心臓
Online ISSN : 2186-3016
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ISSN-L : 0586-4488
56 巻, 5 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
OpenHEART
HEART’s Selection(座談会 2024年版不整脈治療ガイドラインを語る 企画:近藤祐介)
HEART’s Column
HEART’s Up To Date
[臨床研究]
  • 小林 美穂, 春木 康伸, 大野 誠子, 村上 弘則
    2024 年56 巻5 号 p. 447-453
    発行日: 2024/05/15
    公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー

     背景:ATTR野生型心アミロイドーシスは,心電図四肢誘導の低電位など様々な心電図異常や,左室壁厚増加,左室収縮・拡張障害などの異常心エコー図所見を示すが,四肢誘導低電位の長期的な経時変化は明らかではない.
     方法・結果:ATTR野生型心アミロイドーシス7例中,長期に心電図と心エコー図所見を観察できた5例で,両者の経過と関連を検討した.心電図四肢誘導は各誘導の電位が小さく,その変化を評価しにくいため,四肢誘導R波高の総和を求め(∑R),さらに初回心電図の∑R値を100とし,その後のΣR値の変化率(%∑R)を算出し心電図変化指標とした.心エコー図は左室心筋重量係数(g/m2)・左室駆出率(%)・僧帽弁流入血流E波高と僧帽弁輪運動速度e’の比(E/e’)の3指標を選択し,初回値を100とし,以後の値のそれぞれの変化率を%∑Rと同様に算出して変化指標とした.全症例で経時的に∑R,%∑R,%左室心筋重量係数,%E/e’は増加,%左室駆出率は低下した.%∑Rは%左室心筋重量係数(R=-0.313,P<0.05),%E/e’(R=-0.720,P<0.001)と逆相関,%左室駆出率(R=0.543,P<0.001)と正相関した.
     結語:全例が心不全を発症し4例が死亡した.全例で%∑Rの経時的な減少が左室壁厚増加や左室機能障害と関連したため,%∑Rは本症の進行度を反映している可能性が示唆された.

[Editorial Comment]
[臨床研究]
  • 高田 桜子, 桑山 さつき, 山本 花奈子, 奥平 美穂, 田中 貴子, 西田 美晴, 疋島 亮子, 原田 智也, 井上 勝, 小見 亘, ...
    2024 年56 巻5 号 p. 456-464
    発行日: 2024/05/15
    公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー

     背景・目的:当院循環器病棟における過去3年間の心不全患者の約3割が心不全増悪で再入院となっている.心不全の療養管理には適切なセルフモニタリングが重要な役割を果たす.本研究では,自宅でのセルフモニタリング向上に向けた支援を実践し,遠隔介入の有効性を検証する.
     方法:心不全にて入院加療後,自宅退院され外来通院中の患者を対象に病棟看護師が電話による遠隔看護介入を行った.介入前後でセルフモニタリングに対する関心や行動の変化をアンケート調査した.また,介入前から介入終了後までの経過中の体重や介入内容,追加治療の有無,心不全増悪による再入院の有無について調査した.
     結果:遠隔看護介入では,体重や血圧の測定,症状の観察を習慣化することや,セルフモニタリング行動への患者の関心を高めることに有効であった.患者自らが病状を正確に解釈し,病状増悪を予防するための行動を促進することはできなかったが,病状の解釈を助け,生活調整を行うことには有用であった.

[症例]
  • 大政 皓聖, 豊田 幸樹年, 緒方 梨花, 清水 正幸
    2024 年56 巻5 号 p. 465-471
    発行日: 2024/05/15
    公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー

     頻脈誘発性心筋症は救命が困難になり得ることもある慎重な臨床的管理を要する疾患群であり,治療は心不全と原因となる頻脈性不整脈に対する加療である.我々は薬物治療抵抗性の心房細動による頻脈誘発性心筋症,薬物治療抵抗性心不全に対してIMPELLA CP®(Abiomed,Inc.Danvers,MA,USA)を用いて良好な転帰を得た1例を経験した.
     症例は70歳台女性.頻脈性心房細動による心不全の診断で集中治療室に入室した.抗不整脈薬,循環作動薬使用や人工呼吸器管理も施行したが循環動態の改善は認めなかった.薬物治療抵抗性心不全と判断して左室補助目的にIMPELLA CP®を導入し循環を維持した.導入後に脈拍の低下,循環動態の改善を認め,第5病日にIMPELLA CP®を離脱し,第6病日に人工呼吸器離脱を行った.
     本症例では左室補助としてIMPELLA CP®による循環維持を行い,体液量調整を行った.頻脈誘発性心筋症による薬物治療抵抗性心不全に対してIMPELLA CP®は選択されうる治療の一つと考える.

