食品衛生学雑誌
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24 巻, 1 号
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  • 食品中の天然色素の分析法 (第2報)
    平田 恵子, 荻原 勉, 天川 映子, 大西 和夫
    1983 年24 巻1 号 p. 1-6_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    「かに風かまぼこ」中の天然色素の抽出, 精製及び同定法について検討した. 試料の着色部分5gにドデシル硫酸ナトリウム0.3g及び0.2%プロナーゼP溶液50mlを加え振とう恒温水槽中で37°2時間反応させた後, 遠心分離し上清の色素抽出液を得た. その色素液をエーテル抽出及びDEAE-セファデックス処理した後, TLCで色素を同定した. 添加回収実験によるモナスカス色素, コチニール, ラッカイン酸, ノルビキシンの回収率はいずれも80%以上であった. 本法を市販の「かに風かまぼこ」に適用した結果, モナスカス色素, ラッカイン酸, ノルビキシンなどが検出され良好な結果が得られた.
  • 生肉の細菌に関する食品衛生学的研究 (第1報)
    久保倉 洋子
    1983 年24 巻1 号 p. 7-13_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    低温流通生肉のより適切な生菌数測定法を確立し, 合わせて生菌数に及ぼす各種要因の影響を解析する目的で, 冷蔵, 冷凍生肉 (牛, 豚, 鶏カット肉各40例) の生菌数を, 3種の試料接種法, すなわち, 塗抹法 (培地温度5°) 及び混釈法 (培地温度50°及び60°) と, 6種の培養温度 (7°,25°,30°,32°,35°,37°) とを組合わせた培養法で求め統計処理を行った. 1) 接種法別にみた生菌数は, いずれの培養温度とも塗抹法で最も高く, また, 培養温度別にみた生菌数は, いずれの接種法とも25°培養で最も高かった. 従って, 塗抹, 25°培養法で最も多い生菌数が得られた. 2) この方法で得られた生菌数は, 食品衛生検査指針による35°培養法で得られた生菌数よりも有意 (p≦0.01) に多かった. 3) 25°とその他の培養温度で得た生菌数の間に有意 (p≦0.05またはp≦0.01) の相関関係がみられた. 4) 生菌数に影響する要因としては, 生肉の流通様式 (冷蔵, 冷凍) が最も重要で, 次いで肉種, 培養温度, 接種法の順であった.
  • 生肉の細菌に関する食品衛生学的研究 (第2報)
    久保倉 洋子
    1983 年24 巻1 号 p. 14-20_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    生肉由来細菌の特徴を発育温度域の面より把握する目的で. 冷蔵, 冷凍生肉 (牛, 豚, 鶏カット肉) から7°, 25°, 37°培養で分離した 1,056株について, 7~37°における発育性の観察と同定を行った. 1) 7~20°の温度域でしか発育できない菌株 (7~20°発育菌群, いわゆる Obligate psychrophiles) が7°分離株中に0.4% (2株) みられた. 2) 35°で発育できない菌株 (7~25°, 7~30°, 7~32°発育菌群の和) は, 7°分離株中61.8%, 25°分離株中32.5%であった. 3) 7°及び37°で分離した菌株は1) の2株を除きすべて25°で発育した. 従って25°培養で得られる生菌数は7~37°の培養で得られる生菌数をほぼ完全にカバーし得るものと考えられる. 4) 発育温度域の差によって群別した各菌群の主要な構成細菌は7~20°発育菌群で Lactobacillus, 7~25°, 7~30°発育菌群で coryneforms, 7~32°, 7~35°発育菌群で coryneforms, Pseudomonas, 7~37°発育菌群で Lactobacillus, Pseudomonas, coryneforms, 25~37°発育菌群で Micrococcus, coryneforms であった.
