食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
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42 巻 , 6 号
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総説
報文
  • 鈴木 公美, 上村 尚, 井部 明広, 田端 節子, 安田 和男, 西島 基弘
    2001 年 42 巻 6 号 p. 354-358
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    梅酒を作製して種々の保管条件を設定し,保管実験を行い経時的にカルバミン酸エチル(EC)含量を測定した.梅酒を蛍光灯下,暗所,冷蔵庫内に保管したところ梅酒保管中のEC含量は,光の照射時間が長いほど及び温度が高いほど生成量が多かった.また,シアンの影響についてはシアン化カリウムを添加した条件が最も多かった.このことより,梅酒中のEC生成において光,温度のほかに,遊離シアンも増加に関与することが示唆された.次にモデル酒を作製し種々の保管条件のもと,保管実験を行い経時的にEC含量を測定した.セロファン(赤,黄,青)を用いて特定の波長域の影響を検討したところ,EC生成量は青セロファンが最も多かった.このことより,375~475 nm付近の光がEC生成量の増加に関与することが推察された.
  • 根本 了, 小村 麻子, 高附 巧, 佐々木 久美子, 豊田 正武
    2001 年 42 巻 6 号 p. 359-366
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    食品中の2,4,6-tri-tert-butylphenol (TTBP)を水蒸気蒸留で抽出しGC/MS (SIM)で測定する分析法を開発した.開発した方法は,di-tert-butylphenol (DTBP)の3種の異性体(2,4-DTBP, 2,6-DTBP及び3,5-DTBP)及び2,4-di-tert-pentylphenol (2,4-DTPP)の同時分析が可能であった.市販の食品101検体について汚染実態調査を行った結果,TTBPは肉類,レバー及び魚介類(筋肉)からそれぞれ痕跡量(tr)~0.50 ng/g,痕跡量及び tr~1.83 ng/g 検出された.2,4-DTBPは野菜・精白米,肉類,レバー,魚介類(筋肉)及び魚介類(内臓)からそれぞれ1.4~10.6 ng/g, 2.7~26.4 ng/g, tr~34.2 ng/g, tr~21.6 ng/g及び痕跡量検出された.2,6-DTBPは魚介類(筋肉)及び魚介類(内臓)からそれぞれtr~3.9 ng/g及び痕跡量検出された.3,5-DTBP及び2,4-DTPPは分析したいずれの食品からも検出されなかった.
  • 六鹿 元雄, 太田 久恵, 豊田 正武, 合田 幸広
    2001 年 42 巻 6 号 p. 367-373
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    ウイルス抵抗性遺伝子組換えパパイヤ及び非組換えパパイヤ中のカロテノイド成分について比較を行った.まず,フォトダイオードアレイ検出HPLC並びにLC/MSを用い,構造解析を行った結果,両パパイヤとも主カロテノイドはβ-カロテン,リコペン,β-クリプトキサンチン及びβ-クリプトキサンチンのカプロイル(C10), ラウロイル(C12)エステル体であることが明らかとなった.次に,これら5種の化合物の含有量を,両パパイヤについて比較検討した.果実の中央より可食部を取り出し,凍結乾燥後,メタノールで抽出,その後,ヘキサンとメタノールで分配抽出し,ヘキサン抽出物をHPLCで分析した.その結果,抽出物含量,総カロテノイド量,総β-クリプトキサンチン量ともに両者に有意な差は観察されなかった.
  • 堀江 正一, 吉田 栄充, 菊池 好則, 中澤 裕之
    2001 年 42 巻 6 号 p. 374-378
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    LC/MSによる食肉中に残留するストレプトマイシン(SM)及びジヒドロストレプトマイシン(DSM)の定量法を検討した.SM及びDSMは水溶性塩基性化合物であることから,イオン化にはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を採用し,ポジティブモードとした.LC条件は,カラムに TSKgel Super ODS (10 cm×2 mm i.d.), 移動相には5 mmol/L HFBA-アセトニトリル(88 : 12)を用い,流速は毎分0.18 mLとした.検出には,プロトン付加イオン[M+H]+を用い,結果をより確かなものとするために代表的フラグメントイオン(m/z 263)も同時にモニターした.本法における豚肉,牛肉に対する添加回収率は0.2 μg/gの添加で 70% 以上,検出限界は0.01 μg/gであった.
ノート
  • 辻 澄子, 海野 有紀子, 天倉 吉章, 外海 泰秀
    2001 年 42 巻 6 号 p. 379-384
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    第7版食品添加物公定書に従った食用赤色40号アルミニウムレーキ(R-40Al)中の副成色素などの有機性不純物のHPLC定量では再現性などに問題があった.これは試験液に存在する高濃度のアルミニウムが原因と考えられた.そこで,R-40Alをアンモニアアルカリ性で煮沸し,水酸化アルミニウムのコロイド状沈殿を除去した上清を試験液とする試験液調製法を開発した.本法により,再現性のある定量結果が得られ,添加回収率も改善された.また,食用黄色5号アルミニウムレーキについても適用可能であった.
  • 上野 英二, 大島 晴美, 斎藤 勲, 松本 浩
    2001 年 42 巻 6 号 p. 385-393
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    野菜・果実中の農薬残留モニタリングのための多成分分析法を検討した.極性農薬を含む63種の有機リン系農薬を対象として,アセトニトリル抽出,メスシリンダーを用いたろ過・塩析及び有機層の分取操作に加えて,GPCの農薬流出画分を2分し,それにシリカゲル及びフロリジルミニカラムを組み合わせた精製条件を確立し,多数の試料を連続してGC測定することが可能となった.GC装置には主として定量用にRtx®-OPPesticides (FPD, Pモード)を,確認用にRtx®-200 (NPD)を用いたデュアルカラム-デュアル検出器方式を採用し,1回の注入により対象としたすべての農薬の迅速な分析を可能とした.添加回収率は全農薬で 70% 以上,相対標準偏差は60種の農薬で 20% 未満,検出限界は0.5~2 ppbと良好であった.本法を用いて野菜・果実中の農薬残留モニタリングを行ったところ30検体中20検体から15種類の農薬(平均2.0種類/検体)が検出された.
  • 藤澤 倫彦, 相川 勝弘, 高橋 孝則, 山井 志朗, 上田 成子
    2001 年 42 巻 6 号 p. 394-397
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2009/03/25
    ジャーナル フリー
    市販の国産カレールー60検体についてボツリヌス菌及びウェルシュ菌を含めたClostridium 属菌の検出状況を平板培養法,パウチ法並びに増菌培養法の3種類の方法を用いて調査した.その結果,カレールー60検体中37検体(62%)よりClostridium 属菌が分離された.用いた検出法による検出率はそれぞれ平板培養法が0%,パウチ法が 5%,増菌培養法が 62% であった.このように用いた検出法の比較では,増菌培養法での検出率が他の検出法での検出率と比較してはるかに高かった.また,今回の調査ではボツリヌス菌は検出されなかったが,7検体(12%)からエンテロトキシン非産生性のウェルシュ菌が分離された.
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