心臓
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特集号: 心臓
47 巻 , SUPPL.2 号
選択された号の論文の41件中1~41を表示しています
第27回 臨床不整脈研究会
  • 久保 元基, 永瀬 聡, 上岡 亮, 中川 晃志, 西井 伸洋, 森田 宏, 伊藤 浩
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_101-S2_106
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は65歳, 男性. 2014年, 他院にて発作性心房細動に対するアブレーション (肺静脈PV隔離術) を施行された. その後, 薬物コントロール困難で自覚症状の強い心房頻拍AT (頻拍周期=250ms, V1とⅠ誘導陽性でnotchあり) に対する治療目的で当院に紹介入院. 頻拍中にまずPV内を除く左房内のmappingを行うと, 右上PV前方の前庭部付近から左房全体へ巣状に興奮が伝播していた. 単発早期刺激による検討では, 右PVの前後上下の左房前庭部でpost pacing intervalが頻拍周期とほぼ一致していた. さらに右上PV内の電位を加えることで前後のgapを介しPV内を共通路としてdual loop型に興奮が旋回する頻拍が予測され, PV内でもpost pacing intervalが頻拍周期に一致し, 回路が確認された. 前方の前庭部は前回の通電の影響か比較的広い範囲で低電位を認めたため, 後方のPV内への入り口となっているgapへの通電で頻拍は停止. 頻拍中にPVから左房への出口となっていた前方のgapは, 洞調律中はPVへの入口となっていた. 前方のgapへの追加通電で隔離を完成させ終了とした. 以後, 現在まで頻拍の再発を認めていない.

  • 山嵜 継敬, 竹中 創, 村瀬 達彦, 上野 明彦, 佐々木 法常, 高橋 英雄, 津田 泰任, 伊藤 賀敏, 福永 博
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_107-S2_112
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は57歳, 男性. 薬物抵抗性の発作性心房細動に対して近医で同側拡大肺静脈隔離術, 下大静脈三尖弁輪間峡部線状焼灼および上大静脈隔離術を施行. 心房細動の再発に対して当院で2回目のカテーテルアブレーション治療を施行した. 術前に施行した心臓CTにて左右下肺静脈は共通幹であることが確認された. 上大静脈-右房間に再伝導は認めず, 左下肺静脈-左房間に再伝導を認めた. Ensite NavXを用いて左房のvoltage mappingを作成したところ両側の上下肺静脈間には同側拡大隔離術の痕と思われる低電位領域が点在していた. 左右下肺静脈はBox隔離後様の低電位領域を認めていたが, 拡大隔離術の境界と思われるその中心には高電位領域が存在していた.

     左下肺静脈を再隔離し, 両側の上下肺静脈間をつなぐように線状焼灼を追加. そして下肺静脈共通幹後壁の高電位領域に対して通電を行い, 以後入室時より頻発していた心房細動は消失した. 最後に再伝導を認めていた下大静脈三尖弁輪間峡部線状焼灼を追加し手技終了とした. 退院後も心房細動の再発を認めず経過良好である.

     左右下肺静脈共通幹を有する稀な1例でありこれを報告する.

  • 香川 芳彦, 藤井 英太郎, 藤田 聡, 伊藤 正明
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_11-S2_20
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例1 : 心臓電気生理学的検査 (EPS) にて周期340msのATP感受性His束近傍リエントリー性心房頻拍が誘発された. 高位後壁右房からペーシングを行ったところ, 高位後壁右房はantidromicにcaptureされ, His束と冠静脈洞入口部はorthodromicにcaptureされた. 最早期興奮部位 (EAAS) では, His束電位が記録されたため, EAASからペーシングサイトに向かって7.1mm離れた部位で通電し成功した.

     症例2 : EPSにて周期380msのATP感受性His束近傍リエントリー性心房頻拍が誘発された. EAASをHis束より9.5mm上方の前中隔に認めた. 右心耳からの頻回刺激にて, 右心耳はantidromicに捕捉され, EAAS, His束, 冠静脈洞入口部はorthodromicに捕捉された. EAASからペーシング部位に向かって7.7mm離れた部位で通電し成功した.

     症例3 : EPSにて周期370msのATP感受性His束近傍リエントリー性心房頻拍が誘発された. 右房各所からペーシングを加えるも, orthodromic capture得られず. 無冠尖で得られたEAASに対する通電にて頻拍の根治に成功した.

     頻拍中にentrainmentとorthodromic captureが認められた場合は頻拍のentrance siteで, entrainmentが得られない場合は無冠尖のEAASでの通電が有効であった.

  • 齋藤 直樹, 竹中 創, 飯田 大輔, 安藤 元素, 久次米 真吾, 山家 謙
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_113-S2_118
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は61歳男性, 頻脈誘発性心筋症を併発した薬剤抵抗性の持続性心房細動に対して, 肺静脈隔離, 左房天蓋部線状焼灼, 三尖弁-下大静脈峡部線状焼灼を行った. 2カ月後, 心房細動が再発しており, 電気除細動を施行するも, 洞調律復帰は得られず, 2nd sessionを行った. 肺静脈隔離を確認後, 左房voltage mappingにて, 右下肺静脈後方にDamaged Area (0.03mV未満) を認めたため, Box Isolationを行った. その後も心房細動は停止せず, 僧帽弁輪峡部に線状焼灼を追加したところ, 心房頻拍に移行した. 冠静脈遠位部からのPost Pacing Intervalが最も近かったため, 僧帽弁輪峡部を回路に含む心房と判断した. しかし, 心内膜側からブロック作成は困難であり, 冠静脈内より通電を行い, ブロック作成に成功した. その後, 外来にて心房細動の再発は認めず, 心機能の改善を見ることができた. 難治性, 持続性心房細動に対し, 有効なアブレーション治療を行うことができたため, 報告する.

  • 浅田 俊樹, 小林 建三郎, 藤野 紀之, 小池 秀樹, 北原 健, 木下 利雄, 鈴木 健也, 湯澤 ひとみ, 伊賀 淳, 佐藤 秀之, ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_119
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は76歳女性で, 発作性心房細動で通院中に洞不全症候群を合併しペースメーカー植え込み術を施行されている. また既往歴に気管支拡張症がありクラリスロマイシンを連日内服している. 2014年5月より心房細動発作の頻度, 持続時間が増加傾向にあり, 慢性化を懸念されベプリジル200mg/日の投与が開始された. しかし, 同年9月に意識消失を主訴に当院救急外来に搬送され, うっ血性心不全の診断で入院となった. 心臓超音波検査では左室駆出率は33%と低心機能を認め, 入院約1カ月前と比較して明らかな低下を認めた. 心電図は洞調律であったがQT時間は延長しBazettの補正式によるQTcは584msecであった. また, ペースメーカーに記録された心内EGMではtorsade de pointesと考えられる心室頻拍が記録されていた. 心室ペーシング率に変化はなかった. ベプリジルの血中濃度は512.7ng/mLと明らかな中毒域ではなかったが, 中止後にQTc時間は徐々に短縮し同時に心機能も改善した. 入院後に合併したせん妄や不眠に対し精神科と連携し治療を行い第23病日には軽快退院した. 急激な心機能低下の原因として, 心房細動による頻脈, ペースメーカーによる左室同期不全, 虚血性心疾患, 心膜心筋炎等を鑑別に挙げたが否定的であった. 広義のカルシウム拮抗薬であるベプリジルは, 他の抗不整脈薬に比べ心抑制作用は少ないと考えられるが, 市販後使用成績調査では心不全をきたした報告もある. ベプリジルによるQT延長と心抑制に関して文献的考察を加えて報告する.

