食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
41 巻, 3 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
総説
報文
  • 梅垣 敬三, 吉村 美香, 樋口 満, 江指 隆年, 篠塚 和正
    2000 年41 巻3 号 p. 171-177
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    SHR (10週齢雄) に対照食, 銀杏エキス食 (0.5, 2%) を36日間摂取させ, 銀杏エキスの血圧, 心拍, 血糖, 肝臓の各種パラメーターに対する影響を検討した. 0.5%並びに2%銀杏エキス食群の銀杏エキス摂取量は0.3g/kg 体重/日と1.3g/kg 体重/日であった. 心拍は2%銀杏エキス食群においてのみ有意に低下した. 血圧, 糖負荷前後の血糖値, 血漿インスリン濃度, 肝臓グリコーゲン含量に対する銀杏エキス食摂取の影響はなかった. 肝臓重量, 肝臓薬物代謝酵素は銀杏エキス食群で有意に高かったが血漿トランスアミナーゼ活性は全く増加しなかった. 以上の結果は, SHRの検討した項目に対して銀杏エキスが有効性を示さないこと, また大量摂取にもかかわらず明確な有害性も示さないことを示唆した.
  • 上野 英二, 大島 晴美, 斎藤 勲, 松本 浩
    2000 年41 巻3 号 p. 178-187
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    食品中の農薬残留モニタリングのための多成分分析法を検討した. ろ過, 塩析及びアセトニトリル層の分取操作にメスシリンダーを用いた方法を考案し, 多数試料の前処理における効率性を向上させた. また, 多数試料を連続してGC分析するためのGPC及びミニカラム精製条件を確立した. 更に, GC-ECDにデュアルカラム方式を用いて, 1回の注入により58種農薬の分離定量を可能とした. その結果, 全体としての分析時間を大きく短縮できた. 添加回収率は, 53種農薬について70%以上と良好であった. 本法により農薬が検出された10検体延べ23農薬の分析値と従来法による分析値には, よい相関が認められ, 本法が迅速性に優れた信頼性のある分析法であることが確認された.
  • 手島 玲子, 穐山 浩, 奥貫 晴代, 佐久嶋 順一郎, 合田 幸広, 小野寺 博志, 澤田 純一, 豊田 正武
    2000 年41 巻3 号 p. 188-193
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    世界的に遺伝子組換え技術を利用して開発された農作物の実用化が進んでいるが, 実際の商品は組換え作物の後代交配種由来であることが多く, そのような作物における動物の免疫系への影響, 特にアレルギーとの関連について調べられた報告はない. 著者らは, 今回, アレルギー高感受性のB10Aマウス及びBNラットを使った実験において, 除草剤耐性遺伝子 (CP4-EPSPS) が導入された遺伝子組換え (GM) 大豆摂取が, 動物の免疫系に影響を及ぼすか否かの検討を行った. 同等の栄養成分を有する近親の非組換え (non-GM) 大豆を対照として用いた. GM, non-GM混餌飼料を摂取させたマウス, ラットとも両群の体重及び餌の摂取量に有意差はみられず, 15週投与後の各種主要免疫臓器の病理組織像においても, 両群とも異常は認められず, また大豆抽出物に対するIgE, IgG抗体価とも両群において差はみられなかった.
ノート
  • 石川 ふさ子, 重岡 捨身, 長嶋 真知子, 高橋 美佐子, 上村 尚, 大西 和夫, 西島 基弘
    2000 年41 巻3 号 p. 194-199
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    魚肉, 獣肉加工品などの高タンパク食品中の21種のタール色素分析時の前処理法について検討した. 食品からの抽出溶媒は4mol/L尿素及び28%アンモニア-メタノール-4mol/L尿素 (7 : 80 : 20) 混液を用いた. クリーンアップはSep-Pak Vac C18カートリッジを使用し, イオンペア法で行い, 溶出溶媒は0.025mol/L酢酸アンモニウム溶液 (0.01mol/L臭化テトラブチルアンモニウム (TBA) 含有)-アセトニトリル (1 : 1) 2mLと同溶液-イソプロパノール (1 : 1) 2mLを用い, 0.1mol/L TBAで5mLとした. 同定・定量は2種の移動相のフォトダイオードアレー検出器付きアイソクラティックHPLCで行った. かまぼこ, ハム及びたらこへの添加回収実験 (各色素10μg/g) の結果はグリーンS, エリスロシン, ローズベンガルを除いてそれぞれ91.0, 85.5及び85.4%以上であった.
  • 坂本 広美, 松阪 綾子, 伊藤 理美子, 遠山 優子
    2000 年41 巻3 号 p. 200-205
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    コンビニエンスストアなどで使用されている使い捨て弁当容器に含まれているスチレンダイマー及びトリマーなどについて, 材質試験, サラダ油を使用した溶出試験を行い, GC/MSを用いて定量した. 電子レンジ加熱により, ポリスチレン製のふた及び本体からスチレン, スチレンダイマー及びトリマーの溶出が認められ, 180秒加熱・10分放置後では, それぞれ不検出~10.5ng/cm2, 0.3~8.8ng/cm2, 0.2~1,070ng/cm2であった. また, BHTはすべての容器本体から溶出が認められ, 同条件下で4.7~973ng/cm2であった.
  • 天倉 吉章, 岡田 舞, 辻 澄子, 外海 泰秀
    2000 年41 巻3 号 p. 206-211
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    各種果実中のエラグ酸について, メタノール還流抽出, Sep-Pak® Plus tC18カートリッジにより精製後, フォトダイオードアレイ検出器を用いたHPLCによる簡便かつ迅速な分析法を検討した. いちご, パイナップル, ラズベリーについて, それぞれエラグ酸各25, 50μg/gずつ添加したときの回収率は90.1~98.3%で, 定量限界は0.05μg/gであった. エラグ酸の同定には, フォトダイオードアレイ検出器によるUV吸収スペクトルを用いた. また本法を用いて, 市販生鮮果実及び果実加工品中におけるエラグ酸含有量について調査した結果, 同化合物はいちご, ラズベリーなどのベリー類に含まれ, 中でもブラックベリーが最も高い含有量 (87.66μg/g) を示した. また, パイナップル, フェイジョア, やまももについても今回新たにエラグ酸の含有を認めた.
  • 河村 葉子, 前原 玉枝, 飯嶋 広代, 山田 隆
    2000 年41 巻3 号 p. 212-218
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    プラスチック製器具・容器包装及び乳幼児用玩具中のノニルフェノール (NP) 残存量をGC/MS-SIMにより測定したところ, ポリ塩化ビニル (PVC) 製ラップフィルムと手袋で全検体から10~2,600μg/gと高濃度の残存がみられ, ポリスチレン (PS) 製使い捨てカップでも高頻度であった. その他, ポリカーボネート, ポリプロピレン, ABC樹脂, スチレンブタジエン製品からも検出されたが, ポリエチレン, AS樹脂, ポリ塩化ビニリデン製品では検出されなかった. NPが残存していたPSカップ, PVCラップフィルム及び手袋について溶出試験を行ったところ, n-ヘプタンにより極めて高い溶出が認められた. 一方, NPを含有する試料から酸化防止剤のトリス (ノニルフェニル) フォスファイトが検出され, これが分解してNPが生成したものと推察された.
調査・資料
feedback
Top