(1) 鶏肉から得られた水および食塩水抽出液タンパク波におよぼす電解液成分濃度の影響ならびに20°貯蔵過程における鶏肉成分およびそのタンパク波の変化を比較検討し, γ線照射鶏肉のタンパク波の変化を明らかにする上の基礎的資料を提供した.
(2) 鶏肉タンパク波はCoCl
2, やNH
4Cl濃度の変化により, Crossing effectを示さなかったが, NH
3濃度の変化により, 特徴のあるCrossing effectを示した.
(3) 新鮮鶏肉または貯蔵鶏肉の水および食塩水抽出液タンパク波は, いずれも第1波と第2波の極大が, おのおの-1.38Vと-1.55V付近に位し, 通常第1波の波高が第2波のそれより高く, それらの波形における著しい相違は認められなかった.
(4) 20°貯蔵過程における鶏肉のWalkiewicz反応, pH, Cu-Folin呈色度および遊離アミノ酸の変化が進むにつれて, タンパク波の波高の変化も著しくなった. しかしその場合のタンパク波の波形は, 著しい変化を示さなかった.
(5) 貯蔵鶏肉から検出された7種類の遊離アミノ酸類は, いずれも希薄であったので, 鶏肉抽出液タンパク波に影響して, その波形を変化させるものとは考えられなかった.
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