しょう油中からβ-カルボリン誘導体を分離し, MS,
1H-NMR及び
13C-NMRなどよりその構造は Jeffreys らが Rye-grass (
Lolium perenne L.) から分離した物質1-(5-hydroxymethyl 2-furyl)-9H-pyrido[3,4-b]indole (1-hydroxymethyl-furyl-β-carboline) であることが分かった. その変異原活性は, TA100株, S9非共存下で亜硝酸未処理時の活性は2His
+revertants/μgで, 亜硝酸処理時の活性は15His
+ revertants/μgであった. また, この化合物は本醸造しょう油では1mlあたり2.0μg, 新式醸造では0.79μg含まれていた. いずれの製造方法のしょう油においてもこの化合物の含有量は加熱 (120°, 20分) により約2倍に増加した.
抄録全体を表示