心臓
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7 巻, 1 号
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  • 藏本 築, 松下 哲, 三船順 一郎, 吉田 広海, 桑島 厳, 坂井 誠, 村上 元孝
    1975 年 7 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    老年者虚血性心疾患の心機能,冠狭窄の評価をisoproterenol(IP)0.02μg/kg/分,5分負荷前後の血行動態,心電図の変化から推定した.剖検所見との対比ではIP負荷前に比し負荷後0.5mm以上のI型(水平または下向型)ST低下は50-75%以上の冠狭窄を示すよい指標といえる.冠不全例で陽性Tを示すものはIP負荷後Tの減高するものが多いが,陰性Tは正常化を示した.運動負荷との対比では,同様なSTの変化を示したが,ST低下の程度はIP負荷の方が著明であった.血行動態の反応において,負荷により虚血性ST変化を示す冠不全群ではIPによる心拍数,心拍出量の増加が大であり,β受容体反応性の充進が推定された.心筋硬塞では安静時,IP負荷後とも心係数は小さく心機能の低下が考えられた.IP負荷試験は副作用も認められず,心機能,冠硬化の推定に有用である.
  • 小沢 利男, 半田 昇, 岸本 篤郎, 奥平 雅彦
    1975 年 7 巻 1 号 p. 10-18
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心筋硬塞44例を含む突然死102例の冠状動脈を検索し,加齢に伴う動脈内腔の狭窄を認めた.心筋硬塞例は,最も高度の狭窄を示した.心重量も加齢とともに増加するが,心筋硬塞例は,とくに心重量が大であった.ただし心臓破裂の例は,非破裂例に比べ,有意に軽かった.
    心筋硬塞44例を,心臓破裂の20例と非破裂24例とに大別して検討した.一般に破裂例は,高齢者,女子に多かった.非破裂例では,冠状動脈三枝とも高度の狭窄を示す例が多いが,血栓は12.5%に過ぎず,硬塞部位は後壁ないし心内膜下に限局することが多く,主として陳旧性である.これに対して破裂例は,約半数では冠状動脈三枝中二枝の狭窄が軽度であった.血栓は75%と高率で,硬塞部位は前壁から側壁および心尖に好発し,陳旧性硬塞を合併することはまれである.なお急性心臓死の発作は夜間から明方にかけて多かった.
  • 高橋 恒男, 金沢 知博, 鈴木 典夫, 猪岡 英二, 守 昭夫, 丸山 幸夫, 芦川 紘一, 柳谷 泰三, 小岩 喜郎, 布川 徹
    1975 年 7 巻 1 号 p. 19-26
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    冠閉塞時,閉塞動脈灌流域は冠状動脈間吻合発達による副行循環系におきかえられるが,この副行循環を維持する副血行路の成長とそれに伴う血管壁の形態的変化を光顕的および電顕的に実験的急性冠閉塞犬で,閉塞1週後より1年にわたって経時的に観察した.その結果,冠副血行路は冠羽塞後の日時の経過とともに血液輸送管系として漸次成長するが,その血管壁構成要素は多彩な形態学的変化で修飾され,1年経過しても質的には正常冠状動脈系の血管壁構成と異なることをみた.
  • 佐藤 清春, 堀内 藤吾, 石沢 栄次, 鈴木 康之, 大須 賀洋, 小泉 誠二, 羽根 田潔, 伊藤 孝, 八巻 重雄, 加畑 治, 佐藤 ...
    1975 年 7 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    11例の三尖弁閉鎖症の外科治療を経験した.Keithらの分類によるIb型が6例,Ic型が5例であった.Ib型の5例にGlenn吻合を行ない,1例にはKreutzerらの術式に準じて機能的根治手術を行なった.Ic型の5例には肺動脈絞掘術を行ない,このうち2例に心房中隔欠損拡大術を追加した.
    自験例を中心に,Glean吻合術,肺動脈絞扼術,心房中隔欠損拡大術,機能的根治手術について言及した.
  • 仁村 泰治, 榊原 博, 松尾 裕英, 玉井 正彦, 松本 正幸, 永田 正毅, 別府 慎太郎, 中埜 粛, 川島 康生
    1975 年 7 巻 1 号 p. 36-42
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    左房内が直接観察される機会のあった症例で,その際左房内血栓が確認されたものが9例あった.これらの症例で,あらかじめルーチン検査として記録されたUCGを遡って検討し,数十グラム以上の大血栓5例で,それに該当するエコーを認めた.発見される血栓の大きさの臨界値についてはなお今後の検討にまたねばならない.該当したエコーを見出し得なかった4例はいずれも左心耳内血栓の症例であった.したがって左房内血栓検出のためには,まず左心耳付近のUCG像を解明しておく必要があろう.
