食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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42 巻, 2 号
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総説
報文
  • 今中 雅章, 佐々木 久美子, 根本 了, 植田 英一, 村上 恵美子, 宮田 大典, 外海 泰秀
    2001 年42 巻2 号 p. 71-78
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    各種食品中のビスフェノールAをアセトンで抽出,クリーンアップ後,ヘプタフルオロ酪酸で誘導体化し,GC/MS (SIM)で定量する汎用性のある分析法を確立し,加工食品,生鮮食品など95検体の実態調査を行った.その結果,缶詰,生鮮魚介類,肉類,コンビニ弁当からそれぞれ痕跡量~602 ng/g, 痕跡量~6 ng/g, 痕跡量~2 ng/g及び痕跡量のビスフェノールAが検出された.一方,乳製品,野菜,果実,精白米からは検出されなかった.
  • 広門 雅子, 嶋村 保洋, 中島 和雄, 小沢 秀樹, 木村 圭介, 安田 和男, 西島 基弘
    2001 年42 巻2 号 p. 79-83
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    キャピラリーゾーン電気泳動法(CZE)による天然保存料のしらこたん白(MP)(主成分:プロタミン)及びポリリジン(PL)の分析法を検討した.カラムにPVAコーティングキャピラリーを,泳動液に 120 mmol/Lリン酸緩衝液(pH 2.5)を用い,カラム温度を20℃ に設定したところ,両者の分離及び感度は共に良好であった.CZEに及ぼす製剤中の配合添加物の影響をみたところ,メタリン酸がMPの分析を妨害した.加工食品からの抽出は 4% ギ酸を用い,エタノールでデンプンなどの高分子物質を沈殿険去したところ良好な抽出率が得られた.加工食品における平均回収率はプロタミン硫酸塩(PS)が 108.4%, PL が 81.3~118% であった.また検出限界は PS, PL 共に 50 ppm であった.
  • 青木 宏光, 久世 典子, 市 隆人, 香田 隆俊
    2001 年42 巻2 号 p. 84-90
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    近年,密蒙花色素が開発され,中国において食用天然色素の1つとして認可された.日本においては現在,密蒙花色素の使用は認められていないが,その色素成分はクロセチン誘導体であるため,クチナシ又はサフランで着色されたものと誤認され,流通する可能性がある.そこで,密蒙花色素を判別する方法の開発に取り組んだ.密蒙花色素を分析した結果,acteosideとpoliumosideという phenylpropanoid glycoside を含有することが明らかとなった.同成分を指標成分としてモデル食品を作成し,その抽出液をフォトダイオードアレイ検出LC/MSで分析したところ,密蒙花色素で着色したモデル食品からのみ指標成分が検出された.Phenylpropanoid glycoside が通常の食品素材から見いだされたという報告はないため,同成分を指標成分とする密蒙花色素の分析法を開発できた.
  • 武田 由比子, 阿部 有希子, 石綿 肇, 山田 隆
    2001 年42 巻2 号 p. 91-95
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    HPLCによる粉末スープ中のポリソルベートの定量法について検討した.試料中の油脂成分をn-ヘキサンで除去後,アセトニトリルでポリソルベートを抽出した.抽出液をボンドエルートシリカゲルカートリッジ (500 mg) に負荷し,酢酸エチルで粉末スープ由来の妨害物質を流去した後,アセトニトリル-メタノール (1 : 2) でポリソルベートを溶出した.溶出したポリソルベートをチオシアン酸コバルトと反応させ,生成した青色の化合物を,GPCカラムを使用したHPLCで測定した.粉末スープでの添加回収率は 75% 以上であり,定量限界は 0.04 mg/g であった.市販の粉末スープ16件につき本法で分析したところ,いずれも不検出であった.
  • 関田 清司, 梅村 隆志, 斉藤 実, 小川 幸男, 上野 克典, 金子 豊蔵, 内田 雄幸, 松島 裕子, 川崎 靖, 黒川 雄二, 井上 ...
    2001 年42 巻2 号 p. 96-101
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    食品添加物,フクロノリ抽出物(FE)の 0,0.5,1.5 及び 5.0% 添加飼料を雌雄のラットに90日間摂取させる毒性試験を行った.結果,雌雄の 1.5% 群以上で摂取量の増加が.また,雄 5.0% 群で血清脂質(総コレステロール,中性脂肪)の弱い減少傾向が認められた.しかし,いずれの変化も毒性変化とは考察されなかった.以上のことから,FE 5.0% 添加飼料摂取,平均FE摂取量 mg/kg/day,雄で3,362 mg,雌で3,594 mg は毒性変化が認められない用量であると結論した.また,FEの一般毒性は弱いものと考察された.