  • 高野 誠, 原田 智雄, 高木 泰, 山田 麻理可, 中野 恵美, 滝村 由香子, 松田 央郎, 西尾 智, 古川 俊行, 宮崎 秀和, 松 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_120-S2_123
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は, 18歳男性. 主訴は動悸. 中学生時代から運動中の動悸を自覚, 今回精査目的に来院. 外来での運動負荷試験で右脚ブロック型/左軸偏位 (RBBB/LAD) の心室頻拍 (VT) が誘発され, ベラパミルで停止した. そのためVTに対して心臓電気生理学的検査 (EPS) およびカテーテルアブレーション (CA) 目的に入院となる. EPSでは, RBBB/LAD型のVTが誘発され, 左脚後枝領域のPurkinje電位を認める部位でCAを施行し, VTは停止した. CA後, VTの誘発を試みるためイソプロテレノール投与下での心室期外刺激でVTは誘発されず, narrow QRS tachycardia (long RP`type) が誘発された. また心房期外刺激では, 別のnarrow QRS tachycardia (short RP`type) が誘発された. それぞれは, fast-slow型房室結節回帰性頻拍 (AVNRT) とslow-fast型AVNRTと診断した. そのためslow pathwayのCAを行うためにカテーテルでHis束を同定している際に一過性の房室ブロックとなり, CAは断念した. 今回我々は, ベラパミル感受性左室特発性心室頻拍に対して左脚後枝領域通電後, 2種類のAVNRTが誘発され, slow pathwayの焼灼前に一過性房室ブロックとなった若年症例を経験したので, 報告する.

  • 佐藤 英二, 八木 哲夫, 石田 明彦, 三引 義明, 山科 順裕, 佐藤 弘和, 中川 孝, 小松 寿里, 山家 智之
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_124-S2_130
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は46歳男性. 36歳時に急性心筋梗塞を発症し右冠動脈に対しPCIを施行した既往あり. 約1年前より動悸を自覚し, 左脚ブロック, 上方軸型の心室期外収縮 (PVC) を認めカテーテルアブレーションを施行した. 右心室のvoltage mapでは右室後中隔基部に低電位領域 (LVA) を認め, 陳旧性心筋梗塞 (OMI) 領域と考えられた. PVCの早期性をmappingしたところ, LVA下縁にて, PVCのQRSに32ms先行する電位を記録し, ペースマップはPVCのQRS波形に完全な一致を認めた. 同部位に対する通電でPVCは消失したが, 約1時間後にPVCが再発した. 再発後PVCの最早期興奮部位は, LVA上縁に存在するHis束電位記録部位で, QRSに60ms先行するfractionated potentialが記録された. 同部位でのペースマップはHis束を捕捉した波形となり, 房室ブロックのリスクがあるため通電を行わなかった. このHis束電位記録部位のわずかに心尖部側の早期性良好の部位で通電を施行しPVCの根治が得られた. His束近傍起源PVCがOMI組織に影響され, fractionated potentialとHis束近傍起源PVCに非典型的な心電図波形を呈したものと推測された.

  • 坂部 茂俊, 石山 将希, 森 一樹, 瀬口 優, 刀根 克之, 高村 武志, 堀口 昌秀, 前野 健一, 泉 大介, 世古 哲哉, 笠井 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_131-S2_139
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     報告する2症例はともに陳旧性下壁心筋梗塞に左軸偏位, 左脚ブロック型の心室頻拍 (VT : ventricular tachycardia) を合併した70歳代男性. 症例1は頻発する心室性期外収縮 (VPC : ventricular premature contraction) と非持続性VTがあり, 3次元マッピングシステムCARTO® system with CARTO SOUND® integrationを用いて高周波カテーテルアブレーションを行った. 心内エコーSOUNDSTAR®で左室基部中隔よりの後下壁に健常部との境界が明瞭な心室瘤が確認された. reentry circuitは同定できなかったがpace mappingで心室瘤と僧帽弁輪間に良好なpace mapが得られる部位が複数あったためscarと僧帽弁輪間にリエントリーの必須伝導路 (critical pathway) があると考えた. 心室瘤から僧帽弁輪まで線状焼灼したところ途中でVPCは消失した.

     症例2は持続性心室頻拍のため埋め込み型除細動器 (ICD) が頻回作動し治療を行った. 治療中はVTを誘発できなかったが左室下後壁に心室瘤が確認され, 僧帽弁輪側の瘤辺縁部で良好なpace mapが得られた. Mitral isthmus dependent VTと考え, 心室瘤内部から僧帽弁輪まで線状焼灼を加えた. 術後1年以上VTの再発を認めていない.

     2例ともにreentry circuitを同定できなかったが心内エコーで得られた壁運動異常や心筋菲薄化等の所見から, 心室瘤の範囲, 弁輪との位置関係を正確に把握し, pace mappingにてcritical pathwayを想定できた. カテーテル先端と心筋組織のコンタクトを心内エコーで確認しながら通電できたことも優れた治療効果につながった要因であると考えられる.

  • 加藤 寛之, 因田 恭也, 伊藤 唯宏, 水谷 吉晶, 長尾 知行, 奥村 諭, 柳澤 哲, 山本 寿彦, 石川 真司, 吉田 直樹, 平井 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_140-S2_147
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は非虚血性心筋症の61歳女性. 2006年にVTを発症しICDを植込み, 過去2回心内膜側よりカテーテルアブレーションを実施するもVT残存あり, 今回は心外膜側よりアプローチした. 左室基部に巨大心室瘤を, 両心室心外膜側には広範にlow voltage area (LVA) を認めた. 右室期外刺激にてVT1 (VTCL 330ms) が誘発された. VT1中に左室中部前壁にmid diastolic potential (MDP) を認め, concealed entrainment (CE) が得られVT回路上と判断, 通電にてVT1は停止した. さらにVT2 (VTCL 430ms) が誘発され, LV基部のLVAで広範にMDPを認めCEが得られたが, 幅広く通電するもVT2は停止しなかった. 一方, 右室側ではLVZ内にearly diastolic potentialを認め, CEも得られ右室側がentranceと考えられた. 右室側の通電にてVT2は停止し, 同部位で洞調律中のdelayed potentialを確認, 以後VTは誘発不能となった. VT2は心室瘤右室側に比較的幅の狭いentrance, 左室側に幅広いExitを有するVTと考えられた.

  • 丹野 郁, 三好 史人, 菊地 美和, 池田 尚子, 近藤 誠太, 櫻井 将之, 佐藤 貴俊
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_148-S2_156
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例 : 36歳男性. 主訴 : 動悸. 生来健康, 既往歴はない. 飲酒後に動悸を自覚し当院救急センターに受診. 心電図は心拍数164/分, 右脚ブロック, 右軸偏位の心室頻拍で, ベラパミル5mgの静注で頻拍は停止した. 心臓超音波検査では壁運動異常はなく, 仮性検索を認めた. 臨床心臓電気生理学的検査では, 右室心尖部からの期外刺激で1度だけ救急来院時と同一波形の心室頻拍が誘発されたが, constant fusion, progressive fusionは認めない. CARTOSOUND®で, 左室, 前乳頭筋, 後乳頭筋, 仮性検索を描出し, pace mappingをしたところ, 前乳頭筋基部でPASO上96%の一致を認めた. 同部位でRF通電したところ, 通電開始直後から同一波形の心室頻拍が出現し, 通電中止と同時に頻拍は停止した. Navisterで出力30W, 60秒, 数回の通電後頻拍は出現しなくなり, RF通電を終了した. 焼灼成功部位では洞調律時にQRS波に先行するPurkinje様電位を認めた. 退院後経過で心室頻拍はない. 非リエントリー性左室前乳頭筋起源のベラパミル感受性心室頻拍の1例を報告する.

