心臓
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42 巻 , SUPPL.4 号
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第22回 臨床不整脈研究会
  • 佐藤 嘉洋, 小松 隆, 橘 英明, 椚田 房紀, 小澤 真人, 中村 元行, 関口 幸夫, 青沼 和隆
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_5-S4_11
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は62歳, 男性. 主訴は動悸発作. 45歳のころから動悸発作が出現し, 2004年12月に発作性心房細動に対して肺静脈隔離術, ならびにantrum potentialに対する高周波焼灼を施行した. 2008年3月に眼前暗黒感を伴う動悸発作が再発した. 近医受診時の12誘導心電図では心拍数130/分, 2: 1房室伝導の心房頻拍を認めた. 直流通電50Jによる電気的除細動が施行された. 当科入院時の心電図では頻拍周期約240msec, 3: 1房室伝導の心房頻拍を認め, CARTO-mapでは右上肺静脈と左房間を2つのGapを介して興奮旋回する心房頻拍が示唆された. 頻拍中の右上肺静脈-左房接合部後上壁でentrainment pacingを行ったところ, 同部のpost pacing intervalは頻拍周期と一致した. 同部に出力25Wで高周波通電を施行したところ, 約10秒後に頻拍は停止し, 以後, イソプロテレノール負荷でも頻拍は誘発されなくなった. 肺静脈隔離術後の再伝導による右上肺静脈-左房接合部を興奮回旋する心房頻拍の1例を経験したので報告する.
  • 近藤 秀和, 高橋 尚彦, 脇坂 収, 岡田 憲広, 油布 邦夫, 中川 幹子, 原 政英, 吉松 博信, 犀川 哲典
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_12-S4_19
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例1は, 77歳, 女性. long RP' tachycardiaで, P波の極性は下壁誘導で陰性, V1誘導では陽性から陰性の2相性, I, aVL誘導では陽性であった. 頻拍中の心房最早期興奮部位はHis束であった. ATP急速投与(5mg)でA-H間隔およびA-A間隔が徐々に延長して頻拍が停止した. Activation mapでは, His束は, やや上方からのfocal patternであった. Focus近傍で低電位領域(<0.5mV)が認められ, これに, ほぼ一致して伝導遅延が認められた.
    症例2は, 87歳, 女性. long RP' tachycardiaで, P波の極性は下壁誘導で陰性, V1誘導で陰性から陽性の2相性, I, aVL誘導では陰性であった. 頻拍中の心房最早期興奮部位は冠静脈洞(CS)遠位とCS近位に認められた. ATP急速投与(5mg)でA-H間隔が徐々に延長したが, A-A間隔はほとんど延長せずに頻拍は停止した. Activation mapで頻拍は僧帽弁輪前壁中隔側からのfocal patternであった. Focus近傍で低電位領域(<0.5mV)が認められ, これに, ほぼ一致して伝導遅延が認められた. 両症例ともに高周波アブレーションで根治できた.
  • 林 達哉, 熊谷 浩司, 内藤 滋人, 武村 直樹, 福家 悦子, 佐藤 千鶴, 中村 紘規, 三樹 祐子, 後藤 貢士, 坂本 有, 深澤 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_20-S4_29
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は60歳, 女性. 発作性心房細動に伴う動悸発作を認め, カテーテルアブレーションが施行された. 頻拍時の12誘導心電図は心房細動様であったが, 心内心電図では頻拍周期は300~340msec程度の変化を認めながらも同波形の頻拍が規則性を伴って, incessantに繰り返し出現していた. 同頻拍は冠静脈洞カテーテルで僧帽弁輪6時方向において早期性を示し, 左房起源心房頻拍と考えられた. CARTO mappingを行ったところ, 右下肺静脈後下方の, 僧帽弁輪付近左房後壁下部を中心とするfocal patternの興奮伝播が示され, その最早期興奮部位にて通電を行ったところ10秒ほどで頻拍は停止した. 以後頻拍は誘発不能となり心房性期外収縮も消失し, 現在6カ月が経過し, 外来にて内服薬をすべて中止しているが, 全く再発を認めていない. 比較的稀な左房後壁下部起源心房頻拍により, 心房細動様心電図を認めた1例を経験した.
  • 竹中 創, 中村 光哉, 大塚 雅人, 梅田 研, 東田 隆治
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_30
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は, 64歳, 女性. 20年前より突然生じ, 突然停止する動悸を認めていた. 頻拍は息止めで停止していた. 心臓電気生理学的検査を行ったところ, 頻拍はnarrow QRS tachycardiaで, 房室結節のjump upを伴って生じた. 室房伝導は認められなかった. 頻拍中は最早期部位はヒス束領域で, 頻拍中のV-A-A-V sequenceを認めていることより, ヒス束近傍の心房頻拍と診断した. 頻拍中の最早期部位は, H potentialの記録できる部位より, 若干後方であった. 頻拍中に同部で通電したところ, 頻拍は停止した. また同時に房室結節遅伝導路も消失した. 房室結節リエントリー性頻拍のような特徴をもった心房頻拍であり, 報告した.
  • 飯田 剛幸, 岡本 奈美, 二階堂 暁, 滝川 道生, 森田 典成, 及川 恵子, 清岡 崇彦, 小林 義典
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_31-S4_37
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は71歳, 女性. 30歳ころより動悸を自覚するも放置. 数日前から動悸が毎日あるため, 当院を受診. 心電図上, 心拍数150/分の上室性頻拍を認め, ATP10mgにて洞調律へ服するも心房期外収縮(APC)を契機に同頻拍は再発した. 心臓電気生理学的検査(EPS)にてAPCを契機に冠状静脈洞(CS)内部を最早期とする頻拍の自然発作を認め, ATP 5mgにて同頻拍は頻拍周期の延長に伴い停止した. また, この頻拍はCS入口部を最早期とする頻拍へ自然移行した. これら2つの頻拍中の心房興奮順序は心室ペーシング時と異なっていた. 心房および心室期外刺激で心房-ヒス束間の伝導時間にjump upは認めず, ATと考えられた. CS入口部にアブレーションカテーテルを留置後, bump現象により両頻拍は, 全く誘発不能となった. Bump現象が生じたCS入口部で通電を施行. その後にイソプロテレノール投与下に誘発を試みたが, 頻拍出現なく終了とした. CS入口部の1回の通電により2種類のATが同時に治療し得た症例を経験したので報告する.
