食品衛生学雑誌
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43 巻, 3 号
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報文
  • 新藤 哲也, 牛山 博文, 観 公子, 上原 真一, 安田 和男, 高野 伊知郎, 斉藤 和夫
    2002 年43 巻3 号 p. 115-121
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    アロエ飲料に含まれる4種のバルバロイン(BA)関連化合物を分取HPLCにより分取し,化学構造の解明を行った.4種のBA関連化合物はLC/MS,1H-NMR及び 13C-NMR の測定結果より,いずれも分子量が834のBAの二量体で立体異性の関係にある化合物であることが分かった.更にCOSY,HMBC及びHMQCスペクトルなどの解析から,いずれも一方のBAの10位と他方のBAの7'位が結合した新規化合物であることが明らかとなった.このことからアロエ飲料中のBAは保存中に一部二量体へと変化していることが示唆された.
  • 新藤 哲也, 牛山 博文, 観 公子, 上原 真一, 安田 和男, 高野 伊知郎, 斉藤 和夫
    2002 年43 巻3 号 p. 122-126
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    市販キダチアロエ飲料31検体中30検体からバルバロイン(BA),イソバルバロイン(isoBA)が検出され,31検体すべてからアロエエモジン(AE)が検出された.前報で報告したBAの二量体(aloin-dimer) A, B, C及びDはいずれも31検体中8検体から検出された.飲料を4週間保在したところ,ほとんどの飲料でBA及びisoBAが減少し,aloin-dimer及びAEが増加したが,これらがいずれも減少した飲料も見られた.それらの飲料ではBAの三量体が生成していたことから,飲料中のBAは保存中に二量体となり,更に三量体へと変化しているものと推察された.
  • 高橋 京子, 田中 康夫, 細井 志郎, 日高 利夫, 臼井 進
    2002 年43 巻3 号 p. 127-132
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    2つの注入口に同種カラムを装着し,それぞれをECD及び質量分析計につなげた,ECD付きGC/MSシステムを確立した.各カラムの保持時間が同一になるようにカラム流量の調整を行い,相互データの関連性を持たせた.このシステムを用いて,有機塩素系及びピレスロイド系農薬分析において,野菜7検体中の未知ピーク物質の同定を行った.その結果,ブロモプロピレートなどの5種の農薬が同定された.ブロモプロピレートについて添加回収試験を行ったところ,回収率,CVともに良好な結果が得られた.更に,両検出器でブロモプロピレートの定量を行った結果,MSとECDでほぼ同様の数値が得られた.本システムでは,従来困難であった未知ピーク物質の同定が容易になり,食品衛生上有用なデータを取ることができると考えられた.
  • 小林 麻紀, 永山 敏廣, 高野 伊知郎, 田村 康宏, 木村 奈穂子, 北山 恭子, 斉藤 和夫
    2002 年43 巻3 号 p. 133-143
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    農産物中のN-メチルカルバメート系農薬及びその代謝物を含む38種類について精製及び一斉分析法について検討した.農産物中のN-メチルカルバメート系農薬はアセトンで抽出した後,ジクロロメタンに転溶した.次いで,SupelcleanTM ENVITM-Carb SPE,Bond Elut® PSA及びSAXの順に直列に接続したカートリッジに負荷し,アセトン-n-ヘキサン混液で溶出して精製した.この精製処理により既存法では問題となる妨害成分の多いかんきつ類をはじめ種々の農産物中のN-メチルカルバメート系農薬が,ポストカラム反応蛍光検出器付きHPLCにより精度良く一斉分析できた.種々の農産物にN-メチルカルバメート系農薬を 0.10 ppm 添加したときの回収率はおおむね60~110% であり,検出限界は 0.005 ppm であった.
  • 橋本 多美子, 西尾 幸郎, 西堀 尚良, 吉岡 信二, 野口 玉雄
    2002 年43 巻3 号 p. 144-147
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    C8やODSよりも保持力の強いC30カラムを用い,麻痺性貝毒成分のゴニオトキシン(GTX)群をHPLCとLC/MSの両方で分析できる方法を開発した.移動相に揮発性の 5 mmol/L ヘプタフルオロ酪酸と 2% アセトニトリルを含む 10 mmol/L 酢酸アンモニウムを採用した.この新しいHPLC分析法は,毒化アサリの分析でこれまで定量測定が困難であったGTX群を妨害成分の影響を受けずに分析することができた.更に,このLC条件はソニックスプレーイオン化法(SSI)を用いたLC/MS (LC/SSI-MS) によるGTX群の分析を可能にした.
