心臓
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44 巻, 4 号
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Open HEART
HEART’s Special (AEDの戦略的配置に向けて)
HEART’s Selection (心房細動の外科治療)
HEART’s Original
臨床研究
  • 藤田 正俊, 寺本 民生, 河盛 隆造, 松岡 博昭, 篠山 重威
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 425-435
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    生活習慣病の治療において, 医師と患者のコミュニケーションを円滑にし, 治療効果を高めることを目的に作成された診療補助ツール·生活習慣病改善プログラムに登録された患者2,471例のデータを用いて, わが国の生活習慣病治療の実態と, このプログラムが生活習慣病患者の治療効果に及ぼす影響について検討した. 実地臨床における高血圧患者の降圧目標達成率は49.9%, 脂質異常症患者のLDL-コレステロール(C) 管理目標達成率は67.8%, 糖尿病患者のHbA1c管理目標(<6.5%) 達成率は52.8%で, 生活習慣不良を示す生活習慣スコア高値は, いずれの疾患でも管理目標未達成の有意な予測因子であった. また, 薬物療法の強化の影響を除外して生活習慣病改善プログラムの意義を評価するため, 登録時から薬物療法を行い, かつフォローアップ期間中に薬物療法に変更のない893例を対象に各種パラメータの変化を検討したところ, 本プログラムへの参加により診察室血圧は収縮期1.7mmHg/拡張期1.8mmHg, 総コレステロールは7mg/dL, LDL-Cは3mg/dL, 体重は0.4kgの有意な低下が認められた. 高血圧患者の降圧目標達成率は57.0%から62.1%へと有意に上昇した. 生活習慣病改善プログラムは, 管理目標値とその達成状況を視覚的に示すことで, 医師と患者双方の治療意欲喚起につながり, 生活習慣病の治療効果向上に有用であると考えられる.
臨床研究
  • 諸冨 伸夫, 齊藤 正和, 白石 奈々, 長山 雅俊, 伊東 春樹, 川手 信行, 水間 正澄
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 436-441
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    薬剤溶出性ステント(drug eluting stent; DES)留置後早期の心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise test; CPX)の安全性について検討した. 2009年7月から2010年6月までに当院で狭心症に対し待機的にDES(sirolimus eluting stent, paclitaxel eluting stent, zotarolimus eluting stent, everolimus eluting stent)留置後30日以内にCPXを施行した80例(121病変)を対象とした. CPXを施行した時期で早期CPX群(14日以内)と対照群(15日以後)の2群に分類した. 評価項目は嫌気性代謝閾値(anaerobic threshold; AT)および検査終了時(peak)での酸素摂取量(VO2), 中止理由, 心血管事故の有無とした. 早期実施群は対照群に比べて早期にCPXが施行された(5.2±4.2 vs 21.8±4.7日 p<0.01). AT(13.0±2.4 vs 13.1±2.7mL/分/kg, ns), peak VO2(19.3±4.9 vs 20.3±4.8mL/分/kg, ns)および中止理由には有意差を認めなかった. 2群内で検査中および直後の心血管事故は認めず, 全例に運動処方を行った.
Editorial Comment
症例
  • 中村 文昭, 漢那 雅彦, 川口 悟史, 川浦 範之, 森川 渚, 西川 慶, 森田 有紀子, 倉田 篤, 平本 淳, 陳 勁一
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 443-447
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    症例は63歳, 男性. 2009年7月下旬, 嘔気が出現し持続したため, 約10時間後, 独歩にて来院. 心窩部痛があり心電図上II·III·aVFで異常Q波とST上昇を認め, 心エコー図検査で下壁の壁運動低下を認めたため, 急性下壁心筋梗塞と診断した. 緊急冠動脈造影を行うと右冠動脈#4PDに99%狭窄を認め同部位に対し経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI)を行った. その後, 左室造影を行ったところ心室中隔穿孔(ventricular septal perforation; VSP)を認めた. 心臓血管外科に搬送し, VSP閉鎖術および冠動脈バイパス手術を施行され第48病日独歩退院. VSPを合併した急性下壁心筋梗塞症例の救命例は稀のため報告した.
