植物環境工学
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25 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特別寄稿 総説
  • 橋本 康
    2013 年 25 巻 2 号 p. 57-64
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    Recently, the uses of a solar plant factory are being widely recognized in Japan. A solar plant factory may be similar to the computerized greenhouse used in northern Europe (such as in Netherland and Belgium) that has been improved for the past 30 years. This system is quite different from that of the artificial light plant factory, which had been developed by a Japanese company 30 years ago. The solar plant factory is operated using several computers and may be called as a “computer-integrated greenhouse.” One computer may be used for the speaking plant approach on the basis of data processing for physiological and ecological information on horticultural crop cultivation, while the other computers may be used for the intelligent control of the process on a large scale in the greenhouse. For better innovation, scientific discussions and results for such a newly developed area could be introduced in this paper, which had been done according to the technical committees organized by the International Federation of Automatic Control (IFAC) and strongly supported by the Science Council of Japan, a National Member Organization of IFAC.
総説
  • 野末 雅之, 野末 はつみ, 宇佐美 久尚, 高橋 伸英, 田口 悟朗, 梶浦 善太
    2013 年 25 巻 2 号 p. 65-69
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    本総説では, 信州大学における植物工場の研究拠点の概要を示した. 信州大学先進植物工場研究教育センター(SU-PLAF)の開設の経緯, 事業目的と事業内容, 特に研究発課題と人材育成への取組みについて紹介した. SU-PLAFの特徴は, コンテナ植物工場での省エネルギー栽培システムの開発を通して, 閉鎖型植物工場の課題解決に取組んでいることである. なお, SU-PLAFの問合せ連絡先についても示している.
  • 増田 実, 礒崎 真英, 鈴木 賢, 小西 信幸
    2013 年 25 巻 2 号 p. 70-76
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    植物工場三重実証拠点では, 太陽光利用型植物工場により, トマトとイチゴの栽培実証を行っている. 当実証拠点では, 各種環境制御装置とUECS®を用いた高度な環境制御技術による周年生産の実証に取り組んでいる. トマトの栽培方式には, ロックウール耕による低段密植栽培を取り入れ, 周年安定生産体系の構築に努めている. イチゴにおいては, 三重県育成品種‘かおり野’を用いた作期拡大と, 種子繁殖型品種の栽培実証を行っている.
    実証開始から1年以上が経ち, 大規模区画ならではの成果が作出されつつある. 今後は環境データ, 環境制御運転情報, 収量データ等をさらに蓄積しながらデータ解析を進め, 効率的な周年安定生産を行うための屋外気象や生育ステージ等の各条件に対応する最適環境制御マニュアルの構築, 効率的なCO2施用方法の確立, 夏の高温対策, 周年防除体系の計画等の課題に取り組む必要がある.
論文
  • 吉田 英生, 彦坂 晶子, 後藤 英司, 高砂 裕之, 工藤 善
    2013 年 25 巻 2 号 p. 77-82
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    本試験では, 人工光型植物工場を用いたイチゴの栽培における初期コストの削減および栽培期間の短縮(ランニングコストの削減)を目的として, 連続明期およびその開始時期が四季成り性イチゴ苗(Fragaria×ananassa Duch. ‘HS138’)の花成および生育に及ぼす影響について調査した. 処理光源には, 花成促進効果が報告されている青色光を多く含む青色蛍光灯を用い, 日積算光量(Daily light integral; DLI)を13 mol m-2 d-1とした. 組織培養苗を水耕装置に移植後21日目から16時間明期または連続明期下で栽培したB16区とB24区, 加えて, 連続明期処理の開始を16日早め, 移植後5日目から行ったEB24区を設けた. 処理区を通じて全ての株が開花した時点で試験を終了した(連続明期処理の開始後71日目). その結果, B24区およびEB24区ともに, B16区の開花日より約20日早く開花した. 移植後21日目から処理を開始したB24区の葉面積は約50 cm2, 移植後5日目から連続明期処理を開始したEB24区の連続明期処理の開始時の葉面積は約10 cm2だった. 連続明期処理の開始時期を16日早めたEB24区で花成が促進されなかったのは, 花芽分化するにはある程度の成長量(葉面積)や葉齢を確保し, 幼若相を脱する必要があるためと考えられた. 試験終了時における総乾物重にB16区およびB24区で差はなく, 連続明期下においても生理障害なく, 連続明期は16時間明期と同等の成長量を得られることが明らかとなった. 同じDLIの場合, 連続明期は16時間明期に比べ照明器具の設備コストを2/3にすることが可能である. これらのことから, 四季成り性イチゴの育苗期における連続明期下での栽培は, 16時間明期での栽培に比べ, ランニングコストの削減だけでなく, 初期コストの削減も可能であることが示された.
