心筋梗塞や拡張型心筋症といった基礎心疾患を有する重症心不全例では死因の多くが突然死であることが示されている.すなわち,重症心不全例に対しては心機能を補助する治療だけでは不十分で,突然死の原因となる心室細動(VF)や心室頻拍(VT)などの致死性不整脈に対する積極的な治療の必要性があると考えられる.心室性不整脈に対するアミオダロンの効果を検討したCASCADES加dyの結果によれば,5年後の生存率でみるとアミオダロン投与群では通常治療に比べて約2倍の生命予後の改善を認めたが,それでも実数でみれば5年間で半数の症例が致死性不整脈を再発するのが現状で,心室性不整脈がいかに重篤な病態であるかが示唆されており(図1),その治療にはまだまだ多くの課題が残されている.陳旧性心筋梗塞に心不全を伴う致死性心室性不整脈症例に対しては,さまざまな方法によるカテーテルアブレーション治療が行われるが,本稿ではわれわれの成績を交えて紹介する.
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