心臓
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31 巻, 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 石丸 新
    1999 年 31 巻 10 号 p. 697-703
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 武田 康, 堀田 祐紀, 田口 富雄
    1999 年 31 巻 10 号 p. 705-712
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Swan-Ganz catheter(S-G)およびintra-aortic balloon pumping(IABP)留置に伴う血小板数減少とカテーテル抜去後の血小板数の回復過程を明らかにすることを目的に, PTCA(balloon angioplastyまたはcoronary stenting) にて再灌流に成功した急性心筋梗塞症例24例での検討を行った.
    S-G留置例ではPTCA前値に比しS-G 抜去時で23.7±12,8%血小板数の減少を認めたが,抜去後はすみやかに回復した.カテーテル抜去後平均12.3日で血小板数はPTCA前値の74.2±80.6%にリバウンドし最大値を認め,その後減少し,約2カ月後にはPTCA前値に復した.
    S-G およびIABP留置例でもPTCA前値に比して, IABP抜去時25.3±12.0%,S-G抜去時29.3±11.2%の血小板数減少を認めた.抜去後,血小板数は回復し,平均9.7日でPTCA前値の1.56倍にリバウンドした.また,IABPの総駆動回数と血小板減少とは正の相関を認めた.
    すなわち,S-GまたはIABP留置により血小板数はPTCA前値に比し23~29%減少したが,カテーテル抜去後,血小板数は上昇し,平均9.2~12.3日でPTCA前値の1.56~1.74倍の増加(リバウンド)を認めた.また,約2,3カ月後には血小板数はPTCA前値となった。
  • 心筋障害進行と手術時期について
    仲 至永, 大竹 重彰, 澤 芳樹, 今川 弘, 平田 展章, 西村 元延, 井上 陽一, 松田 暉
    1999 年 31 巻 10 号 p. 713-717
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大動脈弁輪拡張症(AAE)を伴うMarfan症候群に対してDavid手術を施行したが術後に不幸な転帰をとった1例を報告するとともに,AAEを伴ったMarfan症候群に対する本術式の可否につき文献的考察を加えた.
    症例はMarfan症候群を有する16歳,男性.術前,NYHA III度,著明な心拡大と大動脈弁輪の拡大を認めたため,体外循環下に手術を施行.径70mmに拡大した大動脈を切開すると,大動脈弁は肉眼的に明らかな異常は認めず,David手術を施行した.径30mmのCollagen coated woven Dacron(HemashiedR)人工血管を使用した.術前のAR(4/4)が術後AR(2/4)と改善し,左室のDd/Dsも縮小を認めたが,再び左室径の拡大を認め進行する心不全のため再入院となった.
    保存的治療にて症状の改善を認めたものの,不整脈により突然死をきたした.病理解剖の結果,大動脈弁や僧帽弁において弁輪の拡大や形態上の異常は認めなかった.しかし,心筋壁は拡張型心筋症様に非薄化しており高度の心筋障害が示唆された.
  • 中谷 公彦, 藤本 眞一, 椎木 英夫, 坂口 泰弘, 橋本 俊雄, 中野 博, 土肥 和紘
    1999 年 31 巻 10 号 p. 719-724
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    患者は,65歳,女性.平成8年7月中旬から発熱と全身倦怠感を自覚していた.近医での血液検査で貧血と白血球減少を指摘されたので,平成8年8月20日に当科に入院した.急性リンパ性白血病(ALL,L1)と診断されたが,化学療法で完全寛解して同年11月25日に退院した.同年12月初旬から労作時に呼吸困難が出現し,次第に増悪したので同年12月19日に再入院した.入院時の血圧は165/74mmHg,脈拍はリズムが整の89/分であった.心尖部に汎収縮期逆流性雑音,両側肺底部に水泡音を聴取した.血液ガス所見で低酸素血症を認めた.胸部X線所見ではうっ血像,心エコー図所見では僧帽弁前尖部の腱索断裂と僧帽弁逸脱を伴った僧帽弁逆流が認められた.骨髄所見および心筋生検所見には白血病細胞は認められなかった.うっ血性心不全は利尿薬の投与で軽快し,第30病日に退院した.本例の腱索断裂の原因には白血病細胞の心内浸潤と化学療法の両者が関与している可能性があり,急性リンパ性白血病の治療時には僧帽弁の腱索断裂についての注意も必要になる.