  • 兼子 まや, 塚越 覚, 藤瀬 茜, 池上 文雄
    2013 年 25 巻 2 号 p. 83-89
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    生薬「柴胡」の基原植物であるミシマサイコについて, 養液栽培での施肥管理法確立を目的とし, 灌液する培養液のECと生育, サイコサポニン含有量, 植物体中の無機成分組成との関係について調査した. ミシマサイコの栽培は, PVCパイプを利用した循環式ロックウール耕で行った. 培養液は大塚B処方とし, 処理区は灌液する培養液濃度について0.6 dS m-1 (1/4単位区), 1.2 dS m-1 (1/2単位区), 2.4 dS m-1 (1単位区)の3水準とした. 地上部の生育, 最大葉の葉面積および草丈は, 1単位区で他の区に比べて低下したが, 地下部乾物重には処理の影響がなかった. T/R比は1単位区で他の区より低かった. 乾物重当たりのサイコサポニン含有量には処理区間で差がなかったが, 株当たりのサイコサポニン収量は, 1単位区で最も高かった. 植物体中の無機成分濃度は, 概して1単位区で高い傾向があったが, 植物体中の無機成分の含有比はいずれの区も同様の傾向を示した. また, ミシマサイコに好適な培養液の無機成分組成はN:P:K:Ca:Mg=6.5:4.7:8:1.3:1.8 me L-1程度と考えられた.
  • 佐藤 展之, 守谷 栄樹, 安井 清登, 野々下 知泰
    2013 年 25 巻 2 号 p. 90-101
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    バラ栽培において, ハイブリッドシステムによる冬季の暖房と夏季夜間冷房を組み合わせた温度制御と, 慣行の冬季暖房のみの環境制御が, バラの収量, 品質, 販売価格, および冷暖房経費など経営に与える効果を2009年6月から2010年5月までの1年間静岡県磐田市において検討した. ハイブリッドシステムは, 暖房能力49.2 W m-2のヒートポンプと, 暖房能力199.4 W m-2の重油式温風暖房機を併用し, 慣行は暖房能力133.4 W m-2の重油式暖房機のみを用いた. ハイブリッドシステムが収量品質に及ぼす影響を判断するために, 6~7月を夜間冷房開始前期間, 8~9月を夜間冷房期間,10~5月までを暖房期間とし,バラの収量・品質を調査した. 夜間冷房開始前期間,夜間冷房期間,暖房期間のいずれの期間においても,収穫本数は両区で統計的に有意な差は見られなか, た. 切花総重量は, 夜間冷房開始前は, 統計的に有意な差ではなかったが, 夜間冷房期間でハイブリッド区が1株あたり139.2 gと, 対照区の1株あたり91.0 gと比較して有意な差で多かった. 年間の切花総重量は, ハイブリッド区で有意な差で多かった. 切花の階級別の収穫本数は, 夜間冷房期間は, 対照区と比較してハイブリッド区で上位階級の収穫本数が多く, 60 cm以上の上位3階級ではハイブリッド区が17.645本m-2と, 対照区の9.107本m-2の約2倍の本数であった. また, 茎が細いなどの規格外品の発生本数は, 対照区で多かった. 販売価格のシミュレーションの結果, 年間の生産額ではハイブリッド区が, 対照区と比較して415円m-2粗収益が増加した. その増加の90 %が夜間冷房期間の増加であり, ヒートポンプによる夜間冷房の効果が高かった. 2009~2010年時の重油価格, 電気料金においては, ヒートポンプによる夏季夜間冷房を加えても, ハイブリッド区は対照区よりも年間冷暖房費が約25 %削減できることが明らかとなった. バラ栽培におけるヒートポンプの導入は, 重油価格高騰時において暖房費が削減できるだけでなく, 夏季の夜間冷房によるバラの収量・品質向上への効果もあった. 暖房費削減効果と, 夏季における収量・品質向上効果を加えると, 2009~2010年の電気料金であれば, A重油価格が32円L-1以上でヒートポンプの導入価格が償却でき, 経営に大きな利益をもたらすことができる.
  • 金 仙女, 大下 誠一, 牧野 義雄, 川越 義則
    2013 年 25 巻 2 号 p. 102-108
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    PLS回帰分析法を用いて, ホウレンソウ葉と培養プレートに滴下したホウレンソウ摩砕液の分光情報から一般生菌の推定を検討した結果, いずれの場合も潜在変数(LV)が3のときに一般生菌数の実測値と予測値のCalibrationはそれぞれr=0.98, r=0.94, Cross-Validationはそれぞれr=0.91, r=0.79という高い相関関係を得た. また, 吸光度二次微分値とローディング値を比較した結果, 一般生菌の推定モデルに寄与している波長はそれぞれ292 nm, 282 nmであることが示唆された.
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