食品衛生学雑誌
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27 巻, 1 号
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  • 中山 邦夫, 笠原 大吾, 山本 文博
    1986 年27 巻1 号 p. 1-8_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    Wistar ラットに125mg/kgの3H-ステビオサイドを経口投与し体内動態を観察した. 血中濃度は緩やかに上昇して8時間で4.83μg/mlの最高に達し, 24時間の半減期で徐々に消失した. 体内分布は消化管に高いが次第に下部へ移行し, 4時間では盲腸のみが高かった. 48時間後の体内には30.7%残留していたが120時間までにふん便及び呼気へそれぞれ68.4%及び23.9%とほとんど排泄され, 尿への排泄はわずかに2.3%と少なかった. また胆汁中排泄が72時間まで40.9%と多く, 腸肝循環が示唆された. 腸管内容物, ふん, 胆汁中代謝物の分析によりステビオサイドは主に盲腸内細菌叢によってステビオールと糖に分解され, 体内に吸収, 分布した後排泄されることが明らかとなった.
  • 葛デンプンの鑑別 (第1報)
    北田 善三, 佐々木 美智子, 上田 保之, 新井 信義, 中村 光秀, 天野 立爾
    1986 年27 巻1 号 p. 9-14_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    葛デンプン, いわゆる吉野葛に混合されている異種デンプンの鑑別をX線回折計と走査電子顕微鏡 (SEM) を用いて行ったところ, 甘藷デンプンであることが明らかになった. 次に, 葛デンプンと甘藷デンプンの混合割合の測定法を検討したところ, SEM写真上のデンプンの粒子径を計測し, 平均値の有意差検定と, 回帰式により母平均の95%信頼区間を求める2つの統計処理法により可能となった. この方法を用い, 市販品6件の混合割合を求めたところ, 葛デンプンを50%以上含むもの1件, 50%未満のもの3件で, 残りは50%以上か未満かの判定が困難であった.
  • 成田 弘子, 渡辺 佳一郎, 馬場 啓輔, 大上 皓久, 阿井 敬雄, 五十嵐 保正, 奈良 正人, 野口 玉雄, 橋本 周久
    1986 年27 巻1 号 p. 15-19_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    静岡県産ボウシュウボラ Charonia sauliae の毒性の地域差を明らかにすることを主な目的として, 同県沿岸の6水域で計691個体のこの巻貝を採取し, 中腸腺のテトロドトキシン毒力を公定法により測定した. 有毒個体出現率は全体として66%であったが, 伊東での30%から清水の93%まで場所により大幅に相違した. 供試個体の平均毒力は151MU/gと算定され, 地域別には清水 (266MU/g) や沼津 (277MU/g) で高かった. 最高毒力も清水, 沼津でそれぞれ1,950MU/g及び2,580MU/gと目立って高かった. 平均毒力が低い水域でも時に400~500MU/gとかなり高毒力の個体がみられ, 注目された.
  • 山本 和則, 神谷 隆久, 小室 道彦, 掛札 しげ子, 村上 りつ子, 高井 勝美
    1986 年27 巻1 号 p. 20-26_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    前報で, フラットサワー変敗原因菌は, その性状から Clostridium thermoaceticum 様の菌であると報告したが, 今回, 基準株, 参考株との比較検討の結果, 形態学的及び生化学的性状に大きな相異はみられず, この種の特徴の1つである, 二酸化炭素を利用しうる性状, 化学分類法の1つとして実施した細胞壁のペプチドグリカン型及びキノン類の分子種の同定結果も同様であり, また, 基準株, 参考株とも, しるこ, コーヒー缶詰のフラットサワー変敗原因菌となりえることから, 分離菌株は, キシロース非発酵型 C. thermoaceticum のイノシット・リボース発酵変異株と同定された.
  • 食用色素に含まれる付随色素に関する研究 (第1報)
    神蔵 美枝子
    1986 年27 巻1 号 p. 27-36_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食用青色1号 (B1) の付随色素として N-ethylaniline (EA), o-sulfobenzaldehyde (OSBA)及 び N-ethyl-N-benzylaniline sulfonic acid (EBASA) とから EA-付随色素を, N-ethyl-N-benzylaniline (EBA), OSBA及びEBASAとからEBA-付随色素を調製し, 構造を確かめた. B1市販製品の付随色素は上記2種の付随色素と同定した. 分離定量法は Zorbax ODS カラム, 溶離液 (1) 0.5%炭酸アンモニウム溶液, (2) メタノール (40~100%, 5%/min). 測定波長B1 628nm, EA-付随色素618nm, EBA-付随色素633nm. 最小検出量はそれぞれ2.5ng, 5ng, 3ng. B1市販製品からEA-付随色素を2.7~10.4%, EBA-付随色素をこん跡程度検出した. 本法はB1中のEA-, EBA-付随色素の定量法として適用できる.
