心臓
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19 巻, 1 号
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  • Verapamilとryanodineの効果
    瀬口 正史, J. M. Jarmakani
    1987 年 19 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    カルシウム拮抗剤のverapamilと,心筋小胞体からのCa2+放出を抑制するryanodineとを用いて,胎仔および新生仔の家兎と,成獣の家兎の摘出心に対する張力の変化を調べた.verapamilは,新生仔の張力を成獣よりも強く抑制した.また,ryanodineにより成獣,新生仔,胎仔の順で張力は抑制された.これらより,胎仔,新生仔の心筋は筋小胞体の発育が悪く,slow inward currentからのCa2+が心筋収縮に大切であり,成獣では筋小胞体からのCa2+に依存していることが考えられた.
  • 小松 恒弘, 高橋 徹, 田所 正路, 堀内 藤吾
    1987 年 19 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    従来, 心刺激伝導系の形態学的研究には連続切片からの再構成が行われてきたが, 対象とすべき領域が広いため, 伝導系の全貌を幾何学的に正確な3次元画像に表示することは困難であった.われわれは組織学的研究のための汎用コンピューター画像処理システムを開発し, 房室伝導系の3次元再構成に応用した.
    正常・偽性総動脈幹および左心低形成症候群の計3例の新生児剖検心より, 下位心房中隔および心室中隔を1ブロックとして切り出し, セロイジン・パラフィン包埋後, 厚さ4μmで薄切, 20枚おきにElastica-Goldner染色を行った.これを顕微投影装置を用いて10倍に拡大し, 伝導系および心房・心室壁の輪郭を描きとり, これらの輪郭をディジタイザーから連続画像としてコンピューターに入力した.3次元像はカラーディスプレイ上に構成されるが, X・Y・Z軸のおのおのを中心とした任意の回転角を与えた像を構成することができる.
    以上により, 房室結節の位置および形態, 房室束・右脚の走行, 左脚の分布様式など, 広範囲の伝導系の3次元的形態を把握することができた.本法は心刺激伝導系研究の有力な一手段となるものと考えられた.
  • 一二三 宣秀, 三船 順一郎, 村上 達明, 佐々木 文彦, 佐々木 浩三, 藤村 政樹, 高橋 美文, 多賀 邦章, 田中 孝, 成瀬 光 ...
    1987 年 19 巻 1 号 p. 18-25
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心房筋細胞に由来する心房性ナトリウム利尿因子(ANF)は強力なナトリウム利尿,血管拡張作用を有し,循環器系疾患をはじめ種々の病態で異常を呈することが明らかにされてきた.著者らは心不全におけるANFの動態とこれに関連する因子を知る目的で以下の検討を行った.入院中の心不全患者46名,心不全のない正常血圧者14名を対象にANFを測定し,臨床所見との関係について検討した.一部の例では右心カテーテル検査,循環血液量測定をし,非心不全例でデキストラン負荷によるANFの変化を観察した.心不全では全例でANFは著しく高値を示したが,左心不全ではNYHA分類で重症度が進むほどANFも高値であった.左,右心不全では心拍数とANFが正相関を示した.全身血圧,レニン,アルドステロンとANFの間には一定の傾向は認めなかった.胸部X線上の心胸郭比とANFは左,右心不全ともに正相関を示し,左心不全ではANFと肺動脈梗入圧が正の,心係数とは負の相関を示した.左心不全の基礎疾患別にみたANFに特定の傾向はなく,心不全軽快例ではANFも著名に低下した.心不全例では循環血液量の増加があり,非心不全例に急速容量負荷を行うとANFの増加反応が観察された.以上のことから心不全におけるANF増加に関与する因子としては心容積の増大,体液量の増加,心房負荷,心機能の低下,頻脈が考えられた.