[症例]
  • 寺中 若菜, 岩本 真佳, 川端 祥太, 石村 亮治, 中野 斉, 松本 晃典, 樫山 智一, 中谷 和弘, 光定 伸浩, 内藤 博昭, 安 ...
    2024 年56 巻5 号 p. 472-477
    発行日: 2024/05/15
    公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー
     73歳女性.肺腺癌・乳癌術後で化学療法,放射線治療を施行中,労作時の息切れと咳嗽を主訴に受診.経胸壁心臓超音波検査で肺高血圧症を認めたため循環器内科に紹介.右心カテーテル検査による肺動脈楔入血液細胞診の結果,乳癌由来の悪性細胞を診断し肺腫瘍血栓性微小血管症(PTTM)の診断に至った.原疾患の治療として乳癌に対する特異的化学療法(ベバシズマブおよびパクリタキセルの併用療法)を開始し,症状および肺高血圧が改善,第30病日で自宅退院した.退院後1年4カ月間外来で経過観察が可能であった.PTTMは肺動脈の微小腫瘍塞栓により肺高血圧をきたす病態で,急速に進行し一般的に数日から数週間以内で死亡するため生前診断が困難な症例が多い.今回,経カテーテル肺動脈楔入血液細胞診により乳癌由来のPTTMと診断し,乳癌に対するベバシズマブを含む特異的化学療法にて予後が改善したと考えられた症例を経験したので文献的考察を交えて報告する.
[Editorial Comment]
[症例]
  • 添田 裕基, 佐藤 公一, 池田 尚平, 渡邉 仁美, 篠﨑 真莉子, 三木 景太, 平野 道基, 福田 浩二, 武田 守彦
    2024 年56 巻5 号 p. 480-485
    発行日: 2024/05/15
    公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー
     症例は68歳男性.冷汗を伴う胸痛にて搬送された.心電図検査でV2,V3誘導で陰性T波を認め,血液検査でトロポニンIの上昇を認めたため,非ST上昇型心筋梗塞と診断した.また,問診で金属アレルギー疑いが判明した.緊急冠動脈造影検査の結果,左冠動脈前下行枝に100%閉塞病変を認め,冠血行再建の適応と判断した.日本循環器学会ガイドラインでは薬剤溶出性ステント(DES)がクラス・で推奨される.しかしながら,金属アレルギーを疑う病歴から,DES留置は見送った.薬剤コーティングバルーンによるステントレスでの経皮的冠動脈形成術による血行再建治療を行い,TIMI3を獲得し,手技を終了した.今後の治療のためにも,金属アレルギーの評価の目的に,DESに含まれる金属に対するパッチテストを皮膚科に依頼した.検査の結果は,ニッケルに対するアレルギー反応が陽性であった.過去の文献では金属アレルギーの患者にDES留置を行うと新規の瘤形成や,ステント内再狭窄をきたした例が報告されている.本邦で使用されているDESのすべてにニッケルが含有されていることから,本症例のようなニッケルアレルギー患者においては,DES留置が問題となることがあり得るので注意が必要である.
[Editorial Comment]
[Editorial Comment]
[症例]
  • 佐野 太一, 安達 晃一, 田島 泰, 中村 宜由, 玉井 宏一, 新井 大輝
    2024 年56 巻5 号 p. 488-491
    発行日: 2024/05/15
    公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー
     症例は86歳男性,20年前に他院で大伏在静脈による右冠動脈および左冠動脈前下行枝への冠動脈バイパス術(CABG)を実施.その後12回のカテーテル治療を繰り返したが,狭心症が再発したため,冠動脈造影を実施した.2本の冠動脈バイパスは開存が確認されたが,対角枝の高度狭窄および回旋枝の閉塞が認められ,狭心症の原因と診断された.しかし,カテーテル治療が不可能と判断され,当科紹介.左小開胸アプローチによる心拍動下冠動脈バイパス術(MICS-CABG)を実施,術後経過は良好で虚血症状も改善した.正中開胸によるCABG後症例に対するMICS-CABGも血行再建法として有用であったので報告する.
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