Editorial Comment
Editorial Comment
症例
  • 川人 浩之, 白石 裕一, 畔柳 彰, 白山 武司, 中村 猛, 山野 哲弘, 松室 明義, 沢田 尚久, 松原 弘明, 計良 夏哉
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 450-455
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    68歳, 男性. 径7cmの大動脈弁輪拡張とそれに伴う中等度の大動脈弁閉鎖不全症, 心房細動による心不全にて近医入院. 利尿薬の追加で心不全の改善を認め, 心房細動も直流除細動後はピルジカイニド内服で抑制できた. しかし, その後は発作性上室性頻拍(paroxysmal supraventricular tachycardia; PSVT)を頻回に認め, 精査目的で当院へ紹介入院となった. 心電図上デルタ波は認めず. 電気生理学的検査(electrophysiologic study; nEPS)にてコントロール下では副伝導路の順行性, 逆行性伝導をともに認めなかったが, イソプロテレノール負荷で心室のバースト刺激を繰り返すと左室側壁に逆行伝導のみ副伝導路の伝導を認め, 反復して順方向性房室回帰性頻拍が誘発された. Valsalva洞の著明な拡大のため, 経大動脈的に左室へカテーテルを挿入することが困難なため, 経心房中隔的にアブレーションを試みた. しかし, 大動脈弁輪拡張のためカテーテル操作に難渋しシースの変更により操作性を改善させ焼灼に成功した. PSVTの原因としてカテコラミン感受性の逆行性間歇性副伝導路は稀であり, さらにアブレーション治療に工夫を要したため報告する.
症例
  • 榎本 善成, 野呂 眞人, 伊藤 尚志, 久次米 真吾, 森山 明義, 熊谷 賢太, 酒井 毅, 坂田 隆夫, 杉 薫
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 456-462
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    Brugada型心電図を示し, 不整脈源性右室心筋症(arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy; ARVC) との関連が示唆された2例を経験したので報告する. 症例1は, 62歳, 男性. 前胸部の不快感と心電図異常のため当院へ紹介入院となった. 心電図ではST上昇をV1からV3で認め, V1~2誘導ではcoved型を示していた. 加算平均心電図法による心室遅延電位(late potential; LP), T波交互脈(T wave alternans; TWA) は陽性で, 電気生理学的検査(electrophysiologic study; EPS)で心室細動(ventricular fibrillation; VF)が誘発された. しかし, CTで右室流出路に脂肪変性を伴う心室瘤を認めARVCとの関連が示唆された. 症例2は, 77歳, 男性. 安静時の心肺停止で蘇生例である. 心電図で完全右脚ブロックを伴うsaddleback型のST上昇がV2誘導でみられ, EPSでVFが誘発された. しかし, CTで右室壁の脂肪変性が疑われARVCとの関連が示唆された. 今回の2例はいずれもBrugada症候群の好発年齢よりは高齢であり器質的心疾患除外のために施行したCT検査でARVCとの関連が示唆された. 高齢でBrugada型心電図所見を呈するものの中には, ARVCと関連する症例群が存在する可能性が示唆された.
症例
  • 發知 淳子, 星賀 正明, 藤阪 智弘, 岡部 太一, 中小路 隆裕, 石原 正, 石坂 信和, 花房 俊昭
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 463-468
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    症例は30歳, 男性. 生直後より口鼻周囲にチアノーゼを認め, 先天性心疾患を疑われ精査を受けるも否定的であった. 染色体検査にて部分18トリソミーと診断された(0歳時)が, 医療機関での定期的な経過観察はなされていなかった. 2005年ころ(26歳時)より労作時呼吸苦を自覚するようになり, 以後徐々に増悪. 2009年6月(30歳時), 経胸壁心エコーにて心房中隔欠損症の疑い(左—右シャント)および肺高血圧(推定右室収縮期圧104mmHg)を認め, 精査目的で入院となった. 経食道心エコーにより, 心房間交通孔は小さく, 卵円孔開存と診断した. 心外シャントは認めず, 二次性の肺高血圧症は否定的であった. 心臓カテーテル検査では心拍出量4.06L/分, 肺体血流比0.9, 肺動脈楔入圧8mmHg, 肺動脈圧67/38mmHg(mean 46mmHg), 右房圧3mmHg, 肺血管抵抗9.36Wood単位であり, 肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension; PAH)と診断. 染色体検査再検にて18pテトラソミーと判明した. 酸素吸入療法に加え, ボセンタンを1日31.25mgより内服開始し, 250mgまで増量した. WHO機能分類はIII度からII度へ改善を認め, 6分間歩行距離の延長(130m→315m), 肺高血圧の改善(推定右室収縮期圧71 mmHg→46mmHg)と血漿BNP値の改善(130pg/mL→20~30pg/mL)を認めた. 本症例の経過から, 18pテトラソミーに伴うPAHにも, ボセンタンが有効である可能性が示された.
Editorial Comment
症例
  • 渡邉 健, 安田 修, 松田 健一, 高本 淳
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 470-474
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    症例は79歳, 女性. 2010年5月下旬に夫が急性心筋梗塞で入院したため, 強いストレスがあり, 食欲不振および夜間不眠が続いていた. その後, 症状改善なく6月中旬に当院を受診した. 心電図ではV1~6誘導でST部分の上昇, 血液生化学検査で心筋逸脱酵素値の軽度上昇, さらに, 心臓超音波検査では心尖部側の全周性の心無収縮が認められたため, 急性心筋梗塞の疑いで入院となった. 第3病日に施行した冠動脈造影では有意狭窄は認められず, 左室造影で心尖部側の無収縮および心基部側の過収縮が認められたため, たこつぼ心筋障害と診断した. 心筋性状を評価するため第11病日, 第54病日, 第120病日および第360病日の2011年6月上旬に心臓MRIを施行した. シネMRIでは2010年6月には心尖部の低収縮が認められたが, 8月には壁運動は正常化した. 一方, 遅延造影像では6月には心尖部で全層造影効果が認められたが, 8月以降は心外膜測の造影効果の程度が減弱した. しかし, 10月および2011年6月においても心内膜側の造影効果は残存し, その程度はほぼ同じだった. これらの結果より, たこつぼ心筋障害では心筋細胞に障害が生じるが, その障害は経時的に修復され, 4カ月後にはほぼ固定され, その後も長期間残存する可能性が示された.
