心臓
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34 巻, 7 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 菊池 学, 長尾 建, 上松 瀬勝男
    2002 年 34 巻 7 号 p. 521-532
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 石川 欽司, 金政 健, 林 孝浩, 平野 豊, 山本 忠彦, 高井 博之, 木村 彰男, 片山 克彦, 宮高 昌, 中川 築, 谷口 貢, ...
    2002 年 34 巻 7 号 p. 533-542
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    欧米では,急性心筋梗塞の死亡率が治療戦略の向上により,最近著しく低下していることが示されている.当施設でも同様の現象が認められるか否かを明らかにする.昭和50年より平成11年まで,約26年間を5期に分け,発症24時間以内の急性心筋梗塞1107例の治療法の変遷と院内死亡率の推移を調査した.
    CCUが設立される以前の昭和57年5月までの全死亡率は19.5%,心臓死は17.1%,昭和62年まではそれぞれ18.0%,15.6%,平成4年までは14.5%,12.5%,平成9年までは14.3%,11.8%,平成11年9月までは7.5%,5.7%と全死亡率(trend:p<0.05),心臓死(trend:p<0.01),いずれも最近になるにつれ有意に減少していた.性別,年齢,梗塞既往,梗塞部位,Forrester・Killip分類,CK最高値,責任冠動脈,罹患血管数に,年次推移はなかった.心臓死の内訳をみると,心破裂(心室中隔穿孔を含む)の発生率は昭和62年までが4.5%,以降は2.9%と減少傾向があり,生存率は前者0%に対し, 後者3 1 . 8 % と増加していた(p<0.05) . 血栓溶解療法,PTCA・ステント使用群での心臓死は有意に低下していた.Forrester I型の全死亡率,II,III,IV型の全死亡率と心臓死はいずれも有意に減少傾向を示した.再灌流療法やCCUにおける管理が特に心破裂の発生を抑制し,早期診断と手術成績の向上を生み,最近の心臓死減少をもたらしている.一方,非心臓死は減少傾向がみられず,全身管理の重要性が指摘された.
  • 上野 倫彦, 村上 智明, 柳生 一自, 八鍬 聡, 南雲 淳, 小田川 泰久, 窪田 武浩, 今村 道明, 村下 十志文
    2002 年 34 巻 7 号 p. 543-550
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    【背景】フォンタン型手術(F術)を目標とする患者において,発達した体肺側副血管は術後管理を難渋させる原因となる.それに対しF術前のコイル塞栓術が有用であるが,段階的F術における体肺側副血管やコイル塞栓術に関する報告は少ない.
    【対象・結果】両方向性グレン手術(BDG術) を経てF術を行った8例を対象とした.7例にBDG術後,F術前にコイル塞栓術を施行し,うち2例はBDG術前にも施行した.BDG術は20±2カ月(平均±標準誤差),F術は35±1カ月で行った.コイル塞栓術はF術直前に施行し,3~12(中央値6)本の血管に13~47(同22)個のコイルを使用した.塞栓を必要とした血管数は,BDG術からF術の期間と正相関の傾向があった.またBDG術前の動脈血酸素飽和度,血中B型ナトリウム利尿ペプチド値が高いほど塞栓を必要とした血管数は少ない傾向があった.F術後,胸腔ドレーン留置期間は7~32(中央値10)日,入院期問は14~42(同31)日と概ね良好な経過だった.BDG術前にもコイル塞栓術を行った2例は,F術前に再び側副血管が発達し塞栓に難渋した上,1例は胸腔ドレーン留置期間,入院期間とも長期であった.
    【総括】発達した側副血管を持つ症例にBDG術を施行し,F術直前にコイル塞栓術を行った後順調にF術を施行し得た.側副血行の発達を防ぐため,初期手術で充分かつ均等な肺血流を確保すること,BDG術からの期間が長くならないようF術を行うことの重要性が示唆された.
  • 中西 敏雄
    2002 年 34 巻 7 号 p. 551-553
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 服藤 克文, 白井 徹郎, 土田 健治, 笠尾 昌史, 落合 秀宣, 井上 清
    2002 年 34 巻 7 号 p. 555-560
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は58歳,男性.ニトログリセリン舌下頓用にて寛解する前胸部V1~4誘導でのST上昇発作の精査加療目的にて入院.冠動脈造影(CAG)施行時に自然発作が出現したが,心電図所見は入院時とは異なりII,III,aVF誘導でR波増高を伴うST上昇を認め,約1分程度で自然寛解した.そして,その数分後には入院時と同様の前胸部V1~4誘導でのST上昇発作を認め,この際II,III,aVF誘導では逆にSTは下降した.このような胸痛を伴う下壁と前壁領域のST上昇が数分間隔で交互に計6回生じた.6回目の発作時にはV1~4誘導でST上昇を認め,その際のCAGでは左前下行枝#7の亜完全閉塞と造影遅延を認めた.これはニトログリセリン冠動脈内注入にて寛解したが,同部に75%の器質的狭窄を認めた.右冠動脈の攣縮は造影上確認できなかったが,#2に90%の器質的狭窄を認めたことから,同部に攣縮が生じII,III,aVF誘導でのST上昇が生じたものと考えられた.両病変に対しステントを留置し,薬物療法を併用したところ良好に経過した.
