食品衛生学雑誌
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43 巻, 1 号
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  • 高附 巧, 根本 了, 佐々木 久美子, 豊田 正武
    2002 年 43 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    果実中のエチクロゼート(CIE)及び分解物の5-chloro-3(1H)-indazolylacetic acid (CIA)のHPLC及びLC/MSによる分析法を確立した.試料から塩酸酸性下,CIE及びCIAをアセトンで抽出後,エーテル-ヘキサン(2 : 1)で再抽出し,メタノール-4 mol/L水酸化カリウム溶液(1 : 1)でCIEをCIAに加水分解した後,塩酸酸性としてCIAをエーテル-ヘキサン(2 : 1)で抽出した.これをシリカゲルカラムで精製し,HPLC-UV及びLC/MSで測定した.4種の果実にCIE又はCIAを0.5 μg/g添加しHPLCで測定したときの平均回収率は,それぞれ 77.2~83.2%, 71.2~89.2% であった.LC/MSで定量したときの値は,これらより 10~25% 高かった.CIA標準液の検出限界は,試料中のCIEに換算して0.015 μg/g (HPLC), 0.009 μg/g (LC/MS : SIR)であった.
  • 羽石 奈穂子, 植松 洋子, 安野 哲子, 萩原 輝彦, 樺島 順一郎, 荒木 理江, 鎌田 国広
    2002 年 43 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    フロリジルカートリッジを用いた食品添加物ショ糖脂肪酸エステル中のジメチルホルムアミド(DMF)の定量法を確立した.試料をアセトン又はヘキサンに溶解しフロリジルカートリッジに負荷した後,アセトンでDMFを溶出した.DMFの定量はGC-FIDで行った.ショ糖脂肪酸エステル1 gに対しDMFを0.5~100 μg添加したときの回収率は 93.3~102.6% であり,定量限界は0.5 μ/gであった.
  • 大橋 実
    2002 年 43 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    酸素センサー法を用い,5℃,20℃,30℃に保存したサバとマグロのK値とヒスタミン(Hm)の生成量を測定した.サバは5℃の低温保存下でもHmが生成した.そして各温度ともK値が約 60% のまだ可食レベルにあるうちに,HmはFDAの注意喚起レベル(DAL=5 mg/100 g) に達することが注目された.マグロは5℃ 保存ではHmの生成は少なく8日後でも0.6 mg/100 gの低レベルで規制値よりかなり低レベルであった.しかし,温度上昇に伴い生成速度の急増が見られ,1日以内にサバと同様にDALを超し健康上有害とされるAL (=50 mg/100 g)に達することを認めた.魚肉食品の安全性の監視には,K値測定に併行したHm測定の必要性を指摘した.
  • 上野 清一, 青木 和子, 石崎 睦雄
    2002 年 43 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    Spore rec-assayの試験操作を簡略化し,汎用性の高い方法とするため,従来の胞子寒天プレートの代わりに市販の菌数測定用簡易培地を用いる方法を検討した.簡易乾燥培地(コンパクトドライ)中心部にB. subtilis M45Rec-及びH17Rec+それぞれの胞子浮遊液1 mLを接種し,これをspore rec-assayのプレートとした.M45及びH17それぞれのプレート中心部に検液などをしみ込ませたペーパーディスクをおき,37℃,2日間培養する.各プレートに 0.01% 3-(4,5-dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium bromide水溶液0.5 mLをほぼ均等に添加し,5分間放置後,阻止円の直径を測定し生育阻止帯の長さを計算した.本法によるマイトマイシンCとTrp-P-1のdose-response curveは直線性を示した.また,本法で食品添加物3品目のDNA損傷活性を検討した結果,従来法と一致する結果が得られた.
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