パッドアンドファン冷房温室において栽培室に設置されている循環扇と群落内気流性状の関係を数値流体力学モデル(CFD)により調べた.シミュレーション結果より循環扇の稼働は群落内の平均気流速を増加させる一方で気流ムラも発生させること,循環扇の吹き出しをパッドから換気扇の方向にすると群落内がほぼ無風になること,循環扇を配置する際,吹き出し流の到達範囲に他の循環扇の吸い込み口が含まれるように配置することで気流ムラを小さくできることがパッドアンドファン冷房温室についてもいえることがわかった.本研究で対象とした栽培面積1000 m
2程度のパッドアンドファン冷房温室について,循環扇の吹き出し速度を10 m s
-1程度にし,吹き出し流の到達範囲に次の循環扇を設置すること,LAIを2.0程度にすることで群落内の気流を均一に保ち,適切な群落内気流速を実現できる可能性のあることが示唆された.
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