食品衛生学雑誌
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43 巻, 4 号
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報文
  • 川崎 洋子, 杉本 直樹, 佐藤 恭子, 山崎 壮, 石綿 肇, 米谷 民雄
    2002 年 43 巻 4 号 p. 191-195
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    カナダより輸入申請されたアップルシロップ製品中の未知赤色色素について検討した.その結果,我が国において食品への使用が認められていない耐酸性コチニールの主色素である4-アミノカルミン酸を初めて検出・同定した.また同時に,本色素の精製法について検討するとともに,HPLCの保持時間,紫外可視吸収スペクトル,TLC及び色素溶液の色調による確認法について検討した結果,4-アミノカルミン酸がコチニール色素の主色素成分であるカルミン酸と容易に区別可能であることが分かった.
  • 山田 信之, 高畑 寿太郎, 佐々木 久美子, 豊田 正武, 中村 隆二, 吉田 菊喜
    2002 年 43 巻 4 号 p. 196-201
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    農産物中のジクロルボス(DDVP)及びトリクロルホン(DEP)について,アセトン抽出,酢酸エチル転溶,シリカゲル精製後,DEPを誘導体化してDDVPと同時にGC-FPDで定量する分析法を検討した.DEPの誘導体化は,抽出精製液を乾固後,N-メチルビス(トリフルオロアセトアミド)と0.1% ピリジン-アセトン溶液を加え,60℃ で2時間行った.添加回収試験で,DDVPは 72.6~117.7%,DEPは86.2~106.6% の回収率であった.定量下限値はDDVP及びDEPともに0.01 μg/g以下(抹茶は0.03 μg/g)であった.更に,確立した試験法について6分析機関による共同実験を行い,試験法の妥当性を評価し,良好な結果を得た.
  • 田口 修三, 吉田 精作, 田中 之雄, 堀 伸二郎
    2002 年 43 巻 4 号 p. 202-207
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    迅速かつ健康と環境に配慮したアフラトキシン分析法を,新たに作製したクリーンアップカラムと光誘導化HPLCを適用して開発した.クリーンアップカラムは市販の多機能固相抽出カラムに塩基性アルミナと酸化マグネシウムを積層して作製した.生落花生,コーン,そば粉及びとうがらし中のアフラトキシンの分析にこのミニカラムは非常に有効であった.特にコーンにおいては分析を妨害する蛍光物質が酸化マグネシウム層の最上部に強固に吸着され除くことができた.試料にアフラトキシンB1,B2,G1,G2の10,3,10,3 ng/g及び1.0,0.3,1.0,0.3 ng/gを添加したときの回収率は 80% 以上で,変動係数はとうがらしに低濃度添加したとき以外は 12% 以内であった.生落花生,コーン,そば粉での検出下限はB1,G1で0.3 ng/g,B2,G2で0.1 ng/gであった.とうがらしでの検出下限はB1,B2,G1,G2で0.5 ng/gであった.
  • 大野 浩之, 鈴木 昌子, 中島 重人, 青山 大器, 三谷 一憲
    2002 年 43 巻 4 号 p. 208-214
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    食品用器具・容器包装などに使用されるポリ塩化ビニル(PVC)やシリコーン樹脂のプラスチック製品に含有する有機スズ化合物9種類の一斉分析法を検討した.試料を塩酸酸性下で溶媒抽出し,濃縮及び遠心分離によって前処理した後,テトラエチルホウ酸ナトリウムによるエチル誘導体化を行い,GC/MS (SIM)で測定することによって,簡便かつ精度の高い方法を確立した.本法を用い,80検体の含有量を調査したところ,PVC製の食品用容器,手袋,注ぎ口,ホース,パイプの37検体からジオクチルスズ化合物など8種類の有機スズ化合物が検出された.
  • 河村 葉子, 六鹿 元雄, 和久井 千世子, 米谷 民雄
    2002 年 43 巻 4 号 p. 215-220
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)含有ポリ塩化ビニル製手袋の食品用途への使用自粛が通知され,それに対応して非フタル酸エステル系可塑剤使用と表示したポリ塩化ビニル製手袋が製造されるようになった.これらの手袋から幾つつかの未知化合物群を検出したので同定を行ったところ,可塑剤のジエチレングリコールジベンゾエート,トリエチレングリコールジベンゾエート,ジプロピレングリコールジベンゾエート及びアルキルスルホン酸フェニルエステルと確認された.既知のアジピン酸ジイソノニルを含む手袋中の可塑剤含有量は37.5~48.9%,n-ヘプタンへの溶出量は1,010~1,390 ppmと極めて高かった.今回同定された化合物はいずれも食品用ポリ塩化ビニル製品への使用実績がほとんどなく,業界自主基準にも収載されていなかった.
  • 川崎 洋子, 久保田 浩樹, 四方田 千佳子, 米谷 民雄
    2002 年 43 巻 4 号 p. 221-224
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    パン中の臭素酸塩の微量分析法を検討した.臭素酸塩は水で抽出し,遠心分離・ろ過後,ろ液を0.2 μmフィルター,脱塩素用銀カラム,陰イオン交換カートリッジOasis MAXの順に通過させた.MAXを20 vol% 酢酸及び水で洗浄し,0.5% 硝酸ナトリウム溶液を用いて臭素酸塩を溶出させ,o-ジアニシジンによる発色を利用したポストカラムHPLCで測定した.本法の定量限界は2 ng/gであり,2~10 ng/gにおける添加回収率は68~72%,変動係数は6.9% であった.
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