  • 四方田 千佳子, 豊田 正武, 伊藤 誉志男
    1986 年27 巻1 号 p. 37-43_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中のプロピレングリコール脂肪酸エステル (PE), グリセリン脂肪酸エステル (GE), ソルビタン脂肪酸エステル (SE) 及びショ糖脂肪酸エステル (SuE) のモノエステルの系統的分析法を開発した. 食品中より乳化剤をテトラヒドロフランで抽出し, 抽出液をシリカゲルカラムで精製した. エーテル-クロロホルム混液 (1:99) で, ジ, トリ-グリセライド等の妨害物を除き, メタノール-クロロホルム混液 (5:95) でPE, GE及びSEのイソソルバイド部分を, メタノールでSEのソルビタン部分及びSuEを溶出させた. それぞれの画分はTMS化後ガスクロマトグラフィーで分析した. アイスクリーム, マーガリン, 豆乳, プリンミックス, ケーキミックスに乳化剤を0.1%添加したときの回収率はPE, GE及びSEでは90%, SuEでは38.6~98.0%であった. 検出限界はPE, GEで10ppm, SE, SuEで50ppmであつた.
  • 市川 富夫, 辻 啓介, 萩原 清和, 津田 明子, 山中 優美子
    1986 年27 巻1 号 p. 44-48
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    スクアレンを多量に含有する深海産サメ肝臓エキスが健康食品として市販されているが, 根拠となる作用機作については明らかにされていない部分が多い. スクアレン経口投与ウィスター系ラットの体重変化, 血清及び肝臓中の脂質濃度を測定した. 0.1ml及び0.5mlのスクアレンを41日間投与したとき, 体重増加量はコントロールに比べて小さかった. 血清中ではHDL-コレステロールの減少と過酸化脂質 (チオバルビツール酸反応陽性物質値=TBA値) の増加が認められ, 肝臓ではトリグリセリド, リン脂質, TBA値の増加が見られた. 0.1ml, 0.5ml投与時における見かけの吸収率は50%前後であった. 肝臓中のスクアレン量は投与量に比例して増加した. 以上のことからスクアレンは吸収され, 体内において脂質代謝に影響を与えていることが推測された.
  • 宮崎 奉之, 山岸 達典, 松本 昌雄
    1986 年27 巻1 号 p. 49-58_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    東京湾及びその流入河川で採取した海水, 河川水及び魚介類中に残留しているクロルデン類 (計19化合物) の成分パターンを調査した. そのパターンは河川水, 海水, 海産貝類, 淡水魚, 海産魚の順に technical chlordane のパターンとの違いが大きくなった. 全体的に塩素数の多い化合物ほど (nonachlor 類) 残留性が高い傾向を示した. 河川の地点別に採取したモツゴにおいて, これらの成分パターンは類似していた. また, 淡水魚及び海産魚とも, 各魚の筋肉部と内臓部のパターンはほぼ一致していた. しかしながら, 魚種間ではそのパターンに違いが見られた.
  • 上村 尚, 西島 基弘, 田端 節子, 安田 和男, 牛山 博文, 二島 太一郎
    1986 年27 巻1 号 p. 59-63_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    コーンなどの食用油原料がマイコトキシンに汚染されていた場合, 脱酸, 脱色, 脱臭などの各精製工程でいずれもマイコトキシンが減少する傾向がみられた. 特に脱酸工程でアルカリ処理後行われる遠心分離及び水洗によりマィコトキシンのほとんどが除去できることが判った. また原油にマイコトキシンを添加して食用油製造方法に従い連続精製を行ったところ, いずれのマイコトキシンも最終製品である食用油には残存しないことが判った. 市販食用油8種60検体についてアフラトキシン等数種のマイコトキシン汚染実態調査を行ったところ, ピーナッツ油8検体中5検体よりアフラトキシンが0.52~0.72ppbの範囲で検出されたが, 他のコーン油, サラダ油, 天ぷら油などからはいずれのマイコトキシンも検出されなかった.
