当院小児循環器外来を受診した患者のうち満18歳以上で外来受診した患者について,疾患群,内服治療の有無,受診頻度,内科への移行の程度について調査した.
総患者数1325人中満18歳以上の患者は204人であった.内訳は先天性心疾患が135人(66.2%),川崎病が34人(16.7%),心電図異常が25人(12.3%),その他(心筋症など)が10人であった.内服治療を要する症例は全体で46人(23%)であった.受診頻度は,年に複数回受診が60人,年1回以下が117人,不定期受診が16人,終了が11人であった.内科への移行が終了した症例はわずかに3人(1.5%)であった.先天性心疾患の中で18歳以上で手術を要した症例のうち11人(61%)が他院からの紹介であった.
今回の調査で,(1)川崎病が全体の17%と,小児循環器外来に占める割合が高いこと,(2)先天性心疾患のうち,7割の患者が年1回以下の受診頻度であったこと,(3)成人期になって手術を必要とした症例が18人認められ,その半数以上が他院からの紹介であったこと,(4)年1回以下の外来経過観察であっても,内科への移行はほとんど進んでいない現状では,今後も小児循環器外来の受診を継続することが必要であること,などが判明した.
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