  • 青柳 秀史, 畔上 幸司, 吉村 浩司郎, 杉山 浩二, 植嶋 大輔, 前田 峰孝, 志村 吏左, 倉林 学, 沖重 薫
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_38-S4_43
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は, 77歳, 男性. 透析中におこる心拍数150/分のLong RP' タイプの上室性頻拍に対し, 電気生理学的検査および経皮的心筋焼灼術を施行. 室房伝導を認めず. 右房からの期外刺激にて再現性をもって頻拍は誘発された. その際の連結期と頻拍1拍目の復元周期との間に正相関を認め, 機序として撃発活動を疑った. 最早期興奮部位は, His束電位記録部であった. 頻拍は, 心房からの連続刺激で停止せず, リエントリー機序は否定的と考えた. 頻拍は少量アデノシン三燐酸(ATP) 2.5mgで再現性をもって停止. 異所性心房興奮の出現により再び頻拍が開始した. 以上から撃発活動とするATP感受性のHis束近傍心房頻拍と診断. Fractionated potentialを示す最早期興奮部位を通電し, 頻拍は停止した. 少量ATPによりいったんは停止するが, PACをきっかけに再発する撃発活動と思われる頻拍を経験したため報告する.
  • 畠山 祐子, 湯本 佳宏, 黒川 早矢香, 桐生 典郎, 今木 隆太, 庭野 慎一
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_44-S4_49
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は30歳, 男性. 9歳時, ファロー四徴症に対して根治術を施行された. 2009年8月1日夕方より, 動悸を自覚し当院救急外来を受診. 心電図上HR240/分のwide QRS 頻拍が認められた. リドカイン50mg, ATP 20mg静注で頻拍は停止せず, ベラパミル2.5mgの投与で頻拍は停止した. 心臓電気生理学的検査において, プログラム刺激で頻拍は誘発されなかったが, イソプロテレノール投与によって短時間持続する心房頻拍が誘発された. 胸部X線写真で右胸心が疑われる心陰影であったが, 造影CTで右胸心は否定された. 解剖学的位置異常のためにカテーテル位置の確認が困難と推定されたため, 3D-CT画像とのCARTO merge下にマッピングを施行した. 心房頻拍開始時の最早期興奮部位はCS入口部付近で, 同部位をアブレーションしたところ頻拍は消失した. 先天性心疾患術後で解剖学的位置異常のある症例に対し, CARTO mergeが頻拍の焼灼に有用であった症例を経験したので報告する.
  • 中川 和也, 浅川 哲也, 松村 国佳, 桜林 耐, 山内 康照, 青沼 和隆
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_50-S4_60
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は46歳, 女性の発作性上室性頻拍(paroxysmal supraventricular tachycardia; PSVT) 症例. PSVTは心拍数107bpmで, QRSの終末部にP波を認めた. 心臓電気生理学的検査ではコントロールにて室房伝導は認めず, 頻拍は誘発不能. イソプロテレノール(isoproterenol; ISP)負荷にて房室結節での室房伝導が出現, 2連の心房早期刺激法(S1S2S3法)のみにて周期480msecのclinical PSVTが誘発された. 頻拍時に加えた心室単一刺激ではpreexitation phenomenonは認めず, 心房からのentrainment pacingではslow pathwayではなくfast pathwayがentrainされ, 最終刺激にて心室2重応答(double ventricular response; DVR)様の反応を示して頻拍は持続した. 洞調律時では心房-心室同時早期刺激法など, いかなる刺激にても心室2重応答は認められず房室接合部性頻拍(atrio-ventricular junctional tachycardia; AVJT)と考えたが, 通常型房室結節リエントリー性頻拍(common atrio-ventricular nodal reentrant tachycardia; common AVNRT)との鑑別も困難であったことから, 本例に対してまずslow pathway領域で通電したところ, 心房興奮順序が先のPSVTと同一で周期600msecの, 自然に洞調律に移行する, いわゆる接合部調律が誘発されるのみとなったため終了した. 以後頻拍発作は認めなくなった. 以上, 通常型房室結節リエントリー性頻拍との鑑別に難渋しslow pathway領域からの通電が有効であった, いわゆる房室接合部性頻拍の1例を報告する.
  • 中村 啓二郎, 野呂 眞人, 伊藤 尚志, 榎本 善成, 久次米 真吾, 森山 明義, 沼田 綾香, 熊谷 賢太, 酒井 毅, 中江 武志, ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_61-S4_69
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は51歳, 男性. 心房刺激で洞結節近傍心房頻拍, 通常型心房粗動, 心房細動に加えてjump upを伴いHis束と冠静脈洞(CS)入口部を最早期興奮部位とする異なる2種類の発作性上室性頻拍が誘発された. それぞれの頻拍は相互に移行する特徴を認めた. 心室刺激では興奮順序の異なる3種類の室房伝導を認め, 房室結節二重伝導路, および複数の副伝導路の存在が示唆された. 頻拍中は, 後中隔の副伝導路と房室結節を上行する2種類の心房興奮伝播を認めた. 発作時の頻拍周期に近い心室刺激では, 頻拍時と同様の興奮伝導を認めたが, より早い心室刺激においては, 後中隔の副伝導路を上行する興奮伝導のみを認めた. 通常型心房粗動のアブレーション後, slow pathwayに対してアブレーションを試みたが成功しなかった. 後中隔の副伝導路が離断された後, CS 5-6を最早期興奮部位とする房室リエントリー性頻拍が誘発されたため, 左側の副伝導路を焼灼した. 房室結節二重伝導路と左右の副伝導路による組み合わせにより複雑な頻拍形態を呈していた症例を経験したので報告する.