ノート
  • 佐藤 元昭, 下川 志津男, 小畑 雅一, 田中 隆子, 中西 豊
    2001 年42 巻2 号 p. 102-108
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    有機リン系農薬チオメトンの回収率がネギなどではほぼ100% であるが,ニンジンなどでは 20% に満たないなど,作物によって大幅に異なった.分析操作の段階ごとに検討した結果,抽出に用いた酢酸エチルの劣化に由来するアセトアルデヒドがチオメトンを分解することを確認し,その分解物を推定した.また,ネギでは高い回収率を得られる原因として,アリウム属に多く存在するメルカプト基を持つ物質が分解を抑制していることを見いだした.この結果,チオメトンの残留分析に酢酸エチルを用いるときは,メルカプト基を有する化合物を添加すると良いことが明らかとなった.
  • 平田 恵子, 植松 洋子, 鈴木 公美, 飯田 憲司, 安田 和男, 斉藤 和夫
    2001 年42 巻2 号 p. 109-113
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    ラック色素製品(食品添加物及び標準試薬)中の色素成分及びその他の成分の分析を行った.色素の分析にはカラムに RP-18,移動相に 0.1 mol/L のクエン酸緩衝液-メタノール(16 : 5)混液を用いた.検出はフォトダイオードアレイ(PDA)を用い,280 nm 及び 490 nm で行い,確認はPDA及びエレクトロスプレーイオン化質量分析で行った.ラック色素製品のいずれからもラッカイン酸 A, B, C 及びEが検出され,Aの含有比率はすべての製品で 50% 以上を示した.ラッカイン酸 A, B 及びCの合計含有量は食品添加物製品で 775~858 g/kg,標準試薬で797及び 779 g/kg であった.食品添加物製品の色素以外の成分では水分が約 10% で最も多く,次いで粗脂肪 0.5~3.6% であった.
  • 辻 澄子, 天倉 吉章, 岡田 舞, 外海 泰秀
    2001 年42 巻2 号 p. 114-121
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    第7版食品添加物公定書に定められた5種の食用アゾ色素中の未反応原料,反応中間体及び副成色素などの有機性不純物の分析法は,個々の色素ごとに異なったHPLC条件が採用されている.そこで,多数の検体を迅速かつ簡便に測定するために,HPLC条件を検討した.その結果,0.02 mol/L 酢酸アンモニウム溶液を10分間保持した後,アセトニトリル-水混液(7 : 3)との直線濃度勾配系を利用したHPLC条件により,5種すべてのアゾ色素中の有機性不純物を定量できることが明らかになった.本法により,平成11年度の製品検査試料のうちアゾ色素163検体中の有機性不純物の含有量を測定した結果,すべて規格限度内であった.
  • 菊地 洋子, 島村 保洋, 広門 雅子, 安田 和男, 西島 基弘
    2001 年42 巻2 号 p. 122-127
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    マーケットバスケット方式に基づき全国9地域で調製した試料について6種のイソフラボン類(ダイジン,グリシチン,ゲニスチン,ダイゼイン,グリシテイン及びゲニステイン)の含有量を測定した.また,同試料を用いて塩酸による加水分解を行い,ダイゼイン,グリシテイン,ゲニステインの総量としても求めた.測定は逆相系カラムで水-メタノール溶液による直線グラジェント法を用いた.その結果により,日本人のイソフラボン類の一日摂取量を試算したところ,成人で平均 38.1 mg であることが分かった.これは食品中のイソフラボン類含有量測定結果から,国民栄養調査法による大豆,大豆製品喫食量に基づいて試算した日本人のイソフラボン類の一日摂取量(全国平均)35.1 mg と極めて近似していた.
  • 津村 ゆかり, 石光 進, 中村 優美子, 吉井 公彦, 開原 亜樹子, 外海 泰秀
    2001 年42 巻2 号 p. 128-132
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    調理用PVC製手袋の使用が規制されて2か月経過した2000年8月に,市販弁当(いわゆるコンビニ弁当)10検体中のフタル酸エステル類 (PhE) 11種及びアジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHA)を測定し,規制前と比較した.試験期間中の検出下限値は,フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)が 14.9 ng/g,フタル酸ジn-ブチル(DBP)が 18.6 ng/g であった.市販弁当中の各PhEの濃度は,DEHPが 45~517 ng/g(平均 198 ng/g),DEHAが不検出~90 ng/g,BBP が不検出~10.0 ng/g,フタル酸ジイソノニル(DINP)は1検体のみで検出され,その濃度は 76 ng/g であった.DEHP濃度は平均で前年調査時の22分の1に減少し,その他の化合物も減少した.DBPはすべての試料で不検出であった.
