心臓
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35 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 濱田 希臣
    2003 年 35 巻 4 号 p. 259-266
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 田中 宏衞, 宮本 巍, 八百 英樹, 向井 資正, 山村 光弘, 中川 隆司, 良本 政章, 稲井 理仁, 吉岡 良晃, 鍛治 正範
    2003 年 35 巻 4 号 p. 267-271
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    直腸癌を合併したStreptococcus bovisを起炎菌とする活動期感染性心内膜炎による大動脈弁輪部膿瘍を伴う大動脈弁閉鎖不全の1手術例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
    症例,58歳,男性.主訴,発熱.1996年6月17日頃より感冒様症状が出現,8月上旬より40℃ の発熱を認め近医へ入院し抗生剤の投与を受けたが改善せず,当院循環器内科へ転入院した.血液培養検査にてStreptococcus boivsが検出された.心臓超音波検査で大動脈弁尖の疵贅の付着とIII度の大動脈弁閉鎖不全と診断された.また,前医より入院中に下血が認められたため,大腸内視鏡検査を施行したところ直腸癌の合併もみられた.それゆえ,大動脈弁置換術(以下AVR)時に下血の増量を危惧し,AVRに先行して同年8月27日全身麻酔下に姑息的に直腸癌の出血部位を部分切除した.引き続いて同日型のごとく体外循環を用い,上行大動脈を遠位側で遮断し,上行大動脈を斜切開した.大動脈弁を切除し,弁輪部膿瘍腔を郭清後,Gelatin-Resorcin-Formol biologicalglue(以下GRF-glue)で充填し,膿瘍腔を直接縫合閉鎖することにより大動脈弁輪を再構築し,St.Jude Medical(R)弁21mmによりAVRを施行した.術後第58病日に直腸癌に対しマイルズ手術を行い,術後第119病日に軽快退院した.
  • 川筋 道雄
    2003 年 35 巻 4 号 p. 272-273
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 森成 正人, 三橋 武司, 村田 光延, 野村 裕太郎, 峯崎 賢亮, 藤川 日出行, 勝木 孝明, 島田 和幸
    2003 年 35 巻 4 号 p. 275-279
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は一卵性双生児の弟である35歳男性.2001年5月15日に停車中の車内にて,約30秒の全身痙攣を伴った意識消失発作を認めた.その後,同様の症状を繰り返し他院を受診した.脳波や頭部MRIで異常を認めず,12誘導心電図においてBrugada症候群が疑われ当科紹介入院となった.胸部X線写真に異常なく,また心臓超音波検査および両心室造影検査においても異常は認めなかった.冠動脈造影も正常でacetylcholineを投与したが,冠動脈攣縮は誘発されなかった.Pilsicainideの静脈投与により心電図V1およびV2でのST上昇が増強され,心臓電気生理学的検査において3連発の早期刺激で心室細動が誘発された.以上よりBrugada症候群と診断し,5月26日に植え込み型除細動器を植え込んだ.一卵性双生児の兄に失神歴はなく,心電図においてもST上昇は認めなかった.弟同様にpilsicainideを静脈投与したが,負荷前後において明らかなST変化は認めなかった.遺伝子異常が原因と報告される本疾患であるが,一卵性双生児の一方のみに発症した興味ある症例と思われ報告する.
  • 新 博次
    2003 年 35 巻 4 号 p. 280-281
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 清水 明徳, 山地 博介, 村上 正明, 山本 桂三, 難波 宏文, 岩崎 孝一朗, 日名 一誠, 喜多 利正
    2003 年 35 巻 4 号 p. 282-287
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は60歳男性.心筋梗塞発症1年前より間欠性跛行があるも放置していた.心筋梗塞発症後に著明な高血圧とともに肺水腫ならびに急性腎不全となり,人工呼吸下にCHDF(持続的血液濾過透析)を施行し,一般状態は改善し人工呼吸および透析から離脱することができた.心筋梗塞発症23病日目に再度突然の血圧上昇とともに肺水腫となり,最終的に無尿のために維持透析となった.冠動脈造影を施行した際,左右の総腸骨動脈が閉塞していることに気が付いた.大動脈造影では,上腸間膜動脈分枝直後より両側の腎動脈ならびに腹部大動脈が完全に閉塞していた.しかしながら,良好な側副血行路のために内臓臓器ならびに下肢には十分な血流が保たれていた.そのため,大腿,膝窩動脈,腓骨動脈は良好に触知されており,API(ankle pressure index)は0.71であった.長時間の歩行で間欠性跛行はあるものの,ACE阻害薬およびangiotensin II拮抗薬(ARB)にて血圧は正常化しBNPも80pg/ml前後にコントロールでき,心エコー上も左室壁の肥厚等圧負荷の所見はなかった.2年後の造影CTにて,発症時より明らかに側副血行路が発達していることが確認できた.高位大動脈閉塞後約2年半になり,その間に胃癌切除術や,血液透析から腹膜透析への切り替えなどがあったが,バイパス手術は施行せず日常生活に問題なく職場復帰している.
