食品衛生学雑誌
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42 巻, 1 号
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報文
  • 安村 浩平, 北村 栄治, 宇野 正清, 玉置 守人
    2001 年42 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    超臨界流体抽出 (SFE) 装置, 自動前処理装置 (Prep), GC/MS装置を接続し, ワークステーションで制御することで魚類中PCBsの全自動分析を確立した. SFE抽出管内の試料にアルミナを積層し, 抽出媒体である二酸化炭素量を検討したところ, 大部分の脂質を除去する条件を設定することができた. 更に, Prepでは, 固相抽出充てん剤としてフロリジルを使用することにより, クリーンアップを行った. 回収試験は実際にPCBsが残留している試料を汎用法と本法で分析し, その定量値を比較して行った. 回収率の平均はサバ, ハマチ, タチウオで, 各々90.2%, 81.1%及び69.8%であった. 全自動分析にかかった時間は1検体当たり約3時間で, 危険なアルカリの使用もなく, 溶媒使用量も汎用法に比べ大幅に削減できた.
  • 藤川 浩, 井部 明広, 和宇慶 朝昭, 諸角 聖, 森 治彦
    2001 年42 巻1 号 p. 7-12
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    強い香粧臭をもつ市販の切り餅が苦情として当研究所に届けられた. この切り餅は, つき上がった餅を切る際にカッターと餅との剥がれをよくするため離型油を用いていた. 離型油を汚染していたPenicillium corylophilumが, 離型油を分解して香粧臭を生成したことが解明された. この香粧臭は2-heptanone, 2-nonanone, 2-heptanol及び2-nonanolの4種類の揮発性物質から成り, 10~30℃で餅を用いた接種試験の結果, 25℃で最も香粧臭が生成された. この香粧臭は本菌によって離型油の成分の一つであるココナッツオイルからも生成された. また, 調査した多くの糸状菌はこの離型油から香粧臭を生成したが, 酵母, 細菌では全く生成しなかった.
  • 河村 葉子, 井之上 浩一, 中澤 裕之, 山田 隆, 米谷 民雄
    2001 年42 巻1 号 p. 13-17
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    ビスフェノールA (BPA) 含有量が高かったコーヒー及び紅茶飲料の相当缶を検討したところ, いずれもエポキシ樹脂コーティングに原因があったが,サイドシームや底蓋部でBPA濃度が極めて高かったり, 胴部がやや高いため缶全体の残存量が高いなど原因部位は様々であった. 水60及び95℃, 20%エタノール, n-ヘプタンではBPAは溶出しなかったが, 水120℃30分間では35~124ng/mL溶出した. 相当缶のBPA溶出量は材質中の残存量とほぼ一致し, 缶入飲料のBPA含有量とも近い値であった. BPAの移行は, コーティング中のBPA残存量と飲料の加熱条件に依存することが示された. 一方, 改良缶ではコーティング中のBPA量が大幅に減少しており, 溶出量は1/10以下に低減された.
  • 松田 りえ子, 佐々木 久美子, 酒井 洋, 青柳 由美子, 佐伯 政信, 長谷川 康行, 日高 利夫, 石井 敬子, 望月 恵美子, 山本 ...
    2001 年42 巻1 号 p. 18-23
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    1996年から1998年に, トータルダイエット試料中のアルミニウム濃度を測定しアルミニウムの一日摂取量を推定した. 10か所の機関でトータルダイエット試料の調製及びアルミニウム濃度の測定を行った. アルミニウムの一日摂取量は平均3.5mgであり, 範囲は1.8mgから8.4mgであった. 分析結果の正当性は, 認証標準試料の分析により保証された.
  • 松岡 猛, 栗原 秀夫, 穐山 浩, 三浦 裕仁, 合田 幸広, 日下部 裕子, 一色 賢司, 豊田 正武, 日野 明寛
    2001 年42 巻1 号 p. 24-32
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    我が国で食品, 飼料用として輸入可能な組換えトウモロコシ7系統のうち, 5系統からの組換え遺伝子の検知を, 既報のMultiplex PCR法に改良を加えて行った. ゲノムDNAの抽出は実験時間が短縮でき, 研究室・環境への安全性で優れているスピンカラムを用いる方法で行った. 組換えトウモロコシに導入されているDNA塩基配列を解析し, 各組換え系統とトウモロコシに内在的にあるzein遺伝子を1回のPCRで特異的かつ確実に特定でき, トウモロコシ, ダイズ, コメ, コムギ, オオムギに対してfalse positiveなバンドが見られないプライマーの設計を行った. 非組換え体に組換え体5系統を混合しMultiplex PCRを行うと, 各組換え系統に特異的な長さのバンドが観察できた. 本法による検知感度を非組換え体粉砕物に5系統の組換え体粉砕物を混合して調べたところ, 0.5%程度であった.
