食品衛生学雑誌
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43 巻, 6 号
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報文
  • 田中 啓子, 竹谷 光司, 工藤 由起子
    2002 年43 巻6 号 p. 323-329
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    冷凍して流通・販売され解凍後に冷蔵保存して喫食されるケーキの衛生管理を目的とし,ケーキ中の細菌増殖抑制と迅速品質評価法を検討した.モデル食品を冷凍保存した後に 10℃,72時間冷蔵保存した際の細菌数の変化について,冷凍温度及びエタノール又は乳化剤の有無の影響を検証した.その結果,一部の冷凍温度において添加物使用による細菌増殖抑制が認められた.また,10℃,72時間後の一般生菌数を予測する迅速測定法を検討した.その結果,20℃,24時間又は Trypticase soy broth 中 35℃,6時間培養の2方法いずれとも 10℃,72時間後の一般生菌数と高い相関があり(相関係数 0.87,0.83),この方法により冷蔵保存後の微生物学的品質の迅速推定が可能であった.更に,ATP-バイオルミネッセンス法を利用した一層の検査時間の短縮が可能であった.
  • 津村 ゆかり, 吉井 公彦, 石光 進, 外海 泰秀
    2002 年43 巻6 号 p. 330-338
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    かんきつ類中のN-メチルカルバメート(NMC)系農薬21種及びそれらの代謝物又は異性体12種を,ジクロロメタンを用いずに同時に分別定量する方法を検討した.レモン,オレンジ,グレープフルーツをアセトン抽出,次いで塩化ナトリウムを添加後酢酸エチルで再抽出し,Supelclean ENVI-Carb 及び Mega Bond Elut SAX の2種のミニカラムを組み合わせて精製した.NMCはポストカラム反応蛍光検出HPLC(以下HPLC)で定量した.HPLCの保持時間が妨害ピークと一致したNMCは,LC/MS (SIM) を用いて定量した.HPLCとLC/MSの双方で定量したNMC(83例)について定量値の一致度を計算した結果,r2=0.9178とよく一致していた.添加回収率(0.1 ppm添加)は一部のNMCを除き,60.1~97.8% であった.
  • 合田 幸広, 穐山 浩, 酢山 恵美子, 高橋 敏, 金城 順英, 野原 稔弘, 豊田 正武
    2002 年43 巻6 号 p. 339-347
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    遺伝子組換えダイズ後代交配品種6品種及びダイズ非遺伝子組換え品種6品種について,ダイズの主要な二次代謝物であるソヤサポニン及びイソフラボンの含量比較を行った.まず,抽出,分画操作で得られる各画分の重量について比較したところ,組換え,非組換えダイズにかかわらず,どのダイズにおいても,各画分の重量は,ほぼ一定であった.更に,粗ソヤサポニン及び粗イソフラボン画分についてHPLC分析を行ったところ,組換えダイズ,非組換えダイズの各ソヤサポニン及びイソフラボンの平均含量には,有意な差がないことが判明した.したがって,組換えダイズ後代交配品種は非組換え品種に対し,主要な二次代謝物含量において,差異が認められないことが明らかとなった.
ノート
  • 秋山 卓美, 山中 理子, 伊達 由紀子, 久保 田浩樹, 長岡(浜野) 恵, 川崎 洋子, 山崎 壮, 四方田 千佳子, 米谷 民雄
    2002 年43 巻6 号 p. 348-351
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    パン中に残存する臭素酸カリウムを,IC/ICP-MSを用いて高感度かつ特異的に分析する方法を検討した.臭素酸イオンを水で抽出し,ろ過,C18カラムによる脱脂,銀カラムによる陰イオン除去,限外ろ過によるタンパク質除去及び陽イオン交換カラムによる銀イオン除去を行った後,検液 500 μL を分析した.本法の検出限界は臭素酸として検液中 0.3 ng/mL,パン試料中 2 ng/g であり,定量限界は検液中 1.0 ng/mL,パン試料中 5 ng/g であった.5 ng/g における添加回収率は約 90%,変動係数は約 2% であった.検液中の検出限界とパンからの回収率より,本法の検出限界を 2 ng/g とした.
