食品衛生学雑誌
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32 巻, 3 号
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  • パラオキシ安息香酸エステルの抗菌作用 (第5報)
    竜口 和恵, 鍬本 しのぶ, 尾籠 正己, 井手 禎子, 渡辺 忠雄
    1991 年32 巻3 号 p. 121-127_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    輸送経路が異なるプロリン, グルコース, 酢酸塩の E. coli JE1011 の菌体内への取り込みを, パラオキシ安息香酸エステル (パラベン) は, 処理温度が高いほど顕著に阻害した. またパラベンはホスファチジルコリン, コレステロール, ステアリルアミン (7:1:2) からなるリポソームの内包グルコースをアルキル鎖長に応じて漏出させ, 高濃度では膜の崩壊を引き起こした. またパラベンは低濃度でリン脂質の流動性の増大を示す変化を起すことが31P NMRによって観察された. それぞれの実験におけるパラベンのリン脂質に対するモル比は, 取り込み実験で0.08~0.5:1,リポソーム実験で0.5~1.5:1, 31P NMRで0.12~0.28:1と見積られた. 以上の結果, パラベンは膜を乱して非特異的に膜機能を阻害し, 高濃度では膜崩壊へ導くことが示唆された.
  • ポストハーベスト使用農薬に関する研究 (第1報)
    長谷川 ゆかり, 外海 泰秀, 中村 優美子, 伊藤 誉志男
    1991 年32 巻3 号 p. 128-136_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ばれいしょに収穫後 (ポストハーベスト) 使用される可能性のある4種の農薬について, 貯蔵または加工過程における消長を, モデル実験によって検討した. ばれいしょに農薬混合溶液を噴霧して13週間室温保存した後の残存率は, ジクロルボス (DDVP) 0.03%, クロロプロファム (IPC) 37%, クロルピリホス46%, ピレトリン各成分2~35%であった. また皮付フレンチフライに加工した後の残存率は, DDVP 0.1%, IPC 1.3%, クロルピリホス7.7%, ピレトリン各成分5.9~10.1%であった. なお, これらの農薬は剥皮によって99%以上除去された.
  • 春日 洋二, 菱田 美由紀, 棚橋 宣康
    1991 年32 巻3 号 p. 137-141_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    養殖魚中に残留するマラカイトグリーン (MG) 及びメチレンブルー (MB) のHPLCによる同時定量を検討した. 試料に McIlvaine 緩衝液 (pH 3.0) を加えてホモジナイズした後, アセトニトリルで抽出し, n-ヘキサンで脱脂後, 20%塩化ナトリウム溶液-ジクロロメタン分配で精製して調製した検液を分析カラムにTSKgel ODS-80TM, 移動相に0.1Mクエン酸塩緩衝液-アセトニトリル (1:1) を用いてHPLCにより分析した. 本法による添加回収率はMGが68.7±1.8~74.0±2.0%, MBが44.7±4.0~69.7±5.6%であり, 検出限界はMGが0.005μg/g, MBが0.003μg/gであった. 著者らがMGの残留試験 (薬浴法) に用いたニジマスの筋肉及び肝臓中の残留MGの確認にフォトダイオードアレイ検出器を用いたところ, その有効性が示された.
  • 馬場 二夫, 福田 正則, 佐々木 清司, 石綿 肇, 杉田 たき子
    1991 年32 巻3 号 p. 142-148_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    キッチンペーパー, 紙コップなど紙製の器具, 容器包装材135試料を対象として, それらの材質中の無機塩の残留実態を明らかにすることを目的として, 試料から溶出するCl-, NO2-, PO43-, Br-, NO3-及びSO42-の各陰イオン並びにNa+, K+, NH4+の各陽イオンについて, イオンクロマトグラフを用いて測定した. 溶出する陰イオンはCl-及びSO42-が主体で, この両者はほとんどの試料から検出され平均検出量はそれぞれ7.85ppm, 9.33ppmであった. その他の陰イオンは検出試料数, 検出量ともに少なかった. 陽イオンのNa+, K+及びNH4+は陰イオンとほぼ対応する量が検出された. キッチンペーパー, コーヒーフィルターなど新パルプ製品は全般にいずれのイオンも検出量が少ないのに対し, 菓子箱, 段ボールなど再生パルプ製品は相対的に検出量が多く, かつ浸出液のpHがアルカリ性のものが多かった.
  • 野口 玉雄, 金 束洙, 加納 碩雄, 浅川 学, 斉藤 俊郎, 多部田 修, 橋本 周久
    1991 年32 巻3 号 p. 149-154_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    黄海産と思われるナシフグ Fugu vermicularis radiatus による食中毒が最近散発的におき, 問題となっている. そこで, 黄海の数箇所でこのフグを採取し, マウスを用いる公定法によりその地域別並びに部位別毒性に検討を加えた. その結果, 138及び139農林漁区産のものは筋肉で11±1 (平均±標準誤差, 以下同じ) MU/g, 精巣で24±9MU/gの毒力を, また283漁区産のものはそれぞれ71±18MU/g及び127±72MU/gという高い毒力を示した. これら毒性値はいずれも我が国の食品中フグ毒の規制値 (10MU/g) をかなり上回り, 上記の中毒事件を引き起こしたことを示唆した.