  • 小村 悟, 藤原 堅祐, 岩佐 篤
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_70-S4_75
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    74歳, 女性. 2006年頃より1回/月の頻度で動悸発作を自覚. 2009年4月, 動悸を自覚したため当院を受診. 心電図にて, 心拍数185/分のwide QRS regular tachycardia(右脚ブロック型)を認め, ATP急速静注にて洞調律に復した. 右脚ブロックを伴う発作性上室性頻拍の診断にて, カテーテル治療による根治目的に当院へ入院となった. 心室期外刺激では, 心房最早期興奮部位は基本周期600msec, S1S2 430msecまではHisであったが, S1S2 420msec以後はCS1-2となり, CS1-2における室房間隔は110msecから137msecまで徐々に延長し, S1S2 280msecで室房ブロックとなった. 心房期外刺激では, jump upすることなく基本周期600msec, S1S2 320msecにて頻拍が出現. 右室心尖部および右室流出路からの期外刺激では, reset現象は認めなかった. また, 頻拍はATP投与にて再現性を持って室房ブロックで停止した. 心房中隔穿刺後に施行した左室側壁からの期外刺激にてreset現象を認めたことにより, 減衰伝導特性, およびATP感受性を有する, 左側副伝導路を介する房室回帰性頻拍と診断. 頻拍中のマッピングにて左側前壁に最早期心房興奮部位を認め, 同部での通電にて頻拍は停止し, 以後VA伝導は消失した.
  • 奥村 恭男, 渡邊 一郎, 小船 雅義, 芦野 園子, 永嶋 孝一, 大久保 公恵, 中井 俊子, 小船 達也, 平山 篤志
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_76-S4_85
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は65歳, 男性. 動悸を主訴に当院紹介来院. 心電図上, 心拍数150/分の上室性頻拍(SVT)を認めた.
    電気生理学的検査所見: カテーテル操作により容易にSVTは誘発された. SVT中の逆行性心房最早期興奮部位は冠静脈電位CS7-8に存在し, 心室刺激中も逆行性心房最早期部位は同様の部位にあり, 減衰伝導を認めなかった. 以上より, 同頻拍は, 左側後壁の副伝導路を介する房室回帰性頻拍(AVRT)と診断した. 一方, 心房期外刺激にてjump up後, 同様のAVRTが再現性をもって誘発された. その際, 一過性にCS6-7の逆行性心房最早期部位が, His束部位に移行し, 再度CS6-7へ戻る現象を認めた. 以上の所見は, 逆行性心房伝導が一過性に副伝導路からfast pathwayに移行していると考えられ, 房室結節回帰性頻拍(AVNRT)を合併している可能性が示唆された. 実際, 経心房中隔的に左側後壁の副伝導路の離断後, 心房早期刺激により再現性をもってAVNRTが誘発された. Slow pathwayの燒灼後, 両者の頻拍は誘発不能となった.
  • 水上 暁, 鈴木 誠, 阿部 昌巳, 大野 真紀, 瀬谷 美瑛, 中村 知史, 末永 祐哉, 岩塚 良太, 瀬戸口 雅彦, 長堀 亘, 大野 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_86-S4_91
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は59歳,女性.30歳ころから頻拍発作を認め,近医で発作性上室性頻拍と診断され,当科へ紹介となった.術前の心エコー検査でEbstein奇形を認めた.心臓電気生理学的検査では,正方向性房室回帰性頻拍が再現性をもって誘発された.術前に施行した心臓CTを元にCARTO mergeを行い,解剖学的弁輪,および右房化右室を確認しながらCARTO systemを用いてelectroanatomicalマッピングを行ったところ,三尖弁輪後壁に複数の副伝導路の存在が疑われ,心室ペーシング下の副伝導路電位,および心房早期興奮を指標にアブレーションを行うことによりδ波は消失した.以後,臨床的に認められていた頻拍発作は誘発できず,現在まで再発を認めていない.Ebstein奇形に伴うWPW症候群のカテーテルアブレーションにおいて解剖学的構造の把握と至適通電部位の同定に,CARTO mergeを利用したマッピング,アブレーションが有用であった1例を経験したので報告する.
  • 田中 泰章, 蜂谷 仁, 稲葉 理, 柳下 敦彦, 樋口 晃司, 平尾 見三, 磯部 光章
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_92-S4_96
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は61歳, 男性. 発作性心房細動に2008年8月に当院で拡大同側肺静脈隔離術, および三尖弁—下大静脈峡部アブレーションを施行した. 再発を認め2009年8月に再入院となった. 外来受診時の心電図では心房細動およびII, III, aVFおよびV1誘導で陽性のP波を呈する心房頻拍(AT)波形を認めた.
    左上下, 右上肺静脈に伝導再発を認め, それぞれに再アブレーションを行った. 誘発性の評価のためCS 近位部からburst pacingを行ったところATのみが誘発されたが, 持続はしなかった. そこで左房roofに線状焼灼を追加し治療を終了することとした. その際, CSへ留置した電極カテーテルを抜去したところ上大静脈(SVC)への機械的刺激から, 臨床上認められたATが誘発され持続した. 肺静脈の伝導再発がないことを確認した後, SVCへ電極カテーテルを挿入したところ, 細動様興奮を認めた. そこでSVC-RA間の電気的隔離を行ったところ, 心内は洞調律に復した一方でSVC内の細動は持続, 数分後に自然停止した. その後の心房刺激では頻拍は誘発されず, 術後再発も認めていない.
    AT様波形を呈し, SVCからの直接刺激が誘発に必須と考えられたSVC起源の心房細動症例を経験した. これらの機序としてSVC-RA間の機能的な伝導blockが考えられた.