  • 吉田 精作, 田中 凉一, 樫本 隆
    1986 年27 巻1 号 p. 64-69_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    カドミウムは, 水溶性画分に全体の60%が抽出された. タンパク質画分中カドミウムは主に分子量10万以上の画分に結合していた. ドデシル硫酸ナトリウム存在下, Sephadex G-100 で分画すると, タンパク質複合体の解離による低分子化に伴い, カドミウムも結合した状態で分子量3万~10万へ移行した. 分子量10万以上の画分を2-メルカプトエタノール存在下で分画すると, カドミウムは分子量約1万の画分にその大部分が溶出した. 2-メルカプトエタノール処理により低分子化したカドミウム結合体は, エチレンジアミン四酢酸に対し安定であった.
  • 吉田 精作, 田中 凉一, 樫本 隆
    1986 年27 巻1 号 p. 70-74_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    タンパク質画分中銅と亜鉛は, 共に分子量10万以上に主に分布していた. ドデシル硫酸ナトリウム (SDS) 存在下, Sephadex G-100 で分画すると, タンパク質複合体の解離による低分子化に伴い, 銅, 亜鉛も結合した状態で分子量3万~10万へ移行した. 分子量10万以上の画分を, 2-メルカプトエタノール (2-ME) 存在下で分画すると, 銅はその大部分が分子量約1万の画分に移動して溶出したが, タンパク質の溶出パターンに変化はなかった. 亜鉛の分子量約1万への移動量は少なかった. EDTAの影響では, 亜鉛は, SDS, 2-ME処理のどちらでもタンパク質画分から解離した. 2-ME処理により分子量約1万へ移動した銅は, EDTAの影響を受けなくなった.
  • 石田 裕, 関根 展子, 木村 茂, 関谷 茂二
    1986 年27 巻1 号 p. 75-80_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中のテオブロミンの定量をガスクロマトグラフィーにより行った. 試料に炭酸水素ナトリウムを加え弱アルカリ性として煮沸抽出, n-ヘキサンで脱脂後, 塩酸でpHを1~2に調整し, 食塩を20%添加, 溶解させ, ジクロロメタン転溶によるクリーンアップを行った. 試験溶液について内部標準法により定性, 定量を行った結果, 良好なクロマトグラムが得られ, 回収率は99~101%, 変動係数は3%以下と満足しうる結果が得られた. また本法における定量限界は50μg/gであった.
  • 畑中 久勝, 金田 吉男
    1986 年27 巻1 号 p. 81-86_1
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    発酵乳中の安息香酸 (BA) は原料乳中の馬尿酸 (HA) に由来する. このBAが天然由来であることを証明するには, 原料乳中のHAと発酵乳中のBAを正確に定量する必要がある. HAとBAの同時分析法を開発した. 試料のアセトン抽出液に炭酸水素ナトリウム溶液を加えて濃縮し, 濃縮液を高速液体クロマトグラフに注入する簡単な定量法である. カラムには Zorbax ODS, 移動相には2%酢酸-アセトニトリル (78:22), 検出波長には230nmを用いた. 本法による牛乳及びヨーグルトからの両者の添加回収率はいずれも98%以上, 検出限界はともに1ngであった. 本法は市販の乳及び乳製品中のBAとHAの定量にも適用できた.
  • 高橋 まゆみ, 蕨 由美, 野沢 恒平, 増井 武, 小澤 知之, 松橋 典子, 兵頭 直子
    1986 年27 巻1 号 p. 87-90
    発行日: 1986/02/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    市販チーズ134検体についてPAの含有量を調査したところ, エメンタール, エグモント, グリエールの3銘柄から0.02~8.14g/kgの範囲でPAが検出された. これらチーズは発酵過程でPA産生菌を使用していることが十分考えられる. またその他のナチュラルチーズ20銘柄からは検出されなかった. 今後チーズを検査しPAを検出した場合, 添加したものであるか否かを判断する際, ナチュラルチーズの場合はチーズの種類を, プロセスチーズの場合は原料を知ることにより, 添加したものか, あるいはPA産生菌により産生されたものかの考察を加えるための一助になると考える.
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