香港近海に普通に見られるフグの毒性を調べるために, 6種のこの地方のフグ,
Takifugu niphobles (クサフグ),
Takifugu albolumbeus (コモンダマシ),
Chelonodon patoca (オキナワフグ),
Lagocephalus spadiceus (サバフグ),
Takifugu ocellatus (メガネフグ),
Diodon holocathus (ハリセンボン) を採取し同定した. 最初の3種にはマウスによる試験で6~120マウス単位の毒性が認められた. この内の1種, クサフグの内臓 (卵巣, 腸, 肝臓) 200gを細切し, 酸性メタノールで抽出してトキシンを抽出し, この粗抽出物を Sephadex G-50-50によるゲルろ過と Whatman CM-52陽イオン交換クロマトグラフィーにより更に精製した. 得られた2つの未同定のトキシン, 未知分画1及び未知分画2は, TLC上で, UV照射 (366nm) により単独の蛍光スポットを形成し,
Rf値は各々0.80及び0.56であった. また, ESI/MSによる分析結果から, 未知分画1はテトロドトキシンであり, 未知分画2はおそらくその代謝産物と思われたが, これらの確定には更に化学分析が必要である.
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