    僧帽弁狭窄UCGでは硬化した後尖がしぽしぼ前尖の後方に太い線状エコーの層をなすのが見られる.このエコーは従来血栓エコーと混同されたと思われるが,互の性状,局在などに注目すれば,両者の鑑別は一般的には可能と思われる.その他,左房粘液腫,三心房心,健常左房後壁エコーなどと血栓エコーとの異同,およびそれらの鑑別についても論じた.
  • 片山 知之, 矢野 捷介, 木谷 文博, 橋場 邦武
    1975 年 7 巻 1 号 p. 43-50
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心筋硬塞,心筋症,先天性心疾患などを徐外したCRBBB+LAHBのベクトル心電図25例につき完全房室ブロックとの関係を検討した.
    水平面QRS環が反時計式回転を示し,後方成分の汰きいものをA型,時計式回転を示し,ほとんど前方成分で占められるものをB型,いずれにも属さないものをヰ問型とすると,完全房室ブロックの発生はB型に著明に多いことがわかった.また,このような分類がCRBBB十LAHBの予後の判定に重要な示唆を与える可能性のあることをのべた.
  • 鶴羽 義明, 一ノ瀬 進, 高木 誠
    1975 年 7 巻 1 号 p. 51-57
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    “PR短縮,正常QRS症例”のHis束心電図的検索を行なった.対象は12例で,洞調律時,AH時間は30-80msec,HV時間は26-46msecでAH短縮が認められた.全例に心房ベーシング,一都に単発の心房早期刺激を行な眠AH時間の変動を観察した.その結果,AH時間の変動には2つのパターンが認められた.3例(I群)は一定の刺激範囲内ではAH時間はほとんど変化を示さなかった.9例(II群)は刺激に対してAH時間が漸増を示すが,量的には非常に少ない傾向を示し,刺激レート毎分150以上では急激なAH時間の延長を示した.I群は房室結節を完全バイパスするバイパス系が存在し,II群は房室結節を部分的にバイパスする部分バイパス系が存在するものとして説明を試みた.レート毎分150付近でAHが急増するのは,バイパス系が不応期になるためと考えた.
  • 坂本 保己, 奥田 正治, 西戸 孝昭, 佐野 豊美
    1975 年 7 巻 1 号 p. 58-65
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    全身性進行性硬化症8例について,その臨床病態と対比して心電図,ベクトル心電図および空間速度心電図を検討した.
    心電図では第1度房室ブロック2例,および房室性期外収縮1例を認めたほかは明らかな異常はなかった.これら3例とも心肺不全の明らかでない若年例であることから,本症の心筋侵襲に直接由来する変化と考えた.一方,ベクトル心電図では,T環の回転および方向異常から右室負荷を示唆されるもの2例,およびP環の前方偏位から右房負荷の示唆されるもの2例を認め,いずれも肺の線維症および拘束型肺機能低下の明らかな4例に一致したことから,ベクトル心電図による本症の肺性心診断の有用性が考えられた.また,空間速度心電図でQRS環描記速度波形に4例でノッチを認め,この所見が心筋硬塞にも共通したものであることから,本症における心筋傷害を反映している可能性が示唆された.また,本症において,心電図以外にベクトル心電図および空間速度心電図を併用することによって,さらに広く心室負荷または心筋傷害が見下され得ることを述べた.
  • 樋熊 紀雄, 田村 康二, 松岡 松三, 春谷 重孝, 寺島 雅範, 浅野 献一, 深瀬 真之, 小泉 富美朝
    1975 年 7 巻 1 号 p. 66-73
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は46歳の男子で,高熱で発症し,胸水および心嚢液の貯溜が認められ,抗結核剤,ステロイドホルモン,抗生剤などの投与になり貯溜液の消失をみたが,経過中に心膜摩擦音の聴取,次第に増強する頸部絞扼感,上半身の浮腫,労作時の動悸が出現するようになり,収縮性心膜炎と診断し,心膜剥離術を施行した.摘出標本の病理組織学的検査により,コレステロール心膜炎と診断した.発症より16ヵ月と経過は早く,術後2年経過したがきわめて良好である.本疾患は慢性に経過し,心拡大を指摘されても原因不明のまま放置されることが多い.治療は内科的には難治性で,外科的療法が著効をみることが多い.本邦の報告例をまとめ,本症の病態について考察した.
