心臓
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6 巻, 3 号
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  • 冠状動脈・心筋直達手術を中心に
    平塚 博男, 松本 学, 田中 二仁, 小原 邦義, 遠藤 真弘, 石井 信行, 北村 信夫, 上原 吉三郎, 今村 栄三郎
    1974 年 6 巻 3 号 p. 269-292
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    内科治療によって臨床像の改善がみられなかった虚血性心疾患患者5例に対し冠状動脈・心筋直達手術を施行した.これらの症例を中心に現時点における外科治療の問題点を検討する.
  • 藤井 諄一, 渡辺 熈, 渡辺 坦, 小山 晋太郎, 加藤 和三
    1974 年 6 巻 3 号 p. 293-305
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    完全房室ブロック例の左室後壁および僧帽弁エコーグラムを心電図,心音図と同時記録することにより,その血行動態の検討を行なった.左室充満に対する心房収縮の寄与はP-Rα20秒付近で最大となるとの結果を得,また心拍数を増加させた際には心房の寄与が著明となることを認めた.さらに収縮期の憎帽弁動態と1音振幅との関係を検討し,1音発生に関する筋説と弁説について考察を加えた.そして大砲音の成因と左室収縮開始時の僧帽弁の位置とは密接な関係があると考えられた.さらに拡張期の僧帽弁動態からP波の位置に応じて急速充満波の大きさに差を生じ,それに続いて拡張中期に種々の大きさの僧帽弁のundulationがみられた.P波の位置による左室への血液流入様式の変化の反映であると考えられた.
  • 傅 隆泰, 渡辺 坦, 加藤 和三
    1974 年 6 巻 3 号 p. 307-319
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    従来実験的にはほとんど観察されなかった虚血性T逆転,QT延長(冠性T)が冠状動脈閉塞直後と解除後の両者で起こること示し,電極下心筋での軽微な虚血に伴う再分極過程の遅延と隣接他部でのより重篤な虚血傷害に伴う再分極過程の促進によることを明らかにした.
  • 森川 哲夫, 今井 康晴, 龍野 勝彦, 今村 栄三郎, 藤倉 一郎, 今野 草二, 高尾 篤良
    1974 年 6 巻 3 号 p. 320-327
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    体重6kg以下の乳幼児心疾患の開心術に表面冷却-循環冷却-循環停止-循環加温の方法により,体外循環時間の短縮と無血術野による手術の迅速化を計った.心室中隔欠損症兼肺動脈高血圧症4例,総肺静脈還流異常症2例,大動脈中隔欠損症1例,Fallot四徴症1例,共通房室口兼室上稜心室中隔欠損症1例の計9例に施行した.その結果,体外循環時間の減少(平均58分)と術後呼吸管理で1例を失なったが著明な術後肺合併症の減少をみたので,その具体的な方法と術後管理について検討を加えて報告した.
  • 吉川 純一, 田中 久米夫, 田中 忠治郎, 古川 宏太郎, 川合 清毅, 竹内 一秀, 大脇 嶺, 加藤 洋
    1974 年 6 巻 3 号 p. 328-337
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心血管造影,左心カテーテルで確診した特発性肥大性大動脈弁下狭窄(IHSS)14例のUCGを検討し,主に本症におけるUCGの診断学的意義について考察を加えた.対照として,健常者20名ならびに左室負荷疾患66例のUCGを用いた.IHSSにみられるUCG所見としては,1)異常僧帽弁収縮期前方運動(SAM),2)僧帽弁前尖拡張期後退速度の低下,3)B-B'step,4)大動脈弁収縮期変形,5)心室中隔の肥厚,6)左室内腔の狭少化などが認められ,これらの所見はIHSSの形態学的ならびに機能的条件を見事にとらえているものと考えられた.一方diastolic septum contactはIHSSにとって本質的な所見とは考えられなかった.UCGは装置の種類やその操作によって,かなりvarietyのある所見がえられるものの,適確な判断によりIHSSの診断にとってきわめて有効な方法と考えられた.
  • 鳥井 紳一郎, 荒木 裕, 相良 鞆彦, 柿丸 幸嗣, 金谷 久司, 内藤 説也, 中垣 健
    1974 年 6 巻 3 号 p. 338-346
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    23例の狭心症患者と9例の狭心発作を伴わない虚血性心疾患患者に,体重10kg当り0.13mlあて0.1%塩酸ピ環カルビン液を皮注したところ,狭心症では23例中14例に注射後8ないし25分の間に典型的な狭心発作を生じたが,後者には全く発作を認めなかった.このピロカルピン皮注による狭心発作は,労作性狭心症に比し安静型狭心症においてはるかに高頻度に出現した.この際の狭心発作発現メカニズムとして副交感神経系の興奮異常の関与が考えられる点について考察を行なうとともに,安静型狭心症の病態生理解明の一手段としてピ鐸カルビン試験が有用である点につき述べた.
