アスコルビン酸含有清涼飲料は酸性を呈するため, 酸素電極法により過酸化水素 (H
2O
2) を測定する際に, リン酸緩衝液 (PB) でカタラービの至適pHに調整する必要がある. 11種の市販アスコルビン酸含有清涼飲料について検討し, H
2O
2含量を測定した. 酸素電極装置の試料セル内にPBを加え, 溶存酸素を窒素ガスで追い出した後, 試料を加え, カタラーゼを加えて, 生成する酸素を測定してH
2O
2を算出した場合は, いずれの試料からもH
2O
2を検出しなかった. 一方, 試料をあらかじめPBで混和した溶液を試料セルに加え, 溶存酸素を窒素ガスで追い出した後, カタラーゼを加えて測定した場合は, H
2O
2として0.2~4.7μg/mlが検出された. その原因としては試料中のアスコルビン酸がカタラーゼを加えるまでの間に, PB中の溶存酸素により酸化されてH
2O
2を発生したことが明らかになった.
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