食品衛生学雑誌
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21 巻, 3 号
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  • 山崎 裕康, 小笠原 裕子, 酒井 千恵子, 吉識 美保, 牧野 和夫, 紀氏 健雄, 垣内 靖男
    1980 年 21 巻 3 号 p. 165-170_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    シイタケ中ホルムアルデヒド含量の定量法として, AHMT法による直接定量法が他法より優れていることを示し, 本法を4株のシイタケ (生および乾燥) に適用した結果, 遊離型含量は菌株により大きく変動し, 同一菌株でも春よりも秋収穫株の方が高いことを認め, 各菌株とも従来の報告より含量の高いこと (40~130μg/g. w. w.) および秋株では乾燥後も含量が増加しないことが判明した. さらに酵素反応, 酸加水分解による生成量も菌株および収穫時期により異なり, ホルムアルデヒド生成源についての再検討の必要性を示唆する結果を得た.
  • 熊田 勝紀, 天野 立爾, 一戸 正勝, 内山 茂
    1980 年 21 巻 3 号 p. 171-176_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    未焙焼コーヒー豆から51菌株の Aspergillus ochraceus 菌群を分離し, A. ochracues と同定された5菌株中3菌株にオクラトキシン A (OCT-A) 生産性を認め, 以前大麦から分離したOCT-A生産性既知の A. ochraceus 2菌株と共にOCT-A産生量を調べた結果, A. ochraceus, NHL-5304, 5294の2株を高生産能菌株として得た. さらに, これらを親株として単胞子分離を行い, 安定したOCT-A高生産能をもつ子株を数株得た. これらの菌株を市販の精白米とその40%量の水を入れた三角フラスコで大量に培養し, このカビ米からのOCTの単離・精製の手法を検討し良好な結果を得た. このことは, 大量の本トキシンを必要とするOCTの生物活性の研究に十分応需できると考える.
  • 岡田 惇也, 樋口 〓二, 近藤 貞雄
    1980 年 21 巻 3 号 p. 177-183_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    Donoho らのニワトリ組織中残留モネンシン定量法を改良し, 検出感度および精度の点でより良好な定量法を設定した. 本定量法による回収率は脂肪で92.9%, 肝臓で86.0%, 筋肉で104.4%であった. また検出感度は0.01~0.0125ppmと原法より4~5倍向上した.
    飼料中濃度80, 100および120ppmでモネンシンをニワトリに初生より9週間連続投与したとき, 残留濃度は投与中止直後の脂肪で0.057~0.110ppm, 肝臓, 腎臓および筋肉で0.039ppm以下であり, 脂肪では48時間以後, 他の組織で24時間以後モネンシンは検出されなかった. 飼料中濃度300および600ppmで7日間ニワトリに投与した時, 脂肪組織中モネンシンは半減期3.4~4.0時間で速やかに消失した.
  • N-ニトロソ化合物の衛生学的研究 (第4報)
    真木 俊夫, 田村 行弘, 嶋村 保洋, 小関 正道, 西垣 進, 直井 家壽太
    1980 年 21 巻 3 号 p. 184-188_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    市販ビールのN-ニトロソアミン (NNA) の調査を行い, ジメチルニトロソアミン (DMNA) を検出したことから, ビール製造工程を追って成因の究明を行った. DMNAが検出されない生の大麦を発芽させ, 電気乾燥および都市ガス焙燥を行ったところ, 都市ガスで処理した麦芽に最高13.8ppbのDMNAが生成することが判った. 糖化, ホップの添加, 主醗酵, 熟成等製造工程の各段階においては生成増加のないことから, ビール中に存在したDMNAは焙燥を行った乾燥麦芽が原因であると結論した.
  • 小畠 満子, 倉田 浩
    1980 年 21 巻 3 号 p. 189-196_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    市販冷蔵サラダおよび餃子における酵母・細菌・糸状菌の生菌数測定, 分離微生物の同定, 3種微生物群による汚染状況, 低温での生育について検討した. サラダの酵母数は1g当り101~105, 細菌数は103~105, 糸状菌数は103以下であり, 餃子のそれらはサラダより1~2オーダーの低い値を示した. 酵母は市販冷蔵そう菜類中では, 細菌に次ぐ微生物群であり, サラダには, Candida, Rhodotorula, Trichosporon などの無胞子酵母が, 餃子には有胞子酵母である Debaryomyces が広く分布していた. そう菜類は酵母のほか Pseudomonas, Lactobacillus, Klebsiella, Bacillus などの細菌, Penicllium, Phoma, Cladosporium などの糸状菌によって汚染されていた. 分離酵母の92.9%は5°で2週間以内に生育する低温酵母であり, 分離糸状菌の47.1%は低温糸状菌であった.