  • 中嶋 一晶, 相澤 義泰, 國富 晃, 樫村 晋, 勝俣 良紀, 西山 崇比古, 木村 雄弘, 西山 信大, 福田 恵一, 髙月 誠司
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_157-S2_162
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は47歳男性. 生来健康であったが健康診断で洞性徐脈を指摘された. 各種検査からは器質的心疾患は否定的であり, 家系内に洞不全症候群によるペースメーカ植込み数が多数あり家族性洞不全症候群の診断となった. 徐脈に伴う自覚症状が強く出現したため永久ペースメーカを植込み自覚症状の改善を認めた. 濃厚な家族歴の背景から遺伝子解析を施行したところラミンA/C変異が見つかった. ラミンA/C変異と洞不全症候群の関連に関しては報告が少なく, 変異自体も過去に報告のなかったものであったためここに報告する.

  • 稲川 浩平, 谷本 耕司郎, 池上 幸憲, 布施 淳, 坂本 宗久, 樅山 幸彦
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_163-S2_169
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は81歳男性. 朝食後に持続する頻脈, 動悸を主訴に来院. ホルター心電図では, PVC後に開始するnarrow QRS short RP'頻拍 (100-110bpm) を認めた. 頻拍の鑑別・治療のためにEPSを行った. 無投薬下に洞周期1000ms, AH 132ms, HV 57ms. 右房連続刺激480msで2 : 1房室ブロック, 右房期外刺激800/580msでjump up, 800/540msでAH blockとなった. 右室刺激で室房伝導は認めず. イソプロテレノール負荷下に右房連続刺激でdouble responseを認め, P波に先行する右室単発期外刺激により, 洞調律 (550ms) +AH 360msで1 : 1室房伝導する頻拍を認めた. 頻拍のメカニズムとして洞性頻脈中にslow pathway伝導することにより, fast pathwayは先行する拍の不応期にあたり伝導ブロックとなり, slow pathwayの1 : 1伝導が維持されているものと考えた. そこで頻拍中に右房単発期外刺激を行いHis束のリセットを行うことにより, fast pathwayの1 : 1伝導に復帰するpeel back現象を確認した. 洞性頻脈時に安定してslow pathwayを伝導したため, 発作性上室性頻拍, 心房頻拍との鑑別を要した興味深い症例を経験したため報告する.

  • 飯田 剛幸, 森田 典成, 上野 亮, 小林 義典
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_170-S2_175
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     53歳, 男性. 労作時胸部不快感にて, 運動負荷テストを施行. 負荷中QRS波形が右脚ブロック型, 下方軸の心室期外収縮の頻発から心拍数153回/分の心室頻拍 (VT) への移行を認めるも, 負荷中止にて自然停止した. 心臓超音波検査では構造的心疾患を認めなかった. EPS時, 心腔内超音波 (CARTO SOUND : CAS) にて左室Geometryを作成後, イソプロテレノール投与下に心室期外刺激にてClinical VTは誘発されるも, すべて自然停止し持続しなかった. Activation map作成は困難であり, pace mapによりVT起源を検索した. 前乳頭筋基部にてQRS波形の良好な一致を認め, CAS上カテーテル先端が同乳頭筋基部へ接するリアルタイムの画像所見が得られた. リアルタイム画像を元にした同部位および周辺への焼灼にて以後VTは誘発不可能となり, 再発を認めず経過している. CASによりVT起源と左室内特異的構造物との関連が明瞭化され, CASの使用が焼灼に有用であった左室前乳頭筋起源心室頻拍の1例を報告する.

  • 保坂 幸男, 池主 雅臣, 高橋 和義, 真田 明子, 柏 麻美, 廣木 次郎, 尾崎 和幸, 土田 圭一, 藤原 裕季, 中村 則人, 小 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_176-S2_183
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は心室頻拍 (VT) のための緊急入院歴が2回ある催不整脈性右室心筋症の男性. 初回入院の契機となったVT1は流出路の中隔起源で, 洞調律時の電位高は右室側・左室側ともに正常であった. VT1と同波形の心室性期外収縮 (PVC) の先行度は右室側32ms, 左室側25msであり, PVCは右室側および左室側からの高周波通電で時間を要して (30~50秒後) 消失したが効果は一過性であった. 中隔起源と考えて両心室から中隔に対して高周波通電を追加して治療に成功した. 2回目入院では, 三尖弁輪10時方向を起源とするVT2を認めた. VT2 (PVC) に20ms先行する心内膜側の最早期興奮部位から通電を行うと, 通電20~30秒後にVT (PVC) は抑制されたが容易に再発した. 対側の心外膜側には低電位領域が同定され, 低電位領域内で140ms先行する局所電位に高周波通電を行ったところVT2は直ちに停止し, その後の誘発は不能となった. 効果判定のプログラム刺激で右室下壁の低電位領域を起源とするVT3が繰り返し誘発された. VT3は血行動態が不安定であったため, 洞調律時の心内膜側に顕著であった遅延電位部位に心内膜と心外膜側から通電を行い治療に成功した. これまでに, いずれのVTの再発も認めていない. 催不整脈性右室心筋症のVTは多様な部位 (心内膜側・心筋中層・心外膜側) から生じるが, 三次元マッピングシステムを駆使した詳細なマッピングで治療できる可能性がある.

  • 加藤 孝佳, 上山 剛, 吉賀 康裕, 西村 傑, 文本 朋子, 大野 誠, 矢野 雅文, 清水 昭彦
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_184
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は77歳男性. 心室頻拍 (VT) に対する加療目的で入院した. 心エコーでは菲薄化を伴う心尖部心室瘤を合併した中部閉塞性肥大型心筋症を呈していた. 左室心内膜マッピングにて瘤内に瘢痕を伴う低電位領域を認めたが遅延電位などの異常電位は認めなかった. VTは誘発されなかったため, ペースマップにてVTの極性に類似した領域へのアブレーションを行った. 約3週間後にVTが再発したため心内膜および心外膜側のマッピングを行った. 心外膜側においても異常電位は認めなかったが瘤の外側からのペーシングはVTの極性に類似し, その対側心内膜側からの高出力ペーシングにて伝導遅延を伴いVTと一致したペースマップを得た. 同領域ではVTの誘発が可能で, concealed entrainmentを呈した. 通電にてVTは停止し, 以後誘発不能となった. 本例は心内膜, 心外膜側いずれも遅延電位などの異常電位は認めず, 瘤内層の僅かな残存心筋を回路としたVTであると考えられた.

  • 矢野 利明, 内藤 滋人, 清水 学, 沓澤 大輔, 山口 由明, 南 健太郎, 中野 正博, 佐々木 健人, 中村 紘規, 熊谷 浩司, ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_185-S2_193
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例1 : 57歳男性. 失神の原因検索でホルター心電図検査を施行し, 17連の非持続性心室頻拍を認めた. 冠動脈に異常なく, 左室は中隔基部が一部菲薄化し, びまん性壁運動低下を認めた. 心臓電気生理学的検査にて下方軸, 左脚ブロックタイプの心室頻拍が誘発され失神の原因と考えられたためカテーテルアブレーションを行った. 右室流出路に広範囲にlow voltage areaを認め, その一部にdelayed potentialを認めた. pace mapはdelayed potentialを認める範囲で比較的広範囲でgood pace mapとなった. clinical VTは誘発できず, delayed potential mapを指標にアブレーションを行った. 後日ICDを植え込み退院となった.

     症例2 : 56歳男性. 3年前に3束ブロックと両側肺門部リンパ節腫脹を指摘され, 1年前に右鼠径リンパ節生検によりサルコイドーシスと診断された. 動悸のため近医を受診し下方軸, 左脚ブロックタイプの心室頻拍を認めた. 冠動脈に異常なく, 中隔基部の壁運動低下, ガリウムシンチで左室に集積を認め, 臨床的に心サルコイドーシスと診断された. 心臓電気生理学的検査では, 右室流出路に広範囲にlow voltage areを認めた. さらにposterior attachment側にdelayed potentialを認め, その範囲でgood pace mapを示した. delayed potential mapを指標にアブレーションを行い, clinical VTは誘発されなくなった. 後日ICDを植え込み退院となった.

