心臓
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6 巻, 12 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 半谷 静雄, 橋本 明政, 服部 浩一, 今野 草二
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1653-1662
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    現在まで(1973年12月)の東京女子医大,心研における大動脈弁上狭窄症(Supravalvular Aortic Stenosis,SAS)の手術自験例7例をもとに,他の文献を加えてSASに対する手術について,その歴史,分類,手術適応手術方法などについて検討を行なった.
  • 橋本 虎六, 平 則夫, 飯島 俊彦, 木村 智彦, 元村 成
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1663-1671
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    イヌ摘出交叉血液環流洞房結節標本,房室結節標本,乳頭筋標本を用いて,グルカゴンの洞房結節の歩調取り活性,房室伝導時間,乳頭筋収縮力に対する影響を検討した.グルカゴンは供血犬に静注し,全身犬における心拍数と全身血圧,さらに各摘出標本での効果を同時に比較検討した.グルカゴンによって房室伝導時間が最も著明に短縮され,次いで洞調律の促進,そして収縮力増加の順であった.グルカゴンの臨床的応用として,房室伝導障害の改善について考察した.
  • 血管拡張作用と心機能
    坂本 徹, 山田 崇之, 畑野 良待, 長岡 秀郎, 前村 大成, 十九浦 敏男, 村上 忠重
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1672-1679
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    開心術後症例にphenoxybenzamin(1mg/kg)を投与し血行動態の変化を測定した.適応は平均左房圧15mmHg以上あるいは平均肺動脈圧25mmHg以上ののいずれかと四肢冷感のある場合とした.全例で動脈圧は正常にもかかわらず心係数は3.0L/min/m2以下であった.投与後120分では投与前に比較するとその変化率は,心拍出量+33.7%,1回拍出量+20.8%,心拍数+8.8%,平均動脈圧-11.0%,平均肺動脈圧-12.1%,平均左房圧-16.5%,体血管抵抗-35.0%,肺血管抵抗-24.0%であった.開心術後,動脈圧正常,左房圧上昇,心拍出量減少を示す症例では心筋収縮力低下は軽度で,phenoxybenzamine投与でafterloadを軽減すると著明に心機能は改善した.
  • 超音波心臓断層法ならびにUCGによる検討
    永田 正毅, 松本 正幸, 別府 慎太郎, 玉井 正彦, 中埜 粛, 松尾 裕英, 川島 康生, 榊原 博, 仁村 泰治, 阿部 裕
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1680-1685
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Fallot四徴症を超音波心臓断層法の面から検討した、このためには,おおむね心臓長軸に沿った断面が最も適当である.ここでは大動脈基部前壁エコーと心室中隔エコーとの間が不連続であり,この部によって大動脈腔は右室腔にも連続していることが認められる. かつ,心室中隔エコーの上端は大動脈前壁エコーより深く,同前壁,後壁エコーの中間に当るレベルより心尖部の方に向かう.以上の様な断層図所見に基づいて適当なピーム方向をあらかじめ選定の上,通常UCGによる検討も行なった.この際,欠損部では大動脈前壁エコーと心室中隔エコーの間には連続がなく,両者は違ったレベルに在り,かつ両者は心時相に応じて交互に出没する.単純な心室中隔欠損症でも欠損口が大きいと心室中隔の辺縁のエコーが時相に応じて出没するのが見られることがある.
  • 調 亟治, 釘宮 敏定, 富田 正雄, 田中 耕三, 葉玉 哲生, 賀来 清彦, 山住 輝和, 黒岩 正行, 高木 正剛, 内田 雄三, 牟 ...
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1686-1696
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    小児期,若年期の胸部大動脈瘤(大動脈憩室を含む)4例の手術例を経験し,これらの症例について検討を加えた.12歳から17歳までの男女各2例で,症例1は右側大動脈弓で左異型鎖骨下動脈を伴った右鎖骨下動脈起始部の憩室(大動脈瘤様拡張)であり,症例2は下行大動朋の炎症性仮性大動脈瘤,症例3,4は下行大動脈瘤で組織像は両例ともきわめて類似し,外見上健康部と思わホる大動脈壁でも中膜の断裂,消失がみられるが,嚢状の酸性ムコ多糖体の貯留を伴わず,いわゆる嚢状中膜壊死症と異なる病際であった.
    以上の知見に文献上の考察を加えて整理し,小児期,若年期の胸部大動脈瘤の病因分類を行なった.すなわちその大綱はI群は先天性素因による中膜の組織学的変化に基づくもの,II群は大動脈弓の発生学的異常に関連のあるもの,III群は後天性病因によるものの3群である. 近年の嚢状中膜壊死症に対する組織像の疑義にもふれ,著者らの知見を加味して現時点での病因分類を試みた.
  • 多治見 司, 黒岩 昭夫, 折田 泰彦, 田中 銑一, 浜中 保男, 竹下 彰, 中村 元臣, 竹田 泰雄
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1697-1705
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    demand型ペースメーカの植え込み後に自発収縮の出現した17例について,自発収縮心電図の変化につき,主としてFrank誘導スカラー心電図を用いて検討した.
