心臓
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33 巻, 7 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 玉木 長良
    2001 年 33 巻 7 号 p. 565-570
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 籏野 誠二, 山下 武志, 速水 紀幸, 福井 栄一, 村川 裕二, 小俣 政男, 中沢 潔, 信岡 祐彦, 三宅 良彦, 村山 正博
    2001 年 33 巻 7 号 p. 571-577
    発行日: 2001年
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    【目的】心肥大形成に伴うL型カルシウムチャネルの変化が電気生理学的に検討され様々な報告がなされているが,いまだ一定の結論に至っていない.そこで,心肥大形成過程におけるL型カルシウムチャネルの変化をmRNA発現レベルの動態より生化学的に検討した.
    【方法】ラットを対象としたモノクロタリン皮下注射による右室肥大モデルを作製し,肥大形成に伴うL型カルシウムチャネルを構成するα1c,α2δ,β2,β3の各サブユニットのmRNA発現レベルをNorthern blot hybridization法を用いて検討した.
    【結果】(1)モノクロタリン投与後週齢に伴い右室選択的な心肥大を認めた.投与3週目には胸腹水の貯留を認め,4週目に生存例はなかった.(2)Northern blot hybridizationでは,中隔を含めた左室筋で各サブユニットmRNA発現レベルに有意な変化を認めなかった.(3)対照的に右室心筋ではモノクロタリン投与により各サブユニットごとに,また,モノクロタリン投与後の経過に伴い異なる発現レベルの動態を示した.主サブユニットであるα1cのmRNAはモノクロタリン投与後14日目(M2)に一旦減少したが,21日目(M3)にはコントロールに対して約1.8倍の増加を示した.副サブユニットのうち,α2δ とβ3サブユニットは投与後mRNAレベルは漸増し,21日目(M3)にはコントロールに対してともに約4倍に増加した.一方,β2サブユニットのmRNAレベルに変化は認められなかった.
    【まとめ】心肥大の形成過程に伴いL型カルシウムチャネルのmRNA発現レベルは,各サブユニットごとに,また経時的に異なる動態を示した.心肥大におけるL型カルシウム電流密度の変化について従来の報告が一致しない点に関しては,本研究結果に示された,サブユニット間,時間経過による異なる遺伝子発現の変化が関与している可能性があり,今後十分に考慮すべき点と考えられた.
  • 平岡 昌和
    2001 年 33 巻 7 号 p. 578-579
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 良永 宇由, 池田 聡司, 吉武 孝敏, 宮原 嘉之, 河野 茂
    2001 年 33 巻 7 号 p. 581-585
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    一般に,多枝攣縮型狭心症は単枝の攣縮型の症例と比べ予後は不良と言われているが,今回自然発作にて多枝攣縮型VSAと診断し得た症例を経験したため報告する.
    症例は49歳男性.以前に冠攣縮性狭心症(VSA)の診断を受け外来加療中であったが,服薬コンプライアンスは不良であった.夜間のアルコール摂取後に亜硝酸薬舌下錠にて効果を示さない発作のため来院.繰り返す薬剤抵抗性の冠攣縮発作として入院.入院時,12誘導心電図で,I,aVL,V6誘導でST上昇の所見を認めた.入院後は同様の心電図変化を呈する発作が一日に幾度かありその度に薬剤を増量していったが,入院4日目にSTの上昇所見が午後3時にI,aVL,V6誘導に,同日午後9時にはII,III,aVF誘導にみられ,24時間以内に異なった変化を記録した.その後は,更に薬剤を増量して発作は消失した.また,発作消失後冠動脈造影にて器質的狭窄がないことを確認した.
    今回の症例は,24時間以内に異なる冠動脈に攣縮が起こったと思われる心電図変化を呈し,多枝攣縮性のVSAと診断した.24時間のHolter型の12誘導心電図を用いての多枝攣縮の報告はあるが,多枝攣縮の自然発作を捉えた報告はほとんどない.今回のように薬剤抵抗性のVSAに対しては,発作ごとに心電図を確認し多枝攣縮性であれば厳重に経過を追う必要があると思われた.