  • 川崎 晋, 木村 凡, 藤井 建夫
    2001 年42 巻1 号 p. 33-39
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    PCR法によるサルモネラ検出キット「TaqMan™ Salmonella amplification/detectionキット (PE Applied Biosystems)」の有用性を評価するため, 東京都内小売店舗の食肉98検体をサンプルとして実験を行った. PCR法による検出はサンプルからのDNA抽出法にChelex法とGuSCN法の2種類を用いた. また, これに加えて公定法に基づく培養法 (4種) による検出も同時に試みた. 検出結果を比較したところ, 双方の検出結果はほとんど一致した. PCR法ではいずれのDNA抽出法においてもほとんど等しい検出結果を得た. 一方, 培養法では単一プロトコールにおいて検出できないサンプルが多数を占めた. 本キットによる検出法は従来の培養法に代わりうる感度を持つものと期待された.
ノート
  • 中里 光男, 小林 千種, 山嶋 裕季子, 河野 美幸, 安田 和男
    2001 年42 巻1 号 p. 40-44
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    食品中の不許可合成甘味料ネオヘスペリジンジヒドロカルコン (NHDC) のHPLCによる分析法を開発した. 試料からNHDCをメタノールあるいはメタノール-水混液で抽出し, Sep-Pak Vac C18カートリッジによりクリーンアップを行った後, HPLCで測定した. HPLCのカラムにC18, 移動相にはアセトニトリル-0.02%リン酸 (25 : 75) 混液を用いて分離し, UV282nmで定量した. 更に, 検出された場合にはフォトダイオードアレイ検出器を用いて確認を行った. 各種食品に2.0及び20μg/gとなるようにNHDCを添加した場合の回収率は75.2~134%であり, 検出限界は1μg/gであった.
  • 岸 弘子, 川名 清子
    2001 年42 巻1 号 p. 45-47
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    HPLCによる食品添加物クエン酸中のイソクエン酸の分析法を検討した. 試料を水で溶解して試験溶液を調製し, HPLCで測定した. カラムはInertsil ODS-3 (4.6mm i.d. × 250mm), 移動相は0.1%リン酸を用い, 流速は1mL/min, 測定波長はUV 210nmとし, カラム温度は40℃, 注入量は20μLとした. クエン酸にイソクエン酸として0.1%及び0.4%添加したときの本法による回収率は, それぞれ98% (CV=1.5%), 99% (CV=0.5%) であり, 定量限界は0.05%であった. 本法は, クエン酸の純度試験法として, 日常試験に有効な方法と考えられる.
  • 杉田 たき子, 平山 クニ, 新野 竜太, 石橋 亨, 山田 隆
    2001 年42 巻1 号 p. 48-55
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    1998年10月に入手した玩具68検体の材質試験を実施したところ, すべての玩具からフタル酸エステル (PEA) 類が検出された. 検出されたPAEはフタル酸ジイソノニル (DINP), フタル酸ジ-2-エチルヘキシル (DEHP), フタル酸ジブチル, フタル酸ジノニル, フタル酸ジヘプチルの5種類で, その他にアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルが検出された. DINPは48検体から検出され, 含有量は15~580mg/g, 平均308mg/g, 含有量が最も多かったのはおしゃぶり玩具であった. DEHPは20検体から検出され, 含有量は2.0~380mg/g, 平均162mg/gであり, 国産品では15検体, 60%から検出された.
  • 合田 幸広, 穐山 浩, 大槻 崇, 藤井 明美, 豊田 正武
    2001 年42 巻1 号 p. 56-62
    発行日: 2001/02/25
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    アフラトキシン (AF) 通知分析法においても, 健康危害及び環境汚染防止の目的で, 使用溶媒の見直しが要求されている. 著者らは既に報告した毒性の高い溶媒を用いない多機能カラムにHPLCを組合せたAF分析法の応用範囲を拡大する目的で, 通知で分析が義務付けられたナッツ類及びジャイアントコーンを含め, より多種の試料の添加回収実験を行った. その結果マカデミアナッツ, クルミ, ヘーゼルナッツ, ブラジルナッツ, ジャイアントコーン, コメ, コムギ, ソバでB1, B2, G1, G2ともに良好な回収率 (85~106%) を得た. また, 妨害ピークが検出された香辛料6種及び紅茶について, 市販のアフィニティーカラムを組合せた分析法を検討した. その結果, G2, B2で一部回収率が低いものの, B1, G1の回収率は良好 (71~112%) でこれらの試料でも分析可能であることが示された.
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