  • 坂部 茂俊, 笠井 篤信, 森脇 啓至, 渡邉 清孝, 大村 崇, 河村 晃弘, 世古 哲哉
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_97-S4_102
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は60歳代, 男性. 2008年8月にAcinetobacter baumanniiによる市中肺炎で入院したが, この時に慢性心房細動, 左室機能低下(EF0.34), BNP値上昇(599pg/mL)がみられた. 肺炎治療と併行してロサルタン, アミオダロン, エプレレノン, カルベジロール, ワルファリンを投与したところ, 6カ月目にはLVDd/LVDs: 55/46 → 48/28mmに改善し, BNP値は85pg/mLに低下した. 9カ月目に自然に洞調律がみられるようになり, 高周波カテーテルアブレーション(PV isolation)を行い, 11カ月間洞調律を保っている. 心房径は47 → 38mmに縮小し, BNP値はさらに低下し29pg/mLになった. 本例のようなreverse remodelingが期待できる頻脈誘発性心筋症ではカテーテルアブレーションにアミオダロンを含む薬物治療を先行させることで, より高い治療効果が得られる可能性があり, 示唆に富む1例と考える. また余談であるが, 市中Acinetobacter baumannii肺炎は, 海外(国内報告1例)で担癌患者, 慢性呼吸器疾患患者, ヘビースモーカー, 大酒家, 心不全患者に発症することが報告されており, 慢性心房細動を基礎疾患に持つ本例に発症したことは非常に興味深い. これについても言及する.
  • 濱本 紘, 住吉 徹哉, 高田 めぐみ, 新 博次
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_103-S4_107
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    発作性心房細動(PAF)を対象としてベプリジル(50~150mg/日)とアプリンジン(10~40mg/日)併用効果を検討した. 対象はPAF18例(M/F=15/3, 平均年齢65歳), 孤立性の1例を除き, ほかは基礎疾患としてうっ血性心不全(10例), 冠動脈疾患(7例), 高血圧(7例), 高脂血症(5例), 糖尿病(3例), ASO(3例), 僧帽弁逆流(1例)を合併していた. 効果は自覚症状ならびにホルター心電図により判定した. 経過観察12カ月までの3/4例, 24カ月までの3/6例, 36カ月までの3/4例, 48カ月までの2/4例の計11/18例(61%)で自覚症状による再発なく洞調律が維持された. 4例は再発が確認され, ほかの3例では再発し持続化した. LVEF≥60%の5/9例, <60%の3/4例, LAD≥40mmの3/7例, <40mmの5/6例でPAF再発が抑制された. ベプリジル, アプリンジンの併用は軽度心機能低下例においても有用であることが示唆された.
  • 入江 忠信, 金古 善明, 中島 忠, 齋藤 章宏, 太田 昌樹, 加藤 寿光, 飯島 貴史, 秋山 昌洋, 伊藤 敏夫, 間仁田 守, 倉 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_108
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は, 59歳, 男性. 動悸を伴う右脚ブロック上方軸波形の心室性期外収縮(PVC)を有し, 明らかな基礎心疾患を認めなかった. CARTO merge画像にて左室後乳頭筋(PPM)が心基部側から左室壁側にかけて良好に描出された. PVC時の左室のactivation mapは, PPMの左室壁側を最早期とするfocal patternを呈したが(V-QRS: −23ms), 同部位での通電では無反応であった. 一方, 通電中から一過性のPVCの抑制を認めた計12回の通電部位は, 主にPPMの心基部側に集中していた. PVC時にprepotentialが記録されたが洞調律時にはプルキンエ電位は記録されなかった. アブレーションは不成功であったが, 1カ月後に5万発/日を認めたが, PVCが4カ月後から消失した. 僧帽弁逆流の増悪を認めなかった. PVCの起源は, PPMの心基部側深層にあり, 焼灼後の心筋リモデリングにより治癒したと考えられた.
  • 三明 淳一朗, 井川 修, 足立 正光, 矢野 暁生, 井上 義明, 小倉 一能, 加藤 克, 飯塚 和彦, 近藤 健人, 重政 千秋, 久 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_109-S4_115
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    右室流出路起源QRS波形を呈する心室期外収縮(VPC)のカテーテルアブレーションによる治療成功部位が, 左大動脈洞であったとする報告が散見されるが, VPC起源に対する解剖学的・電気生理学的特徴は報告には一定の見解が得られていない. 本症例の左大動脈洞にて焼灼可能であったVPCの解剖学的・電気生理学的特徴について報告する. 症例は57歳, 男性. 2003年拡張型心筋症・非持続性心室頻拍のため, 植込み型除細動器(ICD)治療を受けた. 2009年3月, 眼前暗黒感を伴うVPCが多発したため, カテーテルアブレーションを施行した. カテコラミン投与にて臨床でとらえられたと同一波形のVPCが誘発された. VPC波形は左脚ブロック型, 移行帯がV3~4間であり右室流出路起源が疑われた. カテーテルを肺動脈中隔尖-後尖交連部下方の右室流出路に留置したところ, VPC時QRS波に20ms先行する局所電位が記録され, 同部位でのペースマップはVPC時QRS波形とほぼ一致した. 同部位でアブレーションを施行したがVPCの消失は得られないため, 大動脈洞でマッピングを施行, 大動脈弁左冠尖-右冠尖交連部でVPC時QRS波に60ms先行する局所興奮が記録される部位を認めた. 同部位でペースマップを行ったところ, スパイク—QRS時間が80msで, VPCと同一のQRS波形が認められた. 同部位での通電で以後VPCは消失した. 流出路起源心室不整脈においては, 心電図診断にかかわらず左右のマッピング所見を比較することが重要であり, その際は, QRS波形のみならずV-QRS間隔を評価する必要があると考えられた.
  • 佐藤 寿俊, 宮地 浩太郎, 安倍 紘嗣, 鈴木 洋輝, 石脇 光, 藤巻 茂謙, 小寺 聡, 櫛田 俊一, 神田 順二
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_116
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    冠動脈形成術(PCI)などで汎用されている0.014インチガイドワイヤー(GW)は構造上, 導電体のコアと絶縁体のコーティングで形成されている. 全麻酔下ブタ心筋においてGWによるペーシングが安全に可能であることを確認し, 朝日インテック株式会社の協力のもと, Neo's Rinatoを基にPCI可能なGW型電極を作成した. 院外有識者を含む当院倫理委員会にて臨床使用が認可され, 患者承諾のもと, 使用された症例の1例である.
