β遮断剤oxprenololを老年者高血圧9例(男3,女6例,年齢63~84歳,平均71.7歳)に60mg/日,8週間経口投与し,血圧,血行動態,血漿レニン活性(PRA)の推移ならびにoxprenolo1のβ 遮断作用をisoprotereno1(ISP)負荷試験(0.02μ9/kg/分,5分静注)により投薬前,8週後に比較検討した.収縮期血圧は194.2から1722mmHg,平均血圧は129.0から118.4mmHgと有意の低下を示したが,拡張期血圧は不変であった.心拍数,心係数,一回拍出係数,循環血液量は減少傾向を示したが,有意の変動は認めなかった.PRAは平均1.22から0.29ng/ml・hrと有意の低下を示した.8週後のISP負荷にて心拍数の増加率は有意に減少し,心係数の増加も認められず.oxprenololの心に対するβ遮断効果を認めた.しかし血圧は8週後のISP負荷にてもさらに低下傾向を示し,oxprenololの血管に対するβ 遮断効果は明らかでなかった.投薬後,臨床検査成績,体重,静脈圧,心胸郭比も有意の変動を認めなかった.
抄録全体を表示