小ギク切り花の開花程度を数値化する方法として,天頂方向から撮影した画像を用い,その緑色部と非緑色部のみかけの面積比を基準にした画像評価値(F/G値)について検討した.一斉収穫した2品種の小ギク切り花を目視区分しF/G値を測定した結果,F/G値は目視区分と強い正の相関(R
2=0.875~0.940)を示した.同一標本を用いた経時変化を3品種で測定したところ,開花程度の進行に応じて,膜切れ期から満開期前までの広い範囲でF/Gは単調増加した.この時のF/G値の変化は,頭花ごとの開花ステージで重み付けした蕾数割合の変化と強く相関していた.さらに,F/G値が既知の切り花について11人の生産者に出荷可否の判断を求め,その判断はF/G値を独立変数とするロジットモデルによって近似できた.これらの知見を基に,重量式キク選別機にCCDカメラと暗室条件を外挿してF/G値を得たところ,誤認識率は6~13 %に留まり,選別機へのF/G値の応用可能性が示唆された.
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