食品衛生学雑誌
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33 巻 , 6 号
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  • 中間 昭彦, 清水 充, 藤田 忠雄, 黒田 孝一, 森田 茂
    1992 年 33 巻 6 号 p. 533-538_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    六つの手作り燻液と五つの市販燻液の変異原性を Ames 試験で試験した. 手作り燻液はTA100に対し変異原性を示し, その活性はS9mixによる代謝活性化によって弱あられた. 一方TA98に対してはS9mix存在下でのみ変異原性を示した. 市販燻液はS9mixが存在しない場合のみ変異原性を示したが, その変異原活性は燻液の濃度に依存しており, 弱かった. 市販燻液の菌に対する毒性は, 減圧下で揮発性成分を除くことによって減少し, 変異原活性が明らかに観察されるようになった. またDNA損傷活性を Rec-assay で試験し, すべての燻液で活性が観察された. 市販燻液をジエチルエーテルで分画した結果, 水層及びエーテル層のいずれも変異原活性を示し, さらにエーテル層はS9mixによってその活性が弱められることが観察された. これらより少なくとも二つの変異原が燻液中に存在することが示された.
  • 春日 洋二, 菱田 美由紀, 棚橋 宣康, 荒井 真
    1992 年 33 巻 6 号 p. 539-542_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    マラカイトグリーン (以下MG) の1ppm水溶液に1時間浸せき後, 直ちに清水に移す薬浴法により投薬したニジマスを用いて, MGの魚体内残留量をHPLCで経時的に調べた. MGの器官親和性は, 肝臓及び腎臓で高く, 血清及び筋肉で低かった. MGの最高濃度は血清, 肝臓及び腎臓では薬浴直後に, 筋肉では薬浴終了後4時間目に見られた. 血清, 肝臓及び筋肉のMG濃度は, 経時的に徐々に減少し, 薬浴終了後21日以内に検出限界 (0.02μg/g) 以下となった. しかし, 腎臓でのMG濃度の減少は著しく緩慢で, 投薬終了後, 42日目でもまだ高いレベル (0.22±0.08μg/g) にあった. MGのニジマス体内での残留は, すでに報告された結果よりかなり長かった.
  • 長南 隆夫
    1992 年 33 巻 6 号 p. 543-547_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    タマネギ及びネギ中の30種の有機リン系農薬の定量法を検討した. 凍結した試料に等重量のリン酸溶液を加え, 磨砕後, 含水アセトンで抽出し, 抽出物をヘキサンで再抽出し, FPD検出器付 (Pモード) ガスクロマトグラフで分析すると妨害ピークの全く認められないクロマトグラムが得られた. 本法の添加回収率 (添加割合0.1μg/g) はDDVP (60%) を除いて77%以上であり, 各農薬の検出限界は0.003~0.04μg/gであった. 本法は簡便かつ迅速であるため, タマネギ及びネギ中の有機リン系農薬の実用的な定量法と考えられる.
  • 村上 保行, 西宗 高弘, 末木 賢二, 田中 凉一
    1992 年 33 巻 6 号 p. 548-556_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    貝類における oxadiazon 及びその代謝物 (phenol, methoxy, acid 及び alcohol 体) についてECD-GC及びNP-FID-GCで定量しGC/MSで同定する同時分析方法を確立した. この分析法を使用して, 薬剤散布時期に採取したタニシ及びムラサキイガイの oxadiazon 及びその4種類の代謝物の分析を行ったところ, タニシ及びムラサキイガイ中に oxadiazon 0.59~1.26ppm及びその代謝物である oxadiazon acid 体2.09~4.80ppmが検出された. タニシ及びムラサキイガイ共に oxadiazon と比較して oxadiazonacid 体の濃度が3.41~6.48倍高く検出されたが, その他の代謝物 (methoxy, phenol 及び alcohol 体) は検出されなかった.
  • 若林 茂, 里内 美津子, 植田 由香, 大隈 一裕
    1992 年 33 巻 6 号 p. 557-562_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    馬鈴薯デンプンを加熱, 酵素処理して調製した水溶性食物繊維 (一般名: 難消化性デキストリン, 商品名: パインファイバーC, 以下PF-C) について機能性食品素材として開発を進めるに当たり急性毒性及び変異原性試験を実施した. さらにラットを用いて便通に及ぼす影響を検討した. (1) マウスを用いた急性毒性試験においてPF-C摂取による死亡例は最大投与可能量の20g/kgにおいても見られなかった. (2) 細菌を用いた変異原性試験において, PF-Cは代謝活性化の有無に関わらず復帰変異コロニー数を増加させなかった. (3) ラットを用いた単回投与試験においてPF-Cのふん便への排泄率は約36%であった. (4) PF-C連続投与により盲腸重量は増加し, さらに盲腸内容物のpHの低下が観察された. また, PF-Cは14.29g/kg wt. (1g/70g wt.) において下痢を誘起しなかった. (5) PF-Cの連続投与により食餌の消化管通過時間は非投与群に比して有意に短縮された.
