心臓
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35 巻, 7 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • -ステントグラフト内挿術-
    石丸 新
    2003 年 35 巻 7 号 p. 487-492
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 竹原 有史, 山田 豊, 後藤 数智, 長谷部 直幸, 菊池 健次郎
    2003 年 35 巻 7 号 p. 493-499
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    (はじめに)離島・山間僻地においては急性心筋梗塞(AMI)患者が発症した場合,患者搬送に多大な時間がかかりより早い冠動脈の再灌流を得ることが困難である.
    (目的)離島・山間僻地の一次医療機関に搬入されたAMI患者に対する経静脈的血栓溶解療法(IVCT)の有効性を検討する.
    (対象)北海道宗谷地区において,1997年から2001年の間,二次医療機関まで搬送に1時間以上を要する地域で発生したIVCT適応のAMI患者21名を対象とした.
    (方法)最初に搬入された一次医療機関でIVCTを施行された群をIVCT(+)群,施行されずに二次医療機関へ再搬送された群をIVCT(-)群とし,発症からIVCT開始までの時間,max CPK,慢性期LVEFを比較検討した.
    (結果)発症からIVCT開始までの時間はIVCT(+)群で短く(196.92±24vs.285.6±55min,p<0.05),max CPKはIVCT(+)群で低値を示した(2011.4±363.9 vs. 3640.3 ± 839.5, p<0.05).残存心機能の指標としての慢性期LVEFはIVCT(+)群で有意に高値を示した(59.75±2.78vs.50.11±4.21,p<0.05).
    (結論)離島・山間僻地の一次医療機関に搬入されたAMI患者に対して,無治療で再搬送せずに当該一次医療機関にてIVCTを開始することがより有効である.
  • 菊池 秀年, 原山 信也, 川越 純志, 吉村 仁, 折口 秀樹, 沼口 宏太郎, 竹本 真生, 西島 博満, 多治見 司, 野間 充, 山 ...
    2003 年 35 巻 7 号 p. 500-505
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は58歳男性.主訴は労作時胸痛,息切れ.心エコー上,肥大型閉塞性心筋症を認めた.左室流出路圧較差は10-180mmHg,僧帽弁逆流の程度は0/4~4/4と日々著明な自然変動を示した.収縮早期左室流出路血流方向と左室長軸が作る角度が大きくなる程,僧帽弁収縮期前方運動が大きくなり,左室流出路圧較差および僧帽弁逆流が高度となったことから,圧較差自然変動の機序として僧帽弁に対するflow drag mechanismの関与が考えられた.経皮的心室中隔焼灼術施行後,左室流出路圧較差と僧帽弁逆流はほとんど消失し,自然変動も示さなくなった.肥大型閉塞性心筋症患者の中には,左室流出路圧較差が著明な自然変動を示す例があるので,診断,治療効果判定に注意を要する.
  • 松森 昭
    2003 年 35 巻 7 号 p. 506-508
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 中村 明浩, 浅野 雅之, 片桐 克則, 後藤 淳, 星 信夫
    2003 年 35 巻 7 号 p. 509-515
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は81歳,女性.脳梗塞で入院中に胸痛を訴え,心電図上前胸部誘導を中心に広範囲な持続するST上昇を認めた.急性心筋梗塞を疑い心臓カテーテル検査を施行したところ,冠動脈に閉塞所見や有意な狭窄病変および血栓像は認められなかったが,アセチルコリン負荷試験で多枝冠動脈に攣縮が誘発された.左室造影所見は心尖部を中心とした収縮能の低下と心基部の過剰収縮を認め,いわゆる'たこつぼ型'を呈していた.入院時に心筋逸脱酵素の軽度の上昇と血漿カテコールアミンの上昇を認めた.入院第5病日に脳梗塞再発作をきたし約5時間後に胸痛を訴え,心電図で陰性T波の陽転化とQT延長,血漿カテコールアミンの再上昇が認められた.その後,心電図は再び前胸部誘導を中心に著明な陰性T波を示した.慢性期の左室造影所見では左室壁運動異常は正常化しており,冠動脈造影で左右冠動脈に有意な狭窄病変は認められなかったが,急性期と同様にアセチルコリン負荷で多枝冠動脈に攣縮が誘発された.本症例は冠攣縮誘発や臨床症状より冠動脈攣縮の関与も示唆されたが,脳梗塞のストレスが血中カテコールアミン動態に影響を及ぼし,特異的な'たこつぼ型'の左室壁運動異常の発症に至った可能性が強く考えられた.