    心室性期外収縮(VPC)および労作で出現する非持続性心室頻拍があり, β遮断薬無効, 息切れを自覚する症例に対しカテーテルアブレーションを施行した. 右バルサルバ洞内の無冠尖側, VPCに約40ms先行するV波記録部位にて通電し, 治療に成功. 手技中に冠静脈遠位, および大心静脈近位に挿入したGWがVPC起源の推定に有用であった. 循環器治療に広く応用されることが期待されるツールであるため, ここに紹介する.
  • 山嵜 継敬, 高橋 英雄, 津田 泰任, 猪原 実, 塗木 裕也, 工藤 真大, 村井 治, 塚本 喜昭, 大村 延博
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_117-S4_122
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    [背景] III群静注薬であるニフェカラントおよびアミオダロンは院外心肺停止症例に対して優れた効果を持つことが報告されているが, 心原性心室頻拍(VT), 心室細動(VF)に対する効果を比較検討した報告はまだ少ない.
    [目的] 当院内で発生した心原性VT, VFに対するニフェカラントおよびアミオダロンの有効性を評価した.
    [対象] 2003年1月から2009年12月までに, ニフェカラントあるいはアミオダロン静注薬を使用した電気的除細動抵抗性無脈性VT, VF症例中, 院内で発症し基礎心疾患をもつ40例を対象とした. 48時間以内に無脈性VTおよびVFが停止し再発を認めなかった症例を有効とした.
    [結果] 40例中ニフェカラント使用群は29例, アミオダロン使用群は11例であった. 有効率はニフェカラント群で49%(14例), アミオダロン群で73%(8例)であった. また, 30日後の急性期生存率はニフェカラント群で59%(17例), アミオダロン群で91%(10例)であった.
    [結語] 致死的心室性不整脈に対して両薬剤とも良好な有効率を得ることができた. 特にアミオダロン群は高い有効率が得られたが, 使用例も少なく今後さらなる検討が必要と考えられた.
  • 中村 健太郎, 高野 奈実, 村田 将光, 笠岡 祐二, 西村 健二, 中川 貴史, 瀬崎 和典, 鈴木 文男, 村川 裕二, 速水 紀幸, ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_123-S4_128
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は81歳, 男性. 主訴はめまい, 胸部違和感. 検診の心電図で13連発の左脚ブロック(LBBB)下方軸のnarrow QRS波形からなる心室頻拍(VT)を認めた. このため精査目的で当院受診. 胸部違和感, 心室頻拍加療目的で冠動脈造影, 電気生理学的検査を施行. 冠動脈造影では右冠動脈末梢に軽度狭窄を認めた. 左冠動脈にエルゴノビン25µg投与したところ, 攣縮が誘発された. その後, 電気生理学的検査を施行した. 心電図で記録されたVT波形はその1拍目から単形性であり, プログラム刺激でもVTは誘発されず, 脚枝間リエントリーは否定された. CARTOマッピングを行ったところ, 右室流出路は広範に低電位であり捕捉されなかった. Perfect pace mapはヒス束電位記録部位の近傍で得られた. ヒス束を傷害することなしに焼灼によるVTの根治は不可能と判断した. Ca拮抗薬, 亜硝酸薬, β-blockerを注意深くモニターしながら投与したところVTは消失した. ICDの植え込みは患者が希望せず行っていない. 造影MRIを施行したところ, 左室中隔のmid layerにlate gadolinium enhancementによる瘢痕像が認めた. VTの機序としてヒス束近傍の心筋の自動能亢進が疑われ興味深い症例であるので報告する.
  • 村田 広茂, 宮内 靖史, 林 明聡, 植竹 俊介, 林 洋史, 坪井 一平, 山本 哲平, 岡崎 怜子, 上野 亮, 堀江 格, 小原 俊 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_129-S4_135
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    左室特発性心室頻拍(ILVT)は, verapamilに感受性のある緩徐伝導路を有するマクロリエントリーであり, 緩徐伝導路は仮性腱索や乳頭筋に存在することが想定されているが詳細に検討されていない. 症例は器質的心疾患のない53歳, 男性. Verapamilで停止する右脚ブロック・北西軸型VTのため入院. VT中にCARTOを用いて左室マッピングし, 3D-CTとmergeしたところ, 拡張期電位(P1)は後中隔, 下壁と前側壁に広く分布した. 後中隔のP1は, 後乳頭筋尖部側より後乳頭筋基部側へとゆっくりと伝導し, 乳頭筋基部上で前収縮期電位(P2)へと連続した. P2は左脚後枝領域のみで記録され, 左脚後枝を逆行性に早く伝導する一方, 後乳頭筋上を基部より尖部へと伝導した. 後乳頭筋尖部より後中隔を介し基部へと回帰するリエントリー回路を想定し, 乳頭筋尖部で通電したところVTは停止した. 後乳頭筋が回路の一部と考えられた.
  • 八代 文, 庄田 守男, 柳下 大悟, 二川 圭介, 江島 浩一郎, 真中 哲之, 萩原 誠久
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_136-S4_140
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は37歳, 女性. 他院にて左室特発性心室頻拍(idiopathic left ventricular tachycardia; ILVT)と診断され, カテーテルアブレーションを施行したが, 不成功のため再アブレーション目的に当院に紹介となった. 心室誘発試験により右室心尖部における単回期外刺激により右脚ブロック・左軸偏位型の単形性持続性心室頻拍が誘発された. 頻拍中に左室内のactivation mappingを行うと左室後中隔で拡張期電位(P1)と前収縮期電位(P2)が記録された. 局所においてP1電位は近位部電極から遠位部電極方向へ伝播し, P2電位は遠位部電極から近位部電極方向へ伝播していた. CARTO MERGEを用いてactivation mapを作成すると, P1電位は近位部(左室基部側)から遠位部(心尖部側)へ下行し, P2+V電位は左室心尖部中隔から左室全体へ興奮伝播する様子が捉えられ, 3次元的に左室特発性心室頻拍のマクロ・リエントリーを描出することができた. 心室頻拍中のP1電位を指標に心室頻拍のexitである左室心尖部中隔のやや近位部で通電を行いアブレーションに成功した. 左室特発性心室頻拍のPurkinjeネットワークを含むリエントリー回路を同定するために3次元マッピングシステムは有用と考えられる.