  • 石川 兵衞, 籠島 忠
    1975 年 7 巻 1 号 p. 74-80
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    胸部圧迫感を主訴として受診した36歳の男性.心電図はf波を伴うきわめて高度の頻拍(心室頻度1分間平均280拍,最高375拍,不整)を示し,WPW症候群の心房細動発作が疑われた.頻拍中の心尖拍動図では各QRS群に対応して波動が認められるが,血液の拍出を伴う有効左室収縮は1分間平均58回であり,また心音図におけるII音の分裂はIIAが先行していた.本例は非発作時の心電図波形からWPW症候群C型と診断されたが,(1)頻拍時の心室頻度が従来の報告例に比して著しく高度であり,(2) その高度頻拍中の心機図が記録された点,はなはだ興味深い.本報告では,その臨床症状・心電図・ベクトル心電図・心機図所見について述べ,稀有な高度頻拍の成因と循環動態について考察した.
  • 市原 利勝, 孫 孝義, 伊藤 一輔, 宇留賀 一夫, 佐々木 陸郎, 岡田 了三
    1975 年 7 巻 1 号 p. 81-87
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大動脈弁膜症の1症例に心電図上+129°の右軸偏位遠伴う完全右脚ブロックを見た.ペクトル心電図では水平面図でQRS環主部の著明な右前方偏位を示したが臨床所見と合致せず心の病理学的検索を行なった.リウマチ性大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症,高度左室肥大と中等度右室肥大,左室壁の広汎な線維症に加えて,左室心尖部修壁に,小型塞栓性心筋硬塞が確認された.刺激伝導系の組織学的検索では,右脚の異常早期分岐が認められ,この分岐部と左脚後放線分岐部にまたがってリウマチ性心筋炎による線維症に基づく杜絶が証明された.His束匠体と左脚前放線の変化は軽度であった事から,特異な心電図所見は両脚ブロックによるものと判断した.従来報告されている診断基準と異なり本例では正常中隔充奮力なかば保持されている事実は伝導系の杜絶様式に関係剛る様に思われた.
  • 北中 裕子, 三河 浩一, 仁木 敏晴, 森 博愛
    1975 年 7 巻 1 号 p. 88-94
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Sick Sinus Syndromeを有する74歳女子にみられた頻脈-徐脈依存性左脚ブロックの1例を報告した.本例では,著しい洞徐脈時および洞房ブロックに続く最初の心拍は左脚ブロック型を示し,また運動負荷後の洞頻脈時および心房期外収縮の心室群も左脚プロヅク型を示したが,両者の中間的な心拍においては正常心室群がみられた.このような頻脈-徐脈依存性左脚プロックは心房ペーシングの際にも認められた.頻脈-徐脈依存性左脚ブロックの成因を,phase-3 および phase-4 block の立場から説明した.
  • 尾上 保夫, 森本 和大, 鈴木 五郎, 太田 宏, 堀 豪一
    1975 年 7 巻 1 号 p. 95-100
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    現在50歳の女性で,小学校の頃よりチアノーゼ,clubing,運動時の呼吸困難,Squattingがあったが,23歳で結婚し,30歳までに6回妊娠し,そのうち自然分娩で4人の正常児をえた.40歳以後,労作時の疲労,呼吸困難が強くなり,48歳の時,Fallot四微症の診断でブラロック吻合術を施行した.術後約1ヵ月間は酸素療法と臥床安静を必要としたが,6カ月後には症状は術前より,はるかに改善された.Fallot四徴症で手術をせずに2児以上の生児を分娩した報告はなく,本例はきわめてまれな症例と考えられる.
  • 本田 剛彦, 鬼頭 義次, W. Harry Gibson, 根本 鉄, 阿久津 哲造
    1975 年 7 巻 1 号 p. 102-112
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 坂内 省五, 青柳 隆一, 佐藤 広則, 樋熊 紀雄, 田村 康二, 江口 昭治
    1975 年 7 巻 1 号 p. 113-116
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 奥田 稔
    1975 年 7 巻 1 号 p. 117-130
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 望月 正武, 斉藤 宣彦, 穴沢 園子, 小菅 勝, 富塚 茂臣, 永野 允
    1975 年 7 巻 1 号 p. 131-135
    発行日: 1975/01/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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