブロック9例で, そのうちMACはそれぞれ 27.2%, 33.3%であった. MACの検出された40例の臨床診断は, 不整脈26例, 虚血性疾患10例, 高血圧7例, 糖尿病7例, うっ血性心不全5例, 慢性腎不全3例, 心臓弁膜症3例であった. MACは不整脈, ことに伝導障害を合併する頻度が高く, 留意すべきことと思われた.
  • 壁在血栓と粘液腫のCT所見を中心として
    本郷 実, 雨宮 浩, 山田 博美, 松岡 健, 大久保 信一, 草間 昌三, 森本 雅己, 井之川 孝一
    1984 年 16 巻 1 号 p. 38-47
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    第3世代のCTを用いて, 僧帽弁狭窄症を主体とする僧帽弁膜症にみられた左房内壁在血栓と左房粘液腫のCT所見を対比検討した. 壁在血栓の場合, 僧帽弁の石灰化を認め, 内部構造が不均一で石灰化を示す例もみられ, 形も不規則であるのに対し, 粘液腫では, 僧帽弁の石灰化はなく, 内部構造は比較的均一で卵形を呈していた. さらに, 心電図同期法により, 拡張期に左室へ逸脱し, 収縮期に左房内へ戻る比較的規則正しい腫瘍の振り子様運動が観察された. CT値は一般に血栓に比して低値を示す傾向がみられた. したがって, 両者の診断には形態, 内部構造, CT値,動態, および僧帽弁の石灰化の有無に注目することが重要であり, これらの所見の総合的評価によって鑑別が可能と考えられる. また, 冠状動脈造影で特に左心耳に hypervascularityの検出された僧帽弁膜症では, 血栓の有無を確認するため, 積極的にCTを施行し, 手術所見と対比検討すべきと考えられる.
  • 単純盲検法による1週間休薬効果の多施設判定
    桜井 恒太郎, 河合 忠一, 屋藤 慶三, 木之下 正彦, 鹿野 昌彦, 佐々 寛己, 檜垣 進, 中村 仁, 石井 正徳, 小川 剛
    1984 年 16 巻 1 号 p. 48-53
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    塩酸プラゾシンの慢性効果を調べる目的で33例の慢性左心不全患者に1日1.5-12mgを4週間以上投与した後, 1週間の間不活性偽薬に置換しその前後での運動耐容能を測定する単純盲検試験を延べ38回施行した. 偽薬投与後には安静時の肺活量が低下し, 運動耐容時間も減少したほか約 1/3に臨床的悪化が認められプラゾシンの効果が持続していることが証明された. 1週間の休薬による判定法は慢性心不全の薬効の判断に有効である.
  • 正津 晃, 川田 志明, 小出 司郎策, 福田 崇典, 仲村 準, 木下 栄治, 栗林 幸夫, 大滝 誠
    1984 年 16 巻 1 号 p. 54-58
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    57歳, 女性. 右室圧 129/2mmHgの純型右室漏斗部狭窄症の診断で手術したところ, 狭窄近位部に最近自然閉鎖したと思われる心室中隔欠損孔を見出した. 心電図, 肺動脈の太さ, 左室造影所見から, 本例はもともと中等大の心室中隔欠損であり, 二次的に右室漏斗部狭窄を生じ, 欠損孔は自然閉鎖の過程をとり, 最終像は純型漏斗部狭窄症と同じになったと考えられる.
  • 内藤 秀敏, 河野 通裕, 三好 明, 中司 昌美, 油木 賢一, 松尾 敏和, 山田 裕篤
    1984 年 16 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    動悸を主訴に来院し胸写にて左下肺に多発性肺嚢胞,気管支拡張症の所見を認め, 心電図にて心室性期外収縮の多発が認められた44歳の男性で心室性期外収縮の原因精査のため心臓カテーテル検査を実施し, 冠動脈造影に左回旋枝より左下肺に向かう異常走向の血管を認め, 気管支動脈造影にてその血管と気管支動脈との吻合の所見を確認し, 冠動脈-気管支動脈吻合症と診断した症例を経験した. この症例においては冠動脈から気管支動脈への steal現象により心筋の局所の虚血が生じ心室性期外収縮の発生の原因となっていると考えられた. 現在キニジンとβブロッカーにて経過観察中であるが, いずれは吻合枝の結紮術が必要であろうと考えられた.
  • 吉野 文雄, 小川 宏, 森谷 浩四郎, 三浦 俊郎, 河野 通裕, 藤井 崇史, 片山 和裕, 高橋 徹郎, 塔間 陽一, 阿武 義人, ...
    1984 年 16 巻 1 号 p. 65-71
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    右室二腔症に合併する心奇形としては, 心室中隔欠損症,右室流出路狭窄症等があげられるが, 今回われわれは冠状動脈に三枝病変を有する右室二腔症を経験したので, 文献的考察とあわせて報告する. 症例48歳男性で, 幼少時より心雑音を指摘されていたが, 特に自覚症状はなかった. 40歳頃より仕事後の疲労感を強く自覚するようになり, 48歳のとき, 胸部絞扼感が出現, 近医にて心内膜下梗塞および心室中隔欠損症と診断され, 精査のため当科へ入院となった. 心カテーテル検査にて右室二腔症, 心室中隔欠損症, 右室流出路狭窄症, 大動脈弁閉鎖不全症と診断され, 冠状動脈造影では, 右冠状動脈に 100%, 左冠状動脈前下行枝に 90%, 回旋枝に50%の狭窄を有する三枝病変であった.
