食品衛生学雑誌
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26 巻, 4 号
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  • 田場 典治, 勝田 新一郎, 知見 憲次
    1985 年 26 巻 4 号 p. 319-325_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ウサギを用い,β遮断薬オクスプレノロール, もしくはα遮断薬フェントラミン及びβ遮断薬オクスプレノロールを投与した後, gonyautoxins (GTXs) または tetrodotoxin (TTX) を投与し, 心電図, 心拍数, 血圧を指標にして, 両者の循環器系に対する作用機序を比較検討した. オクスプレノロール投与下のGTXs, TTXの心電図所見より, GTXsは心筋直接抑制作用, 高濃度では心臓交感神経興奮作用を, TTXは高濃度では心臓交感神経抑制作用を有する可能性が示唆された. 一方, フェントラミンとオクスプレノロールの併用投与下のGTXs, TTXの血圧曲線より, GTXsは血管平滑筋弛緩作用を, また, TTXも高濃度では同様の弛緩作用を呈する可能性が推察された.
  • 井上 たき子, 石綿 肇, 谷村 顕雄
    1985 年 26 巻 4 号 p. 326-330_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ポリウレタン製品からのトルエンジイソシアネート (TDI) あるいはトルエンジアミン (TDA) の溶出及び測定法について検討した. ジアゾ発色法によるTDIの検出限界は50ppbであり, 他のイソシアネートにも感応した. 液体クロマトグラフィー (HPLC) では検出限界はTDAとして0.2ppbであったが, 他のイソシアネートは測定できなかった. 両方法をポリウレタンシートに応用したところ, ジアゾ発色法では溶出液中にイソシアネートは検出されなかったが, HPLCで1.1ppbの2, 4-TDAが測定された. また, 試作ポリウレタン塗装食器からのTDAの溶出はHPLCで測定したところ, 硬化未完了にもかかわらず2, 4-TDAが0.7ppb, 2, 6-TDAが0.3ppbであった.
  • 肉及び肉製品の Lactobacillus に関する研究 (第1報)
    森下 芳行, 城水 君子, 堀 俊明
    1985 年 26 巻 4 号 p. 331-336_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    肉及び肉製品の Lactobacillus の菌数, 分離頻度及び培養温度の影響などについて検討した. 肉並びに切売り及び手作り風の肉製品では Lactobacillus の検出率は100%であったが, パック製の肉製品では低率であった. 新鮮肉の場合, 鶏肉では Thermobacterium が, 豚肉と牛肉では StreptobacteriumLactobacillus フローラの主要菌種であった. 保存中に, 肉の場合には Streptobacterium が著増し, 肉製品の場合には一部の検体で Streptobacterium 及び低温性 Betabacterium が著増した. 高温性 Lactobacillus は肉製品からは全く分離されず, 肉の場合には37°培養によって効率よく分離された.
  • 堀江 正一, 星野 庸二, 能勢 憲英, 中澤 裕之, 藤田 昌彦, 高畠 英伍
    1985 年 26 巻 4 号 p. 337-342_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    A, B2成分からなるポリペプチド系抗生物質エンラマイシンを高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により定量する方法を検討した. 定量はエンラマイシンAとエンラマイシンBの分子吸光係数 (ε) が同じであることから, ピーク面積の和による絶対検量線法を用いた. 厚生省法による前処理操作に従い鶏肉及び豚肉に1ppm添加したときの回収率はそれぞれ平均で62.4%, 54.0%であった. エンラマイシン添加の鶏肉試料について, HPLCと微生物学的試験法 (ペーパーディスク法) との相関を調べたところ, Y=0.96X+0.13, 相関係数0.98と満足すべき相関が得られた.
  • 食品における環境汚染物に関する研究 (第1報)
    村上 保行, 田中 凉一
    1985 年 26 巻 4 号 p. 343-349_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ジフェニルエーテル系除草剤 (NIP, CNP及びX-52) とTPNの同時分析法を検討し, リン酸存在下におけるアセトンとアセトニトリル抽出及びシリカゲルカラム精製からなる有効な分析法を確立した. 0.033ppm添加濃度における上記農薬の回収率は, 79.0~97.5%であった. 市販野菜20検体について, 残留実態調査を行った結果, NIP, CNP及びX-52は, 全検体において検出限界 (0.001ppm) 以下であった. TPNは, トマト2検体及びそらまめ1検体より検出されその濃度は, 0.002ppm~0.054ppmであった. 検出された野菜3体検中のTPNをGC/MSで同定した.
  • 畑中 久勝, 金田 吉男
    1985 年 26 巻 4 号 p. 350-356_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    健康食品として市販されていた梅肉エキス4試料のすべてから高濃度 (262.8~635.7ppm) の安息香酸を検出した. この安息香酸は梅肉エキスの製造工程で果汁に混入したアミグダリンに由来することがわかったので, アミグダリン及びその分解生成物の消長をモデル系製造工程で検討した. アミグダリンは酸性の梅果汁中で, 共存する酵素の作用により4時間以内に分解し, 生成した青酸も容易に揮散するので, 製品中にはアミグダリン, 青酸いずれも残留しないことがわかった. しかし, 製造方法によってはアミグダリンが製品中に濃縮される恐れがあることもわかった. 一般的な製造方法で調製された市販の梅肉エキスにはアミグダリンに起因する食品衛生上の問題点があることを明らかにした.