    対象は高度房室ブロック,sick sinus syndrome,発作性心室細動などで,全例,経静脈性に右心室にペースメーカを植え込んだ,自発収縮のT波の変化は植え込み翌日より,すでに大部分の例に出現し,最長2年10ヵ月の観察例でも,なお認められた.このT波は一見冠性Tに類似し,一般に右上後へ偏位するものが多かった.postpacemaker implantation T wave changeの機序についてはなお確定されていないが,心室脱分極過程の変化,カテーテル接触部位心筋の器質的変化,頻拍後丁波変化,期外収縮後T波変化などの面より考察を加えた.このT波変化はペースメーカ機能自体とは無関係のようであるが,心内膜下硬塞と誤診しない注意が必要である
  • 別府 慎太郎, 永田 正毅, 玉井 正彦, 松本 正幸, 北村 惣一郎, 佐藤 健司, 松尾 裕英, 小塚 隆弘, 川島 康生, 榊原 博, ...
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1706-1714
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    一般に超音波断層図では僧帽弁前尖エコーは連続的に心房中隔エコーに移行するのが見られる.心内膜床欠損症ではこの両者の接合部にエコーの中断が見られ,心房中隔エコーは中断部を隔てて見られることもあり,全く捕捉されないこともある.Mモード・スキャンニングUCGにおいても同様の関係が見られる.僧帽弁エコーよりの移行部が突然申断を示すことは本症における欠損口そのものを検出したものと考えられる.
    また本症のUCGでは,三尖弁エコーは収縮期には心室中隔エコーの後方,すなわち一見左心側にあるごとく見え,拡張期には中隔工潔一を横切って右心側に出る.また僧帽弁前尖エコーの拡張初期ピークが心室中隔エコーの中に入り込む様に見られることなども特徴的像である.さらに右室腔の拡大,心室中隔の奇異性運動,僧帽弁前尖エコーの収縮期部分後半の拳上など,右室容積負荷として一般的に知られた像もあわせて見られる.
  • 門間 和夫, 高尾 篤良
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1715-1721
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    過去8年間に東京女子医科大心研で右心カテ検査を受けた二次孔型心房中隔欠損症854例につき,肺高血圧の程度,その年齢別性別の頻度を検討した.
    各年齢群とも肺動脈収縮期圧30mmHg以上の例が25%ないし50%を占め,その大部分は50mmHg以下で肺血管抵抗は正常であった.肺動脈収縮期圧50~70mmHgの症例も肺血流量増加を伴い,全肺血管抵抗は12単位以内であった.肺動脈収縮期圧80nmHg以上の症例は,その62%に著しい肺血管抵抗増大(14単位以上)を伴い,残りも中等度の肺血管抵抗上昇を生じていた.肺動脈収縮期圧50mmHg以.鉱の症例は全体の6.4%であり,年齢別頻度は10歳台で最低であり,20歳以後多くなり,50歳以上では50%に達した.全肺血管抵抗14単位以上の高い抵抗を有する例は16例(全体の1.9%)で.年齢は3歳より53歳にわたり,年齢別頻度は年齢のすすむにつれ高くなり,40歳台で8%であった.肺高血圧合併率は女性でやや高く,特に20~40歳で明らかな差が認められた.
  • 尼子 春樹, 西村 基, 平 明, 松窪 尉雄, 村田 和武, 田中 弘允
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1722-1728
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心室中隔欠損閉鎖術によって生じた外科的一過性房室ブロックが4年9ヵ月の順調な臨床経過の後にふたたびAdams-Stokes発作を伴って出現した症例を経験した.毎年,行なっていたfollow up時の心電図ではRBBBのみで4年月にRQSの延長をみたが予知し得なかった.HBE上,ブロック部位はHV間であり,ペースメーカ植え込みの適応であったが,同意が得られず,薬物投与によって経過観察中に急死した.外科的一過性ブロックの予後は良好とされているが,開心術後,長期間の年月を経て本後遺症がまれではあるが起こりうることを報告した.
  • 小川 聡, 福田 仁
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1729-1735
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    成因を示唆する経過をとった産褥性心筋症の1例を報告する.症例は28歳の主婦.昭和45年第1子分娩後2回のX線検査で心拡大は認めず.48年4月9日第2子分娩.5月7日に夜間呼吸困難,起坐呼吸が出現,某医で治療を受けるも軽快せず,6月29日当院入院となる.入院時,心胸係数は60%で,心尖部に僧帽弁逆流音を聴取右心カテーテルで右室拡張終期圧上昇を認む.当初より心電図上,V,に巨大陰性P波を伴う発作性頻拍症が多発し,難治性であったが,産後4ヵ月目の月経の再潮を境に全く消失し,洞調律に復した.しかしその後排卵があり,黄体期になると,ふたたび多発する様になり,その際心拡大も増強した.以後毎月,プロゲステロンの分泌量の増す黄体期に一致して症状の増悪を繰り返し,9ヵ月後には,ほぼ改善された.
    以上の経過より,その量がさらに増加すると云われる妊娠末期において,プロゲステロンが何らかの機序で,本症の成因に関与していると推察された.