  • Dobutamineにおける検討
    三船 順一郎, 高橋 美文, 多賀 邦章, 一二三 宣秀, 佐々木 浩三, 佐々木 文彦, 村上 達明, 田中 孝
    1987 年 19 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    一般にカテコールアミン系の交感神経作用剤は経口投与を行っても薬理効果は発揮しないと信じられている.このためdobutamineも経口投与ができないとされ,本剤の使用上大きな制約になっていた.著者らは従来の考え方に疑問を持ち,dobutamine経口投与の有用性を示す目的で重症心不全患者にdobutamine200~300mgを経口投与し,血行力学的効果を検討するとともにdobutamine未変化体血中濃度を測定した.
    心係数は,dobutamine経口投与30分後より増加を認め,2時間後ピークに達し平均34%増加した.血行力学的効果は4時間後まで認めた.経口投与2時間後の時点において,心拍数は12%増加し,左室充満圧,右房圧はそれぞれ8%,29%低下した.Dobutamine末変化体血中濃度は,1時間後ピークに達し平均116ng/mlまで上昇,3~4μg/kg/min点滴静注における血中濃度60ng/mlより高い値を示した.
    以上より,dobutamineは経口投与によっても点滴静注と同様な薬理作用を発揮し得ることは明らかである.今後は,dobutamineを含めカテコールアミン系薬剤の一部は,経口投与が可能であるとの認識が必要となろう.
  • 左冠動脈血行再建の効果と心筋梗塞既往の影響について
    井上 紀雄, 数井 暉, 泉山 修, 山田 修, 佐々木 孝, 小松 作蔵
    1987 年 19 巻 1 号 p. 34-42
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    A-C バイパス衛における左冠動脈血行再建の成否および心筋梗塞の既往が及ぼす影響を術前後のペーシング負荷による冠血流量,左心機能および心筋代謝の反応性より検討した.
    左冠動脈血行再建成功群(1群)ではペーシング負荷時のCSFの増加率△%CSFは術前35.0±3.7%から術後57.1±3.8%と有意(p<O.O1)に増加し,△%MVO2は術前25.7±44.0%から術後45.7±4.8%と有意(p<0.05)に増加し,△%LVWIは術前18.3±3.8%から術後35.0±5.2%と有意(p<0.01)に増加した.左冠動脈血行再建不成功群(II群)では△%CSFは術前21.5±7.9%から術後20.1±7.6%と減少し,△%MVO2は術前23.9±2.5から術後38.7±8.6%と有意差なく,△%LVWIは術前17.2±4.1%から術後29.2±2.4%と有意(p<0.05)に増加した.I群,II群の術前および術後の△%MVO2と△%CSF,△%LVWIと△%MVO2との間にはそれぞれ有意の相関関係が認められた.以上により,A-C バイパスによる左冠動脈血行再建の成功は,ペーシング負荷時の冠血流量増加,左室心筋酸素消費量の増大をもたらし,左心機能の改善をもたらすことが示唆された.
    I群を心筋梗塞,既往の有無で分類すると,非梗塞群では△%CSFおよび△%MVO2は術後有意に増加するが,一方梗塞群では△%CSFは術後有意に増加するものの,△%MVO2は術前後で有意差はなかった.梗塞部位へのバイパスにより冠血流量は増加するが,虚血部位のviableな心筋に十分酸素が供給されているか否かについてはさらに検討が必要である.