  • 辻 澄子, 外海 泰秀, 伊藤 誉志男, 原田 基夫
    1985 年 26 巻 4 号 p. 357-364_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    クエン酸モノイソプロピル (M), クエン酸ジイソプロピル (D) 及びクエン酸トリイソプロピル (T) の合成精製法を考案し, ついでこれらを標準品として用い, ガスクロマトグラフィー (GC) による食品中のM, D及びTの分別定量法を確立した. 食用油 (大豆油及びなたね油) はn-ヘキサンに溶かし, バター又は乳児用粉乳は硫酸酸性条件下で酢酸エチルでM, D及びTを抽出した. 抽出液を5%重炭酸ナトリウム液で振とうしてM及びDを分離後, 硫酸酸性下酢酸エチルでM及びDを再抽出した. 一方, Tを含む有機層をn-ヘキサンに換えて, Tをアセトニトリルに移行させた. 溶媒を留去後, M及びDはジァゾメタンでメチル化し, Tは直接GCにより定量した. 回収率は91.4%以上, 検出限界は試料に対して1μg/gであった.
  • 肉及び肉製品の Lactobacillus に関する研究 (第2報)
    森下 芳行, 城水 君子, 堀 俊明
    1985 年 26 巻 4 号 p. 365-370_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    生肉及び肉製品由来の Lactobacillus 菌株670株を主としてその生理・生化学的特徴によって分類し, また各菌群の食品分布を検討した. Streptobacterium 433株, Thermobacterium 122株, 及び Betabacterium 115株はそれぞれ10群 (S1~S10), 5群 (T1~T5), 及び4群 (B1~B4) に分類された. これらの菌群のうち, 生肉ではS5, S6, S7 (L. curvatus に比較的に類似), S8 (L. sake に類似), S10 (L. plantarum), T2 (L. helveticus に比較的に類似), T3 (L. crispatus 又は L. acidophilus), T4 (L. salivarius), B1 (L. fermentum), 及び B3 (L. brevis) の10群が重要であり, 肉製品ではS5, S8, 及び B2 (L. viridescens) の3群が重要であった. T3, T4及びB1群の生肉における出現の食品衛生上の意義を考察した.
  • 宮崎 奉之, 山岸 達典, 松本 昌雄
    1985 年 26 巻 4 号 p. 371-379_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    有機塩素系農薬の分析法とGC/MSを用いたSIM法を組合せて, クロルデン類 (計19化合物) の残留分析法について検討した. 試料からの抽出液をヘキサン-アセトニトリル分配, フロリジルカラムクロマトグラフィーでクリーンアップ後, SIM法でクロルデン類を測定した. SIMに用いるGCカラムは1%OV-210+1%OV-275及び2%OV-210カラムが良好であり, 測定に用いる質量数は主にM-Clの同位体イオンである. 本分析法を用いて実際の試料 (魚介類) に応用したところ, 良好なクロマトグラムが得られた. そして, 水, 魚介類, 牛肉, 牛乳に対して添加した (3.13ppt~50ppb) クロルデン類の回収率は76~102%であった.
  • 中里 光男, 斉藤 和夫, 菊地 洋子, 井部 明広, 藤沼 賢司, 西島 基弘, 二島 太一郎, 諸角 聖, 和宇 慶朝昭, 一言 広
    1985 年 26 巻 4 号 p. 380-384_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    Aflatoxicol (AFL) 汚染飼料用コーン及びコーンフラワーから分離した. Aspergillus flavus (9株) 及びそば粉から分離した Aspergillus parasitius (2株) のAFL生成能について検討した. その結果, Aflatoxin (AF) 産生能を有する全株 (A. flavus 7株, A. parasiticus 1株) にAFLの生成能が認められた. また, A. flavusのAF産生量とAFLの生成量を経時的に測定したところ, AFLはAFの産生量がほぼ最大に達する培養6~10日目以降から急激に増加し, 産生されたAFから二次的に変換されることによって生成されたものであると推察された.
  • 村上 千秋, 丸山 武紀, 新谷 勲
    1985 年 26 巻 4 号 p. 385-388_1
    発行日: 1985/08/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフを用いて, マーガリン中の安息香酸, ソルビン酸及びデヒドロ酢酸の分析法を作製した. 本法の前処理操作は簡便なため, 1検体当りの分析所要時間は, 30分以内であった. 回収率は96.5~98.0%であり, 定量限界値は安息香酸: 0.5, ソルビン酸: 0.7, デヒドロ酢酸: 1.0mg/kgであった. 市販のマーガリンについて, 本法と水蒸気蒸留-GC法とで分析した値は非常に良く一致した.
  • 1985 年 26 巻 4 号 p. 402
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
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