     右室流出路起源の心室頻拍に対し, delayed potential mapを作成しアブレーションを行った心サルコイドーシスの2症例を経験したので報告する.

  • 安 珍守, 廣島 謙一, 永島 道雄, 福永 真人, 林 健太郎, 牧原 優, 山下 賢之介, 安藤 献児, 伊藤 朋晃, 丹生 治司, 合 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_194-S2_202
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は52歳男性. 2009年7月に後側壁の急性心筋梗塞を発症し, 冠動脈バイパス術を受け, 左室収縮能 (LVEF) は30%と低左心機能であった. 2014年1月に下方軸, 右脚ブロック型のwide QRS tachycardia (166bpm) を認め, 心室頻拍 (VT) 加療目的に当院に転院搬送となった.

     EPS/カテーテルアブレーションを施行. 心腔内エコー (CARTO SOUND) を用いて心腔内の各chamberを構築. 左室の壁運動と性状は, 特に後側壁基部より中部にかけて収縮能低下と壁輝度上昇, 菲薄化を認めた. また同部位の心外膜側に関して, 冠静脈洞に留置した電極カテーテルにて局所心室電位に遅延した心外膜側の異常心室活動電位 (Epi-LAVA) が観察された. 逆行性に左室にマッピングカテーテルを挿入し, 洞調律中に左室のvoltage mapを作成. 前壁から側壁の基部領域に特に限局してlow voltage zone (<1.5mV) を認め, 心内膜側にEndo-LAVAが得られる領域を認めた. 同領域にてclinical VTと一致するpace mapが得られ, 右室心尖部からのプログラム刺激にて, Endo-LAVA, Epi-LAVAが, ともに徐々に減衰伝導し, clinical VT (170bpm) が誘発されると, mid diastolic potentialに移行する現象を認め, 回路のcritical isthmusと考えられた.

     Clinical VTはnon-sustainedが誘発されるのみで, VT時のマッピングは困難であったが, St-QRSは僧帽弁輪側壁上方から下方に降りるにつれて短縮し, 僧帽弁輪側壁を下降する回路が推定された. 頻拍回路のcritical isthmusと推定された部位を通電すると, Endo-LAVAだけでなく, Epi-LAVAも消失し, clinical VTは誘発不能となり終了とした. 以降6カ月, VTの再発を認めていない. CARTO SOUNDが, VTの基質部位同定に有用であり, 同部位の心内膜側への通電のみにてcritical isthmusとしてclinical VTに関与すると考えられるEndo-LAVA/Epi-LAVAが, ともに消失した症例を経験した.

  • 千葉 雄太, 渡辺 則和, 大西 克実, 越智 明徳, 猪口 孝一郎, 川崎 志郎, 宗次 裕美, 伊藤 啓之, 小貫 龍也, 菊地 美和, ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_203
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     通常, 虚血性心疾患に伴うElectrical Storm (ES) は血行再建が優先される. 今回, 血行再建後もESを呈し, 緊急カテーテルアブレーション (RFCA) によりESから離脱した症例を経験したため報告する. 症例は68歳男性. 24年前に左回旋枝 (LCX) #11完全閉塞と左前下行枝 (LAD) #6 95%狭窄と診断されたが血行再建は行われなかった. 2014年8月, 心室頻拍 (VT) の診断で入院した. VTは薬剤抵抗性であり, 直流通電で停止したが, その後もVTを繰り返した. 冠動脈造影で右冠動脈 (RCA) #1 99%, LAD#6 95%, LCX#11完全閉塞を認め, 同日, 当院へ転院した. 心不全を呈したが左室駆出率20%で利尿剤への反応はなく, 持続的血液濾過透析を導入した. 人工呼吸器管理下で鎮静を行ったところVTは抑制された. まず血行再建を行ったが, 鎮静を中止したところ, VTが頻発したため緊急RFCAを施行した. EnSite NavXを用い洞調律中のVoltage mapを作成したところ左室下壁から後壁に広範なLow voltage areaを認めた. VT (頻拍周期 (CL) 375ms, 上方軸, 右脚ブロックタイプ) は容易に誘発され, VT中のActivation mapでSlow conduction zoneを同定した. 同部位でConcealed entrainmentを認め, VT中のMid diastolic potential-QRSとS-QRSが105ms前後と一致した. 同部位への通電でVTは停止し, 以後3カ月間再発を認めていない.

  • 羽田 泰晃, 山分 規義, 飯谷 宗弘, 李 基鎬, 増田 怜, 中村 玲奈, 中野 国晃, 高宮 智正, 島田 博史, 清水 雅人, 藤井 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_204-S2_211
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は39歳男性. 2014年○月午前2時半頃, 就寝中に瀕死期呼吸をしているところを妻が発見し救急要請となった. 救急車内にて自動体外式除細動器 (AED) が作動, 以後は洞調律となり当院搬送された. 頭部CTに明らかな異常所見はなく, 緊急冠動脈造影上も有意狭窄を認めなかった. 右側胸部誘導の上位肋間心電図ではcoved型を呈しBrugada症候群と診断した.

     CCU入室後, 低体温療法 (34°C) を開始した. 開始後, 0.1mVのJ波を側壁誘導に認め, 次第に下壁誘導にも認め0.9mVまで増高した. 心室性期外収縮 (VPC) の出現頻度が高まり, R on Tから心室細動 (Vf) に移行, 体外式除細動器 (DC) 150Jにて停止した. DC施行後, J波は一旦消失したが再度出現, 徐々に減高し, isoproterenol (ISP) 開始後消失した. 経過中は34°Cの低体温で一定, 酸素化良好, 代謝性アシドーシス進行や血清K値低下は認めなかった. 以後, ISP中止後も含めてJ波の出現はなく, 上位肋間心電図でcoved型を呈していたが, 現在までVfの再発はなく経過している.

     Brugada症候群におけるVf出現前後の経過において, J波の経時的変化が観察し得た貴重な1例であり文献的考察を加え報告する.

  • 山下 周, 山内 康照, 稲葉 理, 関川 雅裕, 平尾 龍彦, 尾林 徹, 宮本 貴庸, 梅本 朋幸, 原 信博, 山口 徹雄, 宮崎 亮 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_21-S2_26
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は68歳女性. 2008年より動悸発作ありATPにて停止するPSVTと診断され根治目的にて入院した. 心房プログラム刺激ではjump-up現象なく容易にlong RP tachycardiaが誘発され, His束領域が心房の最早期興奮部位であり, 心房プログラム刺激の連結期と頻拍開始時の復元周期は逆相関を認めた. 頻拍中の心室早期刺激で心房はリセットされず, ATP 4mgの静注にて頻拍は停止した. 以上よりIesaka ATと考えられたが, 頻拍中にslow-slow AVNRTへ移行することもあった. Iesaka ATの時にはHis束電極カテーテルの1-2電極にはHis束電位が記録され, 3-4電極にてprepotentialが存在しこの電位が最早期興奮であった. 大動脈無冠尖内にアブレーションカテーテルを固定したところ, 局所電位はHis束3-4電極のprepotentialより36ms遅れていたが解剖学的にHis束3-4電極と数mmしか離れていなかったため無冠尖内で通電を開始したところ, 通電開始0.6秒でATは停止し根治した. その後, slow pathwayの焼灼を行った. Iesaka ATの場合, 無冠尖内の通電のほうが安全のため症例によっては無冠尖内通電が第一選択になる可能性が示唆された.