    左右冠動脈の攣縮を連続性に,交互に6回にわたり繰り返し生じた例は,多枝攣縮の中でも極めてまれと思われ報告する.
  • 野原 隆司
    2002 年 34 巻 7 号 p. 561-563
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 阿部 芳久, 門脇 謙, 寺田 豊, 熊谷 肇, 佐藤 匡也, 熊谷 正之
    2002 年 34 巻 7 号 p. 565-570
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Acetylcholine(Ach)負荷による冠攣縮誘発時の経時的な心電図変化を観察し得たBrugada型心電図を呈する冠攣縮性狭心症例を報告する.
    症例は胸痛発作を主訴とする65歳の男性で,失神の既往および突然死の家族歴はなかった.安静時の心電図で, 右脚ブロックとV1誘導にcoved 型の,V2とV3誘導にsaddle back型のST上昇を認めた.このSTはpilsicainide 50mgの静注によりさらに上昇し,V2誘導でcoved型に変化した.右冠動脈内へのAch投与後,V1からV4誘導に最大0.8mVのST上昇がみられた.その後,右冠動脈中間部に完全閉塞をきたす冠攣縮が発生し,II,III,aVF誘導のSTが上昇した.一方,下壁誘導のST上昇に一致してV1からV4誘導のSTは基線に近づく方向に変化した.冠攣縮の寛解後は下壁誘導のSTが基線に復するのと一致して, V1からV4誘導のSTは再び上昇した.Ach投与の240秒後には,このST上昇はほぼ投与前のレベルに復した.なお,左冠動脈へのAch投与では心電図変化や冠攣縮はみられなかった.
    Achは心外膜側の活動電位持続時間を短縮させるが,心内膜側にはほとんど影響を与えないとされることから,心外膜側の活動電位のドーム喪失を促進させてST上昇に働いたと考えられる.さらに,右胸部誘導のST上昇は対側の虚血発生によって鏡像的変化を示したことから,STの上昇度が変化した場合には,その原因として心筋虚血発生の有無も考慮すべきであると考える.
  • 浦島 崇, 菱谷 隆, 星野 健司, 小川 潔, 大石 勉
    2002 年 34 巻 7 号 p. 571-575
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    パルポB19は胎児水腫,aplastic crisis,伝染性紅斑等の多彩な臨床症状を呈する疾患であるが,国内における心筋炎の発症報告は基礎疾患を伴わない患児において1例のみである.今回我々は,伝染性紅斑発症後10日目に心不全症状で入院し心筋炎と診断した症例を経験した.診断はウイルス抗体価,血中PCRで行った.胸部X線写真ではCTR66%と心拡大と肺うっ血を認め,心エコー検査では左室の拡大と僧帽弁閉鎖不全,左室収縮率の低下を認めた.心電図では不整脈は認めなかったが,T波異常を認め改善には約3カ月を要した.多呼吸,頻脈,心拡大等の心不全症状は,利尿薬,強心薬の投与で改善を認めた.海外においてはパルポB19による心筋炎は突然死,拡張型心筋症の原因として報告されており,注意が必要と考えられた.
  • 中島 規雄, 川田 公一, 田川 雅梓, 丹田 修司, 吉田 信治, 城戸 秀典, 奥 成聡, 林 謙宏
    2002 年 34 巻 7 号 p. 576-582
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は67歳男性.主訴は全身浮腫.62歳時,他院で洞機能不全症候群のため,VVIペースメーカーを植え込まれている.その後,胸腹水,全身浮腫などの右心不全のため入退院を繰り返している.心臓超音波検査,心臓カテーテル検査から,冠動脈に高度狭窄病変はなく,左心室の壁運動はほぼ正常であった.右心室は拡大しび漫性の壁運動低下を認め,右心房平均圧は18mmHgと高値を示した.心不全も利尿薬によるコントロールは困難となり,ECUMによる除水を併用するも,経過中に感染性心内膜炎を併発し死亡した.病理解剖の結果,右心室は内腔拡大と著明な脂肪変性を認め,不整脈源性右室心筋症(以下ARVC)と診断した.ARVCの多くは持続性心室頻拍や失神発作などを契機に診断されるが,まれに本症例のごとく重症の心室性不整脈を認めず,原因不明の右心不全を繰り返す症例も存在する.したがって,右心不全が難治性である場合,本症を想起する必要があると考えられた.
  • 河合 祥雄
    2002 年 34 巻 7 号 p. 583-586
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 加藤 裕久, 馬場 清, 原田 研介, 浜岡 建城, 賀藤 均, 津田 悦子, 上村 茂, 佐地 勉, 赤木 禎治, 石井 正浩, 小川 俊 ...
    2002 年 34 巻 7 号 p. 587-593
    発行日: 2002/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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