植物環境工学
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34 巻, 1 号
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連載記事
論文
  • 松田 健太郎, 石井 ちか子, 稲葉 善太郎
    2022 年 34 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/01
    ジャーナル フリー

    オオシマザクラ,マメザクラおよび‘カワヅザクラ’の効率的増殖のため,これら3種のサクラの最も効率的な種子への湿潤低温処理期間と,オオシマザクラの剪定枝を利用した最適な休眠枝挿し時期について調査した.3種のサクラの種子への湿潤低温処理では,いずれも3ヶ月程度の湿潤条件,暗条件かつ4 ℃条件の処理により,出芽率および樹高が最も高くなった.オオシマザクラの剪定枝を利用した休眠枝挿しでは,1月および2月挿しで展葉率および根部のカルス形成率が最も高くなった.これらの技術を利用することで,3種のサクラの効率的な増殖が可能になると考えられる.

  • 山田 将弘, 落合 正樹, 山田 邦夫, 福井 博一
    2022 年 34 巻 1 号 p. 30-37
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/01
    ジャーナル フリー

    ニチニチソウの四倍体固定系統の育成は,花の大輪化,耐病性や不稔性の付与などの点で,その園芸品種としての利用価値は高い.しかし,コルヒチンなどの紡錘糸形成阻害物質による染色体倍数化処理によって完全な四倍体個体を得るためには一定の選抜過程が必要となる.本研究では,コルヒチン処理を行った八重形質のニチニチソウ実生個体において,まず生長に伴う倍数性の変化について調査を行った.一次分枝ごとに層別倍数性が異なったことから,主茎は周縁区分キメラとなっていた.一方で,同一の一次分枝内では倍数性キメラの構造が同一であったことから,一次分枝以降は完全周縁キメラあるいは完全倍数体になることが推察された.一次分枝以降の側枝が四倍体と判定されたシュートを用いて挿し木繁殖した結果,得られた個体はすべて四倍体となり,効率的に四倍体固定系統が獲得できた.L1層の倍数性が異なる2種類の周縁キメラの葉片を培養し,再分化シュートの倍数性を調査した結果,L1層が4xの葉片からのみ四倍体個体が得られた.このことから,孔辺細胞長の測定によってL1層が4xであると判定された周縁キメラの葉片を培養することより効率的に四倍体固定系統を獲得できることが期待された.

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