  • 石末 成哉, 庭野 慎一, 斉藤 正範, 中村 洋範, 藤石 珠美, 五十嵐 建, 吉澤 智治, 岸原 淳, 村上 雅美, 深谷 英平, 宮 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_212-S2_218
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     目的 : 心内膜側心筋と心外膜側心筋の電位勾配がブルガダ型心電図やJ波の成因と考えられている. イオンチャネル遮断作用を有する抗てんかん薬が心筋イオンチャネルへ影響を及ぼし, ブルガダ型心電図やJ波を引き起こす可能性がある. 今回我々は, 抗てんかん薬を内服中のてんかん患者においてブルガダ型心電図やJ波の検出率とその臨床背景を検討した.

     方法 : 2005年から2014年の間, 当院において抗てんかん薬を内服していたてんかん症例を抽出し, 心電図所見と臨床的背景をブルガダ型心電図群・J波群・その他の間で比較検討した.

     結果 : 148名の心電図解析において, ブルガダ型心電図は16名 (9.6%), J波は44名 (29.7%) に認められた. ブルガダ型心電図群ではナトリウムチャネル遮断作用薬の多剤内服率が高かった (p=0.0176).

     結語 : 抗てんかん薬内服中てんかん症例では, ブルガダ型心電図やJ波は一般の頻度と比較して高頻度に認められ, ナトリウムチャネル遮断作用薬の多剤内服とブルガダ型心電図との関連が示唆された.

  • 篠原 徹二, 福井 暁, 山口 尊則, 石井 悠海, 大坪 豊和, 岡田 憲広, 油布 邦夫, 中川 幹子, 高橋 尚彦
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_219
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は18歳男性. 2014年2月, バスケットボールの休憩中に突然心肺停止となり, 同級生によるbystander CPRおよびAED (VF documented) によって電気的除細動された. 近医に緊急搬送され, 低体温療法が施行された. 復温後の冠動脈造影検査において, 左前下行枝は左回旋枝から側副血行を経由して造影され, 血管閉鎖所見を認めた. 冠攣縮誘発試験は陰性, 冠動脈CT検査にて血栓閉塞および冠動脈解離所見を認めず, 先天性の左前下行枝閉鎖症と考えられた. 心エコー図検査では左室壁運動異常は認めず, 心臓MRI検査では遅延造影所見などは認めなかった. 12誘導心電図検査にて下側壁誘導にJ波を認め, 早期再分極症候群と診断しICD移植術を施行された. 後日施行された負荷心筋シンチグラフィで薬物負荷時に左前下行枝領域の心筋虚血所見を認めた. 近年心筋梗塞急性期の心室細動発症とJ波の関わりが指摘されており, 先天性左前下行枝閉鎖症による心筋灌流障害が早期再分極症候群の心室細動発症に関与していたと考えられる症例を経験したので報告する.

  • 本川 哲史, 石橋 耕平, 宮本 康二, 野田 崇, 木村 義隆, 丸山 将広, 三嶋 剛, 金山 純二, 上島 彩子, 廣瀬 紗也子, 鎌 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_220-S2_225
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は71歳男性. 拡張型心筋症 (DCM) に対する除細動器付き両心室ペースメーカ (CRT-D) 植込み後も心不全を契機とした心室頻拍 (VT) を繰り返し認めていた (持続性心房細動[AF]で心房リードは留置されず). 7年前に2種類のVTに対しカテーテルアブレーション (RFCA) を施行したが1種類は残存, アミオダロンを中心とした薬物療法を継続していた. 今回VT stormで再入院, RFCA施行. Substrate mappingで心外膜側は低電位領域を認めず, 心内膜側の基部側壁および中隔に限局した低電位領域を認め, 同部位への通電で以後VTの頻度は減少した. 術中両室pacing後に同じ連結期を有する心室期外収縮 (PVC) を契機とした非持続性心室頻拍 (NSVT) を認めた. 術後は洞調律を維持していたため心房pacingが可能となり, AAIにて自己QRSを温存した結果, 心不全が改善しVTの再発なく心不全管理が良好となった. 結語 : RFCAおよび心房リード追加が本例のVT storm抑制に有効だった.

  • 杉村 宗典, 貝谷 和昭, 安田 健治, 黒田 真衣子, 西村 俊亮, 今村 沙梨, 大西 尚昭, 泉 知里, 中川 義久
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_226-S2_235
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例 前壁中隔心筋梗塞後の心室頻拍 (VT) にて植込み型除細動器 (ICD) 挿入されている70歳代男性. VTに対し心内膜アプローチで2度アブレーション (RFCA) 行われているが再度ICD頻回作動認め再入院となる. 洞調律中の左室 (LV) 心内膜substrate mapで前壁中隔心尖部側に低電位領域 (LVA) を認めたが, 遅延電位 (DP) は2度のRFCAの効果により限局的に確認されるのみであった. 一方心外膜側のsubstrate map上LVAは心内膜側より範囲は狭いもののLVA内にDPが集積して認めた. 誘発されたclinical VT (VT1) のactivation mapにおいて, exitは心外膜LVAの左室側壁側であった. 同部位より4cm中隔側の心室間溝に近いDP記録部位からエントレインメントペーシング (EP) 試みると拡張期電位の捕捉とともにVT1は停止しそのまま右室流出路がexitと想定されるVT2に変化. 再度同部位からVT2に対しEP行うと局所電位捕捉とともにVT1に復した. 同部位からVT1中に通電するとexitが異なるVT (VT3・VT4) に連続的に変化し通電終了後自然停止した. VT4のexitは心内膜側と考えられ, 中中隔から前壁にかけてのintramuralにcritical channelを有し複数のexitを伴う回路が想定された. 洞調律下に心外膜DPへの通電とVT4のexitと想定される心内膜側への通電を追加後, いかなるVTも誘発不能となった.

     結語 前壁中隔心筋梗塞後のVTは心内膜側に基質を認めることが多いが, 本例では基質がintramuralに存在し複数のexitを有することよりpacingおよび通電にて心電図波形がダイナミックに変化し, 心外膜・心内膜アプローチ併用にて誘発不能になったと考えられた.

  • 金城 貴彦, 木村 正臣, 伊藤 太平, 佐々木 憲一, 堀内 大輔, 佐々木 真吾, 奥村 謙
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_236-S2_246
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は50歳男性. 今回入院の約1年前に冠攣縮性狭心症による虚血性心筋症に起因した心室頻拍 (VT) に対してICD植込み術を施行した. 平成○○年○月electrical stormをきたし当科入院となった. 右脚ブロック・下方軸型のほか, 上方軸型VTも認め, カテーテルアブレーションを施行した. 左室心尖部の低電位領域 (LVA) 内にlate potentialを認め, Stim-QRS mapより下方軸型VTはLVA内を側壁から緩徐伝導路 (SCZ) を経て前壁中隔にbreakthroughする回路が想定され, exitの約5mm下方でpacingを行うと上方軸型QRS波に変化した. 血行動態が安定した頻拍周期 (TCL) 295msecの上方軸型VTが容易に誘発された. 良好なpace map (Stim−QRS=66msec) が得られた部位近傍に拡張期分裂電位を認め, 同部位でconcealed entrainmentが得られ, PPIとTCLは一致した. 同部位への通電によってVTは停止し, SCZを横断するように追加通電後, すべてのVTは誘発不能となった. その後再発を認めていない. 心尖部LVAからのbreakthrough部位の違いにより上方軸型ならびに下方軸型VTが出現したと考えられた1例を経験したので報告する.

