心臓
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8 巻, 14 号
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  • 伊藤 四郎
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1389-1394
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 坂井 誠, 蔵本 築, 松下 哲, 三船 順一郎, 桑島 巌, 岩崎 勤, 横内 正利, 村上 元孝
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1395-1400
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    β遮断剤oxprenololを老年者高血圧9例(男3,女6例,年齢63~84歳,平均71.7歳)に60mg/日,8週間経口投与し,血圧,血行動態,血漿レニン活性(PRA)の推移ならびにoxprenolo1のβ 遮断作用をisoprotereno1(ISP)負荷試験(0.02μ9/kg/分,5分静注)により投薬前,8週後に比較検討した.収縮期血圧は194.2から1722mmHg,平均血圧は129.0から118.4mmHgと有意の低下を示したが,拡張期血圧は不変であった.心拍数,心係数,一回拍出係数,循環血液量は減少傾向を示したが,有意の変動は認めなかった.PRAは平均1.22から0.29ng/ml・hrと有意の低下を示した.8週後のISP負荷にて心拍数の増加率は有意に減少し,心係数の増加も認められず.oxprenololの心に対するβ遮断効果を認めた.しかし血圧は8週後のISP負荷にてもさらに低下傾向を示し,oxprenololの血管に対するβ 遮断効果は明らかでなかった.投薬後,臨床検査成績,体重,静脈圧,心胸郭比も有意の変動を認めなかった.
  • 特に閉鎖音について
    佐藤 尚, 香川 謙, 仁田 新一, 岡田 嘉之, 鈴木 康之, 田所 正路, 加畑 治, 毛利 平, 堀内 藤吾, 田中 元直, 武田 久 ...
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1401-1409
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    人工弁機能不全の早期診断のため,現在超音波診断,心音図,X線透視などが試みられているが,われわれはsound spectrograpbからプロットした心音スペクトルにより,人工弁音の周波数分析を行ってきた.今回,実時間処理の可能な周波数分析装置を開発し,その装置により計194回の分析を行ったので,装置の概要と分析結果について報告する.分析内訳は大動脈弁置換症例44例,僧帽弁置換症例72例で,人工弁機種は,Starr-Edwards 6520,6120,1260,2300series、Bjork-Shiley,Kay-Shileyその他である.分析装置は30個のメカニカルフィルター,10KWのメモリー回路等からなり,任意の時点での心音スペクトルを描出できる.心音スペクトルの高周波成分の減衰を,対数表示で最大強度1とした時,その1/6のレベルでの最高周波数F1/6の減少として表わすと,Kay-Shiley弁による血栓弁および脳栓塞症例ではいずれもF1/6が1050Hz以下に減少し,正常例との判別が可能であった.
  • 伊藤 明一, 篠田 晋, 長島 道夫, 古田 達次, 徳留 俊博, 鈴木 彦之
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1410-1417
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    A型およびB型wpw症候群の2例でHis束心電図を記録し,早期心房刺激により発作性上室性頻拍(PSVT)を誘発した.PSVT出現時脚ブロック波型のQRSがみられた.A型での左脚ブロック波型およびB型での右脚ブロック波型のQRSに続く逆伝導時間は,正常QRS出現時に比し延長を示した.一方,A型での右脚ブロック波型およびB型での左脚ブロック波型のQRSに続く逆伝導時間は,正常QRS出現時と同値を示した.これらの所見よりこのPSVTは,正常房室伝導路を正伝導し,Kent束を逆伝導する旋回路を有すると考えられた.atropine 1 mg静注後に誘発されたPSVTと薬物投与前のPSVTを比較した.atropineはKent束を介する逆伝導に影響を与えず,正常房室伝導路を介する正伝導に対し促進的に作用し,PSVTの心拍数を増した.以上の所見より, atropine 負荷法がPSVTの機序の解明に有用であることが示唆された.
  • 窪倉 武雄, 渋谷 実, 広沢 弘七郎
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1418-1426
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    本症の病型分類(既報)の対象とした50例の循環器症候について論じた.本症では,心肺大血管病変に基づく心負荷が多彩な症候の要因であり,後年,高血圧,AIなどの対策に苦慮する例が少なくない.本症の発症期の診断例はまれで,発症期の軽度の心負荷微候(労作時動悸など)は馴化され,あるいは無自覚のまま経過し,臨床的潜在期間が本症の早期診断を困難にしていると推測される.循環器施設の入院例を対象としたため,循環器症候が主となった傾向は否定し得ないが,本症の病変の特質上,この傾向はまた本症に普遍的であると考えられる.血管病変が器質的病変に固定化する前に,機能的異常として本症を早期診断する上で,循環器症候は有力な手段となりうると考えられる.本稿では循環器症候11項目と治療について概説し,本症と鑑別すぺき大動脈異形成症候群の1例と治療上の参考例2例について述べた.
  • Isosorbide dinitrate,nitroglycerinの血行動態に及ぼす影響
    三船 順一郎, 蔵本 築, 上田 慶二, 松下 哲, 桑島 巌, 坂井 誠, 池端 邦輔, 北野 幸英, 村上 元孝
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1427-1432
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心不全に対する血管拡張療法の臨床的評価を目的として肺動脈拡張期圧(PADP)14mmHg以上の心不全患者11例にisosorbidediritrate(ISD)5mg,nitroglycerin(TNG)0.3mgを舌下に投与し血行力学的効果を検討した.ISDでは投与後15分で最大効果に達しPADPは2e7%低下(20.4→150mmHg,P<0.05),平均血圧は130%低下(92→80mmHg,P<0.05)を示し,3時間まで血行力学的効果の持続傾向を認めた.TNGはISDと同様の作用を示したが持続は短く60分でほぼ効果が消失した.心係数はISD投与後,PADP20mmHg以上の重症心不全では不変(2.13→2.12L/min/M2)であったが,PADP20mmHg未満の軽症心不全では軽度減少(245→213L/min/M2)を示し,左室機能曲線は重症心不全で水平に左方に,軽症心不全で軽度左下方に推移した.以上より,ISDは重症心不全に対し心機能を低下させる事なく肺動脈拡張期圧を低下させる作用を示し,肺静脈うっ血の軽減に役立つと考えられ,また持続が長く経口投与が可能な事より心不全に対する長期間の血管拡張療法に適する.