  • 千野 誠, 佐藤 恭子, 山崎 壮, 米谷 民雄
    2002 年43 巻6 号 p. 352-355
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    天然添加物のホコッシ抽出物について,その含有成分及び食品に使用された場合の分析法について検討した.ホコッシ抽出物の主成分をシリカゲルカラム及びODSカラムで分取し,TLC,LC/MS,NMR などによりbakuchiolと同定した.ホコッシ抽出物からは bavachinin A も検出された.ホコッシ抽出物分析の指標となるbakuchiolについてSep-Pakカートリッジを用いたホコッシ種子からの調製についても検討した.食品中のbakuchiolは,60 vol% エタノールで希釈し Sep-Pak C18 カートリッジにより精製し,HPLCで分析した.粉末食品は,60 vol% エタノールを加えて超音波処理,遠心分離を行い,上清についてカートリッジ精製し,HPLC用試料液とした.市販食品にホコッシ抽出物を添加し,bakuchiolを指標として求めた回収率は72~99%,その検出限界は 25 μg/g であった.
  • 小林 麻紀, 永山 敏廣, 高野 伊知郎, 田村 康宏, 立石 恭也, 富澤 早苗, 木村 奈穂子, 北山 恭子, 斉藤 和夫
    2002 年43 巻6 号 p. 356-361
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    マレイン酸ヒドラジドの簡易な分析法について検討した.農産物中のマレイン酸ヒドラジドは水で抽出し,Bond Elut® ACCUCAT カートリッジで精製した.マレイン酸ヒドラジドは,紫外部吸収検出器(測定波長 303 nm)を装着したHPLCにより,簡便に精度良く測定できた.15種類の農産物にマレイン酸ヒドラジドを1.0及び 10 μg/g 添加したときの回収率はそれぞれ 92.6~104.9% 及び 94.2~101.3%,検出限界は 0.5 μg/g であった.本法を用いて市販農産物55種242検体について調査したところ,輸入たまねぎ2検体から4.9及び7.2 μg/g 検出された.
  • 田村 康宏, 永山 敏廣, 高野 伊知郎, 小林 麻紀, 富澤 早苗, 立石 恭也, 木村 奈穂子, 北山 恭子, 斉藤 和夫
    2002 年43 巻6 号 p. 362-365
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    残留農薬分析時にキウイフルーツからGCクロマトグラム上で高頻度に検出される未知ピークをGC/MSで同定したところ,可塑剤や難燃剤として使用されているリン酸ジフェニル2-エチルヘキシル(DPEHP)であることを確認した.キウイフルーツ中のその含有量を調査したところ,15検体中10検体より 0.02~0.14 μg/g 検出された.その検出原因を調査したところ,ポリエチレンテレフタレート(PET)製梱包容器の印刷部分から移行したことが示唆された.
  • 佐々木 久美子, 辰濃 隆, 野村 孝一, 今澤 剛, 宇都宮 領, 金子 正堅, 近藤 安昭, 三枝 晃次郎, 戸田 聡, 永山 敏廣, ...
    2002 年43 巻6 号 p. 366-370
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    日焼け防止剤エトキシキン(ET)の食品衛生法告示試験法を改良した分析法について共同実験を行って評価した.この分析法ではETの分解を抑制するために,ホモジナイズ時にチオ尿素を添加し,試験溶液に酸化防止剤BHTを添加した.また,抽出効率を上げるためにヘキサンに代えてアセトンを抽出溶媒とした.6分析機関で 0.2 μg/g のETを添加したりんご,洋なし,日本なしを分析したときの平均回収率は 83.0~85.3%,併行再現性及び室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ 3.8~4.7%,7.8~11.3% と良好な結果が得られた.各機関での検出限界は 0.001~0.025 μg/g であった.ETを添加したりんご及びなしの試験溶液ではLC/MS及びGC/MSによるマススペクトルの確認が可能であった.