  • 植竹 俊介, 丸山 光紀, 山本 哲平, 清野 精彦, 清水 渉
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_27-S2_34
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は68歳, 男性. 再発性のnarrow QRS頻拍を認め, アデノシン三リン酸投与にてP波を伴わずに頻拍は停止した. 右室刺激時には房室結節を介する室房伝導が間欠的に見られるのみだったが, 心房刺激により高位右房を最早期興奮部位とする非持続性の頻拍が誘発された. イソプロテレノール投与後, 右室刺激時1 : 1室房伝導となったが, 心房興奮はHis束領域が早く, 心室の刺激部位を変更しても頻拍時の奇異的な心房興奮順序は再現できなかった. 傍His束ペーシングの結果, 逆伝導は房室結節パターンであった. 以上より心房頻拍を疑い, 心房興奮パターンより右房起源と考え, 頻拍中に右房をmappingすると, 最早期興奮部位は心房中隔であった. 同部位を通電したものの, 頻拍に影響を与えなかった. イソプロテレノール投与下で頻拍は持続性となったため, 頻拍中の心室オーバードライブペーシングを行うと頻拍は毎回停止しエントレインはできなかったが, QRS波がfusionしている段階で心房波を捕捉せずに停止しており, 頻拍機序は心房頻拍ではなく副伝導路を介する房室回帰性頻拍と考えられた. 左房をmappingすると左前中隔弁輪部に最早期興奮部位を認め, 同部位の通電にて頻拍は停止した.

     頻拍中, 奇異的な心房興奮パターンを示すnarrow QRS頻拍の鑑別において, 室房伝導が弱く, 心室刺激によって頻拍中の心房興奮パターンが再現不能でも, 本例のように副伝導路を介する房室回帰性頻拍が機序の場合があり, 注意が必要と考えられ, ここに報告する.

  • 遠藤 秀晃, 梶谷 翔子, 門間 雄斗, 神津 克也, 野田 一樹, 中嶋 壮太, 高橋 徹, 中村 明浩, 野崎 英二, 八木 卓也, 椚 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_35-S2_42
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は50歳代, 女性. 発作性上室性頻拍症 (PSVT) による動悸発作にて臨床心臓電気生理学的検査を施行. 無投薬下の心室期外刺激法ではHis束A波を最早期興奮部位とした1本の減衰した逆伝導のみ観察され, 高位右房も含めた電気的プログラム刺激ではPSVTは誘発されなかった. ISP負荷の高位右房期外刺激法で一定の連結間隔 (S1S2 220~240msec) でJumping-up現象を伴わずPSVTが誘発され, 刺激S2直後の心房エコー波は心室期外刺激で観察された逆伝導に比しより短縮した伝導時間で, 異なる心房内興奮伝導であった. その心房エコー波出現後のAH間隔は50msec以上の突然の延長を認め, 房室結節内の順行性遅伝導路乗り換えが示唆された. 無投薬下の傍His束ペーシングによる逆伝導時間はHis束A波が最早期興奮部位であり, NarrowQRS<WideQRSであったが, ISP負荷後逆伝導時間がNarrowQRS=WideQRSであることから潜在性副伝導路による逆伝導が示唆された. 一方, PSVTは頻拍開始から2拍目以降の逆伝導がHis束A波を最早期興奮部位に変化し, 頻拍周期より短い心室頻回ペーシングで逆伝導時間が減衰することから, 通常型房室結節回帰性頻拍 (AVNRT) が示唆された. PSVTは遅伝導路電位 (SPP) を指標とした焼灼後誘発されず, 半年間動悸発作を認めていない. 以上, 頻拍誘発時第1拍目の逆伝導のみが副伝導路によるSupernormal conductionによる機序が推察された通常型房室結節回帰性頻拍の1例を経験し比較的稀な症例と思われ, 若干の文献学的考察を加えて報告する.

  • 安岡 良文, 栗田 隆志, 小竹 康仁, 赤岩 譲, 元木 康一郎, 宮崎 俊一
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_43
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例 : 50歳代男性. 症候性の右室流出路起源PVCと無症候性の右側前側壁の顕性WPW症候群を有し, 今回, 双方の根治術を目的に入院した.

     電気生理検査 : 治療開始時, PVCは出現せず, まずは副伝導路の離断を目的とした. 弁下アプローチにて三尖弁輪自由壁10時方向での通電9秒後にΔ波が消失した. しかし, その直後, Wenckebach Blockになったため20秒で通電を中止した. 約3分後に房室結節は1 : 1伝導を獲得したが, AH時間は375msと延長, 無投薬下では心房刺激500msで, イソプロテレノールとアトロピンの静注下では400msの刺激周期でWenckebach Blockとなった. 正常伝導能が不良と判断し, 副伝導路へは追加通電せず, PVCのアブレーションを施行し終了した. PR時間は翌日195ms, 7日後に177msまで回復した. 退院後のHolter心電図ではΔ波, AV block, PVCを認めなかった.

     結語 : 副伝導路の恒常的順行性伝導が房室結節の伝導性に影響を与えていた可能性が示唆された.

  • 熊本 崇, 住友 直方, 趙 麻未, 安原 潤, 小島 拓朗, 清水 寛之, 葭葉 茂樹, 小林 俊樹, 岡 健介, 片岡 功一
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_44-S2_49
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     房室回帰性頻拍 (AVRT) は減衰伝導特性を持たない副伝導路を介するshort R-P'頻拍であるが, permanent form of junctional reciprocating tachycardia (PJRT) は主に右後中隔に存在する減衰伝導特性を持つ副伝導路を介するlong R-P'頻拍である. PJRTはincessant typeで抗不整脈薬抵抗性のことが多いが, カテーテルアブレーションによる根治が期待できるため成人領域においては治療の第一選択となっている.

     症例は10カ月の男児. 熱性痙攣を契機に発作性上室頻拍 (PSVT) と診断された. ATPで頻拍は停止するがすぐに再発しベラパミルで洞調律に復した. 高位右房期外刺激ではjump-up現象は認めず, PSVTが誘発された. 頻拍中の最早期心房興奮部位は左房遠位電極付近であった. 右室連続刺激中にATPを静注したところ室房伝導の最早期心房興奮部位がHis束興奮部位から左房遠位電極付近に変化し, かつWenckebach型の室房伝導を認めた. 右室期外刺激では左房遠位電極までの逆伝導は刺激間隔の短縮とともに延長し, この副伝導路は減衰伝導特性を有することが証明された. 頻拍中のCARTOによるactivation mapでは, 僧帽弁4時に早期興奮部位を認め, 同部位への通電で副伝導路の焼灼に成功した. 以後発作は再発していない.

  • 久嵜 香, 天谷 直貴, 絈野 健一, 青山 大雪, 汐見 雄一郎, 玉 直人, 池田 裕之, 佐藤 岳彦, 横川 美樹, 福岡 良友, 森 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_5-S2_10
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例 : 57歳, 女性. 主訴 : 動悸. SLE・高血圧にて当院通院中. 頻回の心房頻拍 (atrial tachycardia ; AT) 発作を認めたためアブレーションを施行. ATは心房頻回刺激により再現性をもって誘発された. 3次元マッピングシステム (CARTO® 3system) を用いて右房心内膜側からactivation mappingを施行. ATはfocal patternを呈し, 冠静脈洞入口部 (CSos) の局所興奮より57ms先行する最早期興奮を三尖弁輪前壁 (左前斜位 : 12時の位置) に認めた. 同部位に頻回の焼灼を試みるも一過性の抑制を認めるのみで根治は得られなかった. 本例は大動脈の著明な蛇行のために無冠尖Valsalva洞が右房前壁最早期興奮部位に近接していた. AT中の無冠尖Valsalva洞内の局所興奮はCSosの興奮に46ms先行していた. 同部位の焼灼でATは直ちに停止し, 以後誘発不能となり再発は認めなかった. His束電位記録部位は最早期興奮部位から35mm離れた部位であった. 本例は, 心外膜側に起源を有した三尖弁輪前壁起源の巣状リエントリー性ATで, 心内膜側からは焼灼不可能で無冠尖Valsalva洞内の焼灼で根治した極めて稀な症例であると考えられた.