  • 岸田 正昭, 中真 砂士
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1433-1440
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    FADを静脈内に投与すると,副作用として一過性に胸内苦悶が出現することは,すに臨床的に知られている.しかしその出現機序は不明であった.われわれは,これを明らかにするための臨床実験を行った.すなわちのべ17例の健常男性に対してFAD10~30mgを投与したところ,6例に胸内苦悶が出現した.この6例では,FAD投与後一過性に心拍出量の低下が認められた.一方胸内苦悶の出現しなかった11例では,心拍出量の低下は1例にも認められなかった.この結果から胸内苦悶の出現には,FADの心筋収縮力の減弱作用の結果もたらされる心拍出量の低下が関与していることが推察された.
    又FADの静脈内投与により一過性ではあるが完全房室ブロックなどの重篤な不整脈が出現し得ること,さらにはFADの薬理学的作用として報告されているもののうち心拍数減少作用および血圧降下作用は麻酔の有無によってその成績が異なる事を指摘し,考察を行った.
  • 入沢 敬夫, 小林 稔, 鷲尾 正彦, 片桐 幹夫, 花田 〓治, 中村 千春, 春谷 重孝, 江口 昭治, 浅野 献一
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1441-1448
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Fallot四徴症根治手術における適正な流出路形成術は手術成績の向上や遠隔期の良好な心機能の保持の面から重視されている.病型に応じ種々の流出路形成術が選択されるが,箸者らは56.6%に流出路パッチ形成を行った.当然のことながら,これらの術式によりもたらされた残存異常の程度には相違が認められ,種々の検討から術式が心臓に及ぼす悪影響は無パッチ<小パッチ<大パッチおよび弁つきパッチの順に大きいとの成績を得た.これは病型の関連を含め流出路パッチ形成にはPS,PI,流出路膨隆などの異常が伴い易いことを反映したものである.手術に際しては術式とPS残存部位との関連,パッチ形成とパッチの材質の適合には充分に配慮し,より生理的な流出路解除に務めるべきことが指摘された.術後の残存異常の査定には右室拍動図を含む心機図検査が観血的検査成績を良く反映することから,有用なものであることを認めた.
  • 鈴木 知勝, 福田 仁, 中村 隆一, 武士 昭彦, 野田 辰男, 西田 一巳
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1449-1457
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心臓原発の悪性腫瘍は,発生頻度が非常に少なく,自覚症および検査所見でも特異的な点がないために,生前診断はきわめて困難である.われわれは,40歳の男子で息切れ,嘆声などを訴えて来院し,当初は原発性心筋症による心不全と診断したが,胸部X線写真および心血管造影などで縦隔腫瘍を疑い,手術で心臓悪性腫瘍と判明し,剖検により心室に原発し,両心室をとりまくように外方に発育し,厚さ10cmにも達した2,0OOgを越える巨大な血管肉腫と確認した症例を経験した.本邦では,自験例も含めて心臓原発血管肉腫は,14例報告されているが,このように巨大な腫瘍の報告は皆無である.さらにこの14例の心臓原発血管肉腫についての臨床的および病理学的な統計的考察を試みた.
  • 心室切開法と比較した術式の検討
    鈴木 隆三, 田中 淳, 小松 健治, 弘岡 泰正, 鈴木 章夫, 阿部 博幸
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1458-1464
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    VSD,ASD肺動脈弁および弁下部狭窄を合併した修正大血管転位症の1例に対して,経心房的にVSDおよびASDを閉鎖し経肺動脈的に肺動脈弁切開を行い,さらに両経路から肺動脈弁下部狭窄除去を行った.術後は房室ブロックや低心拍出症候もなく,順調な経過をとった.症例を報告するとともに,経心房的到達法の検討を加えて報告する.
  • 井野 隆史, 小藤田 敬介, 福島 鼎, 清川 忠男, 長谷川 嗣夫, 柳沢 正義, 松本 三郎
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1465-1470
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は生後まもなく喘鳴,呼吸困難チアノーゼを呈し,食道造影,気管支造影,心臓血管造影にて,pulmo・naryarterysIingと確診し,生後35日目に準救急手術を行った.手術は右主気管支および気管下部を圧迫していたaberrantleftpulmonaryarteryを切離吻合することによりslingを解除した.術後症状は一時軽快したが,呼吸器をはずすことができず,9ヵ月目に呼吸不全にて死亡した.解剖所見では,気管中間より両側気管支にかけて気管膜様部が欠損し,completecartilaginousringを形成していた.また,術前より認められていた気管狭窄部は依然として狭く,気管形成異常を伴った症例では,左肺動脈の切離吻合術では充分,気管が拡がらないことを示唆した.このような症例には,気管形成術が必要と考え,文献的考察を行った.
  • 岡本 直正
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1471-1480
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 高尾 篤良
    1976 年 8 巻 14 号 p. 1481-1490
    発行日: 1976/12/31
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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