  • 島倉 唯行, 小笠原 長康, 谷口 堯, 湊 宏司, 堺 裕, 榊原 宏
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1736-1741
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心内膜床欠損症は解剖学的に多くの病型が考えられ欠損の程度により臨床症状,手術成績など著しく異なる.重症例の多くは生後,数年以内に死の転帰をとるとされ,50歳以上の生存例は,ごく少ないと考えられる.しかも,これらは一次孔開存のみか,これに軽度の僧帽弁亀裂が加わる程度のものでなけれぽならない.われわれは術前ASD+MSとして外科治療にのぞんたが,ECD+MSiであった50歳の1例を経験した.心胸郭比68%と心肥大強度,心電図ではQRS電気軸+100°と右軸偏位,心尖部での輪転様拡張期雑音などの所見から,ECDを疑うことはできなかった.
    手術に関しては,一次孔をテフロンパッチにて縫着,術後ブロックを防ぐため,冠状静脈洞を左房側に誘導し房室弁口部ではプレジェットを三尖弁基部中隔尖におき後半1/3部を僧帽弁前基部にて縫着した.今後,術後経過を注意深く観察していくつもりである.
  • 長柄 英男, 稗方 富蔵, 安西 信行, 今野 草二
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1742-1746
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    先天性左心室憩室はきわめてまれな疾患でその切除成功例は少ない。われわれは最近Fallot四微症および膀ヘルニアの術前診断で手術を行なったところ,特異な左心室魁室を認め切除に成功した.従来本症例の様な症例はCantrell症候群とし,心臓脱の1つの型とされてきたが,われわれは先天性左心室憩室として報告されているものと全く同一の疾患であると考えた.
  • 伊藤 明一, 丹野 三男, 船渡 泰, 桜井 潔, 鈴木 彦之, 布川 喬, 坂本 正寛, 秋山 巖, 厨川 和哉, 高橋 堅治, 小田島 ...
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1747-1757
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    完全房室ブロック3例と2:1房室ブロック1例のHis束心電図を記録し,His束内ブロックと診断された,QRS幅は2例で正常,1例で幅広く,1例で2種類のQRSがみられた.split Hは2例でみられ,1隔狭いQRSを示した1例ではHV間のブロックがみられた.Castilloの3極電極を用いた1例では,近位の双極誘導でH,遠位の双極誘導てH'が記録された.このようなHis束心電図上の異なるパターンは,カテーテル電極とHis束の解剖学的関係によって説明される.AH間隔は全例正常範囲(1例はisoprcterenol投与後の値)を示した,心室拍数は,atropineにより不変あるいはli輪度増加を示し,isoproterenolにより増加した.
  • 異常肺静脈管が閉鎖していた1剖検例
    松下 端夫, 安藤 正彦, 長井 靖夫, 高尾 篤良, 高田 忠敬, 今井 三喜, 山本 高次郎
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1758-1763
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    総肺静脈還流異常症の臨床症状は,静脈還流の阻害に起因する場合が多い.特にこの傾向はInfracardiac typeで強いのは衆知の事実であるが,本報告例では異常肺静脈管が完全閉塞を示した.この様な症例はJ国外で1例の報告例があるのみで,本邦では最初の症例と思われる.
    症例は死亡時生後14日,男.臨床的には,チアノーゼ,多呼吸,哺乳困難が生後早期より漸増し,心不全よりもhypoxia(PO2 23mmHg)が主徴をなしていた.心電図(強い右室肥大),胸部X線(肺静脈うっ血像)は定形的な総肺静脈還流異常症の所見を示している.
    剖検所見では,全ての肺静脈が傍食道異常肺静脈管を介して,すでに門脈および下大静脈結合部の閉鎖した静脈管に注いでいた.胸膜静脈,リンパ管,食道周囲静脈の拡張があり,これらが副血行路として働いていたと思われる.
    本症は心内修複が可能であり,新生児期に発症した総肺静脈還流異常症では,本症の可能性を考慮して検索を早期に行なうべきである.
  • 中屋 豊, 三河 浩一, 仁木 敏晴, 佐藤 浩充, 相原 令, 川島 立也, 寿満 裕司, 森 博愛, 大久保 新也
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1764-1768
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    WPW症候群の家族内発生については,1944年Öhnellによって第1例が報告されて以来,臨床的に注目されているが,一般にその報告例は少なく,本症候群の遺伝性については,現在のところ統一した見解は得られていない.しかしながら,ある症例においては,同一家系内に高頻度に本症候群がみられ,家族内発生を考えざるを得ない場合も少なくない.
    私どもも親子(母と娘)にWPW症候群を認めた一家系を経験した.両者の心電図およびベクトル心電図は類似した所見を示し,またこの家系には,他にPR問隔短縮傾向を示す者が3名認められ,本症例も遺伝因子の関与する家族性WPW症候群と考えられた.あわせて,家族性WPW症候群についての文献的考察を行なった
  • 香川 靖雄
    1974 年 6 巻 12 号 p. 1769-1777
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 1974 年 6 巻 12 号 p. 1561-
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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