非包装の冷凍魚6試料および市販包装冷凍魚類の19試料について生菌数を測定し, それらの試料から合計342菌株を分離, 同定し, ミクロフローラを明らかにした.
生菌数はほとんどの試料において, 皮膚 1cm
2当り, または皮膚と筋肉あわせて1g当り10
3~10
5程度であった.
Flavobacterium-Cytophagaと
Moraxellaは分離菌株の中のそれぞれ1/3を占めており, しかもこの両者はほとんどすべての試料に見い出された.
ついで
Staphylococcusと
Micrococcusが多く両者で約18%を占めた. そのほかグラム陽性桿菌,
Acinetobacter,
Pseudomonas I/IIなどが少数ずつ分離された. 一般鮮魚の場合のミクロフローラの主要細菌であるとみられる
Pseudomonas III/IV-NH, III/IV-NH,
Vibrioの3菌群はほとんど検出されなかった.
Pseudomonas I, II, III/IV-H, III/IV-NH,
Vibrio,
Moraxella,
Flavobacterium-Cytophaga,
Micrococcus,
Staphylococcusの各純培養菌をスキムミルク液に懸濁し, 凍結処理した場合の生残率を比較したところ, 20日間凍結貯蔵後に
Vibrio,
Pseudomonas III/IV-H, III/IV-NHは1%以下に減少し,
Pseudomomas I, II,
Moraxellaは10~30%が生き残っており, また球菌類と
Flavobacterium-Cytophagaはほとんど死滅しなかった.
新鮮なシマガツオならびに, アオリイカ細砕肉を凍結処理し, 43日間凍結貯蔵後のミクロフローラの変化を調べた. 凍結直前にはPseudomomas I/II, III/IV-H, III/IV-NH, Vibrioなどがみられたが, 凍結貯蔵後にはそれらの菌群は全くみられなくなり, Moraxella, Flavobacterium-Cytophagaおよび球菌類などで独占された.
冷凍魚類のミクロフローラの中に, Moraxella, Flavobacterium-Cytophagaおよび球菌類が多数を占めるのは, PseudomonasやVibrioに比べて凍結貯蔵後における生残率の高いことによると考察した.
なお本研究の一部は文部省科学研究費(試験研究)によった.
抄録全体を表示