食品衛生学雑誌
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44 巻 , 6 号
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総説
報文
  • 渡邉 敬浩, 笠間 菊子, 和久井 千世子, 渋谷 雅明, 松木 容彦, 穐山 浩, 米谷 民雄
    2003 年 44 巻 6 号 p. 281-288
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    遺伝子組換え(GM)食品定性検査方法を用いて得られる測定結果の信頼性確保には,精度管理が不可欠である.そこで当該検査方法を対象とした外部精度管理方法を検討することを目的とし試験を実施した.共通未知試料を同一時期に分析するよう14検査機関に依頼し,回収した報告を基に詳細な解析を行った.その結果,検査環境の保全が不十分であることが原因と考えられる擬陽性判定が認められた.また,NewLeaf PlusおよびNewLeaf Yを対象とした検査方法においては,増幅効率の差異や検出にかかわる諸条件が要因となり,擬陰性判定が下される可能性があることが示唆された.全体としてはおおむね解析結果が予想された結果に一致したこと,また対象検査法において結果に影響を与える要因について示唆することができたことから,本研究で用いられた試験方法が外部精度管理方法として適当であると考えられた.
  • 三輪 憲永, 西尾 智裕, 有田 世乃, 川森 文彦, 増田 高志, 秋山 眞人
    2003 年 44 巻 6 号 p. 289-293
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    腸炎ビブリオと Vibrio alginolyticus を接種した魚介類および自然汚染魚介類について,易熱性ヘモリシン遺伝子(tlh)を標的としたMPN-PCR法とアルカリペプトン水(APW)増菌およびTCBS培養の組合せによるMPN法(MPN-TCBS法) により腸炎ビブリオ菌数を測定した.MPN-TCBS法ではTCBS培地上に発育したV. alginolyticus などの影響により腸炎ビブリオの分離が困難となる例が見られた.一方MPN-PCR法は,腸炎ビブリオを分離する必要なくAPWからtlh 遺伝子を検出することが可能であったことから,魚介類,特に腸炎ビブリオ以外の菌が多数TCBS培地上に発育する検体では,MPN-TCBS法により腸炎ビブリオの菌数測定に適していると考えられた.
  • 天倉 吉章, 堤 智昭, 佐々木 久美子, 米谷 民雄
    2003 年 44 巻 6 号 p. 294-302
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    市販野菜中のダイオキシンレベルを評価するために,穀類,きのこ類を含む60種の各種市販生鮮野菜中のダイオキシン類〔ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCBs)〕分析を行った.その結果,各生鮮野菜試料の毒性等量(TEQ)は湿重量当たり<0.001~0.089 pg-TEQ/gで,モロヘイヤ(0.089 pg-TEQ/g),ほうれんそう(0.077 pg-TEQ/g),こまつな(0.074 pg-TEQ/g)といった緑葉野菜でダイオキシン類を検出する傾向が認められた.さらに市販冷凍野菜17検体についてもダイオキシンレベルを検討した.その結果,TEQ値は<0.001~0.080 pg-TEQ/gであった.また供試した市販野菜の各同族体分析の結果から,これらの総TEQ値におけるPCDD/F群の占有率は75%と大きく,個々の異性体では,1,2,3,7,8-PeCDD, 2,3,4,7,8-PeCDFおよび3,3',4,4',5-PeCB (#126)が全体の63%を占め,これらの影響が大きいことが明らかとなった.
  • 寺田 久屋, 田村 征男
    2003 年 44 巻 6 号 p. 303-309
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    ODSカラムと水系GPCカラムを組み合わせたカラムスイッチングHPLCを利用して加工食品中アクリルアミドを簡便に定量できる分析法を開発した.試料を水で抽出し,OASIS HLBカートリッジで精製後,カラムスイッチングHPLC装置に注入した.最初にODSカラムにより逆相分配モードで分離を行い,溶出したアクリルアミドフラクションをカラムスイッチング操作により水系GPCカラムに導入し,サイズ分離モードで再び分離してUV検出器により定量した.ポテトチップス,フライドポテト,コロッケおよび即席麺を用いて行った添加回収試験では回収率が93.1~101.5%,変動係数が1.5~5.2%であった.この方法を用いて市販食品を分析した結果,ポテトチップスから67~4,499 μg/kg,フライドポテトから125~1,183 μg/kg,コロッケからnd~255μg/kg,即席麺からnd~151 μg/kgのアクリルアミドを検出した.検出下限は10 μg/kgであった.