  • 辰本 明子, 深水 誠二, 仲井 盛, 石川 妙, 松下 紀子, 岩澤 仁, 高野 誠, 北條 林太郎, 弓場 隆生, 小宮山 浩大, 野田 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_141-S4_148
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は55歳, 男性. 拡張相肥大型心筋症. 抗不整脈薬無効の持続性単形性心室頻拍(SMVT)あり当院紹介となった.
    2009年7月, 初回, 心臓電気生理学的検査(EPS)を施行. 左室プログラム刺激により同一のSMVTが誘発された. VTは, 限局的に低電位を示した, 左室前側壁基部を最早期とする巣状興奮パターンを示した. 良好なエントレインメントの指標が得られたため, 高周波カテーテルアブレーション(RFCA)を行うも無効であった. 両心室ペースメーカー機能付き植込み型除細動器を植え込み経過をみたが, 同一VTが再発しelectorical storm(ES)となった. 9月第2回EPS施行. 剣状突起下穿刺により心外膜へアプローチしたところ, 前側壁基部で心内膜側より広範な低電位領域を認め, SMVTは同部位内で周期をほぼ満たした. RFCAにてVTは停止した. しかし, 3週間後, 再び同一VTのESとなり, 第3回EPSを施行. 心外膜側低電位領域内でのペースマップ(PM)を指標にRFCAを追加し, さらに誘発された別のSMVTに対しても, 同じ低電位領域内で, 同様にPMを指標にRFCAを加えた. 以後いかなるVTも認めていない.
  • 山科 順裕, 八木 哲夫, 滑川 明男, 石田 明彦, 佐藤 弘和, 中川 孝, 桜本 万治郎, 菊地 次郎, 佐藤 英二
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_149
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は, 63歳の男性. 主訴は失神. 心電図で心拍数210bpmの左脚ブロック下方軸タイプのwide QRS頻拍を認めた. 心筋生検を含む心臓カテーテル検査, 心エコーなどの諸検査で明らかな異常は認めなかった. 1回目の臨床心臓電気生理学的検査(EPS)で, 頻拍は房室解離を伴い, 高頻度心室刺激で誘発停止が可能で, エントレイン現象を認め, post pacing interval(PPI)は逆相関を呈したことから流出路起源のリエントリー性心室頻拍(VT)と診断した. しかし, 頻拍周期は同じながら, 数種類のVT波形出現を認め, 右室流出路でのPPIは, 頻拍周期に一致しなかった. アミオダロン投与後に, 心臓MRI merged CARTOガイド下にEPSを再検した. MRIの遅延造影像で, 心室流出路中隔内部に孤立性島状の遅延造影効果を認め, 同部をCARTO merge像にsuperimposeしてmappingしたところ, 遅延造影部位に一致する左室流出路側でperfect pace mappingが得られ, 刺激—QRS時間の延長を認めた. 同部位の通電で頻拍は根治した. Delayed enhancement MRI merged CARTOの所見が有用であったリエントリー性VTの1例を経験した.
  • 松田 央郎, 原田 智雄, 副島 京子, 中野 恵美, 仲島 麻里可, 石川 由香子, 藤田 禎規, 佐々木 俊雄, 水野 幸一, 西尾 智 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_150-S4_155
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    52歳, 男性. 心拍数200bpm, 左脚ブロック型, 上方軸を示す心室頻拍(VT)にて入院. 心筋MRで, 心尖部に瘤状変化を伴った肥大型心筋症が診断された. VTはリドカインにて停止するも再発を繰り返すためアミオダロンを投与し, 心臓電気生理学的検査を施行. 入院時に見られたVT(VT1)は頻拍周期375msと徐拍化し非持続性に変化した. CARTOにてvoltage mapを作成, 心尖部瘤に一致して低電位領域(LVA)が見られた. LVA内で, VT1のpace map目的で施行した連続ペーシンク(周期490ms)にて容易にVT2(頻拍周期500ms, 右脚ブロック型, 上方軸)が誘発され持続した. VT2持続中に, QRS波に93ms先行するmid diastolic potentialが記録された部位でカテーテルアブレーションを施行したところVT2は誘発不能となり, 同時にVT1も消失した. 心筋症に伴った心尖部瘤から発生した2つのVTは, リエントリー回路出口は異なるが必須緩徐伝導路は同一と考えられた稀な症例を経験したので報告する.
  • 松井 泰樹, 河村 光晴, 菊地 美和, 小貫 龍也, 伊藤 啓之, 三好 史人, 浅野 拓, 丹野 郁, 小林 洋一
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_156-S4_162
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は88歳の男性. 主訴: 呼吸苦. 2009年4月に呼吸苦を自覚し近医を受診. 心電図上II, III, aVFでST上昇を認め, 血液検査上CK 1,800 IU/dLと高値でありトロポニンT陽性であったため, 緊急冠動脈造影を施行した. 左前下行枝segment 6に75%の狭窄を認めるのみであり冠動脈形成術はしなかった. 第3病日に心室頻拍(VT), 引き続き心室細動(VF)が出現したため, 直流除細動300Jにより洞調律に復帰した. その後VT・VFのelectrical stormとなり, ニフェカラント, ランジオロール, アミオダロンを投与したが効果なく, 血行動態も保てなくなったため緊急カテーテルアブレーションを施行した. CARTO systemによるmappingを行い, 左室心尖部下壁側の心室瘤に一致して広範な低電位領域を認めた. 同部位内のpurkinje potentialを指標にcooled tip catheterを用いてアブレーションを施行した. 30回の通電によりVTは消失した. 現在はアミオダロン200mg内服中であるが, VTは再発していない.