Editorial Comment
Editorial Comment
症例
  • 菊地 信介, 赤坂 伸之, 光部 啓治郎, 福山 貴久, 内田 大貴, 小久保 拓, 古屋 敦宏, 内田 恒, 東 信良, 稲葉 雅史, 笹 ...
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 479-483
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    66歳, 女性. 突然の左上腹部痛を主訴に近医を受診し, CTにより脾動脈瘤切迫破裂と診断され当院に救急搬送された. 血管造影にて最大径3cmの脾動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した. 塞栓術後, 血液検査上, 炎症反応が高値であったため, sulbactam/cefoperazoneを継続投与するも炎症反応の改善を認めず, 第13病日に突然呼吸不全が出現した. 心エコー検査で僧帽弁前尖および後尖に疣腫を認めたため, 感染性心内膜炎(僧帽弁閉鎖不全症)による急性心不全と診断した. 血液培養は陰性であったが, 同日のCTで脾膿瘍および肝膿瘍が疑われ, 感染源コントロール目的に脾摘出術, 肝膿瘍ドレナージを施行した. 抗生物質は経験的にimipenem/cilastatin+gentamicinを投与したが, 炎症反応が改善傾向になくvancomycin+gentamicinに変更した. 開腹術後侵襲を考慮し弁膜症手術を緊急で行うことを回避し, 保存的に心不全感染コントロールをした後, 第28病日に僧帽弁置換術を施行した. 術後経過は良好であった. 疣贅の培養検査および病理検査でも菌体は検出されなかった. 本例は, 感染性心内膜炎による急性心不全症例であるが, 心不全コントロールが可能であり, 明らかな感染部位に対して緊急弁膜症手術に先駆けて感染コントロールをしたことで, 良好な経過を得たため報告する.
Editorial Comment
症例
症例
  • 杉山 瑞穂, 荒尾 憲司郎, 内藤 亮, 船山 大, 阿古 潤哉, 百村 伸一
    原稿種別: HEART’s Original
    2012 年 44 巻 4 号 p. 491-495
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    症例は, 63歳, 女性. 背部痛を主訴に当センターに救急搬送された. 胸腹部造影断層撮影(computed tomography; CT) にて左鎖骨下動脈分岐部から上腸間膜動脈分岐部までの偽腔閉塞型大動脈解離を認めた. 急性B型大動脈解離の診断にて安静およびβ遮断薬とCa拮抗薬での降圧療法による保存的療法を開始した. 第5病日, 排便直後に突然胸部痛が出現し, 血圧低下を伴い, 心電図で一過性の完全房室ブロックとII, III, aVF誘導でのST上昇所見を認めた. 直後の経胸壁心エコー(transthoracic echocardiography; TTE), 胸腹部造影CTと経食道心エコー(transesophageal echocardiography; TEE)にてValsalva洞および右冠動脈入口部に異常を認めず, 大動脈解離の冠動脈入口部への進展は否定的であった. 冠動脈造影では, 右冠動脈が高度に攣縮しており, 数回の硝酸薬およびニコランジルの冠動脈内注入と持続静脈点滴により冠攣縮は解除された. その後, 経口薬への切り替えを行ったが, 冠攣縮の再発や大動脈解離の進展を認めず退院となった. 今回, 急性大動脈解離の治療中に, 冠攣縮による急性心筋梗塞を発症した1症例につき文献的考察を交えて報告する.
Editorial Comment
Meet the History
  • 新井達太先生に聞く(2)
    新井 達太, 四津 良平
    原稿種別: Meet the History
    2012 年 44 巻 4 号 p. 499-508
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/02
    ジャーナル フリー
    新井達太先生は, 日本の心臓外科の黎明期に, 東京女子医科大学の榊原 仟先生のもとで学び, 国産の人工心臓弁SAM弁を開発し, 世界に先がけて弁付き同種大動脈を用いた右室—肺動脈のjump graftの動物実験に成功されました. また, 世界で初めてA型単心室の隔壁形成術に成功し, その患者さんは40年を超えた今も元気で暮らしておられます. 母校に戻られてからは, 慈恵医大に心臓外科教室を創設し, その後故郷の埼玉県に循環器病センターを創設されました.
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