  • 関田 清司, 梅村 隆志, 斉藤 実, 小川 幸男, 上野 克典, 金子 豊蔵, 内田 雄幸, 松島 裕子, 川崎 靖, 井上 達
    2002 年43 巻3 号 p. 148-154
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    食品添加物クーロー色素(色価30,プロピレングリコール,塩化カリウム,塩素,カリウム及びナトリウムをそれぞれ 79.9,5.8,0.8,1.62 及び 0.06% 含有)の 0,0.5,1.5 及び 5.0% 添加飼料を雌雄のラットに90日間投与する毒性試験を行った.その結果,投与に関連すると思われる変化は認められなかった.5.0% 添加飼料の投与から算出した平均クーロー色素摂取量,雄で 2,993 mg/kg/day,雌で 3,376 mg/kg/day は,毒性変化が認められない用量(NOAEL)であると結論した.また,高濃度の添加飼料の投与で毒性変化が認められなかったことより,クーロー色素に顕著な一般毒性は認められないものと考察された.
  • 藤川 浩, 諸角 聖
    2002 年43 巻3 号 p. 155-159
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    通常のルミノメーターを使い,試料培養中の細菌由来アデノシン3-リン酸(ATP)の増加測定量から,試料中の初期細菌数の推定する新しい2つの方法を検討した.その1つはある一定時間後のATP増加量からその菌数を推定するエンドポイント法である.この方法は各種濃度の大腸菌液において適用でき,更に黄色ブドウ球菌,枯草菌など4種の食品由来菌でも適用できた.他の1つは培養によるATP増加曲線の対数的増加期開始時間の遅れから,その初期菌数を推定する時間遅れ法である.この方法も大腸菌などの上記の細菌に対して適用できた.以上の結果から,これらの方法は試料液中の細菌数推定に適用できると考えられた.
  • 藤川 浩, 井部 明広, 和宇慶 朝昭, 諸角 聖, 森 治彦
    2002 年43 巻3 号 p. 160-164
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    以前報告した P. corylophilum による食品用離型油からの香粧臭生成の機構を解明するため,各種の炭素鎖長の食用油及びその構成成分からの本菌による揮発性物質生成を解析した.一般の食用油ではココナッツオイルからのみ香粧臭の生成が認められた.トリアシルグリセロール及び飽和脂肪酸からはその構成脂肪酸から1つ炭素数の少ないケトンとアルコールが主に生成された.揮発性物質が生成可能な炭素鎖長はトリアシルグリセロール及び脂肪酸でそれぞれC6-C11とC10-C11であり,前者の方が炭素鎖長の範囲が広かった.離型油からの香粧臭はトリアシルグリセロールとしてはC8-C10の構成脂肪酸から,脂肪酸としてはC10のものから生成したと推測された.また,短鎖脂肪酸及びそれらからなるトリアシルグリセロールでは,本菌の増殖と揮発性物質生成に抑制が見られた.
  • 青木 和子, 上野 清一, 石崎 睦雄
    2002 年43 巻3 号 p. 165-168
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    食品中の亜硫酸を亜硫酸オキシダーゼで硫酸に酸化する際に生じた過酸化水素を,メタノール存在下でカタラーゼ処理し定量的にホルムアルデヒドを発生させ,そのホルムアルデヒドを3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラゾンと反応させて波長 635 nm で吸光度を測定することにより定量する方法を考案した.本法は前処理に蒸留などの煩雑な操作は不要であり,多数の検体を同時に測定できるほか,遊離型・結合型の区別なく全亜硫酸量が測定できる.本法をかんぴょう及びこんにゃく精粉に適用した場合の添加回収率は 97~104%,測定値の変動係数は 6% 以下と良好な結果が得られた.
ノート
  • 渡辺 貞夫
    2002 年43 巻3 号 p. 169-172
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    除草剤グルホシネート及び代謝物MPPAの食品衛生法告示試験法の迅速化を目的に改良し,大豆及びトウモロコシに適用した.強塩基性陰イオン交換樹脂 5 mL を充てんしたカラムに,検体抽出液(2 g 相当)を負荷し,カラムからグルホシネート及びMPPAを 50% 酢酸 40 mL で同時に溶出させた.オルト酢酸トリメチルで誘導体化した後,シリカゲルカートリッジカラムで両者を分離・精製し,GC-FPDで測定した.大豆及びトウモロコシに適用したところ,良好な回収率が得られた.検出限界は,グルホシネート 0.01 μg/g,MPPA は 0.005 μg/g であった.回収率はグルホシネートが86.3~92.0%,MPPAは86.5~95.2% であった.
  • 武木田 薫, 菊池 裕, 山崎 壮, 掛谷 知志, 高鳥 浩介, 棚元 憲一, 澤田 純一, 谷村 顕雄
    2002 年43 巻3 号 p. 173-177
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    食品中の異常プリオンタンパク質検出法の確立を目的とし,競合的ELISAによるウシ由来試料の測定を検討した.ウシ・プリオンペプチドに対するウサギ・ポリクローナル抗体を調製して 12~1,200 ng の組換えウシ・プリオンタンパク質(rBoPrP)が測定可能な競合的ELISAを構築し,ウシ大脳皮質中のプリオンタンパク質を定量した.測定系を食品試料に対するrBoPrPの添加実験で評価したところ,挽肉粗抽出物では添加量の約2倍の値を,大腸粗抽出物では添加量より低い値を示した.本法は添加したrBoPrPを簡便に測定でき,試料の前処理法を検討する方法としての利用が期待できる.
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