大豆水溶性高分子画分 (F-1, MW>10,000) を Sephadex G-100 でゲルろ過すると5成分に分画され, 銅は主成分であるF-IA (MW>100,000) に多く結合していた. F-Iの銅結合能 (解離定数2.3×10
-5M, 最大結合量6,000ppm) はF-IAのもの (2.0×10
-5M, 5,700ppm) と類似し, 銅がグリシニンやコングリシニンと多く結合していることを示唆した. F-Iに銅を添加し, 人工的に高濃度銅複合体 (2,700ppm) を得た. 複合体の安定性を有機酸, アミノ酸, 金属塩などについて検討すると, 複合体はEDTA, ヒスチジン, Zn
2+, Hg
2+, Cd
2+に対し不安定であったが, SH基を有するシステイン, 還元型グルタチオン, 2-メルカプトェタノールにより安定化された.
抄録全体を表示