  • 小畠 満子, 倉田 浩
    1980 年 21 巻 3 号 p. 197-206_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    生ウニ, マグロサシミ, バカガイ刺身における酵母・細菌・糸状菌の生菌数測定, 分離微生物の同定, 3種微生物群による汚染状況, 低温での生育について検討した. 生ウニの酵母数と一般細菌数は1g当り104~107を示す試料が多く, 糸状菌数は104以下であった. マグロおよびバカガイ刺身の酵母数は101~104, 細菌数は103~106, 糸状菌数は102以下であった. 酵母は市販冷蔵鮮魚介類中に主要な微生物群として存在しており, その構成菌の主体は Rhodotorula, Candida, Trichosporon などの無胞子酵母であったが, 特に病原酵母と同種の Tr. cutaneum の分布が注目された. 試料はこれらの酵母のほか Pseudomonas, Staphylococcus などの細菌, Penicillium, Mucor, Fusarium などの糸状菌にょって汚染されていた. 分離酵母の94.6%は低温酵母であり, 分離糸状菌の55.0%は低温糸状菌であった.
  • 食品中の天然色素の分析法 (第1報)
    荻原 勉, 野沢 竹志, 平田 恵子, 天川 映子, 大石 充男, 関 博麿
    1980 年 21 巻 3 号 p. 207-213_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    水溶性天然色素11種の迅速簡易分析法を検討した. 試料溶液をpH 4~5に調整し色素をポリアミドに吸着させた後, 0.05%塩酸メタノール混液で溶出し, 薄層クロマトグラフィーと吸収スペクトルにより確認した. しかし, リボフラビンの場合, ポリアミドに吸着しないためカオリンを用いた. 次に共存物質による影響を調べたところ, サフラワーエロー, ベタニン, モナスカス色素およびリボフラビンは有機酸により, クロシンブルー, ベタニンおよびリボフラビンはショ糖により吸着が減少した. 本法を市販のあめ, ジュースなどに応用し良好な結果を得た.
  • 農産物および加工食品中の残留臭素に関する研究 (第1報)
    上村 尚, 西島 基弘, 永山 敏廣, 安田 和男, 斉藤 和夫, 井部 明広, 牛山 博文, 直井 家壽太
    1980 年 21 巻 3 号 p. 214-218_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    農産物中の総臭素の分析法を検討した. 臭素の存在下でポリアミドに吸着したフルオレセインが赤桃色に呈色することに着目して, 検知管を作製し, 検知管の呈色層の長さより臭素を定量した. 試料にモノエタノールアミン・アルカリ溶液を加え灰化後, 検知管を装着した臭素発生装置に移し, 試料浴槽50°, 通気量80ml/minの条件で3時間通気した後, 検知管を観察した.
    本法による回収率は95~102%であり, 確認限度は1ppmであった. なお妨害物質として考えられるヨウ素および塩素, また試料成分の影響について検討したが特に妨害はみられなかった.
  • 新村 寿夫, 望月 左弓, 山羽 力
    1980 年 21 巻 3 号 p. 219-223_1
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    分離肝生細胞の二, 三の脱水素酵素に及ぼすメタ重亜硫酸カリウム (K2S2O5) の影響を精製酵素および破壊細胞の場合と比較した.
    精製酵素の乳酸脱水素酵素 (LDH) およびリンゴ酸脱水素酵素は10-3MK2S2Q5により強力に阻害されたが, グルコース-6-リン酸脱水素酵素およびイソクエン酸脱水素酵素は阻害されなかった. 生細胞中のLDHは細胞濃度によっては, 同濃度のK2S2O5により阻害されずに逆に促進された. この促進作用は同条件でインキュベーションした破壊細胞ではみられず, 精製酵素の場合ほど強くはないが, 若干阻害された. このように細胞レベルと酵素レベルでは, K2S2O5の作用に差異がみられた.
  • 松本 昌雄, 神崎 政子, 春田 三佐夫
    1980 年 21 巻 3 号 p. 224-231
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
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