  • 川崎 洋子, 合田 幸広, 米谷 民雄, 義平 邦利, 武田 明治
    1992 年 33 巻 6 号 p. 563-568_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    HPLCによる食品中のアカネ色素の分析法を検討した. 指標成分として, 原料植物のセイヨウアカネ根部の50%エタノール抽出液 (Ext) 中の主色素成分である ruberythric acid (1), lucidin-3-O-glucoside (2), alizarin (3) を選定した. ついで, Extで清涼飲料水及びタンパク性食品を染色した後, 指標成分の回収条件を検討した. 清涼飲料水では, イオン交換カラムクロマトグラフィー (IEC) を用い, 良好な回収率を得た. タンパク性食品では塩酸酸性下 (pH2), 85°, 3時間の加温抽出を行い, 中和後IECを行った. その際, 1及び2の加水分解物としてそれぞれ alizarin-2-O-glucoside, lucidin-3-O-glucoside を検出, 同定した. 定量においては加水分解物も指標成分1, 2に換算し, 総量として定量値を算出した. Extで着色したかまぼこ及び乳飲料からの1, 2及び3の回収率はそれぞれ68, 83, 100%及び71, 78, 100%であった.
  • 荒川 勉, 柴田 柾樹, 細見 和雄, 渡邊 日章, 本間 義春, 川角 浩, 竹内 良夫
    1992 年 33 巻 6 号 p. 569-575_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    チューインガムに使われる天然原料を対象として, それらの抗アレルギー作用を検討した. IgE抗体で感作されたモルモットPCA反応を用いた実験において, 経口投与で1,8-シネオールと天然樹脂ジェルトンのn-ブタノール画分 (J-4) にPCA抑制作用が見いだされた. ペパーミント油とその成分l-メントール, メントン, 1,8-シネオール, 天然樹脂のチクルのn-ブタノール画分 (C-4) とJ-4の腹腔内投与によりPCAが抑制された. 更にC-4, l-メントール, メントン, 1,8-シネオールに肥満細胞からヒスタミン遊離抑制作用とそれらの一部にヒスタミンまたはセロトニンによる平滑筋収縮の抑制作用のあることが証明された. 以上の結果からチューインガム原料試料には抗アレルギー作用のあることが示された.
  • 村上 保行, 西宗 高弘, 末木 賢二
    1992 年 33 巻 6 号 p. 576-585_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    Oxadiazon の代謝物の食品残留に関する報告は全くない. そこで河川や養殖池などで生息あるいは飼育されたと思われるスッポン及びシジミを原料とした加工食品に注目し, スッポン加工食品及びシジミ加工食品における oxadiazon 及びその代謝物 (phenol, methoxy, acid 及び alcohol 体) の分析を行った. 分析結果は, スッポン加工食品から0.033-2.00ppmの oxadiazon を検出した. 又, その代謝物である acid 体を oxadiazon の数倍の濃度で検出した. シジミ加工食品からは oxadiazon がスッポン加工食品の約1/100の濃度 (N. D.~0.017ppm) で検出されたが, oxadiazon acid 体は検出されなかった. 検出された oxadiazon 及び oxadiazon acid 体をGC/MSで同定した.
  • 寺田 久屋, 永井 祐治, 宮部 正樹
    1992 年 33 巻 6 号 p. 586-592_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ワイン中のメチルイソチオシアネート (MITC) を固相抽出法を利用して, 吸着抽出し, HPLCまたはGCにより定量する分析法を開発した. すなわち, ワインを直接BAKERBOND spe C18に導入し, MITCを吸着させた後, 30%メタノールで溶出しHPLCで分離定量した. 更に, 溶出液を酢酸エチルで抽出し, GCで定量した. HPLCは, カラムに Capcell Pak C18-SG120を用い, 検出はUV200nmで行った. GCは, カラムにDB-WAX, 検出にFPD (S) を利用した. 赤ワイン及び白ワインにおける添加回収実験では, 0.05μg/ml添加で回収率が88.4% (HPLC), 89.2% (GC), 0.5μg/ml添加で94.2% (HPLC), 94.5% (GC) であった. 定量限界はHPLC, GC法とも0.02μg/gであった. 市販のイタリア産ワイン40検体を調査した結果, 白ワイン1検体より0.24μg/gのMITCを検出し, GC/MSにより確認した.
