食品衛生学雑誌
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43 巻, 5 号
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報文
  • 畑野 和広, 中尾 朱美
    2002 年43 巻5 号 p. 267-272
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    LC/MS/MSによる食品中のスクラロースの分析法について検討した.ODSカラムを用い,移動相は2 mmol/L酢酸アンモニウム-アセトニトリルを用いてグラジエント分析を行った.イオン化はエレクトロスプレーイオン化法を用い,ネガティブモードで行った.試料を水又はメタノールで抽出し,C18カートリッジによりクリーンアップを行った後,水で希釈し試験溶液とした.試料にスクラロースを100 μg/g添加したときの回収率は 88.1~96.7% で,5 μg/g添加したときの回収率は 92.7~98.5% であった.定量下限値は清涼飲料水,発泡酒,ヨーグルトが0.5 μg/gで,その他の食品が2.5 μg/gであった.本法を用いてスクラロースの使用表示がある43の市販食品について分析した結果,いずれの検体からも検出範囲3.8~481 μg/gで検出された.
  • 手島 玲子, 渡邉 敬浩, 奥貫 晴代, 五十鈴川 和人, 穐山 浩, 小野寺 博志, 今井 俊夫, 豊田 正武, 澤田 純一
    2002 年43 巻5 号 p. 273-279
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    人工胃液による分解が,比較的遅いCry9Cタンパク質が導入されているCBH351とうもろこし(GM corn)につき,BNラット及びB10Aマウスに亜急性毒性期間(13週間)の 50% 混餌飼料の投与を行い,動物の免疫系への影響を検討した.同等の栄養成分を有する近親(isoline)の非組換え(non-GM)とうもろこしを対照として用いた.マウス,ラットともGM,non-GM両群の体重及び餌の摂取量に有意差は見られず,各種主要臓器の病理組織像及び血液学的検査において,両群とも異常は認められなかった.Cry9Cタンパク質に対する特異的IgG,IgG1抗体価の上昇は,GM投与ラットにおいて,わずかに見られたが,IgE,IgA抗体価の上昇は,両群ともに認められず,今回の亜急性毒性実験では,アレルギー性を示す結果は得られなかった.
ノート
  • 武田 和夫, 石黒 寛, 田中 里恵, 丸山 純一, 笠松 隆志, 大川 真, 堀 伸二郎
    2002 年43 巻5 号 p. 280-288
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    残留農薬の一斉分析に,GC/MS/MSを使用したときの感度及び精度を明らかにし,その有用性を検証することを目的として検討を行った.4種の農産物(ほうれんそう,にんじん,たまねぎ及び玄米)をそれぞれアセトン抽出し,GPCカラム及びグラファイトカーボンカートリッジで精製したものをマトリックス試料とし,35種類の農薬を添加して分析精度の検討を行った.その結果,検出限界はGC/MS (SIM)と比較してほぼ同等であった.各種マトリックスを添加した農薬標準溶液の測定再現性は,0.1 μg/mL及び0.05 μg/mLの濃度においてそれぞれ良好であったが,0.02 μg/mLでは35農薬中20農薬において変動係数が 10% 以上となった.SIM測定では避けられないマトリックス成分による妨害ピークも,GC/MS/MSを使用することによって影響を排除できる例が複数確認された.
  • 野尻 宗子, 中里 光男, 粕谷 陽子, 高野 伊知郎, 大石 充男, 安田 和男, 鈴木 助治
    2002 年43 巻5 号 p. 289-294
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    食品中の合成甘味料スクラロースのHPLCによる高感度分析法を開発した.すなわち,スクラロースをp-ニトロベンゾイルクロライド(PNBCl)を用いてUVラベル化することにより,高感度分析が可能となった.まず,試料を透析し,Bond Elut ENVカートリッジでクリーンアップを行った後,スクラロースをPNBClで誘導体化した.反応生成物は,Sep-Pak Silicaカートリッジに負荷して精製後,試験溶液とした.HPLCによる分離には,カラムにInertsil Ph-3,移動相にはアセトニトリル-水(73 : 27)を用い,UV 260 nmで測定した.試料からの添加回収率は 76.2% 以上であり,定量限界は0.005 g/kgであった.
