SD系雌ラットを10群に分け, その中の5群には, 基礎飼料にベンゾ [
a] ピレン (B [
a] P) を0, 100, 200, 400, 800ppm 添加したものをそのまま, 残りの5群にはそれらに更に10%の割合でかんぴょう粉末を混合して, それぞれ自由摂取させた. 48時間経過後, 屠殺して肝臓と小腸を摘出し, 一連の薬物代謝系の酵素活性を測定した. その結果, 肝, 小腸いずれにおいても, かんぴょう粉末存在下では全般的にB [
a] Pによる酵素活性上昇は抑制される傾向を示し, 中でも, 800ppmのB [
a] Pによる小腸の arylhydrocarbon hydroxylase の活性上昇はかんぴょう粉末によって有意に阻止され, かんぴょうが発ガン防止効果を発揮する可能性のあることを示唆すると思われる.
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