  • 遠藤 真弘
    2001 年 33 巻 7 号 p. 586-588
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 藤本 紀代子, 藤井 善蔵, 南 正江, 木村 征靖, 権藤 俊一, 松崎 益徳
    2001 年 33 巻 7 号 p. 589-593
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は31歳,男性.ループス腎炎再燃のために入院した.中心静脈栄養とプレドニゾロン50mg/日で治療中の9月6日,突然39度台の稽留熱が出現した.7日夜より心不全症状が出現し,心エコーで心室壁運動の低下と心嚢液貯留を認め,8日朝には心タンポナーデによるショックをきたし,心嚢ドレナージを施行した.心室壁運動の低下と伝導障害は急激に進行し,劇症型心外膜心筋炎と診断して,大量グロブリン療法とステロイドパルス療法を施行したが効果なく,経皮的心肺補助や大動脈内バルーンパンピングも使用したが9日死亡した.剖検にて心室筋内に糸状菌を多数認め,真菌性心筋炎と診断した.本症例では心不全症状が出現する5日前のβ-Dグルカンが既に異常高値を示しており,その時点で深在性真菌症が潜在していたことが推測された. 以上,易感染者に対してβ-Dグルカンの定期的測定を行い,深在性真菌症の早期発見,早期治療に努めることの重要性が示唆された,真菌性心筋炎の1例を報告する.
  • 石原 靖紀, 辻 桂嗣, 石田 宏之, 福持 裕
    2001 年 33 巻 7 号 p. 595-600
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    化膿性髄膜炎に伴いaccelerated idioventricularrhythm(AIVR)と心室頻拍を認め,その治癒過程で消失した症例を経験した.小児期のAIVRで化膿性髄膜炎に合併した報告は見られない.症例は日齢3の成熟女児.日齢2より発熱を認め,当院に紹介となった.化膿性髄膜炎の診断後,抗生剤の投与などを開始した.治療に反応し検査所見は改善傾向を示し全身状態も良好だったが,入院3日目に一過性の血圧上昇を認め,心室性期外収縮が散発的に出現した.頭部CT上脳浮腫は認めなかった.その後も一過性の血圧上昇を繰り返し,その際に230回/分の頻拍発作を認め,その持続により収縮期血圧50mmHg台と血圧の低下を認めた.頻拍発作には,ATPの投与と顔面に氷水の入った袋をのせるicebag法を行い効果的であった.頻拍発作の開始部では房室解離を認め,幅の広いQRS波形に移行し,洞周期の短縮により洞調律に復帰する所見などを認め,不整脈は心室性のものが考えられ,心室頻拍と診断した.その一部は心拍数が100回/分程度でAIVRの診断基準を満たした.この心室性不整脈は入院22日,3カ月後に行ったホルター心電図では消失していた.本症例の心室性不整脈は中枢神経系疾患に伴って見られ,一部はAIVRの診断基準を満たし,その波形からAIVRと心室頻拍は互いに移行するものであった可能性も考えられ,興味深い症例と思われた.不整脈の発生には自律神経の関与も示唆され,文献的考察を行った.
  • 長嶋 正實
    2001 年 33 巻 7 号 p. 601-602
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 河田 正仁, 竹中 かおり, 清水 雅俊, 岡田 敏男, 田中 秀和, 宮武 博明, 水谷 哲郎, 曽根田 純一, 坂田 雅宏, 脇田 昇
    2001 年 33 巻 7 号 p. 603-608
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は61歳男性,急性肺塞栓症のため肺動脈血栓除去術と右下肢深部静脈血栓除去術を施行した.約2週間後右胸水が出現し,以後胸腔ドレナージを3回施行した.その後も胸水が貯留し,労作時呼吸困難もきたしたため,約5カ月後に入院となった.心嚢水の貯留も認められ,当初,心膜切開後症候群を疑ったが,心嚢ドレナージ前後の圧測定で滲出性収縮性心膜炎と診断した.心膜,心外膜切除術を施行して軽快した.患者はループスアンチコアグラント陽性で抗リン脂質抗体症候群と考えられた.肺塞栓に対する術後の滲出性収縮性心膜炎はまれであり報告する.
  • 川久保 清
    2001 年 33 巻 7 号 p. 621-623
    発行日: 2001/07/15
    公開日: 2013/05/24
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