  • 生肉の細菌に関する食品衛生学的研究 (第3報)
    久保倉 洋子
    1983 年24 巻1 号 p. 21-26_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    生肉由来細菌の食品衛生学的意義を知る方法の一つとして, 冷蔵, 冷凍生肉 (牛, 豚, 鶏カット肉) から分離した1,056菌株の脂肪, タンパク質分解能と低温で発育する菌株の発育特性 (適温, 速度など) を検討した. 1) 供試菌株の42.0%が脂肪を, また, 23.1%がタンパク質を分解した. これらの比率は供試菌株の種類, 発育温度域及び由来 (分離した温度, 分離した肉種及びその流通状態) の違いによって異なった. 2) 脂肪分解性の菌株は, Alcaligenes, Acinetobacter, Pseudomonas (いずれも70%以上) 及び7~32°発育菌群 (54.1%) で最も多かった. 3) タンパク質分解性の菌株は, Pseudomonas (80%) 及び7~25°発育菌群 (35.6%) で最も多かつた. 4) 1°及び5°における発育速度は一般に, Pseudomonas と coryneforms が最も速く, LactobacillusMicrococcus は遅かった. また, この発育速度は供試菌株の発育温度域の上限の高低とは平行しなかった.
  • 鶏胚の致死を指標とした毒力検定法に関する基礎的研究 (第3報)
    三浦 利之, 土田 雅子, 粟飯原 景昭
    1983 年24 巻1 号 p. 27-32_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    動物における食餌性脂肪がアフラトキシンB1 (AFB1) の急性毒性あるいはその代謝に与える影響を明らかにする目的で, 取り扱いの簡単な有精鶏卵の使用を試みた. あらかじめ脂肪として大豆油あるいは牛脂を卵黄嚢内に投与した18日齢の鶏胚肝のS-9によるAFB1in vitro 代謝量は, 大豆油群77%; 対照群62%; 牛脂群42%であった. 各S-9のAFB1の解毒活性は大豆油群>対照群>牛脂群であった. 各肝の薬物代謝系酵素及び cytoplasmic reductase 活性を測定した結果, p-nitroanisole demethylase, aryl hydrocarbon hydroxylase cytoplasmic AFB1 reductase 活性は大豆油群で上昇し, 牛脂群で抑制が認められ, 大豆油が鶏胚肝のp-nitroanisole demethylase, aryl hydrocarbon hydroxylase cytoplasmic AFB1 reductase を誘導し, AFB1代謝の促進と急性毒性の低下を導くことが示唆された. これらの結果はラットの成績とも一致し, 鶏胚の使用がこの種の研究において有効な手段であると考えられた.
  • 堀 義宏
    1983 年24 巻1 号 p. 33-37_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    鶏肉及び鶏卵中のピリメタミンを高速液体クロマトグラフィーにより定量する分析法を検討した. 試料をアセトニトリルで抽出し, SEP-PAK C18でクリーンアップ後 (鶏肉の場合, アルミナカラム処理を行った後, SEP-PAK処理), Nucleosil C18カラム, 移動相アセトニトリル-水-酢酸 (30:70:1), 測定波長232nmの条件で測定した. その結果, 2.5~100ngの範囲で良好な直線性が得られた, また, 検出限界は2.5ngで, 試料中0.025ppmであった. 添加回収率は鶏肉91.6%, 鶏卵97.3%であった.
  • 楠井 貞郎, 松尾 茂樹, 清水 希彦
    1983 年24 巻1 号 p. 38-41_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    全有機性炭素分析計 (TOC計) を用い, 水酸化ナトリウム液中の炭酸塩の定量法を開発した. 定量誤差となる二酸化炭素の吸収を防止するため, 2Mアンモニア緩衝液と塩酸で, 試料液をpH8.0~9.2に調整後, その1部 (20μl) を自動試料注入装置でTOC計へ注入した. 試料中の炭酸塩を900°に加熱した燃焼管で, 二酸化炭素として遊離させ, 4.3μmの赤外線で検出した. 赤外線の吸収度 (ピーク高さ) と炭酸塩濃度 (0~240μg/ml) との間には, 直線関係があり, これをもとにして, 炭酸塩を定量した. 本法の定量限界は, 水酸化ナトリウム液中の水酸化ナトリウムに対し, 炭酸ナトリウムとして0.02%程度で,「食添四」の滴定法の1/10程度であった.