  • とくに両心機能の改善度について
    土田 昌一, 松川 哲之助, 飯塚 亮, 山崎 芳彦, 大和 靖, 江口 昭治, 坂下 勲, 永井 恒雄
    1984 年 16 巻 1 号 p. 72-78
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    総肺静脈還流異常症は, チアノーゼ性先天性心疾患の中でも生後早期より呼吸不全,右心不全症状を呈し1歳未満の自然死亡率は80%以上と高く, まして20年以上の生存例は 1-4 % にすぎないといわれている. われわれは最近 Darling Ia型の2成人例に, Gersony-Malm法に準じ根治手術を施行し良好な結果を得た. 手術前後の心エコー図を検討し, 右心系容量負荷を特徴とする心房中隔欠損症の年長者例と同様に右室, 左室の Dimensionが術後早期にほぼ正常化していることをみとめた. 両症例は, 現在元気に日常生活をおくっており, 本症の予後,手術成績を左右する因子, 自然歴における生存条件について若干の文献的考察を加え報告した. 51歳の症例は, 本邦における手術例の最高年齢と考えられる.
  • 本田 俊雄, 風谷 幸男, 大門 史佳, 越智 隆明, 浜田 希臣, 伊藤 武俊, 吉田 紀子, 水野 裕雄, 国府 達郎
    1984 年 16 巻 1 号 p. 79-84
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    右主冠状動脈起始異常は比較的稀な疾患であるが, 近年, 心臓血管撮影および冠状動脈撮影法の普及により発見される機会が多くなっている. われわれは, 労作時呼吸困難, 胸部圧迫感, 眩暈を主症状とする肥大型心筋患者に右冠状動脈起始異常が合併している症例を経験した. 本例の右冠状動脈は左バルサルバ洞上縁より約 1.2cm上方の上行大動脈より起始していた. 本例に認められた起始異常はきわめて稀であり, 文献上, 他に1例をみるのみである. 肥大型心筋症と右冠状動脈起始異常との因果関係は今回の1例のみでは明らかにできない. 本例の症状は肥大型心筋症によるものと考えられたが, 右冠状動脈起始異常の影響も無視できないものと思われた.
  • 浜重 直久, 土居 義典, 米沢 嘉啓, 依岡 秀典, 江渕 喜徳, 楠目 修, 小沢 利男
    1984 年 16 巻 1 号 p. 85-90
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は64歳男性, 主訴は呼吸困難. 3年前に呼吸困難のため他院に入院し, 心電図所見より心筋梗塞に伴う心不全と診断された. また, 一過性洞停止のためペースメーカー治療もうけている. 入院2ヵ月前からの呼吸困難の増強のため当科に入院した. 胸部X線上, CTR64%で肺うっ血像を示し, 心電図では, I度房室ブロック, 完全右脚ブロック, 右房負荷所見とともに, I・aVL・V5-6の異常Q波と軽度ST上昇・II・III・aVF・V1-6の陰性T波がみられた. 心エコー検査では,左房・左室の拡大と diffuse hypokinesisを示し, 心筋シンチでは, 不規則で広範な欠損像をみとめた. 左室造影では, diffuse hypokinesisとapical akinesisを示し駆出率は19%であった. 冠動脈造影では, 対角枝に50%狭窄を示す以外著変なく, 拡張型心筋症と診断した. 年齢・心電図所見・心筋シンチ所見などから, 虚血性心疾患との鑑別が困難な1例であった.
  • 斎藤 浩
    1984 年 16 巻 1 号 p. 91-100
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は79歳女性. 主訴はめまいと眼前暗黒感. 体表心電図では右脚ブロックを伴った第2度房室ブロックを示した. His束心電図で Split H電位(H,H')が記録され, H-H'時間が 40msecから 70msecへと延長し H-H'間でブロックされる 3:2 His束内 Wenckebach現象と, H-H'時間が 40msecで一定のMobitz II型 His束内ブロックが記録された. His束内伝導は, アジマリン, アトロピン, 右房ペーシングにより悪化した. また, QRS波形は, 右脚ブロック型(完全, 不完全), 左脚ブロック型, 正常型と多様に変化したが, His束ペーシングにより正常 QRS波形となり, SV時間は H'V時間と等しかった. 第2度房室ブロックに脚ブロックを伴う場合は, His内伝導障害に基づく心室興奮パターンの変化, すなわち His束内の機能的縦解離現象を考慮する必要があり, 病巣の拡がりや予後を知る上で His束心電図による確認と His束ペーシング施行が大切である.
  • 尾上 守夫
    1984 年 16 巻 1 号 p. 103-113
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 桑原 道義, 英保 茂
    1984 年 16 巻 1 号 p. 114-118
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 佐久間 貞行
    1984 年 16 巻 1 号 p. 119-124
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 増田 善昭, 吉田 勝哉, 稲垣 義明, 舘野 之男, 宍戸 文男
    1984 年 16 巻 1 号 p. 125-126
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • その理解のための基礎
    今井 昭一
    1984 年 16 巻 1 号 p. 127-134
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
feedback
Top