  • 武田 宏太郎, 鈴木 哲, 田川 辰也, 浦部 由利, 岡田 薫, 梶原 隆, 落合 由恵, 栗栖 和宏, 富永 隆治
    2003 年 35 巻 7 号 p. 516-520
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    感染性心内膜炎の治療成績は近年著しく向上してきたが,その中でも人工弁感染性心内膜炎(PVE)は治療に抵抗するものが多く,内科的治療単独では予後は極めて不良である.今回我々は,大動脈弁置換術後に難治性敗血症を繰り返し再弁置換術により治癒しえたPVEを経験したが,その際異なる3種類の起炎菌が証明されたので報告する.
    症例は,69歳男性.1999年10月12日大動脈弁狭窄症に対し大動脈弁置換術が施行された.2000年5月7日憾染性腸炎から敗血症性ショックを呈した.血液培養にてEscherichia loli (E. coli)が繰り返し検出され,抗生剤にて軽快した.2001年5月25日発熱を伴った腰痛が出現し化膿性脊椎炎と診断.血液培養でEnterococcus faecalis (E.faecalis)が検出された.同年6月28日急性心筋梗塞症を発症した.緊急冠動脈造影では狭窄病変は認めず,検査中胸痛は消失した.経食道心エコーにて大動脈弁に疣贅を認めPVEと診断した.抗生剤を投与するも炎症反応が持続するため,同年7月25日再大動脈弁置換術を施行し軽快退院となった.摘出弁の疣贅よりStaphylococcusepidermidis (S. epidermidis)が検出された.以上,本例は経過中E.coli, E.faecalis, S.epidermidisと異なる3種類の起炎菌が証明されたまれな1例と考えられた.
  • 宮永 哲, 日下 雅文, 蓮田 聡夫, 山田 拓, 清水 光行, 望月 正武, 安田 允, 神谷 直樹, 水野 朝敏, 鴛海 元博
    2003 年 35 巻 7 号 p. 521-526
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    子宮肉腫摘出後8年目に右心室内転移をきたし,右室流出路狭窄による右心不全を呈した47歳の稀な症例を経験した.
    全身倦怠感,全身浮腫が出現して受診し,心エコーにて右室腔内に腫瘤を認めた.入院後,急速な右心不全の進行,全身浮腫および肝うっ血の増悪を認めたため,腫瘤摘出術を緊急で行った.腫瘤摘出により右室流出路狭窄は解除されたが,術後に無尿,溶血性貧血,血小板減少,発熱,譫妄を認め,血栓性細小血管障害の合併が疑われた.術後第1日目より持続的血液濾過透析を開始,術後第10日および18日目に血漿交換を行い,腎機能障害を残すのみで軽快した.
    悪性腫瘍の心転移は,剖検例では7.6-18.3%と比較的多く報告されているが,症状を伴い生前に診断される例は少ない.とくに子宮肉腫の心転移は稀であり,検索し得た範囲で10例の報告があるのみである.
    血栓性細小血管障害は,血管内皮細胞障害および血小板の活性化により発症し,様々な臓器障害を呈する予後不良な症候群である.本症例では,子宮肉腫の心転移および手術侵襲に伴う腫瘍関連因子の放出が誘因と考えられた.
    血栓形成促進因子の除去,血管内皮細胞機能を賦活化する因子および抗血栓性因子の補充という観点から早期透析,血漿輸注,血漿交換等の治療法が行われ,救命率は改善している.本症例でも,発症早期からの持続的血流濾過透析および血漿交換が有効であった.
  • 曽山 明子, 原 正剛, 澤西 高佳, 白川 喜一, 下山 寿, 森川 雅, 富岡 宣良, 渡辺 裕, 廣瀬 邦彦
    2003 年 35 巻 7 号 p. 527-530
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    長時間の運転による座位保持が原因となり,下肢深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症をきたした症例を報告する.症例は30歳男性.平成13年5月4日滋賀県から宮崎県まで12時間以上連続してトラック運転を行ったが,その途中から胸背部痛・呼吸困難・喀血を認め, 本院救急外来を受診した. 心エコーにて右室拡大,三尖弁逆流を認め,右心カテーテル検査にて肺動脈圧61/27mmHgと肺高血圧を認めた.肺血流シンチで両側肺野に多発性欠損像を認め,左下肢深部静脈血栓症も認めたことより,肺血栓塞栓症と診断した.厳重な血栓溶解療法・抗凝固療法を行い経過をみたが,下肢血栓はさらに拡大傾向を認めた.そのため,一時的下大静脈フィルターを留置の上,左下肢深部静脈血栓に対し血栓吸引術を施行した.しかし,血栓除去は困難であり,血流改善を得ることはできなかった.8日後再造影にて大量の下肢血栓残存を認めたため,恒久的下大静脈フィルターを留置した.
    近年エコノミークラス症候群が注目されているが,本症例のような長距離運送業者に対しても注意する必要があると考え報告した.
  • 中村 真潮
    2003 年 35 巻 7 号 p. 531-533
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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