  • 大川 いづみ, 鈴木 たね子
    1992 年 33 巻 6 号 p. 593-598_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    日本で伝統的に食されてきた食用海藻と健康保持との関係の一端を明らかにする目的で, マコンブの変異原性及び変異原性抑制効果の有無をエイムス試験で調べた. 粉砕したマコンブの熱水抽出液, 不溶性分画はともにS-9mixの添加にかかわらずTA98, TA100両菌株に対し変異原性を示さなかった. 食品中にも存在する変異原物質5種, ジニトロピレン, Trp-P-1, Trp-P-2, 2-アミノアントラセン, ベンゾ[a]ピレン及びコーヒーに対して, マコンブの不溶性分画は変異原性抑制効果を示し, さらにマコンブ不溶性分画はジニトロピレンを吸着することが明らかになった.
  • 増田 十茂子, 岩谷 美枝, 三浦 平吉, 小久保 彌太郎, 丸山 務
    1992 年 33 巻 6 号 p. 599-602_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    市場などから採取した海産鮮魚介類187例及び小売店などから採取した加工済みの生食用鮮魚介類496例の計683例を対象に, Listeria 属菌の汚染実態を調査した. Listeria 属菌は68例 (10.0%) より71株が検出され, その検出頻度は, 生菌数の多い検体ほど高くなる傾向が認められた. しかし, Listeria 属の菌数はほとんどが10/g以下であった. 菌種別には, L. innocua が51例 (7.5%) から検出され最も多かった. 次いで L. monocytogenes が12例 (1.8%) から検出され, このうち11例は小売店からのものであった. 検出された L. monocytogenes の血清型は1/2a (3株), 1/2b (3株), 3b (1株) 及び4b (5株) であった.
  • 内山 貞夫, 武田 寿, 小林 昭彦, 伊藤 澄夫, 桜井 裕之, 多田 善彦, 青木 岳, 細貝 猛, 山中 崇彰, 前川 吉明, 吉川 ...
    1992 年 33 巻 6 号 p. 603-608_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    ワイン中のメチルイソチオシアネート (MITC) の簡易かつ迅速な分析法を確立した. MITCは試料から酢酸エチルで抽出, 直接NPD-GCで定量した. また, FPD-GC (Sモード) 及びGC/MSでも確認した. 0.044ppm, 0.088ppmのMITCを試料に添加した時の回収率は, 白ワインで89.4%, 83.5%, 赤ワインで81.6%, 75.1%であった. 本法の定量限界はNPD-GCでは0.02ppm, FPD-GC (Sモード) では0.22ppm, GC/MSでは0.05ppmであった. イタリア産ワイン30銘柄について実態調査を行ったところ, このうち3銘柄からMITCを0.087~0.349ppm検出した.
  • 中屋 謙一, 永谷 照男
    1992 年 33 巻 6 号 p. 609-618_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    岐阜市住民を対象とし, 血清脂肪酸組成と性, 年齢, 栄養摂取及び検診成績との関連を検討した. n-3系不飽和脂肪酸は, 男女とも加齢と共に増加した. 一価不飽和脂肪酸は男性が高く, n-6系不飽和脂肪酸は女性が高い性差が認められた. 摂取エネルギーに対する脂肪の割合は男性約18%, 女性約22%であり, 食塩は厚生省の定める目標摂取量の上限に対し男女とも摂取過剰が認められた. 摂取栄養素などのうち男性ではアルコール摂取量, 女性では脂肪摂取量が各接血清脂肪酸と相関を示した. 肥満指標及び収縮期血圧は一価不飽和脂肪酸と正相関, 多価不飽和脂肪酸とは負相関を示した. この傾向は, 女性に顕著であった.
  • 高橋 邦彦, 星野 庸二, 徳丸 雅一
    1992 年 33 巻 6 号 p. 619-622_1
    発行日: 1992/12/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    オレンジを摂取した乳児の顔や首筋が赤くなったという消費者からの苦情があり, 検査したところ苦情品から約0.5%のエタノールが検出された. そこで, 果実中のエタノール含有量の実態調査を行った. 11種の果実の117検体のエタノール含有量を調査したところ, 9種97検体から検出された. 検出量はオレンジを除き, 他の果実はほとんど0.15%以下であった. オレンジは27検体調査したが, 最小0.01%, 最大0.71%, 平均で0.13%であり, なかには高い濃度 (0.21, 0.31, 0.71%) が検出されたものがあった.
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