埼玉県の麦類のトリコテセン類および
Fusarium の汚染調査を行ったところ, Deoxynivalenol (DN), Fusarenon-X (FX), Nivalenol (NI), Diacetoxyscirpenol (DS), Neosolaniol (NS), T-2 toxin (T-2) は検出されなかった.
Fusarium の検出率は0~32.7%であり, 高頻度に検出されるものはなかった. 分離した
Fusarium 菌種は
F. graminearum が73.7%と最も多く, 次いで
F. equiseti (8.0%),
F. oxysporum (5.6%),
F. semitectum (3.3%) など12種810株を同定した. 分離菌株のトリコテセン生産性は
F. graminearum の57株中47株に認められ, 主にNI, FXを生産し, 一部にDN生産株も見られた.
F. equiseti は25株中16株,
F. semitectum は23株中8株にNI, FX, DS, NS の数種の同時生産が認められ, その他
F. acuminatum,
F. poae,
F. sulphureum など179株中77株 (43.0%) にトリコテセン生産性が認められ, NI系統の生産菌が74.0%を占めた.
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