前報の結果からプロピレンオキサイドで食品をくん蒸した場合, 油脂食品に残留が多いことを知った. これらの原因を確かめるためにアマニ油などの乾性油, ダイズ油などの半乾性油, オリーブなどの不乾性油, 豚油などの油脂食品さらにオレイン酸とリノール酸の13種類の試料についてプロピレンオキサイドによりくん蒸, モデル実験を行なった.
そして, その残留量をガスクロマトグラフィー, 性状変化を過酸化物価, 酸価および赤外スペクトルにより測定した. その結果, 残留量はくん蒸処理時間に比例して増加する. また, 放置実験 (37°) では24時間後にはほとんど残留は認められない, その性状はくん蒸によって変化しないなどの知見をえた. さらに, 含油量を調節した試料についてのくん蒸結果, 含油量と残留量が比例することがわかった.
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