  • 末成 和義, 塩出 宣雄, 山田 忠克, 須山 浩美, 城田 欣也, 石井 裕繁, 尾木 浩, 添田 健, 松田 光彦, 高橋 卓也
    2003 年 35 巻 4 号 p. 289-293
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    乳頭状線維弾性腫は原発性心臓腫瘍の中で7-9%に認めると報告されており,本疾患の臨床例に遭遇することは非常にまれである.今回我々は,左室流出路に発生した乳頭状線維弾性腫を経験し,手術にて良好な結果を得たので,若干の文献的考察を加えて報告する.
    症例は82歳,男性.自覚症状は特になかった.2001年2月,めまいを主訴に近医を受診し,精査にて多発性脳梗塞を指摘され内科治療中であった.同年6月,定期の心電図検査にて左側胸部誘導での高電位を指摘され経胸壁心エコー図検査を施行,その際心臓腫瘍を認めたため,当科に紹介され7月12日入院となった.経胸壁心エコー図検査,経食道心エコー図検査にて大動脈弁直下中隔側に直径12mmの有茎性腫瘤を認め,原発性心臓腫瘍と診断し,2001年8月1日に腫瘍摘出術を施行した.肉眼にて,腫瘍は大きさ12×5mmで2.5mmの茎を有しており,病理組織学的検査により乳頭状線維弾性腫と診断された.術後の経過は良好であり,大きな合併症もなく退院となった.
  • 姫野 和家子, 赤木 禎治, 江上 公康, 水元 淑恵, 菅原 洋子, 家村 素史, 前野 泰樹, 石井 正浩, 松石 豊次郎
    2003 年 35 巻 4 号 p. 295-299
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は,44歳女性.6カ月時に主要体肺側副血行路を伴う肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損と診断されたが,根治手術不能と判断され保存的に経過を見られていた.42歳時より認めた喀血が徐々に進行し,内科的管理困難とされ,IDCコイルおよびPDA用detachableコイルを用い喀血の原因となっていた体肺側副血行路に対するコイル閉鎖術を試みた.閉鎖後,動脈血酸素飽和度は78%から76%へと低下した.胸部単純X線写真にて,閉鎖前に右下肺野に認められた肺出血陰影は改善し,喀血も消失した.本治療は根治療法とはならないが,肺動脈閉鎖を伴う成人先天性心疾患に合併する再発性の喀血に対する,比較的低侵襲な治療法として考慮すべきと思われる.
  • 中西 敏雄
    2003 年 35 巻 4 号 p. 300-301
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 日本循環器学会AED検討委員会
    2003 年 35 巻 4 号 p. 303-307
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    致死性不整脈によって心停止を起こした患者は,心停止後数分以内の電気的除細動によってのみ蘇生できる.現場近くにいる人が即座に除細動器を使って除細動を行えばそれが可能となるが,現状では一部の有資格者しか,この器械の使用が許されていない.近年,操作が簡単で,専門知識を必要とせず,しかも安全に使用できる自動体外式除細動器(AED)が開発され,とくに欧米では様々な職種の非医師の人達によって積極的に使用され,驚異的な救命成果をあげている.日本循環器学会は,日本においても,AED使用に関する規制を緩和し,非医師による緊急時の除細動行為を促すことが,日本国民の院外心停止からの救命率改善に必須と考え,厚生労働大臣に提言を提出し,国がこれら提言に対して真剣かつ早急に取り組むことを要望した.
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