  • 岸 弘子, 川名 清子
    2001 年42 巻2 号 p. 133-138
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    イオン交換クロマトグラフィー(AEC)及び逆相HPLCによる食品中のスクラロースの分析法を検討した.食品中のスクラロースは水又はメタノールで抽出し,Sep-Pak C18 及び Sep-Pak Alumina N によりクリーンアップを行った.AECは,カラムに CarboPac PA1,移動相に 100 mmol/L 水酸化ナトリウム-50 mmol/L 酢酸ナトリウム溶液,検出はパルスドアンペロメトリー検出器を用いた.HPLCは,カラムに Inertsil ODS-3V,移動相にメタノール-水(25 : 75),検出は示差屈折検出器を用いた.AECによる添加回収率は 80.6~102.0%,定量限界はチューインガムが 2 μg/g,その他の食品が 0.5 μg/g,HPLC による添加回収率は 80.2~121.2%,定量限界はチューインガムが 20 μg/g,その他の食品が 5 μg/g であった.
  • 小林 千種, 中里 光男, 山嶋 裕季子, 大野 郁子, 河野 美幸, 安田 和男
    2001 年42 巻2 号 p. 139-143
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    RI-HPLC及びパルスドアンペロメトリック検出イオンクロマトグラフィー(PAD-IC)による広範囲の食品に適応可能なスクラロースの分析法を作成した.試料に 10% NaCl 含有 0.01 mol/L HCl を混和して透析膜に充てんし,0.01 mol/L HCl を透析外液として用い,24時間透析を行った.透析外液を Bond Elut ENV カートリッジに負荷して濃縮及びクリーンアップを行い,試験溶液を作製した.従来の前処理方法と比較して夾雑物の影響がなく,RI-HPLC及びPAD-ICの両分析法に適用することができた.両分析法のスクラロースの定量値はほぼ一致した.試料からの添加回収率は 88% 以上得られ,定量下限は前者で10 μg/g,後者で1 μg/g であった.
  • 下田 博司, 浅野 育子, 山田 恭史
    2001 年42 巻2 号 p. 144-147
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    サラシア・レティキュラータ(Salacia reticulata)水抽出エキス(SRE)の抗原性及び光毒性をモルモットを用いて検討した.能動的全身性アナフィラキシー反応において,SREの経口投与群(64及び 320 mg/kg,週5回,3週間)及び皮下投与群(64 mg/kg,週1回,3週間)は,アナフィラキシー反応を示さなかった.また,これらの動物から得た血清で感作した動物において,受身皮膚アナフィラキシー反応は惹起されなかった.更に光毒性試験において,SREの経口投与群(320 mg/kg)に皮膚の紅斑や浮腫形成は認められなかった.以上の結果より,SREは経口投与において抗原性や光毒性を有さないものと考えられる.
調査・資料
  • 尾花 裕孝, 起橋 雅浩, 阿久津 和彦, 田口 修三, 堀 伸二郎
    2001 年42 巻2 号 p. 148-153
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    n-ヘキサン,石油エーテル,ジエチルエーテル及び酢酸エチルを水や 10% 食塩水と分配抽出すると,n-ヘキサンと石油エーテル中の水分濃度は 0.1 mg/mL 程度であるが,ジエチルエーテルと酢酸エチルは 8~29 mg/mL の水分濃度を示した.ジエチルエーテルと酢酸エチルに溶け込んだ水を無水硫酸ナトリウムにより除去しようとしたが,顕著な脱水効果は認められなかった.酢酸エチルやジエチルエーテルに溶け込んだ水を除くには,n-ヘキサンを加え水を析出させてから無水硫酸ナトリウムを添加する方が,無水硫酸ナトリウムを単独で添加するよりも明らかに効果的であった.食品をアセトニトリル抽出し,食塩添加による塩析後の抽出液は約 6% の水分濃度を示したが,これに無水硫酸ナトリウムを加えても全く脱水効果はなく,トルエンを添加することにより水の一部と添加した食塩を除くことができた.また,トルエン添加による水除去を,有機リン系農薬分析に適用できることを確かめた.
  • 上垣 隆一, 殷 熙洙, 桑原 雅彦, 石井 康雄, 小原 裕三, 上路 雅子, 中村 幸二, 成田 伊都美
    2001 年42 巻2 号 p. 154-158
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    生茶葉と荒茶,及び荒茶の湯抽出液中から検出されるダイオキシン類の濃度を明らかにした.生茶から荒茶を製造する過程で乾物率は4倍増加したが,茶葉中のダイオキシン類の濃度(生葉で 0.048~0.48 pg-TEQ/g,荒茶で 0.14~0.82 pg-TEQ/g)は約2~3倍の増加で,茶葉の乾物率の増加よりも低い値を示した.また,荒茶の湯抽出液中でのダイオキシン類濃度はN.D.~0.00006 pg-TEQ/g であった.生茶と荒茶のダイオキシン類異性体の組成を比較すると,荒茶ではO8CDDを除く全異性体が減少した.
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