  • 村井 謙治, 中川 英一郎, 喜納 直人, 田渕 勲, 古川 敦子, 阿部 幸雄, 小松 龍士, 土師 一夫, 成子 隆彦, 伊藤 彰
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_163-S4_168
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    Brugada症候群において, 高位肋間誘導における心電図記録の変動や薬物負荷試験の再現性に関する報告は稀である.
    症例: 34歳, 男性. 夜間就寝中に心肺停止した. 救急隊にて心室細動が確認され, 電気的除細動が行われ, 当院に搬送された. 来院時の心電図は洞調律(86/分)で, 不完全右脚ブロックとQTcの延長(480msec)を認めたが, ST-T部分に異常を認めなかった. 第1回目のpilsicainide負荷試験では, 第3肋間でのV2誘導がsaddle-back型に変化したのみだった. その後, QTc間隔は400msecと正常化した. 12誘導ホルター心電図ではV1誘導でsaddle-back型のST上昇の出現を認めたが, coved型への変化は認めなかった. その後, 第2回目のpilsicainide試験を行うと, 第3肋間でのV1, V2誘導でcoved型変化を認め, Brugada症候群の診断が確定した. 植込み型除細動器(ICD)を植え込み, 外来にて経過観察している.
    結語: Pilsicainide試験を繰り返すことで, 高位肋間誘導でcoved型変化を捉えることが可能となりBrugada症候群と診断できた症例を経験した. 薬物負荷試験の再現性を考慮し, 複数回の試験を行うことが重要であると考えられた.
  • 伊波 巧, 池田 隆徳, 谷合 誠一, 阿部 敦子, 坂田 好美, 佐藤 徹, 藤岡 保範, 吉野 秀朗
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_169-S4_175
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    患者は14歳の男児. 過去に5度の失神歴があり, 叔父が19歳で突然死している. 授業中に失神発作をきたし, 当院救命センターに搬送された. モニター心電図で5.5秒間の発作性房室ブロックが認められた. 入院させ, 検査を進めていたところ, 心電図のV1~V2誘導でcoved型ST上昇の自然変動が認められた. 加算平均心電図で心室late potensials陽性, pilsicainide負荷試験陽性, 電気生理学的検査で, 心室細動の誘発を認めたことから, Brugada症候群が疑われた. しかし, 画像診断で左心機能に問題はなかったものの, 右室心尖部において軽度の壁運動低下が認められた. 右室心筋生検を行ったところ, 心筋内への脂肪組織の浸潤が認められ, 最終的に不整脈原性右室心筋症と診断された. 後日, 突然死の予防目的で植込み型除細動器(ICD)植え込み術が施行された. Brugada症候群との鑑別に苦慮した小児の不整脈原性右室心筋症症例であったので報告する.
  • 鈴木 篤, 山分 規義, 大坂 友希, 島田 博史, 浅野 充寿, 村井 典史, 鈴木 秀俊, 清水 雅人, 藤井 洋之, 西崎 光弘, 鈴 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_176-S4_183
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は34歳, 男性. 生来健康であり, 突然死の家族歴なし. 4~5年前より心電図異常を指摘され, 2008年2月, 健診にて心室性期外収縮(PVC)およびST-T異常を指摘された. 同年3月下旬職員旅行の2日目, 朝食中にCPA(心室細動: VF)が発症し, AEDにより除細動され, 後遺症は認められなかった. 近医入院中の心電図にてcoved型ST上昇(type 1)を指摘され, Brugada症候群と診断されICD植え込み術を施行された. 2008年5月, 当科紹介受診. OGTT負荷により, IRI, および血糖値の上昇に伴い, coved型ST上昇が顕性化した. 12誘導Holter心電図記録では, 各食後においてV2誘導にてcoved型ST上昇が認められ, その程度は, 朝食後に特に強く認められた. 一方, PVCは1日中記録され, QRS波形は左脚ブロック型を呈していた. そこで後日, 朝, および昼禁食で同様に12誘導Holter心電図記録を行ったところ, 日中のPVCは著明に減少し, 朝食後, および昼食後に一致する時間帯の記録ではcoved型ST上昇は消失していた. PVCがVFのトリガーとなっている可能性を考え, カテーテルアブレーション治療を施行しPVCは軽減した.
    本例においてはST上昇, および心室性不整脈発生の増悪に食事が強く関与していた. 以上, Brugada症候群における致死的不整脈の自然発生機序を考慮するうえで, 夜間就寝中の発症ばかりでなく, 食事の影響も注目すべきと考えられた.
  • 若月 大輔, 東 祐圭, 田辺 彩夏, 山谷 清香, 前澤 秀之, 森 敬善, 本田 雄気, 礒 良崇, 下島 桐, 清水 信行, 浅野 冬 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_184-S4_189
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は36歳, 男性. 心突然死の家族歴はない. 自宅で就寝中に突然うなり声をあげ, その後, 心肺停止をしているところを家人が発見した. 救急車内でのモニター心電図は心室細動であり, DCを3回施行され心拍再開し, 当院へ搬送された. 入院後, 心エコー, 心臓カテーテル検査を施行するが異常所見なく, 運動負荷, イソプロテレノール負荷でも不整脈は誘発されなかった. 第14病日の心電図でQTcは320msと短縮していた. 電気生理学的検査では, プログラム刺激で心室細動が誘発された. 心電図のTpeak-Tend(Tp-Te)は120msと延長していた. 加算平均心電図で遅延電位(LP)は陽性で, 再現性を認めた. ニフェカラント静注試験(0.3mg/kg)ではQTcの延長(430ms)を認めたがTp-Teも延長した. キニジン内服でもQTc延長(430ms)を認めたがTp-Teは短縮した. 本症例は自然発症の心室細動であり, 有意なQT短縮を認め, QT短縮症候群の特徴を有する特発性心室細動の症例と考えられたので, 報告する.