  • 清水 昭彦, 大江 透, 鎌倉 史郎, 松久 茂久雄, 下村 克朗
    1987 年 19 巻 1 号 p. 43-53
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    今回,われわれは,incessant formの房室回帰性頻拍を呈したまれなWPW疲候群の3例を経験した.3例とも従来の報告にあるように若年(症例1 22歳,疲例2 17歳,症例3 19歳)であった.頻拍は房室結節を順向性に副伝導路を逆行性に回旋する房室回帰性頻拍であった.頻拍は3例とも洞調律より発生し短時間に頻拍の出没を繰り返すのを特徴とした.また頻拍はPR(あるいはAH)時間の延長を認めることなく先行の洞調律周期の短縮に伴って発生していた.これはreentry発生のlimiting factorとなっていた回路内の不応期の短縮によると思われるが,concealed conductionの関与も否定できず詳細な機序は不明であった.3例の電気生理学的特徴は,(1)症例1・3は潜在性WPW症候群,症例2はごくまれにしかデルタ波が出現しない間歌性WPW症候群であった.(2)副伝導路の位置が中隔(症例1・3)右房低位(症例2)と洞結節に比較的近かった.(3)洞調律時に症例2は完全右脚ブロックを,症例3は一度の房室ブロックを呈した.停止に関して,症例1はVAブロックで停止していた.これは頻拍周期附近での室房伝導が不安定であるためと臨床電気生理学的検査の結果証明された.症例2・3はともにAHブロックで停止し,これには自律神経の房室結節に対する関与が推測された.治療は3例とも難治性で症例1・2には副伝導路切断術を施行した.
  • 中津 忠則, 吉田 哲也, 林 弘治, 坂東 正章, 中井 義廣, 片岡 善彦
    1987 年 19 巻 1 号 p. 54-59
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    三尖弁閉鎖症(TA)において発達した右室を伴うことは非常にまれであり,unusual type TAと呼ばれ文献的に4症例認められているのみである.著者らは臨床的に診断した同様の病型の新生児例を経験したので報告する.
    症例は日齢15の男児で,主訴はチアノーゼおよび哺乳力不良である.心電図はTAには少ない右室肥大所見を示したが,心エコー図および心血管造影により右室の発達したTA,すなわちunusula typeTA[S,D,DT]でstraddling mitral valveおよび肺動脈閉鎖症の合併例と診断した.
    TA,straddling MVの診断にはMモードおよび断層心エコー図が非常に有用であった.患児は徐々に多血症および心電図における右房,右室負荷所見が進行し,6カ月時にWaterstonのshuntを施行した.
  • 原因としての単一遺伝子異常の可能性について
    園田 徹, 大堂 庄三, 松岡 裕二, 先成 英一, 大庭 健一, 早川 国男
    1987 年 19 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    2世代にわたり,肺動脈弁狭窄がみられた1家系を報告する.肺動脈弁狭窄は発端者,発端者の兄,姉および父親にみられた.
    発端者の両親には血縁関係はなかったが,父方の祖父母はいとこ結婚であった.父方のおじとおばは乳児期早期に死亡したが,死亡原因の詳細は不明である.
    発端者および兄,姉を妊娠中に,母親は,風疹などの感染や薬物,催奇形物質の摂取の既往はない.Noonan症候群をはじめとする遺伝子病や染色体異常,既知の症候群を示唆するような症候を示すものは,家系内には見出せなかった.
    発端者は,心不全のために生後1歳6カ月時に死亡した.剖検では,肺動脈弁狭窄,末梢肺動脈狭窄とそれによる二次的な三尖弁閉鎖不全,右室肥大を認めたが,その他の内部異常は認められなかった.
  • 中川 博昭, 平田 正弘, 村頭 智, 海老沢 哲也, 盛川 洋一, 窪田 靖志, 稲垣 末次, 辻 光, 北村 浩一, 杉原 洋樹, 古川 ...
    1987 年 19 巻 1 号 p. 65-71
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    冠動脈-気管支動脈吻合を合併した狭心症の2症例を経験した.いずれの症例も,チアノーゼ性心疾患,慢性閉塞性肺疾患,肺血管障害など肺血流減少を来す基礎疾患は伴わない.第1例は,異型狭心症,第2例は労作性狭心症に本吻合を合併したもので,両例とも心内側副血行路の発達は伴わなかった.従来,虚血性心疾患に合併した冠動脈-気管支動脈吻合は,心外よりの側副血行路として機能するとする報告が多いが,今回の2症例においては,その可能性は小さく,偶然の合併例も存在するものと考えられた.
