クエン酸モノイソプロピル (M), クエン酸ジイソプロピル (D) 及びクエン酸トリイソプロピル (T) の合成精製法を考案し, ついでこれらを標準品として用い, ガスクロマトグラフィー (GC) による食品中のM, D及びTの分別定量法を確立した. 食用油 (大豆油及びなたね油) は
n-ヘキサンに溶かし, バター又は乳児用粉乳は硫酸酸性条件下で酢酸エチルでM, D及びTを抽出した. 抽出液を5%重炭酸ナトリウム液で振とうしてM及びDを分離後, 硫酸酸性下酢酸エチルでM及びDを再抽出した. 一方, Tを含む有機層を
n-ヘキサンに換えて, Tをアセトニトリルに移行させた. 溶媒を留去後, M及びDはジァゾメタンでメチル化し, Tは直接GCにより定量した. 回収率は91.4%以上, 検出限界は試料に対して1μg/gであった.
抄録全体を表示