  • 村山 三徳, 内山 貞夫, 斎藤 行生
    1991 年32 巻3 号 p. 155-160_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    畜水産物に残留する13種類の合成抗菌剤の一斉分析法を確立した. 試料からアセトニトリルで抽出し, 精製はヘキサンとの液-液分配により行った. 測定はHPLCで, 段階溶出により一斉スクリーニングを行い, 検出された合成抗菌剤について最適なHPLC条件で定量し, UVスペクトルを測定して定性を行った. 本法による各合成抗菌剤の定量下限は10~50ppbであり, 従来法と比べ迅速, 簡便で, 精度の高い分析法であった. また研究機関10か所において, スルファジミジン, オキソリン酸, ナイカルバジンについて, 標準添加試料の分析を行った結果, 本法は正確さ, 再現性においても優れていた.
  • 吉元 誠, 塩山 雅之, 波多野 昌二
    1991 年32 巻3 号 p. 161-167_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    構造式中にR塩を有するアマランス, ポンソーR及びポンソー3Rは, クロマチンを解離させ転写を促進する. これらの色素の共通の代謝産物, R-アミノ塩及び合成中間体, R塩のラット肝臓クロマチンの転写及び構造, さらにヒストンへの親和性に及ぼす影響を検討し, アマランスの場合と比較した. クロマチンの転写促進及び構造に顕著な影響を及ぼすアマランスはヒストンに高い親和性を示した. R-アミノ塩による転写促進及びヒストンに対する親和性は, アマランスの場合と比較してほとんど無視できる程度であった. さらに, R-アミノ塩によるクロマチンの構造変化は観察されなかった. R塩は, クロマチンの構造, 機能及びヒストンへの親和性に対して何ら影響を与えなかった.
  • 石綿 肇, 杉田 たき子, 義平 邦利, 馬場 二夫
    1991 年32 巻3 号 p. 168-176_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    米国FDAが陶磁器製ピッチャーからの鉛の溶出を0.1ppm (現行の1/25~1/50) に規制する提案を出した. そこで, 溶出液中の鉛の低濃度定量法について検討を加えると共に, 通常鉛と共に規制対象となるカドミウムについても検討した. 鉛0.1ppm溶液の10倍濃縮による回収率及び変動係数は95.7±6.7%及び7.0%であった. 従って, 提案値は, 溶出液を10倍濃縮した後現行食品衛生法の方法を適用することで測定可能であることが判明した. 市販ピッチャーからの鉛の溶出は0.01ppm以下であった. 鉛とカドミウムの溶出について, 4%酢酸またはジュースを用いて温度や時間を変えて溶出傾向を見たところ, いずれの条件下でも両金属の溶出濃度と時間との関係は二次指数関数で表された.
  • 生物学的モニタリング 1
    藤井 俊子, 大森 豊緑, 田口 豊郁, 緒方 正名
    1991 年32 巻3 号 p. 177-182_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    安息香酸ナトリウム (BA-Na) を含有する清原飲料 (BA-Na投与量33mg及び66mg), 及びBA-Na水溶液 (BA-Na投与量20mg/kg) を健康な被験者に経口投与し, 馬尿酸の尿中排泄の時間変動をHPLCにより測定した. その結果, BA-Naは代謝速度が比較的速く, また, 摂取したBA-Naの大部分が馬尿酸として尿中に排泄されることから, BA-Naの吸収量を馬尿酸の尿中排泄量から推定する本モニタリングは有効であると考えられた. 生物学的モニタリングでは尿中代謝産物の濃度はクレアチニン補正が求められるが, 今回はクレアチニンの同時測定により簡便に補正できて良好な成績を得た.
  • 食品中各種元素の動態に関する研究 (第5報)
    池辺 克彦, 西宗 高弘, 田中 凉一
    1991 年32 巻3 号 p. 183-191_1
    発行日: 1991/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    1987年に大阪府内で購入した加工食品類, 27種80検体中の17金属元素の分布実態を明らかにした. 加工食品を菓子類, 調理加工品類, 嗜好飲料類及び調味料類の4群に大別し, 各金属の平均濃度分布をヒストグラムで示した. その結果, 菓子類ではポップコーンにZn, Fe, Pが, またチョコレートにCaが多く含有されていた. 調理加工品類ではZn, Feはミートボールやミンチカツの肉類に多く, 各々12~13ppm, 16~19ppmの範囲であった. 嗜好飲料類は全般的に金属濃度が低く, また, 調味料類はZnとP (r=0.997) のように金属間で相関性の高い元素群が多いことが分かった.
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