  • 二重盲検法による抗不整脈薬の効果判定はいかに行なうべきか
    木村 栄一, 斧田 太公望, 宮原 光夫, 金沢 知博, 新谷 博一, 水野 康, 早瀬 正二, 高安 正夫, 戸山 靖一, 木村 登, 奥 ...
    1974 年 6 巻 3 号 p. 347-358
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    新しく開発された抗不整脈薬prajmalium(propylajmaline)の経口投与による効果を,群問比較による二重盲検法を用いてajmalineおよびinactiveplacebo のそれと比較した.1分間数個以上の期外収縮を有する78例に上記薬剤を1週間投与し,来院時における期外収縮数の減少度を目標として,3薬間の比較を行なったが,有意の差はえられなかった.しかし分析の結果,1分間10個以上の期外収縮を有する例を対象とするならば,prajmaliumがajmalineおよびinactiveplaceboより有効だという成績がえられるであろうとの推定がなされた.一方,主治医の評価による総合判断を用いた時には,3群間に有意の差のあること,さらにprajごnaliumがi捻activeplac¢boより有意の差をもってすぐれていることが知られた.また多変量解析により分析を行なうに,期外収縮数の消艮,心拍不整感およびめまいが主治医の総合判断に強く影響していることが知られた.なお,本剤は発作性心頻拍や発作性心房細動の予防にも有効であることが期待されるが,症例数が少ないため参考データとするに止めた.本剤の副作用として最も重大なのは肝機能障害の発生であるが,分析の結果,心胸比の大きな例でS-GOTの上昇をきたしやすいことがわかった,したがって心臓の大きなもの,始めからS-GOTや3GPTの高いものには,投薬にさいし注意することが必要である.
  • 中島 一已, 浅利 秀男, 富永 誠一, 西田 宏, 山本 四郎, 池田 祐之, 桧山 輝男, 石原 昭, 小柳 仁
    1974 年 6 巻 3 号 p. 359-364
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    4歳男児(症例1),心室中隔欠損および左鎖骨下動脈閉塞を合併したmultipleperipheralste .nosisの症例と,22歳女性(症例2),純型peripheralstenosisの症例を報告した.2例とも,聴診で肌野に連続性雑音を聴いた.連続性雑音の成因は狭窄部前後に収綻期と拡張期の両期に存在する圧差によると思われる(症例1).大動脈側の病変すなわち大動脈弓症候群,大動脈弁上狭窄などとの合併が報告されており,われわれも鎖骨下動脈閉塞の合併を経験した(症例1).Fallot四徴との合併についてはFallot四微自体が肺動脈低形成を主徴とする疾患であり,ことさら本症との合併を強調する必要はないと考える.
  • 定方 正一, 渡辺 憙志, 三品 陸人, 田中 茂穂
    1974 年 6 巻 3 号 p. 365-370
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    僧帽弁裂隙を合併する二次口心房中隔欠損症は,比較的まれな心奇型とされ,報告も少なく不明な点が多い.風邪をひき易く,扁桃腺腺炎を起こし易いことを主訴にした5歳の女児に,本症を経験した.本例は手術的に1.9×1.4cmの二次口心房中隔欠損と,僧帽弁前尖の中央ほぼ後寄りに約6mmの裂隙が確認され,欠損孔は縫口閉鎖され,裂隙は放置された.裂隙は局所所見から先天性のものと考えられた.しかも本例は,術後1年,心音図上でも心血管造影によっても,僧帽弁の逆流を証明しえなくなった興味ある症例である.臨床所見では,胸郭は軽度の漏斗胸を示し,振額はふれず,第2肺動脈音に固定性分裂を認めた.心雑音は胸骨左縁,第3肋間に最強点をもつ3/6の全収縮期雑音であった.胸部X線所見では心陰影の軽度拡大と肺血管陰影の軽度増大がみられた.心電図,心音図上は,二次口心房中隔欠損症としては,やや非定型的と考えられた.