  • 植松 洋子, 鈴木 公美, 飯田 憲司, 平田 恵子, 植田 忠彦, 鎌田 国広
    2002 年43 巻5 号 p. 295-300
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    カンゾウ抽出物中低濃度のメタノール及びエタノールの分析法として,大容量注入ヘッドスペースGCを確立した.バイアルを50℃で加温し,ヘッドスペースサンプラーを用いて,0.75分間GC装置に注入した.GCカラムとしてPoraplot Qを用いカラム初期温度を 35℃とすることにより,ピークの広がりもなく,定量限界は試料中5 μg/gであった.1999年に入手した試料からは10,000 μg/gを超えるメタノールが検出されたが,2000年に入手した試料では最高270 μg/gであった.
  • 穐山 浩, 渡邉 敬浩, 和久井 千世子, 千葉 良子, 渋谷 雅明, 合田 幸広, 豊田 正武
    2002 年43 巻5 号 p. 301-305
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    日本で安全性審査未終了(平成14年6月現在)の遺伝子組換えジャガイモ(NewLeaf Y® potato; NL-Y)について,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた検知法を検討した.陽性対照プライマー対は,Potato sucrose synthase遺伝子を認識するものを用いた.ジャガイモウイルスYが感染した加工食品の検知において,擬陽性を避けるため特異的にNL-Yを検知するプライマー対を設計した.そのプライマー対を用いて 0.05% NL-Yが検知可能であった.加えて,NewLeaf,NewLeaf Plus (NL-P),NL-Yを検知するためのCryIIIA 遺伝子を認識するプライマー対とNL-P及びNL-Yを検知するためのp-FMV 領域を認識するプライマー対を設計した.確立したPCR検知法をジャガイモ加工品26検体に応用した.その結果,どの検体からもNL-Yは検知されなかった.
調査・資料
  • 田中 之雄, 田口 修三, 吉田 精作, 堀 伸二郎, 高垣 裕
    2002 年43 巻5 号 p. 306-311
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    被験動物用医薬品として22品目の抗生物質,27品目の合成抗菌剤,1品目の駆虫剤及び9品目のホルモン剤計59品目について,in vitro においてIgE抗体で感作したRBL-2H3細胞に抗原刺激を行い,顆粒内酵素β-ヘキソサミニダーゼの遊離を指標とする脱顆粒反応に対する応答を検討し,即時型アレルギー反応に及ぼす影響について調査した.その結果,β-ヘキソサミニダーゼの遊離を抑制させるものとして,抗生物質のクロルテトラサイクリン,ドキシサイクリン,モネンシンと合成抗菌剤のピリメタミン及びホルモン剤のテストステロンが見出された.その他の医薬品類は,抗原刺激による脱顆粒反応に対して影響を及ぼさなかった.しかし,ラサロシド,サリノマイシン及びヘキセストロールは,薬物自身による細胞障害作用に起因する酵素の遊離を亢進させた.
  • 天倉 吉章, 堤 智昭, 佐々木 久美子, 豊田 正武, 米谷 民雄
    2002 年43 巻5 号 p. 312-321
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    各種食品中のダイオキシン類分析における前処理法の検討として,硫酸処理法と多層シリカゲルカラムクロマトグラフ法の比較を行った.17種の食品について,常法(アセトン/ヘキサン抽出又はアルカリ分解・ヘキサン抽出)により抽出後,抽出溶液を硫酸処理又は多層シリカゲルカラム処理し,以下ガイドラインに従順した.高分解能GC/MSによりダイオキシン類濃度を測定した結果,両処理間で同様のGC/MS (SIM)クロマトパターンを示し,クリーンアップスパイクの添加回収率はガイドライン規定範囲内(40~120%)であった.また,得られた分析値は両処理間で有意な差はなく,両者の処理効率は同等であることが確認された.
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