  • 根本 了, 高附 巧, 佐々木 久美子, 米谷 民雄
    2002 年43 巻6 号 p. 371-376
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    試料に内標準として 13C 標識したアクリルアミド-1-13Cを添加して水抽出し,酸性条件下臭化カリウム-臭素酸カリウムで臭素化し,生じた2,3-DBPAをトリエチルアミンで脱臭化水素して2-BPAとした後,GC/MS (SIM) で定量する食品中のアクリルアミドの分析法を確立した.ポテトチップス,コーンスナック,プレッツェル及びほうじ茶を用いて添加回収実験を行った結果,回収率 97~105% 及び相対標準偏差 0.8~3.9% の良好な結果が得られた.また,本分析法の検出限界は 9 ng/g であった.市販食品31検体の実態調査を行った結果,アクリルアミドは,ポテトチップスから 466~3,340 ng/g 検出され,その他の食品からは不検出~520 ng/g 検出された.
調査・資料
  • 津村 ゆかり, 開原 亜樹子, 石光 進, 吉井 公彦, 外海 泰秀
    2002 年43 巻6 号 p. 377-384
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    国産23試料,輸入80試料,合計103試料の瓶詰め食品のキャップシーリング中の可塑剤の種類及び含有量を調査した.103試料中93試料から炎色反応により塩素を検出した.そのうち62試料からフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP),フタル酸ジイソデシル,アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル),フタル酸ジイソノニル,フタル酸ジシクロヘキシル,クエン酸アセチルトリブチル,ジアセチルラウロイルグリセロールのいずれか又は複数が検出された.DEHPが検出されたもののうち12試料については,瓶内容物中の可塑剤含有量も調査した.油脂分の含まれる流動性の高い食品に対して,DEHPの移行が認められたが,1回の摂取で耐容一日摂取量を超えるものはなかった.またDEHPが最も多く検出された食品について,種々の保存条件における移行量を検討した結果,振とうによってキャップシーリングから食品へのDEHPの溶出が促進されることが示唆された.
  • 川嶋 陽子, 長島 裕二, 塩見 一雄
    2002 年43 巻6 号 p. 385-388
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    肉食性巻貝9科29種の唾液腺について,マウス致死活性及びテトラミン含量を調べた.マウス致死活性は14種に検出され,そのうち4種(カブトアヤボラ,カコボラ,イソニナ,エゾバイ)の毒成分は易熱性,8種(クリイロエゾボラ,フジイロエゾボラ,ヒメエゾボラ,アツエゾボラ,マルエゾボラモドキ,コエゾボラモドキ,クビレバイ,テングニシ)の毒成分は耐熱性であることを確認した.テトラミンの定量結果からクビレバイの耐熱性毒はテトラミンとは異なる未知の成分であったが,その他7種の耐熱性毒は高濃度に含まれるテトラミンであることが判明した.なお,テトラミンが高濃度に検出された7種のうち6種はエゾバイ科であるが,テングニシのみはカンムリボラ科に属することが注目された.
  • 起橋 雅浩, 北川 陽子, 阿久津 和彦, 尾花 裕孝, 堀 伸二郎
    2002 年43 巻6 号 p. 389-393
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    近年残留基準の定められたベンゾイルフェニル尿素系殺虫剤や,米のみに基準が定められた除草剤などで,公定試験法がHPLC-UV測定である農薬17種を,LC/MSを用いて測定する方法を検討した.特に分析時間の短縮や溶媒使用量の削減に重点を置き,アセトニトリル抽出と固相による精製の組み合わせを用いた.玄米,オレンジ,ばれいしょを対象とした 0.1 μg/g の添加回収実験では,作物と農薬の組み合わせで一部低い回収率となったが,残留基準が定められている組み合わせでは,回収率72~93%,相対標準偏差 10% 付近という結果が得られた.
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