  • 梶原 直子, 冨山 智恵子, 二宮 隆博, 細貝 祐太郎
    1983 年24 巻1 号 p. 42-46_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィーを用い, 杏仁中のアミグダリンの分析法を検討した. すなわち, 杏仁中のメタノール抽出物について Zorbax ODSカラム, 溶離液としてアセトニトリル-水 (14:86v/v%) を用いたところアミグダリンの保持時間は約7分, 回収率平均97.4%変動係数2.08%, 定量限界50ngで精度, 分離能とも良好な結果を示した. 杏仁豆腐の各調理過程におけるアミグダリンの消長をこの方法によって測定したところ, 最終製品では原材料に対し0.3% (5.07ppm) に減少した. 市販杏仁豆腐及び杏仁製品からはアミグダリンは検出されなかった.
  • 岩田 好博, 杉谷 哲, 山田 不二造
    1983 年24 巻1 号 p. 47-51_1
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    野菜及び果実中に残留する有機塩素農薬と有機リン農薬を同一カラムでクリーンアップする方法を検討した. 試料をアセトニトリルで抽出後, p-トルエンスルホン酸ナトリウム水溶液を添加し, アセトニトリルが除去されるまで濃縮し, 濃縮液回収後, 濃縮フラスコ内をエタノールで洗い濃縮液と合わせ Amberlite XAD-8カラム上に負荷し, 蒸留水, 5%食塩水-メタノール (5:5) で試料中の妨害物質を除去後, メタノールで農薬を溶出した. 添加回収実験において有機塩素農薬は76.1~93.0%, 有機リン農薬は79.8~98.9%であった.
  • 白井 文雄, 藤田 昌彦, 岩島 清
    1983 年24 巻1 号 p. 52-56
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
  • 食品中の残留農薬分析に関する研究 (第39報)
    関田 寛, 武田 明治, 内山 充
    1983 年24 巻1 号 p. 57-63
    発行日: 1983/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    多種多様の果実野菜類が世界中で大被害をこうむっているミバエ類に対して, 唯一有効なくん蒸剤であるとして植物検疫上世界各国で使用されているEDBには近年発癌性のあることが判明して以来, 食品衛生上重大な危ぐの念が抱かれるに至った. これを契機として, 著者らはEDBくん蒸後に輸入された生鮮果実類中のEDBの簡便迅速な残留分析法の確立を検討し, あわせて著者らの方法を用いて実態調査を行った.
    1) EDBは果実類 (可食部) の均一化試料の水混和物から Dean-Stark 蒸留装置を用いて留出し, ヘキサン層に移行させ, ヘキサン層を液相分離用ロ紙を用いてろ過したものをECD付きガスクロマトグラフィーを行うことにより, 簡便かつ迅速に, しかも, 高感度かつ高精度に定性及び定量することができた. 本法におけるEDBの検出限界は0.005ppmであった.
    2) 今回検討した果実類のうちで, グレープフルーツ以外の全ての果実試料検液のガスクロマトグラム上にそれらの果実成分に由来する大小多様のきょう雑ピークが観察された. これらのきょう雑ピークの除去法を検討したところ, 残留農薬分析に常用されている活性化フロリジルを検液中に直接添加することにより, レモン, オレンジ及びマンゴー試料の場合には, きょう雑ピークのみを完全に除去することができた. この方法により, レモン及びオレンジの場合には, ガスクロマトグラフイーの所要時間を大幅に短縮することができ, マンゴーの場合には, 保持時間が近接しているためにEDBとまぎらわしいきょう雑ピークを除去することができた. しかし, このフロリジル添加法は, パパイヤの成分に由来する検液注入約3時間後に出現する巨大なきょう雑ピークを消失させる効果は, 全く認められなかった.
    3) 今回の調査結果では,1981年10月に米国から輸入されたレモンから0.045~0.617ppm, ネーブルオレンジから0.042~1.890ppm, 同時期にハワイ州から空輸されたパパイヤから0.084~0.465ppmのEDBが検出された. そしてこれらの一部のものには, 厚生省が定めたEDBの残留許容値 (0.13ppm) を越えるものがあった. 他方, 同時期にメキシコから輸入されたグレープフルーツからは0.040ppm以下の極めて低いEDB残留が認められたに過ぎなかった. また, 1982年3月フィリピンから空輸されたマンゴーからは, EDBは全く検出されなかった.
    4) 生鮮果実類中に残留するEDBは, その初期濃度が同一でも, 果実の種類, 果実の保管貯蔵場所の室温あるいは通風換気の状況によって, その経時的減衰の動向が大きく異なることが推測された.
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