  • 酒井 圭輔, 久保田 宏, 村上 忠司, 横田 裕光, 斉藤 明子, 柴田 淳一, 名取 孝
    1974 年 6 巻 3 号 p. 371-379
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心サルコイドーシスでは,心膜,心内膜および心筋層に病変が認められ,比較的まれな疾患と考えられる.臨床的には刺激伝導障害,不整脈がみられ,ときに心電図上心筋硬塞様所見もみられる.刺激伝導障害としては完全房室ブロックが,不整脈では心室性頻脈が多くみられる.心サルコイドの予後は非常に悪く,突然死が高頻度にみられ,Peacockらは臨床症状出現より死亡までの期間は3ヵ月より5年と報告している.本疾患では,基礎疾患の治療の重要な事はもとより,心室性不整脈と房室プロヅクが交互にみられる事があり,薬物のみによるコントールの困難な例がある.この様な例には,ペースメーキソグが有効な方法と考えられる.われわれは薬物によりコソトロール不能な心室性不整脈と房室伝導障害を呈した心サルコイドーシスの一症例にペースメーカを使用して良好な結果を収め,植え込み後,13ヵ月目の現在元気に家事を行なっている。
  • 伊藤 明一, 丹野 三男, 船渡 泰, 桜井 潔, 鈴木 彦之, 高橋 秀典, 布川 喬, 高橋 直人, 坂本 正寛, 厨川 和哉, 高橋 ...
    1974 年 6 巻 3 号 p. 380-391
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    His束心電図は伝導障害のみならず,伝導時間の短縮や舞拍のメカニズムを知る上にも有用である.HV時間25msecと短縮を示した2例のHis束心電図および心房ペーシソグに対する反応を検討し,HV時間の測定上の問題点とその短縮の原因,pre-excitation 擁の鑑別,頻拍のメカニズムについて考察した.PRO.13秒でQRSの軽度の初期異常を示した68歳の女性に心房ペーシングを試みたところ,AH時間は正常例と質的に同一であるが量的に軽度の変化を示し,HV時間は短縮したまま一定であった.これらの所見より,James線維あるいは小さい房室結節の可能性と,Mahaim線維の存在が考えられた.PR 0.14秒で正常QRSを示した31歳の女性では,脚と心室中隔を連絡するMahai滋線誰の存在あるいはHis束以下の正常伝導路の伝導促進の可能性が考えられた.また頻拍のメカニズムとして,His束より上位の房室接合部のcircusmovementtachycardiaが考えられた.
  • ことにその機序について
    比江嶋 一昌, 坂本 保己, 谷口 興一, 鈴木 文男
    1974 年 6 巻 3 号 p. 392-399
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    数年前より発作を繰り返す頻拍性不整脈に対し,各種の抗不整脈の投与やDCショック,ベーシングを試みたが,抵抗性で,結局キニジソにより洞調律化し得た.この不整脈は,心電図上完全房室解離右脚ブロック,左軸偏位を示し,洞調律化したさいには右軸偏位を示した.ゆえに,この不整脈の発生部位として,左脚後束索が最も考えられたが,His束心電図からはA-V junctionであることが示唆された.さらに,キニジン投与時や心房ペーシング時に,conducted beatとectopic beatとのventricular fusion beatがみられた.本不整脈のHisは複雑であったが,His束をバイパスするpreferential pathwayを想起することで説明できるように思われる.
  • 羽根 田潔, 岡田 嘉之, 八巻 重雄, 大内 将弘, 香川 謙, 柴生田 豊, 堀内 藤吾
    1974 年 6 巻 3 号 p. 400-407
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    孤立性右室低形成(isolated right ventricular hypoplasia)はきわめてまれな疾患である.今回われわれは,2例の経験を得たので報告した.1例は6歳の男子で,3歳の時にBlalock手術を行ない,今回はASD閉鎖術を行なった.ASDの短絡遺残を生じたが著明な症状改善をみ,術後3年4ヵ月の現在,チアノーゼや運動制限もなく,良好な経過をとっている.ほかの1例は8歳の女子で,現在特に運動制限もないことから経過観察中である.本症の診断には,三尖弁,朋動脈弁に異常がなく,小さい右室と心房レベルでの右→ 左短絡が証明されねばならないが,先天性三尖弁狭窄症との鑑別が困難なことがある.治療ではGlenn手術がもっとも良いが,右室の低形成の軽度な症例では,ASD閉鎖術も可能と思われる.
  • 上野 明
    1974 年 6 巻 3 号 p. 409-422
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 関 一郎, 森 勝純, 藤原 喜代子, 東原 康雄, 樋口 久人, 寺内 陽, 佐野 郁生, 今岡 昭夫, 貴島 範彦, 宮城 建雄, 近藤 ...
    1974 年 6 巻 3 号 p. 423-433
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 変時変力作用との関連
    森田 慶治, 石山 太朗, 上埜 帝一, 東 純一, 塚本 望
    1974 年 6 巻 3 号 p. 434-439
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • とくに左冠状動脈回施枝低血圧の影響について
    中村 元臣, 友池 仁暢, 野瀬 善明, 黒岩 昭夫, 竹下 彰, 福山 尚哉, 中垣 修
    1974 年 6 巻 3 号 p. 440-449
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 横田 泰司, 中村 一規, 新居崎 武俊, 木村 登
    1974 年 6 巻 3 号 p. 449-455
    発行日: 1974/03/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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