  • 大和田 真玄, 祐川 誉徳, 伊藤 太平, 佐々木 憲一, 堀内 大輔, 佐々木 真吾, 奥村 謙
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_190-S4_194
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は37歳, 男性. 35歳時, 夜間入眠中に心室細動(VF)による心停止から蘇生されて当院に搬送された. 受診時の心電図は正常であったが, ピルジカイニド負荷にてtype 1のBrugada型心電図が検出され, Brugada症候群と診断し植込み型除細動器(ICD)植え込み術が行われた. 植え込み後1年半経過した後, 1回のICD適切作動と2回の不適切作動が確認された. 不適切作動は2回とも自転車に乗っている時で, ICDテレメトリーではT波oversensing(TOS)に起因するダブルカウントが確認された. 運動負荷試験では負荷終了後の回復期にtype 2のBrugada型心電図を来し, 同時にTOSが捉えられた. β遮断薬は投与しづらく, またICDの感度調整でもTOSを予防できず, 他社製ICDに変更し, 心室リードを追加した. その後は運動負荷でもTOSが発生しないことが確認された. Brugada症候群ではしばしばTOSによる不適切作動が問題となる. デバイスの選択やリード留置部位を決定する際には, 一層の注意が必要であると考えられた.
  • 小森 暁子, 住友 直方, 阿部 百合子, 田口 洋祐, 中村 隆広, 市川 理恵, 福原 淳示, 松村 昌治, 金丸 浩, 鮎沢 衛, 岡 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_195-S4_200
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    14歳の男児. 9歳時にBecker型筋ジストロフィ(BMD)の診断を受け, 車椅子生活をしている. 14歳8カ月時に数分の意識障害, 動悸を自覚し当科を受診した. 心胸郭比は0.56で, 心拍数210bpm, 右脚ブロックパターンの心室頻拍(VT)を認めた. 心エコーで著明な左室拡大, 左室駆出率(EF)0.18, 重度僧帽弁閉鎖不全を認め, 拡張型心筋症(DCM)の診断で入院した. 利尿薬により心不全は軽快し退院したが, その後, 再びVT, 心不全が増悪し再入院した. VTはメキシレチンの内服でコントロールされたが, 心不全はPDEIII阻害薬から離脱できなかった. 入院4週目頃から血圧低下を伴うVTがしばしば出現し, 入院6週目に意識消失を伴うVTが出現, 心停止となり, 蘇生後に呼吸管理を開始した. その後, 除細動器付心臓再同期療法(CRT-D)を施行したところ, EF 0.40と心機能が改善し, VT, 心不全も一時軽快したが, 4日後に肺炎を合併し死亡した.
  • 新規植込み症例との比較検討
    山崎 浩, 夛田 浩, 関口 幸夫, 五十嵐 都, 黒木 健司, 町野 毅, 小澤 真人, 成瀬 代士久, 井藤 葉子, 青沼 和隆
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_201-S4_207
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    背景: 長期の右室ペーシングは心機能を低下させ心不全を惹起することがある. このような症例に心臓再同期療法(CRT)への “up grade” が有用であることが報告されたが, “up grade” 症例の患者背景, 長期効果および予後は, いまだ十分に明らかではない.
    方法: 対象は右室ペーシングからCRTへのup gradeを施行した11例(up grade群)と左脚ブロックを有する難治性心不全に対し新規にCRTを施行した30例(de novo群). 患者背景, CRT前後の急性期血行動態変化および長期治療効果(左室リモデリング[左室収縮末期容積15%以上減少]の有無と観察期間中の心血管関連イベント)を両群間で比較した.
    結果: Up grade群はde novo群に比して, CRT前のQRS幅(p<0.05), 左室駆出率(p<0.01), ならびに2次性心筋症を有する頻度(p<0.05)が大きかった. しかしながらCRT前の左室同期不全の程度(p=0.69), CRT前の急性期血行動態値(p=0.99), あるいは, その変化率(p=0.83)には両群間に差を認めなかった. 植込み後6カ月時点の左室リモデリングの程度(p=0.28)および観察期間中(1~276カ月)の心血管関連イベントの発生率にも両群間に差(p=0.63)は認めなかった.
    結語: 左心機能低下症例に対する右室ペーシングからCRTへのup gradeは新規植込み症例と同等の急性期および長期効果が期待できる.
  • 中沢 一雄, 原口 亮, 芦原 貴司, 難波 経豊, 戸田 直, 山口 豪, 井尻 敬, 高山 健志, 五十嵐 健夫, 倉智 嘉久, 池田 ...
    原稿種別: 第22回臨床不整脈研究会
    2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_208-S4_215
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    実世界に起きる現象はきわめて複雑であり, 理論的にその振る舞いを解析したり, あるいは記述したりするのは容易なことではない. 特に, 心室細動に代表される致死性不整脈のような複雑な心電現象を, 単純なモデル化や数式化により理解することは困難である. コンピュータシミュレーションおよび可視化は, その複雑なメカニズムの整理や直感的な理解のためには有効な手段である. 心臓の電気的特性は, 多種のイオンチャネルが複雑に関連しながら機能して決定される心筋細胞の電気活動, さらにそれらの心筋細胞が3次元的に配列し有機的に協調・連携した臓器というように階層性を持ったシステムの特性として決定される. したがって, 不整脈現象をより正確に理解するには, 心臓をシステムとして捉える工学的視点が要求され, 心臓の電気現象の各階層(イオンチャネル/心筋細胞/心臓)を統合して考える必要がある. 国立循環器病研究センターを中心に進められているプロジェクトでは, スーパーコンピュータを用いた高速大規模計算技術, コンピュータグラフィックスによる表示, 医用画像処理など, さまざまな工学的技術が含まれている. 心臓モデルを用いたコンピュータシミュレーションを中心に, われわれの研究グループにおける一連の不整脈研究を示す.
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