  • 山上 文, 横山 泰廣, 安達 亨, 西 裕太郎, 丹羽 公一郎, 塩島 功一郎
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_50-S2_54
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は21歳, 男性. 動悸発作精査のため電気生理学的検査を行い, 左側側壁の潜在性副伝導路を逆伝導し, 房室結節を順伝導する房室リエントリー性頻拍と診断した. 心室ペーシング下に左房側から僧帽弁上アプローチで室房伝導の最早期部位をイリゲーションカテーテルで18回アブレーションを行ったが, 不成功であった. そこで, その対側にあたる冠静脈洞内の心室側からのアブレーションを行い, 副伝導路の離断に成功した. 本症例の左側副伝導路は心外膜下を走行しており, 冠静脈洞内からのイリゲーションカテーテルを用いたアブレーションにより副伝導路の心室端が離断されたと考えられた. 心内膜側からのアブレーションが無効な左側副伝導路症例に対して, 冠静脈洞内からのイリゲーションカテーテルによるアブレーションは検討すべき方法と考えられる.

  • 黒田 俊介, 水上 暁, 大野 真紀, 鈴木 誠, 松村 昭彦, 橋本 裕二
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_55-S2_61
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例はWPW症候群の36歳男性. 動悸時の心電図にて発作性心房細動を認め, カテーテルアブレーション目的で入院となった. 12誘導心電図ではPQ間隔144ms, Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ誘導陽性, V1誘導で陰性のデルタ波であり, 中隔kent束の存在を疑わせたが, 心臓電気生理検査では, His束心室間の連続電位と心房プログラム刺激によるAH間の減衰伝導を認めたがHV間隔は不変であり, 12誘導のQRS波形にも影響せず, ATP 20mgにて房室ブロックとなることから, デルタ波は束枝室間副伝導路に起因すると考えられた. 右室ペーシングにて左側壁の潜在性副伝導路を認め, 心房期外刺激にてjump up現象を認めずに潜在性副伝導路を介する順行性房室回帰性頻拍が誘発された. 束枝心室間副伝導路は頻拍の原因となり得ないと考え, 拡大肺静脈隔離に加え, 経心房中隔的に心室ペーシング下に左側壁副伝導路の焼灼を行い, 頻拍は誘発不能となった.

  • 田中 宣暁, 田中 耕史, 豊島 優子, 岡 崇史, 岡田 真人, 井上 耕一
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_62-S2_69
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は, 50歳男性. 平成17年より心房細動を指摘. 抗不整脈薬3剤抵抗性であったため, 平成18年カテーテルアブレーション (RFCA) 施行. 肺静脈隔離術, 左房天蓋部線状焼灼, 三尖弁輪−下大静脈線状焼灼, 冠静脈洞焼灼を行った. 心房細動再発のため, 平成20年RFCA 2回目施行. 左房天蓋部, 三尖弁輪−下大静脈の再伝導部位への焼灼, および僧帽弁輪峡部線状焼灼を行った.

     以降は, 抗不整脈薬内服継続していたが, 心房粗動, 心房細動の出現を数回認め, 洞調律化には電気的除細動を要していた.

     平成25年7月から発作頻度増加のため, 同年10月RFCA3回目を行った.

     再伝導を認めた左上, 左下肺静脈を再隔離. 左房天蓋部が再伝導していたため, 再度ブロックラインを構築した.

     僧帽弁輪峡部も再伝導していた. 左心耳からのペーシングで, 冠静脈洞電位, 左房電位が分離され判別できた. 左房内からの通電で左房電位のみがブロックされたのが確認できた. 冠静脈洞電位は冠静脈洞のカテーテル留置部より遠位部で, 左房との連結部が見込まれる部位で通電を行い, 冠静脈電位のブロックラインも作成できた.

     術後, 1年経過時点で, 心房粗動, 心房細動再発を認めていない.

     前回までの焼灼の影響で, 冠静脈洞内の電極にて, 冠静脈洞電位と左房電位が分離して認められた興味深い所見を認めたため, ここに報告する.

  • 北村 健, 深水 誠二, 吉田 精孝, 河村 岩成, 中田 晃裕, 森山 優一, 荒井 研, 宮澤 聡, 貝原 俊樹, 麻喜 幹博, 北條 ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_70
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は57歳男性. 過去に発作性心房細動 (PAF) に対してカテーテルアブレーション (CA) を施行後でPAFの再発を認め当院へ紹介, CAの方針となった. まず左上下肺静脈に再伝導を認め, 再隔離した. Isoproterenol投与下で心房細動 (AF) が自然発生し, そのトリガーは右房中隔高位の上大静脈右房接合部だった. 同部位に通電を行ったところ通電後より接合部調律となった. イソプロテレノール投与下にAFが出現しないことを確認し手技を終了した. 術後も接合部調律が持続, その後非通常型心房粗動となり, 症状が持続したため洞機能の評価も含め再度CAとなった. 冠動脈造影では右冠動脈からの洞結節動脈 (SNA) は認められず左冠動脈回旋枝からのSNAが閉塞していた. その後右房への心房粗動の治療を行い, 洞調律に復し以後頻拍の再発を認めず経過している. CAでSNAの閉塞を冠動脈造影により確認し得た洞不全症候群は非常に稀であると考えられた. 洞結節は時に1枝支配になっており上大静脈右房接合部中隔側の通電の際には注意を要する.

  • 下島 桐, 若月 大輔, 辻内 美希, 倉田 征昭, 南雲 さくら, 佐藤 千聡, 水上 拓也, 笹井 正宏, 久野 越史, 池田 尚子, ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_71
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は45歳男性. 39歳時にⅡ度房室ブロックを指摘された. 40歳時に持続性心房粗動を合併, 通常型心房粗動をアブレーションした. しかし, 房室ブロックによる徐脈で心拍数30bpm前後で経過, ABLの6日後にDDDペースメーカー植込み術を施行した. このときのEFは40%であった. 父がペースメーカー植込み後, また兄も房室ブロックを指摘されていた. 遺伝子検索の結果ラミンA/C遺伝子異常が指摘された. 42歳時より発作性心房細動を合併し, 43歳時には心房細動は慢性化した. 44歳時心不全で入院. その後も心不全のコントロールがつかなかった. UCG上LAVI 45mL/m2, LVDD 65mm, EF 24%, 全周性の壁運動低下, 壁のひ薄化を認めた. 2014年8月CRT-D植込術施行. 心不全症状の軽快, BNPの低下 (605→240pg/mL), EF 30%に上昇し, 心臓再同期療法が奏功したと判断した. 房室ブロック, 心房粗動で発症し, 徐々に心機能が低下, 心臓再同期療法が奏功したラミンA/C遺伝子関連拡張型心筋症の1例を経験したので報告する.

  • 三輪 陽介, 副島 京子, 佐藤 俊明, 上田 明子, 冨樫 郁子, 星田 京子, 樋口 聡, 松下 紀子, 百瀬 裕一, 吉野 秀朗
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_72-S2_77
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例 : 症例は50歳男性. 呼吸困難, 動悸を主訴に来院し, 通常型心房粗動およびうっ血性心不全と診断した. 全周性壁運動低下を認め, 左室駆出率は26%であった. 心不全治療に加えてレートコントロールをβ遮断薬にて行い第2病日に自然に洞調律に復した. 洞調律は心拍数80/分で徐脈は認めなかったが, 著明なQT延長 (QTc>500ms) を認めた. R on TからTorsades de pointesを繰り返し, 電気的除細動を要した (計4回). また, 通常型心房粗動を繰り返し, カルディオバージョンを行い洞調律化した (計3回). 心機能低下に対してβ遮断薬を漸増し, QTc間隔は正常化した. 通常型心房粗動に対して三尖弁下大静脈峡部に, 線状焼灼を行い, β遮断薬を休薬した. 心機能は正常化しており, 頻脈誘発性心筋症と診断した. エピネフリン負荷試験でQT延長が顕在化したため, β遮断薬を再開した. 経過観察中に心房細動を繰り返し認めたため, 3カ月後電気的肺静脈隔離を行った. その際QT延長は認められず, エピネフリン負荷試験にても有意なQT延長は認められなかった.