  • 東山 明弘, 三国谷 淳, 菊池 文孝, 陳 国治, 宮重 希典, 高 明休, 金沢 武道, 小野寺 庚午, 成田 竹雄, 高橋 修一, 大 ...
    1987 年 19 巻 1 号 p. 72-80
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    β遮断剤の投与により狭心発作の増悪がみられ, 運動耐容量が低下した労作兼安静狭心症の1例を報告する. 症例は39歳の男性. 当科入院9年前から朝の出勤途中に前胸部圧迫感を自覚していた. 昭和59年8月, 胸痛発作の増強により精査のため当科へ紹介された. 当科入院後の冠動脈造影検査で, 左冠動脈主幹部に50%, 左回旋枝に75%, 右冠動脈に90%の冠動脈狭窄がみられ, 心房ペーシング負荷により狭心発作が誘発された. A-Cバイパス手術の適応と考え, 早急な手術施行をすすめたが拒否された. 内科的治療管理のための本症例にβ遮断剤であるmetoprololを投与したところ, 軽労作時ならびに安静時に前胸部圧迫感を自覚するようになり, 虚血性心電図変化とともに運動耐容量の低下が確認された.β遮断剤は抗狭心症薬として汎用されている薬剤である. しかし, 重症多枝病変を有し冠動脈攣縮も心筋虚血の原因になっている例では逆に狭心症を悪化させる危険性がある. かかる場合にはCa++拮抗剤や亜硝酸剤を第一選択として用いるべきであり, β遮断剤を単独で投与するべきではないと考えられる.
  • 同法施行部位の病理組織学的検討
    森本 紳一郎, 本多 忠光, 梶田 昭, 高橋 弥生, 鈴木 紳, 遠藤 真弘
    1987 年 19 巻 1 号 p. 81-88
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    経皮的冠状動脈拡大術(PTCA)の施行例は増加しつつあるが,本法施行後の冠状動脈の病理組織学的検討は,まだ内外においてもきわめて少ない.そこでPTCA施行後,剖検が行われた症例の同法施行部を含む冠状動脈区間について,段階的連続切片標本1,350枚を作製し,組織学的に検討を行ったので報告する.症例は40歳男性.冠状動脈造影によって,左回旋枝13番に90%の分節状の狭窄が認められ,PTCAが施行された.同法施行中に左冠状動脈5,6番に急激な閉塞をきたし,大動脈一冠状動脈バイパス術を施したが,急性前壁心筋梗塞の状態で死亡した.剖検によって左冠状動脈5,6番に,中膜の解離が約4cmにわたってみられ,その解離膣への出血のため内腔が圧迫され閉塞していた.この解離のみられた冠状動脈壁の内膜から中膜にかけて,幅0.1~0.2mmの亀裂が1カ所に観察され,本病変についてはガイドワイヤーによる影響が考慮された.一方本法施行部の左回旋枝13番では,中膜の解離と内膜の亀裂がいたるところで連続して認められた.この中膜の解離は,部位によっては冠状動脈の外周の約50%にも及んでおり,これによって形成された偽腔の壁はほぼ外膜のみの部分も存在した.また内膜の亀裂部では,すでに新鮮な血栓の形成が認められた.なお従来より,PTCAによる冠状動脈の口径'の拡大機序として考えられていた粥腫の圧縮像は観察されなかった.
