肺血流が動脈管に依存しているチアノーゼ性心奇形乳児4例(心室中隔欠損を伴わない肺動脈弁閉鎖症2例,修正大血管転位症1例,無脾症1例)にプロスタグランディンE
1を使用し,動脈管拡張による心雑音増大とともに動脈血酸素分圧上界,チアノーゼ軽減,一般状態改善を認めた.このような心奇形を有する乳児の姑息的方法としてPGE
1は使用しうることを経験した.動脈管拡張作用以外にプロスタグランディンE
1王使用中に発熱,頻脈,多呼吸,副E低下,下痢,削脈炎を認めたが,使用量・使用期間による差とともに個人差もあった.なかでも使用量は重要な因子であって,これまで用いられた0.1μg/kg/minより少ないプロスタグランディンE
1持続点滴静注量でも有効であった.減量によって動脈管拡張作用以外の作用が消失ないし軽減した症例が多く,各症例の至適量を用いれぽ臨床的効果があると考えた.
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