  • 前田 法一, 熊田 全裕, 岸本 正彦, 西田 義治, 安冨 保治, 平岡 久豊
    1999 年 31 巻 10 号 p. 725-730
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は79歳,男性.1996年12月左口蓋腫瘍に対して化学療法と放射線療法を施行.1997年8月同部位への腫瘍の再発を認め,再入院となった.入院後,体位・体動とは関係なく重篤な失神発作が頻回に出現.発作時は著しく徐脈となり,血圧も触診で50mmHgまで低下した.頸動脈腫瘤を有することから本症例を頸動脈洞症候群に伴う失神と診断し,第5病日目にDDDペースメーカーを植え込んだ.しかしながらペーシングが作動するにもかかわらず,血圧低下を伴う発作が出現するため,間接作用型交感神経作動薬ameziniumを投与するとともに,発作時の急激な心拍数低下を感知し高頻拍で一時的ペーシングを行うレートドロップレスポンス(RDR)機能を作動させた.RDR作動後は2度の軽い発作を認めたのみで,直接作用型交感神経作動薬midodrineを追加併用することにより失神は全く生じなくなった.
    頸動脈洞症候群に起因する失神に対してレートドロップレスポンス(RDR)機能を有するDDDペースメーカーと交感神経作動薬との併用療法が奏効した症例を経験したので報告する.
  • 泉山 修, 山下 昭雄, 杉本 智, 馬場 雅人, 長谷川 正
    1999 年 31 巻 10 号 p. 731-734
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    洞不全症候群に対する経静脈的リードによるペースメーカー移植術後にペースメーカー感染症を併発した71歳女性に対して,体外循環下リード摘出術を施行し,良好な結果が得られた.リード抜去法として,体外循環下の手術に先んじて直達牽引および持続牽引が行われたが,抜去不可能であった.最近の経静脈的リードはアンカー機構により,抜去困難となることが多く,このような症例では体外循環下リード摘出術の適応となる.本症例は上行大動脈瘤を合併していたため,aortic no touch techniqueを用い,心室細動下にリードを摘出した.
  • 松裏 裕行, 加藤 摩耶, 星田 宏, 中山 智孝, 小澤 安文, 佐地 勉, 益原 大志, 渡辺 善則, 吉原 克則, 小山 信彌
    1999 年 31 巻 10 号 p. 735-740
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    閉鎖術前後の冠動脈造影とTl-201心筋シンチグラフィで興味深い所見を示した,先天性右冠動脈左室瘻の1例を報告する.症例は5歳男児で,心不全や胸痛の既往はなく,胸骨左縁第4肋間に最強点を有する拡張期雑音を聴取する以外,身体所見に異常を認めなかった.胸部単純X線で心拡大,運動負荷心電図で不完全右脚ブロックを呈していたが,Tl-201心筋シンチグラフィでは明らかな虚血を認めなかった.心エコーと心臓カテーテル検査から右冠動脈左室瘻と診断し,Symbas法による瘻孔閉鎖術を施行した.術後経過は順調だが,術後12日目の心筋シンチグラフィでは前壁・側壁・中隔に逆再分布を,術後8カ月には前壁・側壁に逆再分布を認めた.術後8カ月の選択的冠動脈造影で左冠動脈からの側副血行は術前に比べ発達し,また右冠動脈末梢は血栓性閉塞をきたしていたが,術前に造影されなかった洞結節動脈や右室枝が明瞭に造影された.
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