  • 松永 康弘, 岩 喬, 三崎 拓郎, 麻柄 達夫, 向井 恵一, 市橋 匠, 牧野 哲也, 品川 誠, 向 歩, 坪田 誠
    1987 年 19 巻 1 号 p. 89-96
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    異所性心房性頻拍3症例に対して外科治療を施行し,根治し得たので報告する.3例は2~7年間持続性の頻拍を持っており薬物療法,直流通電も効果がなく,2例では心不全を合併していた.術前検査として心電図,体表面電位図,電気生理学検査,カテーテル心内膜マッピング,術中検査として心外膜マッピング,paced mappingを施行していずれも異所性中枢による心房性頻拍と診断した.異所性中枢は2例で左心房,1例で右心房に存在した.人工心肺の使用なしに最早期興奮部位の切除,凍結凝固を行ったところ頻拍は消失し,薬剤非使用下でまったく再発をみていない.1例では,術中頻拍が消失し誘発不能であったためpeced mappingにて異所性中枢部を決定した.異所性心房性頻拍へのわれわれの手術法は人工心肺を使用せず極めて安全かつ確実な治療法であると考えられた.
  • 安藤 充利, 渋谷 和俊, 跡部 俊彦, 浅地 聡, 高橋 啓, 直江 史郎, 岩崎 泰雄
    1987 年 19 巻 1 号 p. 97-103
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    組織学的には梅毒性大動脈中膜炎に類似するも,梅毒反応陰性,高齢者で広汎な活動型肉芽腫性大動脈中膜炎の1例を経験した.
    症例は73歳女性.昭和55年6月,10年来の高血圧症経過中,37℃ 前後の微熱,便秘,下痢が続くため精査目的にて入院.入院時検査所見にて血沈促進,CRP(6+),持続性微熱をみるため膠原病を疑うも有意な所見は得られなかった.診断的意義も兼ねてステロイド30mgにて治療開始.その後症状改善し退院した.
    昭和58年2月,突然の下腹部痛にて緊急入院.イレウスを疑い注腸施行.その直後意識不明となり,蘇生術に反応せず永眠した.
    剖検にて血管病変は上行大動脈より総腸骨動脈分岐部にまで至り,特に胸腹部大動脈に強いが,その他の部は弱い.組織学的には中膜の内膜側%から外膜に至る部位に栄養血管および新生毛細血管周囲に形質細胞,リンパ球の浸潤,ならびに未分化な間葉系細胞の増殖を伴ういわゆる肉芽組織を形成している.その部において弾性線維は断裂消失する.また内膜側%の部位には巨細胞も散見される.外膜の小血管周囲にはリンパ球の浸潤を認め,一部の内膜には粥状硬化もみられる.直接死因は左卵管,卵巣と直腸漿膜の間に存在せる線維性索状癒着部に小腸が嵌頓したための出血性梗塞であった.
    以上のごとく本症例は血管炎のどの範ちゅうに入れるべきか判断に困難を生じたので報告した.
  • 森 由雄, 加藤 智生, 北村 豊, 進藤 芳雄, 吉村 浩
    1987 年 19 巻 1 号 p. 104-109
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Adenosine-5'-triphosphate(以下ATPと略す)は,1950年代よリヨーロツパにおいて,発作性上室性頻拍症(以下PSVTと略す)に対して用いられており,最近では,Grecoらにより幼児のPSVTに対して,第1選択薬として使用されている.ところが,本邦におけるATPのPSVTに対する使用報告例は少ない.最近,われわれは心電図上幅の狭いQRS波を持った.1分以上の規則正しい上室性頻拍性不整脈の19例について,第1選択薬として,ATP10~40mg急速静注を行った.14例はWPW症候群を含むPSVTで,ATP投与により17回の頻拍発作の中で16回頻拍発作は停止し,PSVTの停止率は94.1%であった.ほかの5例は心虜粗動の2:1AV伝導でPSVTと鑑別困難であったが,ATP静注により心房粗動と判明した.副作用については,特に重篤なものはなかった.ATPはPSVTの停止およびPSVTと心房粗動の2:1AV伝導との鑑別に有用と思われた.
  • 山本 尚三
    1987 年 19 巻 1 号 p. 113-119
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 竹田 亮祐, 森瀬 敏夫, 岡本 清也, 一二三 宣秀, 木内 文之, 津田 喜典
    1987 年 19 巻 1 号 p. 120-128
    発行日: 1987/01/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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