日本人の食事内容を加味した飼料にγ-BHCを添加して, シロネズミを飼育した場合, γ-BHCの摂取量とその農薬の生体内分布, および蓄積量との関係を経時的に測定した. (ただし, γ-BHC 100ppm摂取群の結果は第1報の結果の1部を引用した).
1) 体重増加は飼料中のγ-BHC濃度が10ppmまでは対照群 (農薬無摂取群) と同程度であったが, 100ppmで明らかな成長抑制がみられた.
2) シロネズミ体内におけるγ-BHCの分布は, γ-BHCの各摂取群ともに脂肪の存在するあらゆる組織に広く存在し, 各臓器, 組織間の分布量の割合は各摂取群でかなり差異があった.
3) γ-BHCの摂取量と蓄積量との関係は, 各臓器, 組織間において相関性はなく, 特異的であった.
4) 摂取γ-BHCの各臓器, 組織への蓄積量は100ppm摂取群では3~7日目で平衡レベルに達したが, 10ppmと1ppm摂取群ではおのおの, 14日目と21日目で最高値を示し, その後は徐々に減少した. また血中γ-BHC濃度も各摂取群ともに臓器, 組織への蓄積量の場合とほぼ同じ傾向を示した.
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