植物環境工学
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22 巻 , 1 号
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総説
論文
  • 道園 美弦, 久松 完, 大宮 あけみ, 柴田 道夫
    2010 年 22 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    暗期における短時間昇温処理が, アフリカンマリーゴールドの開花反応に及ぼす影響について調べた. 12時間日長, 温度22℃/14℃(明期/暗期)の制御環境下で, 時間帯を変えて3時間30℃の昇温処理を行った結果, 暗期開始時の処理で特異的に発蕾までの日数が短くなった. 続いて, 処理時間および処理温度を変えて, 暗期開始時の昇温処理を行った結果, 0.5時間30℃および3時間22℃の昇温処理でも明らかに発蕾までの日数が短くなった. 以上のように, 暗期開始時の短時間昇温処理によりアフリカンマリーゴールドの開花反応が促進することを初めて見出した.
  • 近藤 謙介, 池田 奈美枝, 樫原 千枝, 北村 義信, 岩崎 正美, 恒川 篤史, 松添 直隆
    2010 年 22 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    高温期における再生紙マルチの利用がミズナ2品種‘京みぞれ’と‘晩生白茎千筋京水菜’(以下, ‘白茎’)の生育, アスコルビン酸含量および硝酸イオン濃度に及ぼす影響を検討した. 処理区は白色と黒色の再生紙マルチを用いた紙(白)区と紙(黒)区, シルバーポリマルチを用いたシルバー区, さらに裸地区を設け, 計4処理区とし, 露地および雨よけハウス内でそれぞれ栽培した. 栽培期間中で最も気温の高かった日の地温および平均最高地温が最も低かった区は露地とハウス内ともに紙(白)区だった. 再生紙マルチの昇温抑制効果はハウス内よりも露地で大きかった. 欠株率はマルチ処理区間に差は認められなかった. 生育は紙(白)区が最大で, その要因としては処理区間の土壌含水比に差がなかったことから, 再生紙マルチの地温上昇抑制効果が大きく関与したと考えられる. また, 品種間を比べると‘白茎’は‘京みぞれ’に比べ欠株率が低く, 生育が良好だった. アスコルビン酸含量は‘白茎’の紙(白)区が裸地区に比べ有意に多かった.一方,硝酸イオン濃度は処理区間に差はなかった.以上の結果から, 高温期における再生紙マルチの利用は, ミズナの生育を促進できることが明らかとなった. また, 欠株率, 生育およびアスコルビン酸含量に品種間差が認められたことから, 高温期栽培に適したミズナの品種の選定・育成も必要と考えられた.
  • 藤田 孝, 内山 稔之, 八木 泰彦, 福井 博一
    2010 年 22 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    アルストロメリアの育種を進めるために,‘レベッカ’, ‘リラ・サンドラ’, ‘ファーリー’の根茎から発生する地上茎の頂端分裂組織を用いた大量増殖を検討した. 根茎から3~4 cm伸長した地上茎の頂端分裂組織は高い根茎形成能力を示したが, 雑菌汚染が著しかった. 50~100 cmに伸長した地上茎の頂端分裂組織の根茎形成能力は著しく低く, 大量増殖に適しなかった. 株元の地表面から現れた直後の花茎シュートを用い, 頂端分裂組織をBAP 10.0μMとNAA 1.0μM を添加したMS培地(ショ糖3% )で初代培養後, 同じ組成の培地で2回の継代培養を行うことで, 未伸長の根茎芽が形成された. 根茎芽を1/2N-MS培地にショ糖6%を加えた培地(BAP 10.0μM, NAA 1.0μM)で継代培養することで多数の根茎芽が増殖できた. 順化直前の継代培養において, 通気性膜を付けた培養容器内でショ糖9%とBAP 10.0μMおよびNAA 1.0μMを加えた1/2N-MS培地で根茎芽を培養し, その後に根茎を順化した結果, 順化中に多数の細根が伸長した. 順化個体を栽培圃場に定植して切花形質を調査した結果, 突然変異個体は認められなかった.
  • 安場 健一郎, 黒崎 秀仁, 高市 益行, 大森 弘美, 川嶋 浩樹, 星 岳彦
    2010 年 22 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    ユビキタス環境制御システムを導入した自然換気温室における細霧噴霧と換気窓の開度制御による, エンタルピを指標とした温湿度管理法に関して検討を行った. 天窓の開度の調整は2分ごとに行い, 温室内のエンタルピを60 kJ kg-1とすることを目的とした. 温室内の目標エンタルピは気温が23℃の時に相対湿度が83%となる値である. 温室内外の温湿度と日射量の情報から熱収支法により温室内の換気率を計算し, また, 温室内のエンタルピが60 kJ kg-1とするための目標換気率を計算し, 新たな天窓の開度に制御を行った. 細霧は天窓制御時に相対湿度の目標値を下回ったときに作動し, 最大90秒を目処として, 相対湿度の設定値を上回ったときに停止した.
    2008年11月1日から6日の10時から14時の間に制御を実施した. 温室内の平均気温は23~24℃となり, 相対湿度は設定した値より1から2%程度高く推移した. 11月2日の温室内のエンタルピは平均値では60.2 kJ kg-1となり目標値に近くなったが短期間での値の変動がみられた一方, 屋外のエンタルピは温室内よりも低く, 変動も小さくなった. さらに高精度の制御を実施するためには制御間隔を短くする必要があると考えられた. 温室の換気率は1 m3 m2 min-1以下となり, かなり低い値を示しため, 本法で示した温湿度管理を実施することで効率的な炭酸ガス施用を実施できると考えられた.
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