  • 井上 智子, 佐々木 さおり, 内川 誠二, 平原 嘉親, 塩見 幸博, 外海 泰秀
    2003 年 44 巻 6 号 p. 310-315
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    食品中のきょう雑物のためGC分析が困難な冷凍枝豆,とうもろこし,ほうれんそう,紅茶,ウーロン茶または緑茶を前処理した試験溶液に有機リン系農薬のクロルピリホスおよび有機塩素系農薬のα-BHC, β-BHC, γ-BHC, δ-BHC, p,p'-DDD, p,p'-DDE, o,p'-DDT, p,p'-DDT, アルドリンおよびディルドリンを0.01~0.125 μg/mL,エンドリンを0.02~0.25 μg/mL添加し,イオントラップ型GC/MS/MSで測定した.その結果,GC/MSのスキャン法やSIM法では食品マトリックスの影響によって正確に定性,定量できなかった上記農薬をいずれも高感度に測定することができた.また,各食品試験溶液にエンドリンが0.02 μg/mL,それ以外の農薬が0.01 μg/mLになるように添加したところ,61.2~138.3%が回収された.これらの結果から,GC/MS/MSは,食品マトリックスの妨害のためGC/MSでは検出が困難な低濃度の農薬の定性および定量に適していることが明らかになった.
  • 天倉 吉章, 堤 智昭, 佐々木 久美子, 米谷 民雄
    2003 年 44 巻 6 号 p. 316-320
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    日本国内で購入した各種ファーストフード〔ハンバーガー17検体,ホットドッグ2検体,フライドポテト6検体,チキン製品3検体〕中のダイオキシン類分析を行った.その結果,各試料の毒性等量(TEQ)は湿重量当たり0.001~0.083 pg-TEQ/g〔ハンバーガーおよびホットドッグ(0.006~0.053 pg-TEQ/g), フライドポテト(0.001~0.083 pg-TEQ/g), チキン製品(0.053~0.065 pg-TEQ/g)〕と低レベルであった.また各同族体分析の結果から,ハンバーガー,ホットドッグでは総TEQ値におけるCo-PCB群の占有が大きく,異性体では3,3',4,4',5-PeCB (#126)が全体の44%を占めた.フライドポテトではPCDD/F類が94%と占有が大きく,異性体では2,3,4,7,8-PeCDFが32%を占めた.チキン製品では3,3',4,4',5-PeCB (#126)および1,2,3,7,8-PeCDDがそれぞれ23%,21%を占めた.
  • 天倉 吉章, 堤 智昭, 佐々木 久美子, 米谷 民雄
    2003 年 44 巻 6 号 p. 321-327
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    緑葉野菜中のダイオキシン類〔ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCBs)〕分析における前処理法の改良を行い,また食品試料における多層シリカゲルカラムの充てん法の比較を行った.まずほうれんそうについて,アルミナカラムにより得られたモノオルトPCB類画分の精製を行った.本モノオルトPCB類画分は濃縮すると,不純物として少量の結晶様固形分がガラス壁に残った.これはGC/MS分析により,植物リーフワックス由来の長鎖炭化水素類であると同定した.この不純物を取り除くために,活性炭シリカゲルを使って検討したところ,ヘキサンで洗浄することにより効率的に除去できることを確認した.次に多層シリカゲルカラムの充てん法(湿式および乾式充てん)について,こまつな,サケ,バターを試料とし,比較検討を行った.両方法により調製されたカラムは,各試料において異性体レベルでほぼ同様の値および回収率を示した.
ノート
  • 杉本 直樹, 佐藤 恭子, 山崎 壮, 棚元 憲一
    2003 年 44 巻 6 号 p. 328-331
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    天然苦味料ジャマイカカッシア抽出物製品の主構成成分についてLC/MS,HPLCを用いて検討した.また,主有効成分クアシンを単離・精製し,その構造をMS,NMRにより確認した.さらに,得られたクアシンを標品として絶対検量線法により製品中のクアシンおよびネオクアシンの含有量を検討した結果,それぞれ21.4%および55.5%であることを明らかとした.また同時に,ジャマイカカッシアと同科植物であるニガキよりニガキ抽出物を調製し,ジャマイカカッシア抽出物製品と比較したところ,その成分組成が異なることを明らかとした.
  • 大野 浩之, 鈴木 昌子, 青山 大器, 三谷 一憲
    2003 年 44 巻 6 号 p. 332-336
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/01/21
    ジャーナル フリー
    内面塗装缶から溶出するエピクロルヒドリンの高感度分析法を検討し,実務分析上の問題点が多い現行法の改良を試みた.キャピラリーカラムを用いるGC-FIDおよびGC/MSの最適条件を見出し,基準値(0.5 μg/mL)以下を容易に精度良く測定する方法を確立した.それぞれの定量限界は0.05および0.02 μg/mL,添加回収率は99.9~104.5%と良好であった.本法により試験溶液の調製法を,缶に浸出用液を満たして静置する一般的な方法に変更することが可能となった.8種類の飲料および缶詰食品用空缶について本法を適用したところ,缶本体および天蓋のいずれにおいても定量限界値未満であった.
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