     結語 : 頻脈誘発性心筋症によるQT延長症候群でTorsades de pointesを呈した1例を経験した. 心機能改善と同様, QT延長症候群において可逆性が確認された貴重な症例であり報告する.

  • 加藤 信孝, 青柳 秀志, 沖重 薫, 中村 知史, 川口 直彦, 山下 光美, 平尾 見三
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_78
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は79歳男性. 6年前から頻脈性心房頻拍が原因となる心不全で前医で入退院を繰り返していた. 今回心房性不整脈根治目的で当科紹介. 心内電位マッピングでは, 三尖弁輪峡部依存性心房粗動と判断され, 同部線状焼灼を行うも効果なし. 心房細動も合併していたため肺静脈隔離術を施行. 途中血圧低下があり心嚢液貯留を認め手技中断し終了. その後心房頻拍が起こったためre-do目的で入院. 左房内3次元マッピングにて左房天井部を旋回する頻拍であったため同部位の線状焼灼を行うも停止せず, 再度マッピングを行うと僧帽弁輪を旋回するマクロリエントリー心房頻拍であったため同部位横断線状焼灼にて治療成功. その後動悸発作があり異なる形状の心房頻拍が出現したためre-do目的で入院. 3次元マッピングでは左下肺静脈入口部下部を焦点としたcentrifugalパターンの心房頻拍であった. 最早期興奮部位の焼灼で頻拍は停止し以後誘発不能となった. 詳細なマッピングにより僧帽弁輪峡部に異なる2種類の不整脈基質を有する心房頻拍を根治し得た.

  • 佐竹 洋之, 福田 浩二, 近藤 正輝, 中野 誠, 瀬川 将人, 下川 宏明
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_79-S2_84
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は76歳男性. 2011年僧帽弁狭窄症に対して僧帽弁置換術 (生体弁) 並びにMaze手術を施行した. 2014年3月より薬剤抵抗性の上室性頻拍発作があり当科紹介, RFCAの方針となった. EPSでは130bpm台の上室性頻拍が誘発され, CSカテーテルのsequenceはproximal to distalであり, 右房起源の頻拍が疑われた. CARTOのactivation map上はCS入口部の頭側を最早とするfocal patternを呈した. 同部位でP波に70msec先行する最早期興奮部位で通電するも頻拍は停止せず, 左房のmappingを行った. 左房内では, 両側肺静脈, 後壁は隔離されており, CARTO上, 僧帽弁輪12時方向を最早とするfocal patternを示した. 僧帽弁輪でのactivationは最早期部位から反時計方向に旋回し, mitral isthmus block lineは作成されていると考えられた. 最早期部位はP波に170msec先行し, 同部位の通電で頻拍は停止した. 周囲に追加通電を施行後, ISP投与下に頻拍の誘発不能を確認し手技を終了した. 左房後壁, mitral isthmus block lineが形成されていたため, 興奮は中隔から右房へとbreakthroughした後にCSへ伝播していたと考えられた. また, Maze術後であり, 左房の起電力に乏しく, 右房にbreakthroughした後にP波が形成されていたため, P波に対して左房最早期部位で著名に, また右房最早期でも比較的先行した電位が認められた可能性が考えられた.

  • 伊藤 かな子, 岩崎 雄樹, 藤本 雄飛, 岡 英一郎, 高橋 健太, 坪井 一平, 淀川 顕司, 林 明聡, 宮内 靖史, 清水 渉
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_85-S2_91
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は, 72歳男性. 肥大型心筋症, 発作性心房細動のため近医通院していたが, 動悸を自覚しホルター心電図で症状に一致してLong R-P'頻拍が認められ, カテーテルアブレーション目的に当院へ紹介となった. 心臓電気生理学的検査で, 心房単発期外刺激によるjump up現象は認めず, 右室刺激中の心房最早期興奮部位をHis束領域に有する弱い逆行伝導を認めた. 心房頻回刺激で頻拍周期460msecのLong R-P'頻拍が誘発され, 頻拍中の心房最早期興奮部位は冠静脈洞入口部より約2cm遠位であった. 頻拍中に左心房内をmappingしたところ, 左房内僧帽弁輪6時方向からの巣状興奮パターンを呈し, 最早期興奮部位では冠静脈洞内で得られる電位よりも26msec先行する分裂電位が記録された. 心房内各所からのエントレインメントペーシングは, 最早期興奮部位でのみ刺激後の復元周期が頻拍周期に一致した. 同部位で頻拍中に通電を行い頻拍は約8秒で停止したが, イソプロテレノール負荷で再発し, 左房心内膜側からの追加通電を行ったが再発を繰り返した. 左房心内膜側の最早期興奮部位の対側の冠静脈洞側でより早期性のある電位が記録され同部位への通電を行い, 約1秒で頻拍は停止し以降誘発不能となった. 心内膜側, 心外膜側の両者からの焼灼が有効であった僧帽弁輪を起源とする巣状心房頻拍の1例を経験した.

  • 豊田 康豪, 榎本 善成, 佐原 尚彦, 高木 高人, 楢林 ゆり子, 橋本 晃, 伊藤 尚志, 久次米 真吾, 坂田 隆夫, 野呂 眞人, ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_92
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例は74歳女性. 2013年夏頃より労作時に動悸を自覚するようになり近医を受診し, 心拍数150回/分の発作性上室性頻拍 (PSVT) を認めたため当院に紹介受診となった. EPSを施行したところ, 頻拍は心房からのプログラム刺激で再現性をもって誘発停止可能であった. 頻拍は明らかなJump-up現象は伴わず誘発され, 心房最早期興奮部位が冠静脈洞入口部である心房頻拍 (AT) であった. 頻拍中にATP 5mgを投与すると再現性をもって頻拍は停止した. 心房最早期興奮部位での焼灼では頻拍の停止に至らず, 解剖学的slow pathway領域を焼灼したところ頻拍は停止した (AT①). その後再度心房からのプログラム刺激で, 洞結節近傍の高位右房に最早期興奮部位を持つ別のAT (AT②) を認めるようになった. Ensite Array system下での最早期興奮部位を参考に繰り返し焼灼を行ったところAT②についても誘発は認められずsession終了とした. 異なる最早期興奮部位を有するATP感受性心房頻拍の1例を経験したため文献的考察を加え報告する.

  • 古川 力丈, 奥村 恭男, 渡辺 一郎, 園田 和正, 佐々木 直子, 磯 一貴, 高橋 啓子, 大久保 公恵, 中井 俊子, 國本 聡, ...
    2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_93-S2_100
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/12/16
    ジャーナル フリー

     症例1 : 74歳男性. 繰り返す上室頻拍のため, 心臓電気生理学的検査 (EPS) を行い, slow-intermediate型の房室結節回帰性頻拍 (AVNRT) が誘発された. 解剖学的遅伝導路 (SP) 部位に対して焼灼を行ったが, その後もAVNRTが誘発されるため, 冠状静脈洞 (CS) 内およびSPの左房側より通電したところ誘発不能となった.

     症例2 : 77歳女性. 動悸のため来院. 動悸時の心電図ではRR間隔が交互に変化する上室頻拍を認めた. EPS上, 室房伝導はなく, 洞調律1拍に対してAH間隔の異なる心室応答が2拍出現したことにより, 房室二重伝導路によるdouble ventricular response (DVR) と診断した. 右房側より解剖学的SP部位を焼灼したが無効であり, CS内, 左房側より通電しDVRは消失した. 後日再発したため, 再度EPSを行った. 解剖学的SP, CS内, 左房側より通電したが, DVRの消失には至らなかった. 通電により, 一時的にWenckebach型房室ブロックとなったため, それ以上の通電を行わず終了した. 通電は不十分であったが, 現在は頻拍の再発なく経過している.

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